「あのー、風浦さん?」
「どうしたんですか先生、今回は小ネタですから気楽に構えていいんですよ?」
「いやそんなこと言われましても。
とりあえずどうして私は縛られて転がされてるんだか説明してください」
「地の文がないので台詞による分かりやすい状況説明、ありがとうございます」
「どういたしまして。それはそうと説明してください」
「嫌だなぁ、簡単なことじゃないですか。先生、来年からアニメ2期が始まるんですよ。
それに備えて1期を頭から見直すのは当然じゃないですか」
「……それで、OPに影響されてこうなったわけですか」
「展開として軸がぶれていませんね」
「ぶれまくりです!むしろぶれまくって震えてます!!
大体OPに影響されるなら縛られるのは貴女の方でしょーが!!」
「進行の方向性ですよ。『最初はああしてるはずだったんだけど、気がついたらこうしてた』
っていうことは世の中にはいっぱいあるじゃないですか」
・テスト勉強してたはずがいつの間にか部屋の掃除
・デートしてたはずがいつの間にか壷を購入
・学園格闘漫画だったはずがいつの間にか異世界ファンタジーバトル漫画
・サラリーマンしてたはずがいつの間にか公園で1人ブランコ
・まともな恋愛SS書いてたはずがいつの間にか小ネタ書き
「大抵ろくでもない方向に進んでますよねこれ」
「それに、私が縛られたところでそれ以上お話が進みそうにないじゃないですかぁ。
先生が大騒ぎしながら縄をほどいてお終いですよね?」
「……それは確かにそうだと思いますが」
「それこそOPみたいにプレイに移行するんでしたら、それで立派にSSになりますけど」
「あれは原作でいうカバーの折り返し部分ですから!
シャフトさんのプロとしての遊び心ですから!」
「ですよね、なので、やっぱり先生には縛られてもらうのが妥当だと思います」
「何が『なので』で『やっぱり』で『妥当』なんですか!
もう経緯は分かりましたからとにかくこの縄を解いて下さい!」
「嫌だなぁ、まだ経緯が分かっただけじゃないですか。これからが本番ですよ」
「は?」
「せっかく縛ったんですからこれはこれで楽しまないともったいないですよ。
SSで先生が頑張って下さった分、小ネタでは私が頑張りますから」
「頑張りが間違った方向に向いてますー!!
絶望した!恋人にすら逆レイプされる小ネタの定番オチに絶望した!!」
「嫌だなぁ、逆レイプなんてあるわけないじゃないですか。
これは愛ゆえの奉仕活動の一種ですよ」