「ううっ、しゅらばしゅらば」  
「しゅらばしゅらば…じゃないでしょ!なんで、もっときちんと計画立ててできないの?」  
「そんなこと言っても、こういうのはノリが大事というか…」  
「まあこの調子なら何とかなるでしょ。あとちょっとですよ、木津さん」  
 
 
糸色望の暮らす宿直室に、二人の女生徒が居た。  
一人は藤吉晴美、ちゃぶ台の上で原稿用紙にガリガリとペンを走らせている。  
晴美は、望が担任を務めるクラスの女生徒の一人で、そして望の恋人だった。  
もう一人は木津千里、文句を言いながらも晴美の原稿を手伝っている。  
千里も、望のクラスの女生徒で、晴美の親友で、そして彼女もまた望の恋人だった。  
 
あと数時間のうちに完成させて、印刷所に送らなければ、入稿の締め切りに間に合わない。  
そう泣きつかれて、望と千里は、晴美の同人誌作りの手伝いをさせられていた。  
千里は晴美との付き合いが長いため、こういう作業には慣れたものだ。  
また、望も持ち前の器用さで、晴美の要望にしっかりと応えることが出来た。  
その甲斐あって、どうやら原稿は時間内に完成しそうだ。  
 
「終わっ…たぁぁー」  
「ふう、次からはもうちょっと余裕持たせなさいよ」  
「努力する」  
「まったく…」  
ごろんと寝転がった晴美の、徹夜続きで疲れた顔を千里が揉みほぐす。  
以前、千里がしてもらったリンパマッサージだ。  
「んー、きもちいー…」  
そんな二人の様子を見て、望が小さく笑った。  
 
「じゃ、届けてきますね」  
「おねがいします…」  
二人の少女に見送られて、望が原稿の入った封筒を持って宿直室を出ていった。  
 
「…眠い……」  
呟きながら、晴美が押入れから布団を出して、敷き始めた。  
ここ数日、睡眠時間を削り、授業をサボってまで宿直室で漫画を描いていた晴美は既に限界だった。  
晴美が、布団にぼふっと突っ込んで、深く息を吐く。  
「はあー、助かったよ。先生と千里には、何かお礼しないとね…」  
目を瞑り、そんなことを呟いて晴美は眠りについた。  
 
「お礼……ねぇ」  
寝息をたてる晴美を見ながら、何か晴美にして欲しいことなんてあったかな、と千里は考える。  
「んー……………あ、そうだ」  
なにやら思いついたのか、千里は眠る晴美の顔を見つめ、ふふっと笑った。  
 
「う…………おはよ、千里…ん?あれ?」  
「あ、晴美起きましたよ、先生」  
目が覚めたとき、晴美は自分の体に違和感を感じていた。  
なぜだか身動きが取れない。  
困惑する晴美の元に千里が近づいて、晴美にかけられた布団をぬばっと引っぺがした。  
布団をはがされて、晴美は自分の状態を理解した。  
全裸で後ろ手に縛られている、という状態を。  
 
「え…ええ?ちょ、ちょ、ちょっと、なんで!?」  
なぜそんな事になっているのか、事態が飲み込めずにいる晴美を千里が起こして座らせた。  
そして、キスをひとつして、晴美の顔に眼鏡をかけてやる。  
「お礼、してくれるんでしょ?」  
「お礼って……もしかしてさっきの?」  
「うん」  
ちゅうっと晴美の胸に吸いつきながら千里が答えた。  
 
「っ…そんなの別に縛らなくても、ちゃんとしてあげるのに」  
「だって、晴美の方がうまいじゃない……いつも私がこういうことしても、いつのまにか晴美に…」  
「……それは千里が弱すぎるのが…」  
「つべこべ言わないのっ!」  
千里が晴美のつぼみに強く吸いついた。  
「ひゃっ……うう…せんせぇ…?」  
どうにも、縛られ、身動きの取れぬ状態で、なすがままにされるというのには不安を感じてしまい、  
晴美は望の方に助けを求めた。  
「まあ…こういうときの木津さんには逆らわないほうが良いというか…ね」  
と言いながら、望が誤魔化すように晴美にキスをした。  
(うぁぁぁ……先生期待してるぅぅ…)  
既に晴美に逃げ場はないようだ。  
二人は期待に満ちた目で晴美を見ながら、衣服を脱ぎ始めた。  
 
