「はぁ…」  
きっちりと分けられた長髪を微かに揺らし木津千里はため息を吐いた。  
昨夜、宿直室で覗いてしまった教師の情事。  
覗くつもりはなかったただ教師にきちっとしてほしくて宿直室に婚姻届を渡しにきただけなのに…  
「はぁ…」  
再びため息を吐く。  
 
がたんっ  
不意に前の席で帰り支度をしていた少女が向き直り千里に問い掛ける  
「もしかして私、邪魔ですか?」  
「え、え?」  
少女は続ける  
「考え事をしている木津さんの視界に私ごときが入ってしまってすいません!すいません!」  
「え、あ」  
「私邪魔にならないように帰ります」  
「待って!」  
千里は少女の腕をつかみひきとめた  
「相談が、あるの」  
「え?」  
意外な一言に少女、加賀愛は少し驚いたものの、わたしでよければ、と相談にのることにした。  
 
「愛ちゃんはその…好きな人とかいる?」  
「え、えっと…」  
愛は狼狽する  
「愛ちゃん?」  
「木津さん、その、スイマセン」  
愛は焦っていた。気づかれてしまったのか、と。  
千里はただ「きっちりする以外に好きな人に想いを伝える方法」を相談したかったのだが愛の狼狽ぶりから一つの結論に行き着く  
「愛ちゃんまさか…」  
 
「すいません!わたしなんかが、その、糸色先生を好きになってしまって!」  
 
「そうなの…」  
また悩みの種が増えてしまった。  
愛ちゃんはひたすら謝り続けている。  
その姿に千里は苛立ちを覚えたが相談にのってくれた手前、怒るに怒れなかった。  
ふと、ある考えが千里によぎる、そして愛にこう切り出した。  
「愛ちゃん先生のこと好き?」  
愛は戸惑いながらも答える  
「はい」  
「Hしたいくらい?」  
愛の表情が固まるその発言自体にも驚いたが発言者があの千里というのが驚きの根幹だった。  
「あの、それはどういう…?」  
「私、こんな性格だけどいざとなったら踏み込めなくて…だからいつも暴走したふりをしてごまかしているの…」  
衝撃の事実…そんな事情があったとは。  
愛が驚愕する。  
「でもきっちりした性格はなおせないし、だから…」  
愛が息を呑む  
 
 
「二人一緒にきっちり先生と関係を持ちましょう!」  
 
 
「ええええーっ」  
正気なのだろうか?  
いやもう正気ではないのかもしれない。  
きっちり等分できないからといってショートケーキジュースを作ってしまう千里のことだからこの提案は暴走の域なのかも…そう思案していると千里が切なそうな顔をして呟いた。  
「一人じゃ…不安なの…」  
愛は理解した。  
確かに彼女は時に常軌を逸した行動をとってしまう時がある。  
それにより近づきがたいオーラも自然発生していたのだが、それは気恥ずかしさの裏返しなのである。  
しかしそれを続ける限りその悩みは解消されることはない…  
愛は決意を固めた  
「いいですよ…」  
「本当にいいの…?」  
千里が聞き返す。  
今まで見たことのないような表情で。  
「はい…」  
「ありがとう!愛ちゃん!!」  
「でも…」  
?  
「あなたのためだけにするんじゃないんだからね!」  
「愛ちゃん…」  
「誤解しないでよね!」  
愛が強い想いを持って千里に答える。  
「本当にありがとう」  
千里は小さな声でそう呟いた。  
 
 
次の瞬間教室のドアが開く  
「何か声が聞こえると思ったらあなた達でしたか下校時刻はとっくに過ぎてますよ」  
その男の名は糸色望。  
几帳面・粘着質少女と加害妄想少女の忘れられぬ一夜がはじまろうとしていた。  
 
 
あっという間だった。  
千里により望はロープで縛り上げられ身動きの取れない状態になっていた。  
「これは何の冗談ですかあぁぁぁ!」  
「冗談じゃないですよ」  
千里が冷静に答える。  
「絶望した!首吊り用のロープで身体を縛られるなんて用途以外の使用法に絶望した!」  
「先生」  
千里が話し掛ける。  
その身体は心なしか震えている。  
「は、はい…」  
「いまから先生を襲います」  
「え?」  
「すいません!先生襲われてください」  
「加賀さんまで!ダメですよ私たちは教師と…」  
「常月さん、小森さん…」  
!!  
二人の名前を出されると望は硬直した。  
「木津さん…まさか…」  
「そういうことです私にもきっちりとお願いします」  
一連のやり取りは愛にはよくわからなかったが千里の震える身体に気づくとそっと手をそえ、「大丈夫です。私もいますよ」と囁く。  
千里が小声で返す。  
「ありがとう愛ちゃん」身体の震えは止まっていた。身動きの取れない望から絶棒がむき出しになる。  
まじまじとそれを見つめる千里と愛。  
そして…絶棒を勃たたせるために二人は愛撫をはじめる事にした。  
服を脱ぎ一糸纏わぬ姿になる二人、若く瑞々しい身体か望に密着する。  
それだけで絶棒は膨張をはじめていた…  
 
