************** 姫初めって ****************
「あ、ああ……先生……」
自分の腕の中に閉じ込めた少女の喘ぎ声に、望は僅かに目を細める。
正月に相応しい艶やかな晴れ着姿の可符香だったが、極彩色の帯は既に解かれて床に落ち
着物の襟も大きくはだけられて片方の肩が露になっている。
そんな可符香を後ろから抱きすくめるようにして胸元に手を入れ、直接胸を愛撫しながら
そっと耳元で囁く。
「和装の時に普通の下着を付けるのは感心しませんね。胸の形が綺麗に整いませんよ」
「んっ……はぁっ、あぁ……」
からかう様な口調に応える余裕もないのか、ただ
望の腕にしがみつくようにして震える可符香。
固く勃ち上がった先端をきゅ、とつまむと、一際甘い声と共にその体が跳ねた。
「まぁ、きちんと着こなされた晴れ着も綺麗ですけど……
今の乱れた姿もとても魅力的ですよ、風浦さん」
囁く声はどこまでも優しく。しかし少女を責める手は止まらぬままに。
「せ、せんせ……あっ……ん」
可符香の華奢な体が震え、悶えるたびに、腰紐だけでかろうじて形を留めている晴れ着が
少しずつ確実に乱れ、着物と襦袢の下の白い肌が姿を現してくるのをじっくりと楽しむ。
だが。
「せん、せぃ……もぉ……」
必死でこちらを振り向くようにして、快楽に赤く染まった顔で可符香が囁いてくる。
「――仕方、ないですねぇ」
ゆっくりと胸元から手を引き抜くと、そっと可符香の体を横たえた。
「ぁ……先生、晴れ着、汚れちゃいますよ」
「ええ、そうですね」
言いながら、膝くらいまではだけた晴れ着の裾から手を入れてゆっくり内股をなで上げる。
「ひゃっ……あぁ……」
「貴女が我慢が出来ないようだと、染みくらい出来てしまうかもしれません、ね?」
「ふあぁ、あぁん!」
からかうように囁き、下着の中にそっと指をしのばせる。望を求めて蜜を溢れさせるそこを
優しくかき回すように指を動かし、可符香のあげる甘い悲鳴を楽しむ。
「あ、あぁっ……先生、いとしきせんせいっ……」
きつく目を閉じてうわ言のように自分の名前を呼ぶ少女の首筋をそっと舐め上げ、
その呼び声も喘ぎ声も全て手に入れようとするように小さな唇に口付けた。
************** こんなのですよね ****************
「――みたいなのが所望されてるみたいですよ、先生」
「新年早々何て捏造フラグを立ててくれるんですか貴女は!」
「嫌だなあ、需要に応えた適切な供給ですよ」
「結局妄想で、しかも寸止めじゃないですか!応えたことになってません!」
「別に妄想にも寸止めにもしなくていいじゃないですか。しないんですか?姫初め」
「な、ああああ貴女はまたそういう発言をして私で遊ぶつもりですね!
大体、貴女一人で晴れ着を着付けられるんですか!?」
「先生が着せてくれればいいんですよ」
「……女物の着物の着付けなんてできませんよ」
「そうなんですか?」
「見よう見まねでそれらしくはできるかもしれませんが、
元通りにちゃんと着せるのは無理ですね。帯の結びなんかも知りませんし」
「そうですか、残念です。それじゃ晴れ着での姫初めは来年までお預けですね。
今年一年で私が着付けをマスターしますから安心してください」
「来年はするつもりなんですか」
「したくないんですか?晴れ着ですよぉ、乱れた着物で姫初めですよぉ」
「……………」
「考えるってことは先生も興味があるってことですよね。
それでは今年の目標が1つ増えたところで、先生とちゃんと姫初めできるように
一度帰って洋服に着替えてきます。待っていてくださいね、先生」
「んなっ、ちょ、風浦さ……!
……ぜ、絶望した……わりと真剣に検討してしまった自分に絶望した……」