ボーン、ボーンと柱時計が深夜の刻を知らせる。  
へその下の方に何やら違和感のようなものを感じて、私はぼんやり目を覚ました。  
部屋の中は暗い。  
寝ぼけ眼で枕元の灯かりに手を伸ばした時、ふいに股間にひやっとした外気が当たるのを感じた。  
「え?」  
驚いて、真っ暗闇の中、体を起こそうとする。  
しかし、腿のあたりに何かずっしりと重しがあって起き上がれない。  
 
ぬるっ。  
 
急にいち物が外気から遮断され、生暖かい感触に包まれる。  
まだ意識もはっきり目覚めぬままに、いきなり訪れた快感。  
この感覚は、舌・・・?  
・・・これは夢だろうか?  
だとしたら欲求不満というやつだろうか?  
そういえば昨夜は抜いてなかった。  
いや、その前の日はどうだった・・・?  
そのうち考えは快感に飲み込まれ、意識は体中の血液とともに股間へと集中する。  
ちゅぷ。くぷっ。ぢゅぷ。  
いやらしい音が暗闇に響く。  
丁寧に舐め上げられ、先端を吸われ、また深く包まれる。  
「あ・・・ふ」  
思わず声が漏れる。  
もう、イキそう・・・。  
駆け上がってくる射精感。  
と。  
 
しゅるりという衣擦れの音が聞こえたかと思ったら、いきなり根元を何かで縛られる感覚!  
く、苦しい!  
出したい!出したい!出したい!  
慌てて身をよじり、灯かりをつけて周りを見渡す。  
 
「・・・・・倫!」  
 
何と、先ほどから私の股間で暗躍していたのは、まごう事なき実の妹!  
もはや私は、絶頂寸前での強制的なお預けと、このありえない現状にパニック状態。  
「な、な、何をして・・・」  
妹は私の問いなど聞こえていないかのように、最大に膨張した私のそれをそげしげと見つめている。  
私のいち物を緊縛しているのは、蝶々結びに縛られた倫の赤い帯紐。  
何を思ったか、妹は着物の裾をへそが見えるほど捲り上げた。  
そして、すでにテラテラと濡れ潤う自らの中心に・・・。  
「まさか・・・おやめなさい、ちょっと!」  
ずぶり!!  
止めるのも聞かず、妹は慣らしてもいない膣内に私を咥え込んだ。  
う・・・・柔らかい・・・。  
「あはぁ・・・!!」  
妹の甘い喘ぎ声は遠慮なく響いて私を慌てさせた。  
しかし、狭い・・・。あと一擦りでも射精してしまいそうな私のそれには、この快感は拷問に近い。  
「んン・・・お兄様の、熱いぃ・・・!」  
 
妹が少しずつ腰を揺らし始める。  
や、やめ・・・!  
「ん・・・あんっ・・・あぅんっ・・・はぁ・・・!」  
私の体を跨いで、ゆっくりと、そしてリズミカルに踊る妹。  
「はっ・・・ん・・・んん・・・気持ちいっ・・・!」  
何て破廉恥な!  
兄妹でこんな・・・!  
理性では常識的な事を考えるのに、体はとっくに限界を超えている。  
イキたい!イキたい!・・・イカせて下さい!!  
もう何も考えられない。  
妹の手が、私の手をとって、右手は着物の隙間から乳房へ、  
左手は私のいち物が咥え込まれている少し上にある突起へと導いた。  
愛撫、しろと・・・?  
私は促されるままに、必死で妹の体を弄った。  
思っていたよりも、ずっと官能的で、成熟した肌の感触。  
いやらしい・・・。  
「あはぁ!・・・んっ・・・おに、さまぁ・・・!い、い、いい・・・!」  
妹の声は淫らで妖艶だった。  
私の体に降るのは汗?それとも涙?  
私は我を忘れて下から妹を突き上げ、妹も狂ったように体を跳ねさせていた。  
溢れる愛液が太股を伝って膝まで到達している。  
「あんっ!あんっ!・・・も、もう・・・!」  
妹は限界が近いのか、がくがくと首を縦に振った。  
私ももう限界の限界・・・!  
最後に一際大きく、下から突き上げてやる。  
「っあああああ―――――!!!」  
妹の体が大きく後ろに仰け反り、同時に中の肉壁もきゅううと収縮し、私を強く締め付けた。  
その拍子に私の根元をきつく拘束していた紐が勢いよく解かれ、  
私のいち物は、絶頂の余韻にひくつく妹の中で、暴れまわるように精子を吐き出した。  
「んはああ・・・・」  
膣内射精の感覚に、妹はだらしない表情を灯かりに晒した。  
瞳は涙で濡れ、髪は汗で額や頬にへばりついている。  
口の端からは涎が糸を引いて垂れている。  
私もしばし背徳感を忘れ、恍惚と妹の痴態を眺めていた。  
 
「は・・・はぁ・・・はあ・・・」  
少しずつ、息が整っていくとともに、我に返って絶望が私を支配し始める。  
何という事だろうか・・・。  
これはつまり、妹に夜這い、強姦されたという事か?  
しかも途中からは私の方からも積極的に事に及んでいた・・・。  
聖職者にあるまじき行為!  
し、死んでしまいたい!!  
 
妹の体がゆっくりと私の胸に倒れてくる。  
まだ私のいち物は妹の中に納まったまま。  
「んん・・・おに、い、さまぁ・・・」  
妹はうっとりとした表情で私を見つめている。  
そして少し伸びをしたかと思うと、ちゅっと私の唇を掠め取った。  
かすかにアルコールの匂いが鼻に届いた。  
瞬間、ぬぷっと音を立てて、愛液と精子にまみれた私自身が妹の中から抜けた。  
妹の体がその感覚に震える。  
私は小さく息を吐くき、妹の髪をそっと指で梳いた。  
静かになった部屋に、時計の秒を刻む音がやけに大きく聞こえる。  
「倫、どうしてこんな事を・・・?」  
返事は返ってこない。  
そっと顔を覗き込むと、妹は既に静かに寝息を立てていた。  
何とわがままで奔放な妹だろう。  
しかし可愛い可愛いたった一人の妹。  
幸せそうな寝顔を見せられると弱い。  
酔っていたなら、今夜の事は忘れてやろう。  
この罪は私の胸にしまっておいて。  
私は妹とともに布団に入りなおすと、少し白んできた窓の外に背を向けて眠りに付いた。  
 

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