『ん…ふぅ…っ』  
千里の唇が触れる。  
その真下では愛が望の肌に小さくキスをしている  
『ちゅ…っちゅっ』  
昨日の今日であったが望の身体はそのたどたどしい愛撫に素直に反応した  
「あ…」  
千里が呟くと同時に大きく屈む  
「んぁ…」  
そしてそのまま絶棒をくわえこんだ。  
『んぐ、ぅん、んぐぅう』千里の口内で絶棒が湿っていく。  
「くぅ…んむ!?」  
快感に身を委ねると不意に口を塞がれた。  
同時に舌が入ってくる。愛である。温かい舌の愛撫に身を任せる望はもうどうにでもなれ、と思っていた。  
絶棒は勢い良くそそり立っていた。  
そしてそれに千里が自分の秘所を当てがった「先生、多少強引ですが…よろしくお願いします」  
ぐっと力を込める。  
「木津さん、彼女達にも言いましたが私はあなた達の想いには答えられません、それでもいいんですか…?」  
千里の動きが止まる。  
「かまいません。ただこれだけは伝えさせてください。あのことは偶然だったかもしれない…だけど…私、先生が好きです…」  
「木津さん…」  
「そしてこの娘も…」  
「先生…」  
「加賀さん…」  
望は複雑な気持ちになった。恥の多い人生を送ってきた私に何故これほどまでの好意をよせてくれるのか、しかしその想いは紛れもなく本物である。そしてこの純粋な想いには答えなければいけないのだろう。  
 
『ぐぐっ…』  
「あはぁ…っ」  
千里が腰を沈めていく。  
その時だった。  
千里の足がバランスを崩し、くの字に折れる。  
その反動で一気に奥まで貫かれる千里。  
『ずぷぅっ…ぶち、ぷち、ぶちぃっ!』  
「あぐ、きゃぁあぁぁーーー」  
 
絶叫。  
 
千里の身体が大きく仰け反る  
「木津さん!」  
望は急いで絶棒を引きぬこうとする。  
しかし千里の手がそれを拒んだ。  
「抜か…ない…で」  
「しかし!」  
「こ…んな痛み、今まで…私が先…生やみんなにしてきた事に比べれば…なんてことない」  
千里の口調か強まる。  
「先生…お願い…します」  
望は静かに頷いた。  
痛みが引いてきた千里はゆっくりと動きだす。  
『じゅぶっ、じゅっ』  
「先…生気持ちい…い?」「ええ、とっても」  
「ホワイト…ライじゃ」  
「ありませんよ。本心です」  
「嬉…しい」  
今にも泣きだしそうな笑顔の千里。  
その表情に望は興奮を覚える。  
「木津さんっ!」  
「先生、私、もう、あっ、あっ」  
千里も初めてながら絶頂に向かいはじめていた。  
『ずん、ずんっ、ずん』  
「先生、せんせぃ…あっ、ああああああああーっ」  
木津は絶頂に達した。  
望はなんとか耐え切っていた。  
「さすがに中はまずいですからね…」  
ほぼ気絶状態の千里から絶棒を引きぬき千里を抱き抱える。  
 
 
「ふう」  
千里を抱え一息吐く望。  
「おぅっ」  
突然絶棒に生温かい感触が感じられた。  
「加賀さん?」  
「んむぅ」  
望が達していないのを感じ取ったのか口での奉仕をはじめたのである。  
『じゅっ、ちろっ、れろろっ、ぺちゃ』  
初々しいフェラであったが優しさを感じることができた。  
「…本来こういう状況で生徒に言う言葉ではないのですがありがとうごさいます加賀さん」  
愛は絶棒をくわえたまま何かを訴えてはじめた。  
『ふぇ、ふぇつにふぇんふぇいの、ふぁめぷぁんふぁにゃ、ふぁいんふぁふぁふぁね!』  
「うぉう!」  
何を伝えようとしたのかはわからないがその舌の絶妙な動きが望の絶棒を刺激した。  
「うっ!」  
愛の口内に精液が思い切り注ぎ込まれた。  
 
「はぁ…はぁ…」  
「すいません加賀さん」  
「いえ、私こそ…」  
加賀の加害妄想が発動しようとしたその時。  
コツ…コツ…  
廊下の方から誰かの歩いてくる音が聞こえきた。  
「え!」  
「まだ校内に誰かいるんですか?」  
狼狽する望と愛。  
「逃げるわよ愛ちゃん!」  
いつのまにか復活していた千里が愛の手を掴む  
「え、でも、制服…」  
「あとから取りにくればいいから早く下着つけて!」  
いそいそと下着をつけ二人で先生の羽織を羽織る。  
「先生!羽織をお借りしますっ、宿直室までダッシュよ、愛ちゃん!」  
「は、はいっ!」  
「ちょっと!」  
焦る望を置いて二人は一目散に逃げていった。  
 
 
「だれかいるのー?」  
教室外のドアから顔を出したのは奈美だった。  
「ひ、日塔さん」  
「あ、先生何やっ…て…」  
椅子に縛られ上半身裸の上、絶棒丸出しの担任教師。  
フロアにはみたことのない液体が付着し、止めとばかりに教師の周りに散乱する女子生徒の制服。  
「ひ、日塔さんこれはですね…」  
青ざめた奈美が絶叫する  
「せ、先生の…変態ーーーーーっ!」  
奈美はもの凄い速さで逃げていった。  
「違うんですーーーーっ」  
望は叫んだ、そして大きく息を吸い込む。  
 
 
「絶望した!明日は教壇には立てないであろう我が身に絶望した!」  
 
 
 
THE END…?  
 
 
 

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