四つん這いにさせられた晴美は、望の肉棒を咥えながら後ろから千里に秘部を舐められていた。  
普段と勝手が違うせいか、晴美の動きは少しぎこちなかったが、むしろそれが望の興奮を助長する。  
(なんか…無理やりやってるみたいで…ちょっといい…ですね)  
つい、もっと無茶なことをしてしまいたい、と考えてしまう望。  
そんな自分の欲求を鎮めようと、望は晴美の頬を撫でた。  
だが、晴美が不思議そうに上目遣いで見返してきたために、余計に望の欲求は高まってしまった。  
(…がまんがまん)  
望は目を瞑って、晴美の頭を撫で、自分を鎮めようとした。  
 
とろとろと愛液を垂らす晴美の秘部を舐めていた千里が、そこから口を離し、晴美に話しかける。  
「ふふふ…そういえば晴美は、ここにも興味あるのよね?」  
と、千里が晴美の臀部に手をかけ、ふっと菊門に息を吹きかけた。  
びくっと晴美の体が跳ね、望から口を離し、体をひねって千里の方を向いた。  
「っな、千里!そういうわけっじゃ…ぁ……んんぅ…」  
ぺろぺろと周辺を千里に舐めまわされ、その湿った感触に晴美が震えた。  
さらに、千里の舌が晴美の中へと入ってきて、未体験のその感覚に晴美が身悶えする。  
「あぅ……あっん…」  
「ほら、晴美。ちゃんと先生の方も」  
「う…ん」  
はあはあと息を荒げながら、晴美は再び望の肉棒に口を近づけた。  
 
千里に指で秘部を、舌で肛門を掻き回される晴美は、瞳に涙を浮かべながら望の肉棒を咥えている。  
「っふぅ、ほぐれてきたかな?よし」  
晴美の菊門から舌を離し、代わって千里の指が晴美の肛門へと入っていった。  
「っむぅぅ……んっ、んぅ…」  
望の肉棒を咥えたまま、その感覚に悶える晴美。  
その様子に興奮して、望の理性が限界を超えてしまう。  
 
「すいません藤吉さん…ちょっとだけ…ごめんなさい!」  
がしっと両手で晴美の頭を掴んで、望が自身を晴美の口内へ突き入れた。  
苦しそうにする晴美に罪悪感を覚えながらも、先端を晴美の頬の内側にぐりゅぐりゅと押し付ける。  
そんな風に自分を乱暴に扱う望に応えようと、晴美は口内で暴れる望に舌を絡ませる。  
千里は唐突に眼前で始まったその激しい行為に、言葉を失って動きを止めてしまっていた。  
「はぁっ…はぁっ…っっ…!」  
どぶっと晴美の喉に精を放ち、望は半眼でだらしなく口を開きながら、その余韻に浸る。  
 
「…あ、先生!」  
「え…?うあ、すいません!」  
千里に声をかけられて、望は晴美が苦しそうな顔をしている事に気づいた。  
慌てて、晴美の口から自身を引き抜くと、晴美はごろんと仰向けになり、はあはあと荒い息をあげた。  
口元に望の精液を付けたまま、とろんと虚ろな目で天井を見上げる晴美は、  
痛々しくもひどく魅力的で、二人はその光景に思わず息をのんだ。  
 
千里が仰向けに寝転がる晴美の脚を開かせ、すっかり濡れそぼった晴美の蜜壷を舐める。  
千里は、とても満ち足りた顔をしていた。  
いつもやられっぱなしだった晴美に、あんな顔をさせることが出来たのが嬉しかったのだ。  
それとは対照的に、望は申し訳なさそうな顔をしていた。  
 
