むかーしむかしあるところに、一人不憫な少女がいました。
彼女の名前はツンデレラ。・・・出オチじゃないですよ!!
可哀想なことにこの少女は、幼い頃に両親と死別し、
それからいくつもの親戚やその友人のもとをたらい回しにされて、
今はもう縁もゆかりもない家に貰われているのでした。
そのせいか、彼女はいつも他人に危害を与えてないか、
気になって仕方がない加害妄想体質になってしまいました。
この割と大きなお屋敷の主は意地悪な継母です。
ツンデレラをいつもこき使います。
家には他に血のつながらない姉たちが二人いましたが、
二人とも継母のように意地悪でした。
三人はいつもツンデレラを奴隷のように扱うのでした。
継「ツンデレラ?」
ツ「ハイお母様、何でしょうか」
継「あなた、さっき玄関の掃除したのよねえ?」
ツ「ハイ、・・・もしかしてなにかご迷惑でし」
継「ああ、もう!!そうじゃないわよ!!ただ魔除けの壺の向きがいつもより西に0.8度傾いてたわよ。
ああいったものはきっちりしないと効果がないの。私たちを病気にでもさせたいの!?」
ツ「あああすいませんすいません!!ご迷惑をおかけしてすいませんん!!!」
継「・・・気をつけてよね。」
ツ「すいませんすいませんすいません・・・」
ツンデレラは、真ん中分けの継母がそこからいなくなっても謝り続けるのでした。
「(何かいびった気がしないなあ・・・)」
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姉1「ツンデレラ!」
ツ「ハイお姉様!何でしょうか」
姉1「後で私のしっぽコレクションのお掃除頼めるかしら?」
ツ「はい、分かりました。私なんかでよければ」
姉1「濡れた雑巾で拭いた後、から拭きでしっかり乾かすのよ?今日中にね?」
ツ「ハイ、わかりました」
姉1「ちなみに・・・」
ツ「・・・?」
姉1「私のコレクションは108まであるぞ」
ツ「・・・分かりました」
姉1「じゃあね、よろしく!」
ツ「(今晩は眠れないかも・・・)」
そこへ、次女のカエレッタもやって来ました。なにやらご立腹です。
カ「ツンデレラ!!」
ツ「はいい!!お姉様、何でしょう!?」
カ「何でしょうじゃないわよ!私のお気に入りの、愛しき王子のお写真を、ポケットに入れたまま洗濯したわね!!
おかげで見て!!コレ!!!ぼろぼろじゃない!!!!」
カエレッタは右手にクシャクシャの、紙ともゴミとも分からないようなものを掴んで、
それをツンデレラに投げつけるのでした。
それを見たツンデレラは青ざめます。
ツ「あああああすいませんん!!私のせいで大事なお写真が!!」
カ「ホントよ!どうしてくれるのよ!」
姉1「・・・(入れといたままの貴方がわるいんじゃ・・・)」
ツ「すいませんすいません!!」
カ「謝りゃいいってもんじゃないのよ!!お母様に訴えてやる!!」
ツ「すいませんすいませんすいません!!!」
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姉1「ねえカエレ?」
カ「なあにい、アビィ?」
ア「・・・ちゃんと'お姉様'って呼びなさいっていつも言ってるでしょう?」
カ「イイじゃない二人っきりの時くらい。誰かいるなら‘オネエサマ’って呼ぶけど」
ア「そう・・・」
カ「それより何?」
ア「ああ、ただ貴方、あの王子様のお写真いいの?ボロボロになっちゃったけど?」
カ「ああ、あれ・・・フフッ」
ここでカエレッタが実に意地悪そうに微笑んだ。
カ「いいのよ別に、あれ、わざとだもの。あのお写真いつも持ち歩いてたらあちこち破けちゃって。
だから自分で細かく破いて、濡らしたの。ああして、お母様に訴えれば、
ツンデレラはいたぶれるし、新しいお写真も手に入ると思ってね。」
ア「そう・・・(そんなことだろうと思ったけど)・・・クスッ、恐ろしい子」
カ「ウフッ、AHAHAHAHA・・・」
二人の笑い声が響く部屋の扉には、せめてもの罪滅ぼしとして、
クシャクシャの紙を集めて、乾かして、別の紙に貼り付けて、
キレイに修復された王子様の写真を持つツンデレラがもたれ掛かっていた。
