トン トン トン  
 
一定のリズムが台所から奏でられる。  
糸色 望はその音の演奏者の方に目を向けた。  
 
 
ここ数日、期末考査の採点やらで休みがほとんど取れず忙しい日々を送っていた。  
 
今日やっといつもの慌ただしい日常に戻り、夕方宿直室へ帰ろうとした時だ。  
 
「今日は私が夕食を作ってあげます」  
 
愛しい恋人からの申し出。有無を言わせないその口調に逆らえるはずがなかった。  
 
 
望の恋人こと風浦 可符香は、手際よく何かを切っている。  
 
 
制服にエプロン。  
短いスカートから伸びる、しなやかでほっそりとした足。  
 
 
この状況に興奮していないといったら、もちろん嘘になる。  
現に望は、心の底に渦巻くやましい感情を必死に抑えていた。  
 
 
今すぐに後ろから抱きしめて、足を、太股を撫で上げたい---。  
 
…ってだめです!!不純です!!不純すぎます!!  
いくら恋人同士だからといってコレは…  
 
 
しかし、望の目線は可符香から離れてくれなかった。  
 
もう何日交わっていないのだろう。  
さっきから望の男は主張を始めている。  
 
このままでは夕食どころではない。  
 
仕方ありませんね。  
 
望はゆっくりと立ち上がった。今日は自分の気持ち、いや欲望に素直になることにしよう。  
 
自制心なんて呆気ないものだ。  
望の頭は可符香をどう調理するかでいっぱいだった。  
 
 
なるべく自然に近づき、やわらかな太股を軽く撫で上げる。  
 
「ひゃっ!?」  
 
相当びっくりしたらしく、後ろを向く可符香の柔らかな唇を奪う。  
 
「んふっ…ん…ンンゥ…」  
 
唇を柔らかく吸い、歯列から舌を滑り込ませる。  
上あごをくすぐり、逃げようとする小さな舌を絡めとり、吸い付く。  
可符香の頬が薄く染まり、目がだんだんと潤んでゆく。  
 
「…っふ」  
 
塞いでいた唇を僅かにずらすと可符香は喘ぐように息を吸った。  
 
口内を貪りながら望の右手は制服のなかへ、するりと潜り込みホックも外さず乳首をこね回す。  
 
「ンンゥッ!」  
 
 
唇を外すと、二人の荒い吐息が部屋を満たした。  
 
「ふぁっ…はぁ……先生っ!せっかく…ぁ…りょうり…作ってたのに…ンッ」  
 
 
「すみません…。けど、私はあなたを料理してみたくなったんですよ」  
 
柔らかい乳房を揉みしだきながら、望は可符香の耳たぶを甘噛みする。  
 
「んッ!!」  
 
弱点を責められたせいか、可符香の体が震え、望に全身を預けてくる。  
自己主張し始めた乳首をコリコリと挟みこねてやれば、震える瞳。  
体中にキスを降らせてやれば乱れる吐息。  
望の分身がまた熱くなった。  
 
「可符香さん…。縁に手をついてください」  
 
 
素直に手をつき、望に尻を突き出す体勢になる。  
望はスカートをまくし上げ、白のショーツをずり下げた。微かに震える体、ショーツから銀色の糸がひいた。  
 
「ここ…こんなにヌルヌルしてますよ」  
 
中指を柔らかな肉盛に沈み込ませる。  
 
「…っ!!あぅ…ヤァッ」  
 
割れ目を何回かなぞったあと、つぷっと導かれるように長い指が熱い中に入る。  
ゆっくり中を往復させると、太股にとろりと蜜が流れた。  
 
「あっ…あっ」  
 
じれったそうに可符香の腰が揺れる。  
 
ヒクつく入り口、もっと刺激が欲しいのに望はゆっくりと往復を繰り返すだけだ。  
 
「どうしました?可符香さん」  
 
 
くやしい…いつもは私が先生をからかっているのに…  
 
可符香の意思を無視して、体は望を求めている。  
中が疼いた。  
 
欲しい…先生が…欲しい…  
 
悔しさも、羞恥心も目の前の快感にねじ伏せられてしまった。  
可符香は少し振り返って望を見た。  
絶え間なく紡がれる熱い吐息。小さな口から時折見える真っ赤に熟した舌。  
今にも泣きそうな顔。  
 
 
誰も知らない、自分だけの可符香の女の部分。  
 
「せん…せ…ぁぅ…きて…くださいっ…ん…せんせいの…あついの…わたしの…っ」  
 
言葉が最後まで紡がれる前に、望の怒張が可符香を貫いた。  
 
「アアアアァァァッ!!」  
 
ズチュッ、ズチュッと怒張が熱い蜜壺を奥まで貫いている。  
 
 
揺さ振られる度に、可符香の乳房がふるふると揺れた。導かれるようにてっぺんを摘んでやると、嬌声が高くなる。  
 
 
「あんっ!あっあっ…アゥゥ!…ンゥッ!」  
 
 
身長差もあり、可符香の快感に溺れた顔が望を煽る。  
 
ズンズンと奥まで貫くと、可符可の背が反りかえる。襞がヒクヒクと望を責め立てた。  
 
「ウンッ!」  
 
腰をさらに高く持ち上げ、乱暴ともいえる強さで中を擦る。限界が近いのか、蜜口がキュッとすぼまり、望の幹を握りしめる。  
 
「あっあっあっ…あぅっ…!先生ッ私…もうッ…アァッ!」  
 
片手で肉芽を押し潰し、怒張をぎりぎりまで引抜いて、おもいっきり貫く。  
 
「ああああああぁぁぁぁッッ!!」  
 
「ッ…カフカッ…!!」  
「いやぁぁっ!!あん!!あんっ!!あぅぅッ!もぅっあぁあああぁぁぁぁ」  
 
達したばかりの窒がぎゅうぎゅうと望を締め付ける。  
「っ!!」  
 
 
望は自身を引き抜いて、白濁した液を可符香に吐き出した。  
 
 
「先生のせいですよ!」  
 
 
結局第二ラウンドまでやってしまった。  
これは夕食と言うよりむしろ夜食だ。  
 
 
生のにんじんとマヨネーズ、それにご飯。  
 
 
可符香が作るつもりだったカレーライスの一部だ。  
 
「…それにしても、びっくりしました」  
 
にんじんを箸で挟んで可符香が言う。  
 
 
「何がです?」  
 
「先生はまだ、枯れていなかったんですね」  
 
「あ…当たり前です!!辛うじてまだ現役ですよ!!」  
 
 
クスクスと笑う可符香。  
 
その表情があまりに無邪気で、ついつい見とれてしまう。  
 
 
「今度は、ちゃんとしたものを作りますね」  
 
「はい。楽しみにしています」  
 
 
穏やかな時間が流れていく。  
 
 
普段は絶望ばかりしているが、今この時、望は胸を張って幸せだといえる。  
 
明日は土曜日。  
また、ゆっくりと、時に速く時間は流れていくのだろう。  
 
そんな時間を彼女と過ごせたらと望は思う。  
 
 
空には星が、きらきらと輝いていた。  
 

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