「すいません…」  
望が、晴美の口元についた自身の精液をティッシュで拭いながら謝る。  
晴美は、そんな望に柔らかくにこりと微笑みかけた。  
「せんせ…もうちょっと、こっち来て」  
と言われて、望が晴美に近づくと、晴美が望の肉棒を舐めた。  
ぺろぺろと下を這わせて望の精液を舐めとっていく。  
そうして、キレイになった望の肉棒をかぷりと咥えた。  
望に快感を与えるためというより、むしろ晴美自身が落ち着くために。  
その姿は卑猥でありながら、どこか子供らしくもあった。  
 
「ね、ね、どうだった晴美?気持ちよかった?」  
ぐったりと横たわる晴美に千里が尋ねた。  
その瞳はらんらんと輝きに満ちている。  
そんな千里の顔を見て、晴美は大きくため息を吐いた。  
そして、千里から目を逸らして言う。  
 
「ひどいよ…千里」  
「え?」  
「私、千里にあんな風にしたことなんてなかったのに…」  
「え…嘘?……痛かった…?」  
「お尻……痛い…」  
「ご…ごめん……晴美…」  
「手も…痛い」  
「ごめんなさい……今外すから」  
 
千里が、晴美を後ろ手に縛ったロープを解くと、晴美の手首には縄の跡がしっかりと付いていた。  
その跡を見て、千里は自己嫌悪する。  
大成功だと思っていたのに、加減を見誤っていたのか、と。  
ロープだって、もっと緩くするべきだった。  
そして、その後ろで望もまた苦い顔をしていた。  
たぶん、千里のしたことより望の方がひどい。  
 
「千里」  
「ごめん…」  
「…嘘、だよ」  
晴美が、少し泣きそうな顔をして、うつむいていた千里を押し倒し唇を奪った。  
「気持ちよかった」  
「…ほんと?」  
「うん。でも、ちょっと痛かったけどね」  
「ごめん…」  
「次からはもうちょっと優しくしてね」  
「うん………って、あれ?」  
そこで千里が気づいた。晴美に押し倒されてから、数秒の間に今度は自分が縛られていたことに。  
 
「さあ、今度はお待ちかね、千里の番だよ」  
「え?えええ?嘘でしょ?」  
「きっちり平等にしないと不公平でしょ?ね、先生」  
「まあ…そうですね。不公平です、うん」  
「というわけで…」  
と、晴美が制服のスカーフを手にして、千里の頭に縛りつけ、視界を覆った。  
 
両膝をついた千里は、正面から抱きしめられて何度もキスを受け、背後から秘部を舐められていた。  
肌に触れる感触からすると、前が望で、後ろが晴美なのだろう。  
「どうしたのかなー千里ちゃん?いつもより興奮するの?もう、ぐちょぐちょだよ」  
「へえ、そうなんですか?」  
「へ……あ…うぅ…」  
「ふふふ…あ、そうだ」  
何か思いついたのか、晴美は千里から望の元へと向かい、千里に聞こえないように望に話をした。  
 
ころり、と千里を布団に寝かせる。  
視覚が奪われているせいもあって、千里はいつも以上に二人にされるがままだ。  
晴美に言われて、膝を立て、脚を開いた千里の蜜壷に指が侵入してきた。  
指が円を描くように動いて、千里の中をほぐした後に、つづいてもう一本指が入ってきた。  
 
「あ…んぅ……」  
「ふふっ、先生、千里の中あったかいねぇ」  
「ええ、とっても」  
「へ…?え……?ちょ…っと、何考えてんの!?」  
 
千里の中に侵入して来た指は一つは晴美の、そしてもう一つは望の指だった。  
二つの指は、それぞれの意思をもって千里の中を掻き回す。  
また望と晴美は、それとは別の手や口を使って千里の体中を好きなように弄り回した。  
「はあ…はぁっ……んっ…やあっ…」  
左右から二人に陰核をくりくりと弄られて、千里の膣が、二人の指をきゅーっと締め付けた。  
 
