スサノオが出雲で目覚ましい活躍した一方、
高天原では長く顔にもかかる黒髪に太陽の形をした冠を被った彼の姉アマテラスと、
夜の神なため生活が不規則になり頭皮が満月の様にハゲてきた兄ツクヨミが何やら話合っていました。
「僕はどうしてこうも影が薄いんだろ・・」
「可哀相にツクヨミ・・
でも声はするけど何処?」
「僕はここ!目の前にいるじゃないかあ―――ッ!!!!!!」
ツクヨミの悲しい絶叫に一柱の太っちょのいかにも保食神といった女神ウケモチが気付いて話し掛けてきました。
「あらやだ、アマテラス様とツクヨミ様じゃない、これはおもてなししなくちゃ♪」
するとなんという事でしょうかウケヒモチは口から飯を出し、海を向くと魚、山を向くと獣を吐き出しました、
これにはツクヨミも驚きを隠せません。
「どうぞめしあがれ。」
「何言ってんだブス!!そんな物食える訳ないだろ!!」
「ネットアイドルの好意を無視するなんてファンが黙ってないよ!!」
「知るか!このブス!!」
少ない髪を振り乱し怒るツクヨミは剣を抜きウケヒモチに振り降ろしました。
「プギャー!!」
すると息絶えたウケモチの体から穀物が生まれました、
しかしアマテラスは震え怯えながらツクヨミに言いました。
「ひどいよ!何も斬る事ないじゃない!!」
「だって口から食べ物吐き出されて驚いてつい・・・・・」
ツクヨミはなんとか言い訳しようとしますが目の前でウケモチを斬られて動揺するアマテラスに通じる訳がなく
彼女は逃げ出しました。
「いや〜!!ツクヨミ近寄らないでよ!!!!!!」
「待って〜姉さ〜ん!!!そして僕はどうしてこんな時だけ存在感出るんだーーーッ!?」
――この日以来、太陽は1日の半分を引きこもる様になり、
月と顔をあわせる事はなくなったとさ。