「逸脱するのは三次元だけにしときな!」  
 
謎の覆面漢がそういうと殴り飛ばされた変態は涙を流しながら逃げていった。  
 
「やれやれ、最近は妄想と現実の区別がつかなくなってる奴が増えていて困る」  
そう呟くと助けた少女達の方を見向きもせず走り去ろうとする。  
 
「待ッテ!」  
がしっ、と褐色の細腕が覆面漢の肩を掴む。  
振り向くとマリアが満面の笑みで  
「よくワカラナイケド、お前、マリア達助けてくれタ。スゴくイイ人」  
「お…お嬢さん、い、いや、お礼を言われるような事ではないよ」  
「ウウン、親切な人にはお礼をきちんと言いなさいッテ、カフカがいってた。アリガトウ」  
 
マリアの純粋な笑顔に一瞬惚れっとしかけた漢であったが、無言で二人に背を向け走り去っていった。  
 
「日本人ニハ色ンナ人がいるねー」  
芽留に笑顔で話しかけるマリア。  
芽留は呆れた表情で携帯に文字を打ちこむ。  
[どっちもありえねーよ]  
 

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