二人が千里の背中に手を回して、上体を起こす。  
そして、同時に左右の乳首を口に含んで、ころころと舌で転がした。  
晴美に甘噛みされたかと思えば、同時に望に吸われ、また左右同時に舌で押し込まれたりする。  
その間も二人の指は、千里の中で動き続け、千里は何も考えられないほど頭の中が真っ白になっていく。  
 
「千里は耳も…ていうか、全部弱いか」  
くすくす笑いながら、晴美が千里の耳を舐めると、千里が「や」と小さな声を上げる。  
「あ、いいな。私も」  
望が、かぷりと千里の耳を噛んだ。  
「あっんぅ……」  
「千里ったらかわいー」  
遠慮なしに、左右から耳の穴を舐めまわされる千里。  
「やっ、やっ……あぅぅ…」  
千里が足の指を丸めながら耐える。  
だがそれも長くは続かず、限界を迎えて千里の体が跳ねた。  
何も見えない暗闇の中で、にちゃにちゃという音だけが千里の頭の中で響いていた。  
 
疲れ果て、ぐったりと横たわる千里のヒップを上げさせ、溢れる愛液を晴美が指ですくった。  
「とろとろだね、千里」  
愛液まみれの指で、千里の唇にちょんと触れると、千里は赤子のように晴美の指を吸った。  
そこに不意打ちで、望が千里の中へ自身を挿入した。  
突然の衝撃に千里は大きく口を開けて震え、しばらくは声も出せずにいた。  
 
「……っっはあっ…あ…っ」  
ようやく声を出せた千里の髪を、晴美は愛しそうに撫で、千里の視界を覆うスカーフを外す。  
だが、千里の顔を見て晴美は一瞬動きが止まってしまった。  
スカーフを外された千里の顔は、涙でくしゃくしゃの顔をしていた。  
「……やりすぎちゃった…?」  
「あ…ひぅ…ひっ……ひんっ」  
望に突かれるたびに、千里は涙をこぼしながら悲鳴とも嬌声ともつかぬ声をあげる。  
 
「ごめん、千里…怖かった?」  
晴美がスカーフで、千里の涙を拭きとる。  
(ごめんね…でも…すっごくかわいいよ……千里)  
悪いとは思うのだが、千里のくしゃくしゃの泣き顔を見れた事をつい喜んでしまう。  
千里の涙を拭きとった晴美は、千里にキスをして、舌を絡ませる。  
程なくして、望が限界を迎え、千里の中へ精を放った。  
その刺激に促され、千里もまた達したことを、晴美は千里の舌越しに感じていた。  
 
行為を終えてから数十分後、風呂あがりの晴美は千里の膝を枕にして寝転んでいた。  
千里は晴美の頭にドライヤーを当てて、髪を乾かしている。  
ちなみにその頃、望は二人に続いて風呂に入っていた。  
 
 
「髪くらい、きちんと乾かしなさい」  
「気が向いた時はしてるよ」  
「いつも、よ」  
「まあいいじゃない、今日は。千里、お願い」  
「はいはい」  
 
「ねえ、千里」  
「ん?」  
「嫌だったの?ああいう風にされるの」  
千里には顔を向けずに、晴美が尋ねた。  
「…どうして?」  
「だって、千里泣かせちゃったし…私を縛ったりしたのもそういう事なのかな、って」  
「……嫌じゃない」  
晴美の頭を乾かしながら、千里がつづける。  
 
「その…むしろ私ばっかり、こんなにされて、良いのかな…って」  
少し照れた様子で、千里が話す。  
「だから、晴美にもしてあげようと思ったんだけど…ごめん、痛くして」  
「そっか…ありがと、千里。私も泣かしちゃったし、お互い様だよ」  
「気持ちよかったから…いいよ」  
「それもお互い様、かな」  
千里の方を向いて、晴美は、ふふっと笑った。  
 
 

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