王子様の顔がハッキリと分かるくらい、見事な修復だったが、
それを成した者の顔は、くしゃくしゃになっていた・・・。
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ある日、お城では舞踏会が開かれました。ツンデレラの家も招待を受けましたが、
ツンデレラはドレスはおろか、まともに人前に出られるような服を一つも持ってはいませんでした。
靴も与えられてはおらず、まして装飾品など・・・。
ですから、彼女はお留守番。お城へ向かう継母たちをお見送りします。
継「じゃあ、ツンデレラ。私たちが留守の間、お掃除きっちり頼むわね。」
ア「ラインバックのご飯、忘れないでね」
カ「サボるんじゃないわよー、キャハハ」
ツ「ハイ、ハイ、ハイ、行ってらっしゃいまし・・・・・・・・・・・・・はあ」
三人を乗せた馬車が、一人の影を残してガタゴトと走り出した。
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ア「クスッ・・・ゴキゲンね」
カ「そりゃあそうよ。今日の舞踏会はいつもと違うのよ。何たってあの王子様が、
国中の女たちを集めて、嫁探ししようってんだから。テンション上げなきゃ!」
ア「その噂本気で信じてるの・・・?」
カ「何よその目は。この噂が嘘だろうと、今日の舞踏会は大変なことになるわ。
どの女の子も、王子様に言い寄っていくに決まってるんだから。戦場よ!」
ア「まあ・・・貴方の言うことも一理あるわねえ」
カ「でしょう!!こうなったら私のフェロモンで王子様をイチコロにしてやるんだから。
そうすれば私は、この国のお后様!!」
継「フフ、頑張ってね。」
ア「(王子様が好きってワケじゃないのね・・・)」
カ「・・なんで無言なのよ、お姉様。イイトコもっていかないでよね」
ア「はいはい・・・」
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家に一人残ったツンデレラは、継母の言うとおり、お屋敷の隅々まできっちりお掃除しました。
長女の言いつけもきっちり守って、庭にペットの虎のラインバックにエサをあげに行きます。
虎をペットにしているだなんて、アラジンのお姫様とここぐらいでしょうか。
ラインバックのエサは、ツンデレラの日々の食事より高級そうです。
ラインバックはこれ見よがしに美味しそうにかぶりつきます。
ツ「ふふっ、おいしいですか?よかったです」
ラインバックは嬉しそうにのどを鳴らしました。
そんな虎の可愛らしい姿に癒されながら、ツンデレラは胸元のポケットから紙を取り出います。
それは、今舞踏会に出席されているであろう王子様の写真でした。
カエレッタに投げつけられたボロボロの紙くずを、きっちり修復したものでしたが、
彼女に返すことが出来ずにいた。それからは、ツンデレラの宝物になっていました。
ツ「あああ・・・、私のような者がねこばばしてしまうだなんて・・・でも・・・」
写真の王子様は、ほっそりとして、育ちの良さそうな顔立ち。色白で、品のいい口元と、綺麗な目をお持ちです。
ツンデレラの心の中に初めて、ワガママな、この写真を自分の物にしたいという、確固たる強いキモチがありました。
そしていつしかこんな風に思うようになりました・・・。
ツ「このお方に、お会いしたい・・・。」
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大陽がもう沈んでしまった頃、ツンデレラはまだラインバックと共に庭にいました。
ツ「ああ、でもできませんよね。私みたいな者が舞踏会にいこうだなんて、王子様にお会いしようだなんて、
迷惑ですよね・・・。迷惑ですよ・・・・・・。」
さっきからずっとこうして自分に言い聞かせるようにして、ブツブツと独り言を言う。
しかしいつまでも、心の中の新しい気持ちを、消し去ることが出来ませんでした。
ツ「だめえ!!!何時までたっても、衝動が抑えられないいい!!!!」
ツンデレラはとうとう真っ青になって、狂ったように叫びだした・・・!
