むずんぱ! 可符香の手が芽留の腕をしっかり掴んだ。
携帯を取り上げられた芽留は抗議の言葉を発することもできない。抗うことさえできず、可符香にされるが
ままとなってしまった。
「大丈夫よ。言葉以外にも心を通わせる方法はたくさんあるのよ」
心の奥まで見抜かされそうな可符香の視線にじっと見つめられ、もう蛇に睨まれた蛙同様、何もすることが
できなかった。
「じー」
可符香の瞳から催眠術に掛かったかのように視線をそらすことができない。
「わかった! こうして欲しいのね」
可符香の手が伸び、いきなり芽留の服の下に差し込まれる。
「こんな大胆なことを私にさせてくれるなんて、照れるなあ」
可符香は終始笑顔だったが、そこに一瞬、今まで見たこともない意地悪な笑みが浮かんだように芽留は感じた。