望「みなさん、おはようございます。  
  三連休、いかがお過ごしだったでしょうか」  
奈美「基本的に、家でゴロゴロしながらテレビ見たりしてましたよ」  
望「そうですか、日塔さんらしいですね」  
奈美「……」  
あびる「私は動物園でアルバイトしてました」  
芽留『尻尾目当てでか。引っ張られる方の身にもなってみろミイラ』  
 
千里「ていうか先生、その格好はいったいなんですか?  
   なんで紋付袴を着ているんですか?」  
望「なんでって、成人式だからですよ」  
千里「はぁ?先生はもうとっくに成人を迎えているじゃないですか」  
望「えぇ、確かにそうです。  
  しかし、成年になったからといって一人前になったといってもいいものでしょうか。  
  成人式に出席している成人のうち、どれだけの人間がいまだに幼稚であることか!  
  いくら年齢上では成年になったからといってもです。  
  果たして彼等を一人前の大人として認めてもいいものだろうか!」  
千里「確かにそうですけど、それと先生がそんな格好をしている理由が繋がりませんが」  
望「実は私、成人したときに成人式に出なかったので、  
  この機に雰囲気だけでも味わおうと思いまして」  
千里「さっきの発言、関係ないじゃないですか!」  
 
奈美「えー、じゃぁもしかして成人式、出てきたんですか?」  
望「いえ、若い人たちが怖くて無理でした」  
千里「全っ然意味ないじゃないですか、その格好……」  
奈美「ていうか先生も比較的若いですよね」  
芽留『ファッションセンスは一世紀前だけどな』  
望「私、突然壇上に上がってパフォーマンスを始めたり、  
  会場の前で酒盛りしたり、奇声を上げて町中を闊歩するような、  
  いかにもな方々と関わって厄介ごとに巻き込まれるのはごめんです」  
奈美「そんな所ばかりじゃないと思うんですけど……」  
あびる「じゃぁ、先生。もしかして成人したときに出なかった理由もそれですか?」  
望「いえ……、昔の友人に会うのがなんだか気まずかっただけです」  
あびる「……」  
 
奈美「でも、その気持ちわかります。  
   小学校とか中学校である程度仲良くしてた人達って、  
   進学したあと遊ぶ機会がほとんどないから、  
   いざ会うとなると相手にどう思われてるか気になっちゃいます」  
あびる「そうね、下手に関係を悪くしたくないから、  
    以前のように接していいのか不安になるわね」  
千里「でも、さすがに成人式に出るのを拒むほどじゃないでしょう?」  
あびる「まぁ、そうだけど」  
望「いいですよ、先生、どうせ心の弱い人間ですから」  
芽留『要は友達が少ないってだけだろ( ´,_ゝ`)プッ』  
 
可符香「ですが先生、話は戻りますが、  
    成人したのに大人とは言えない人間が多いのなら、  
    大人と子供の違いって一体どのようなものなのですか。  
    基準は何なのでしょうか」  
望「大人と子供の違いですか……。そうですねぇ……」  
一旧「私はある種のwebサイトの門をくぐるときに、  
   背徳感を覚えるか否かが分かれ目だと思いますが」  
望「いきなり出てきてそういうネタはやめてください!  
  ていうかほとんど男にしか通用しませんから!」  
マ太郎「私の国、ミンナ小さい頃カラ働かないト生きてイケナカッタ。  
    ミンナ立派な大人だったヨ……」  
望「そういうリアルなネタもご勘弁願います……」  
臼井「僕の頭髪はもう大人なんでしょうか」  
望「しかし、大人と子供の基準というものは意外と難しいものですね。  
  昔ならば今よりも明確であったのでしょう。  
  締め付けが強かった分、個人の自意識もそれなりに高められていたから、  
  大人とはどういうものなのかがはっきりしていたのかもしれませんね」  
芽留『てめぇの実家がまさにそんな感じなのに、お前がお前だから説得力皆無だな』  
 
まとい「先生、そろそろ私達も大人の関係に……」  
望「うわっ!いたんですか!」  
まとい「えぇ、ずっと」  
望「はぁ……、びっくりしましたよ。  
  常月さんはいつにも増して豪華な衣装ですね、どうしたのですか?」  
まとい「うふふ……」  
  千里「(……イライラ……)」  
望「……ってそうじゃなくて!さっきのような危険な発言は避けてください!  
  前にも言いましたが、先生、法廷画にはなりたくありません!」  
まとい「つれない事言わないでくださいよ、先生♪」  
望「やめてください!やめてください!」  
 千里「(……イライラ……)」  
望「ん?なにやら不穏な空気が漂っていますが……」  
あびる「いい加減悟る力もつけたほうがいいよね」  
千里「あー、なんでこうも大人と子供の境目って曖昧なのかしら……、  
   大人ならきっちりしなさいよ、断るときはきっちりと断る、  
   口だけじゃなくてしっかりと行動でもって示さなきゃダメじゃない……、  
   そんなんだから勘違いする人が増えるのよ、まったく……、  
   ていうかまだ成人してないガキのくせに大人の関係だなんて、  
   生意気なことを言うんじゃないわよ、きっちりしなさいよきっちり、  
   それに先生は私が……ブツブツ……」  
晴美「先生!千里はもう臨界点突破直前です!」  
望「こ、これはやばいですね……。皆さん!早く避難を!」  
マ太郎「ガ・ム・シャン!ガ・ム・シャン!」  
望「そっちじゃありません!」  
千里「ふふ……、大人と子供の区別はきっちりさせなきゃね……うふふ」  
 
奈美「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」  
 
 
 
 
 
霧「ねぇ、交君、ニートって子供かな?大人かな?」  
交「俺に聞くなよ」  
 

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