ツ「このままでは数多くの方にご迷惑をおかけしますから・・・。・・私はもう、死ぬしかないでしょう・・・・・・。」
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お屋敷の庭は裏手の森の方につながっている。
食後に気持ちよさげに寝ころぶラインバックを横目に、ツンデレラは森の方にゆっくりと歩き出した。
ツ「この気持ち、押さえられない・・・。このままじゃあ多大の方にご迷惑おかけしますから・・・。」
ツンデレラは裸足のままで森の中に入っていった。
森の中は暗鬱としていて、枝葉は僅かな月の光さえすくい取っていた。
ツ「ううう・・・暗い。それに、死ぬんだったらロープの一つでも持ってくるんだった・・・。」
暗い森の中をずいぶん進んで、彼女は心身共にボロボロになっていた。
ツ「どこかに死ねる場所はないかしら・・・。?ん?あれは・・・」
ツンデレラの目線の先には、闇の中で輝く光が見えた。しかしそれは家屋からの光とかではなく、
逆光でハッキリしないが、人影のような物が見えた。
ツンデレラはいつの間にか走り出していた。暗い中、激しく憔悴した状態で、誰でもいいからそばにいて欲しかった。
あの人にロープを借りよう。あの人に殺して貰おう。そう考えて走っていた。
ツ「あのッ!!」
謎の人影はゆっくりとこちらを向いた。それはマントに身をくるんだ若い女性だった。
くりくりっとした瞳と、ポニーテールが印象的だ。
手に持っていたのは、てっきり松明だと思っていたが、何か杖のような棒の先端が光っていた。
そんな彼女の出で立ちにツンデレラは二の次を継げない。
ツ「あ・・あの・・・」
謎「?・・・」
困ったような顔をしたツンデレラに、謎の女性が優しく微笑みかける。
謎「どうしたんですか?」
その一言に、ツンデレラは救われた気がした。心に出来ていた隙間を、彼女に埋められていくような感覚。
ツンデレラは無意識に、彼女に泣きつき、事のイッサイガッサイを話していた。
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謎「はいはい、辛かったですねえ」
すべてを話し終えて、未だ泣きじゃくるツンデレラを、自分の子供のように抱きしめてあやす。
謎「じゃあツンデレラ、あたしが何とかしてあげるわ」
ツ「・・?」
謎「自己紹介がまだだったわねえ。私オーク・サー・マナミ。マナミでいいわ」
ツ「はあ、マナミさん、ですか・・・。」
マ「そう、それでね、私、奥様で魔女なの」
ツ「はあ、奥様で、魔女・・・。えええっ!!いけませんよ!!
他人にそんなこと言っちゃあ!!魔女狩りにあいますって!!」
マ「魔女狩りて・・・、時代設定どうなってるのよ・・・」
ツ「それは、‘むかーしむかしのあるところ’ですから・・・」
マ「・・・まあいいわ。大事なのは私が魔女だって事。今から貴方にぴったりの洋服をそろえたげる・・・。
このステッキでね!」
取り出したるは、先ほどから光っているただの棒。光っていること以外は、とりとめのないただの棒。
ツンデレラはリアクションに困っていた。
マ「ああ〜、その顔は信じてないわねえ」
ツ「ええっ、すっすいません。・・・でも、そうじゃなくてあの、何でそんな良くしてくれるのかなあって・・・?」
マ「ああ、それわね、あなたが本当にいい人なのを、私が知っているからよ!」
ツ「わ、私が・・・?そんな、とんでもありません!!私なんて生きt」
マ「さあ目をつぶって!いくわよ〜、え〜いビビッテバビッテヒデブ!!」
ツンデレラをいっこうに無視し、マナミのあやしい呪文とともに、ツンデレラの衣服が光って消えた。
近年削除、変更されそうな、魔法少女モノにありがちな変身である。
あっという間にツンデレラは、いっぱしのお姫様になっていた。
マ「まあ!ツンデレラ!素敵!とっても素敵よ!!」
ツ「わあ、すごい!本当にスゴイです!!」
マ「あなた、これから愛リーンって名乗ったらいいわ!」
ツ「アイリーン?何ですかそれ?」
ツ「・・・そうよね誰も「シンデレラ」(1950年2月15日、ディズニー、アイリーン・ウッズ主演)
なんて知らないわよね・・・分からないネタで御免なさい・・」
ツ「そ、そんなことないですよ!」
マ「・・ありがとう。
ところで一つだけ条件があるの。というのはね、時間制限。十二時の鐘と共に、この魔法は解けてしまうわ」
ツ「ええっ!・・・でも、仕方ありませんよね・・・」
マ「御免なさいね、それからがお楽しみなのに・・・」
ツ「とんでもございません!!それより私なんかがそんなことを不躾と抜かしてしまってすいません!!」
マ「いや・・・言い過ぎだから」
ツ「いいえ!!そもそも私なんかが王子様に会おうだなんて事が・・・」
マ「いいから、謝らないでーっ!!」
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ツンデレラはなぜだか立派な服装になってよりいっそうおどおどしている気がする。
マ「何か頼りないわねえ・・・。まりあーっ!」
マナミがステッキの光でMARIAと書くと、そこから可愛らしい、いかにもな妖精が現れた。
ツ「え、ええっ!?」
マ「紹介するね、まりあよ。妖精だから、貴方以外の魂のステージの低い人には見えないし聞こえないわ。」
ま「ヨロシク。アナタハダレ?」
ツ「ツ・・・ツンデレラよ。まりあちゃん」
ま「ワカッタ。ツンデレだネ」
マ「ツンデレ‘ラ’よ、まりあ」
ま「ツンデレーラ?」
マ「・・・なんだか逆に不安になってきた・・・。でももう時間がないわ。急いでお城に行かなきゃ!
