今日は10月31日、西洋でゆうハロウィンである。日本でも、その文化はやや間違った感じで伝わっている。  
糸色交も漏れることなく町内のパーティに、嬉しそうに宿直室から出ていった。  
そして、ここに残された男女が二人。  
望:おや、交はどうしたんですか?  
霧:ハロウィン・パーティに行ってくるって・・・。  
望:そうですか、ハロウィン・・・。  
霧:うん・・・。  
望:・・・(き、気まずいぃ・・・。)  
 
ここ最近、二人っきりになった事はなかった。望が逃げていたのだ。オンエアされないバトルに巻きこんで、  
迷惑になっているという負い目が、そうさせていた。  
 
望:・・・、ハ、ハロウィンって言えば、アレですよねえ“トリック オア トリート”ってゆう・・・。  
霧:うん、そういってお菓子をもらって廻るんだよ。  
望:そうですよね、でも・・・。  
霧:?  
望:お菓子がない家に行ってしまったらどうするんでしょう?  
霧:へ?・・・お菓子って、別にリンゴとかでもいいんだよ・・・。  
望:それさえなければ?それさえないような貧しい家庭に、貴方はいたずら出来ますか!?  
霧:・・・(私は、引きこもりだから)出来ないです・・・。  
望:でしょう!!むしろこちらがお菓子でも何でも与えるべきだというのに、なのに、ああ、絶望した!!  
全然ハッピーじゃないハッピー・ハロウィーンに絶望した!!  
 
糸色望の絶望回路がショート寸前なまでにフル回転である。そんな望を見て霧はうんざりしていた。  
せっかく二人っきりなのに、先生は振り向いてくれない。ここでしか会えないのに、今しか二人になれないのに・・・!  
 
霧:先生ぇ?  
望:はい?  
霧:ハロウィンは子供の行事だよ。お菓子をもらうのは子供だけ。だから心配する事じゃあないよ。  
望:なんと!では、いだずらするのもまた子供!!そうやって貧しい人たちを見下して育って、大きくなっても  
ホームレスの方の一軒家に火をつけたりするのですね!!  
 
ダメだコイツ・・・。早く何とかしないと・・・。霧の焦る気持ちがドンドン大きくなって、そして、弾けた!!  
 
霧:先生、この毛布、可愛いでしょう。キャンディ柄なのよ。  
望:え、ああ、そうですね。あなたに似合ってますよ。  
霧:えへへ、ツーハンで買ったかいがありました。先生?  
望:?  
霧:こ、ここで“トリック オア トリート”です!  
 
霧がスクッと立ち上がり、望を見下す形になる。  
 
望:“トリック オア トリート”・・・?  
霧:そう、お菓子か、いたずら、選んでもらいます。・・・ただし・・・。  
望:(ゴクリ・・・)  
霧:わ、私を食べるか、私にいたずらするか、選んでくださいい!!!  
 
それを聞くなり、望は大声で笑い出した。霧の顔が耳まで真っ赤になる。  
 
霧:なんですか!私だって・・・こんなこと・・・、でも、先生っ、・・・だから・・・あたし・・・。  
 
とうとう泣き出してしまった。もう言葉が言葉にならない。それを見て、笑うのをやめた望が、同じく立ち上がると、  
泣きじゃくる霧を、抱きしめて、キスをした。  
 
霧:んっ・・・!はあっ・・・。  
望:わかっていますよ。淋しかったんですよね。笑ったりしてすいませんでした。  
 
優しい声が自分の感情を見透かす。自分の大好きな、優しい彼を体で感じた。  
 
霧:うん、うん、さびじかったぁ・・・。やっと二人になれだのに・・・、先生いづもどうりだかあ・・・。  
望:すみません、もっとはやく気付けばよかったんですが・・・。  
霧:そうよぉ・・・、ぜんせえが、もっと・・・うう〜・・・。  
望:はい、はい。わかってますから、もう泣きやんでください、ね。  
霧:(グスン)・・・じゃあ先生・・・。  
望:?  
霧:“トリック アンド トリート”です。私にいたずらして。私を食べて。  
 
泣きやんだ霧が急に上を向いて、真っ赤な顔の、真っ赤な瞳で、こちらを見つめる。  
そんなことされてしまっては、今度は断ることも笑うことも出来ない。望はただ、喜んで、とだけ言った。  
 
望は今後は霧の唇を味わうようにキスをした。同時に、彼女の体を抱き寄せる腕を徐々に下半身の方に滑らせると、  
可愛らしい桃尻を、両手で上下に揉みしだいた。二人の呼吸がドンドン荒くなるにつれて、会話が無くなっていく。  
二人はただ、お互いを感じ会うことに没頭している。唾液を充分に味わった望は、頬、額、項、肩と、リズミカルに  
啄みながら、右手をジャージの中に差し込む。霧は動かない。ウエストのヒモを望が弛めると、それだけでスルリと  
ズボンが落っこちた。露出度が一気に大きくなると同時に、望の気持ちも高ぶっていく。  
再び唇を重ね合わせて、望は霧の太ももを左手で、秘所を右手でさすりだした。甘い臭いと甘い声が、  
部屋のムードを掻き立てる。望は右手に下着越しに溢れる温かいものを感じると、手を二人の目の前に差し出した。  
 
望:はあっ、ふふ・・。見てください。貴方というアメを舐めていたら、水アメになってしまいました。  
どれ、あむっ・・・じゅる・・べろ・・・、んん、美味しい。  
霧:はあぁ・・・せんっせえぇ・・・・・・、わたし、もう、、溶けちゃいそお・・・。  
だから、だから先生・・・、私を、食べてえ・・・。  
望:では、ショーツを脱がしますよ・・・・・。  
?:“トリック オア トリート”!!!  
 
突然、ふすま越しに声がした。二人は、どちらからと無くぱっと離れる。望は座布団の上に座り込み、霧は布団に身を隠す。  
声の主は、パーティから返ってきた交であった。返事がないので、戸を開けてもう一度言ってみる。  
 
交:“トリック オア トリート”  
 
・・・三人の間に微妙な空気が流れ出す。普段なら黙ってお菓子の一つもあげていただろうが、‘オタノシミ’を邪魔された  
今の先生は、子供のようにすねている。  
 
望:・・・・・・・・・どっちも嫌です!!!!  
 
さあ今週も絶望先生の絶望的授業の始まりです。霧ちゃんがフォローに入るも「どちらか選ばないと」って、ほぼ選択の余地無し  
ですから。ハロウィンってそういうものだから。フォローになってないです。先生が絶望を繰り返す中、  
部屋の隅には脱ぎ捨てられたジャージ(下)が、僅かに付いた蜜を光らせて横たわっているのでした・・・。  
 

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