・・・って、その格好じゃあ走れないか・・・うん?」
真奈美の目には草藪を揺らしている影が見えた。
マ「・・ツンデレラ・・・落ち着いて聞いてね・・・」
ツ「はい、何でしょうか・・・」
マ「虎がいるわ。」
ツ「へ?」
マ「今から捕まえるからジッとしててっんね!!」
そう言うとおもむろにステッキを振りかざし、影を浮き上がらせる。それは・・・
ツ「ラインバック!!どうしてここへ!?」
マ「へ・・・?」
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マ「そう、きっと貴方のことを心配してくれたのね。いい子じゃない」
マナミの呪縛から解き放たれたラインバックだったが、その後も実におとなしく、まるで猫のようだ。
マ「!ちょうどいいわ!貴方、ツンデレラを助けてあげて!」
ツ&ラ「?」
マ「ツンデレラをお城まで送ってあげて欲しいの!お願い!」
ラインバックは唸って答えた。
マ「ありがと〜。コレも貴方の人徳(?)のお陰だわ。じゃあ早速、ビビンババピンパフーっ!!」
あっという間にラインバックはLamborghini Murcielago(ランボルギーニ・ムルシエアゴ)になってしまいました。
ツ「って、スポーツカーだなんて、時代設定どうなってるんですか!!?」
マ「時代設定?‘むかーしむかしのあるところ’、でしょ?」
ラインバックが楽しそうに轟音をあげた。マナミもとびきりの笑顔で言います。
マ「さあ、ツンデレラ、まりあも、早く乗って!それからラインバック、後は頼んだよ。
貴方だけが頼りなんだからね」
運転席にツンデレラが乗り込み、その肩にまりあがちょこんと座る。ラインバックはいつでも発進できる。
ツ「あの、本当にありがとうございました!!なんとお礼を言ったらいいのか・・・。こんな私に・・・」
マ「いいからいいから!お礼を言うのはこっちの方なんだから!それよりあなたはもっと自信を持ちなさい!」
ツ「本当にありがとう!!じゃあ私、行ってきます!!!!」
ラインバックが狭い森の中を器用に走り去った・・・。
マ「・・・ふう、あ〜あ、山菜採りに来たのに、すっかり遅くなっちゃいました。早く帰らないとっと」
一人の女性は、魔法のようなモノか、消え去ってしまった。
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お城では今までにないくらいの派手な舞踏会が開かれていました。
その様子に、若い女性たちはピリピリムード。お目当ての王子様の姿はまだ見えません。
カ「ほらお姉様、ご覧くださって。今日が王子様の婿選びの日だってみんな解っているわ。
そんなにのんきに構えているの、お姉様くらいよ」
ア「そう、でもそんなにたくさんお皿を構えているのも、貴方くらいよ」
カエレッタの前には、見事なまでの宮廷料理がたくさん乗った皿がありました。
カ「う・・・、だって美味しいんだもの。食べないとモッタイナイじゃない。日本人合理性に欠けてるよ」
継「いいけど、ほどほどにね。王子様が来たら、走ってでも捕まえなきゃダメよ。」
カ「ハイお母様」
ア「・・・」
継「あら、アビィさん。どうしたの?」
ア「ハイお母様。私王子に興味ありませんの」
継&カ「!!!」
継「まあ!なんということを!・・でも、どうしてなの!?」
ア「だってまだ・・・・・・、フラグたってないもの」
継&カ「はぁ?」
カ「・・・よくわかんないけど、後出ししたって遅いんだからね」
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そのとき、三人から一番遠い扉の方から、大きな歓声が上がったのです。
継「王子だわ!いつもはこちらの方からいらっしゃるのに・・・」
カ「言ってる場合じゃないわお母様、行ってきます!!」
そう言い残し、カエレッタは一人で飛び出していった。
継「私たちも行くのよ!可能性は一人でも多い方がいいんだから!!」
継母は長女の腕を掴んで強引に後を追いかけます。軽く痛みを覚えました。
ア「(可能性というのはどういう事だろうか・・・。いや、既に解っていることを解らないフリして考えるのはよそう・・。)」
軽く痺れを感じました。痺れは痛みより涙を誘うものでした・・・。
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