可符香は、珍しく独りで家路に着いていた。  
いつもの彼女ならば授業が終われば、すぐに望のところに直行して騒動を巻き起こすか、あるいは他人の巻き  
起こした騒動に便乗するか、といったところだが。今日は何故か、ホームルームが終わるなり望が倫に呼び  
出されてしまい、いつものパターンには発展しなかった。  
なんだかんだで常に騒ぎの中心に居る望むが連れて行かれてしまい、それを取り巻く女子生徒達も、今日は  
珍しく三々五々教室で解散してしまった。まといに関しては、その限りではないかも知れないが………。  
 
と、そんなことを考えながら、珍しく独りで街を歩く可符香に。同じく珍しい人物が、声を掛ける。  
「やぁ、ええと………風浦可符香さん、だったかな?」  
聞き覚えのある声に名前を呼ばれ、可符香が振り向く。その先に、見覚えのあるその人が立っていた。  
「あ。お久しぶりですね、絶命先生!」  
「診療所の前で、縁起でもないことを言うなぁ!!」  
いつの間にやら可符香は、命の営む診療所、糸色医院の前に差し掛かっていたのだった。  
「まぁまぁ。で………何か、用ですか?」  
開かれた引き戸越しの、どこかで聞いたようなやり取りの後。可符香がようやく、そう返す。  
「あぁ………そうだった。実は、君に頼みがあるんだけど………今、時間大丈夫かい?」  
1度気持ちを切り替えた後、命はそう言って可符香の様子を窺った。可符香が、はて、と首を傾げる。  
「頼み?私に?」  
「あぁ………実は、望に渡して欲しい物があってね。明日、学校で会うときにでも、と思って。」  
「渡して欲しい物………ですか?」  
「本当は、自分で行きたいんだが………急な呼び出して、今から何日か診療所を空けなきゃいけなくてね。」  
「ああ、そういうことですか。」  
事態を理解し、ぱっ、と可符香の表情が晴れる。  
「いいですよ。明日、先生に渡せばいいんですよね?」  
「ああ、有難う!助かるよ、本当に。」  
命が改めて頼むのも待たずに、可符香はその申し出を快諾した。命が、ほっと胸を撫で下ろす。  
「じゃぁ、中で少し待っていてくれないか。時間が無いとは言え、お茶くらいなら出せるだろうから。」  
「解かりました。じゃぁ、お邪魔しまーす。」  
可符香は何の疑問も躊躇いもなく、命の後に続いて、糸色医院の玄関を潜った。  
 
その後。2人が通り過ぎた玄関に、ゆらり、と人影が現れる。  
純白の制服に身を包んだ看護婦は、玄関の前に人が立っていないことを確認してから………玄関の戸を閉じて、  
鍵を掛けた。ガラスの内側にぶら下げられたプレートが反転されて、『本日の診察は終了しました』の文章が  
書かれた面が外側を向く。  
脱ぎ揃えられた可符香の靴を一瞥し、看護婦は、診療所の奥へと引き返して行った。  
     
     
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「どうぞ。」  
盆を持って現れた看護婦が、可符香の前に湯飲みを置く。可符香が、礼を言って頭を下げた。  
「それで………先生に渡す物、って何ですか?」  
「ああ、少し待ってくれ………確か、ここに………。」  
命が、一見整理整頓が行き届いている机の引き出しを開ける。整然とした机の上とは対照的に、引き出しの中  
は様々な書類でごった返し、お世辞にも綺麗とは言えない状況だった。  
望に渡すものを探しているらしい命の様子を見つめながら、可符香は湯飲みを手にし、それを口元に運ぶ。  
そして、引き出しの中を探っているような振りをしながら………命がその様子をそれとなく窺う、が。  
「………っ………。」  
中のお茶を口にしかけた瞬間、可符香の手がぴくり、と止まった。  
「………すいません、私、猫舌で。もう少し冷めてから頂きます。」  
その言葉に、命の手も一瞬その動きを止める。盆を持ったままさり気なく控えていた看護婦も、ほんの微かに  
ではあるが、その表情を変えた。  
「………そうかい?それはすまなかったね、冷たい麦茶でも出すんだった。」  
「いえ、お気遣いなく。先生に渡すものだけ預かったら、すぐに帰ります。お忙しいみたいですし。」  
屈託の無い笑顔でそう返す可符香の様子を窺いながら………命は、心の中で舌打ちをしていた。  
やがて、引き出しを探り続けていた命の手が、その中から1通の封筒を摘み上げる。  
「ああ、これだ。あったあった。」  
「それ………手紙、ですか?」  
「ああ、父から今朝ね………中を読んだらどうも、望と間違えて、私宛てに送ってきたらしい。」  
苦笑しながらそう言って、命は混沌とした引き出しを閉じた。命が歩み寄るのに合わせて、可符香が椅子から  
立ち上がる。  
「じゃぁ、明日渡しておきますね。すいません、せっかくお茶出して頂いたのに。」  
「いや、こちらこそ。じゃぁ、よろしくお願いするよ。」  
可符香は命の手から封筒を受け取り、1度命と看護婦に会釈をして、振り返り………。  
「………あれ?」  
そして………手にした封筒の不自然な点に、気付く。  
「あの、これ………中身が………?」  
余りに軽く、光に透かしても中に何も入っていないようにしか見えない………そのことを告げようと振り向き  
かけた可符香は、次の瞬間、背後から2本の腕で羽交い絞めにされた。思わず、封筒を取り落とす。  
「………ああ、空だよ。全部、嘘だからね。」  
その細い腕を封じつつ、耳の後ろで、あくまでも平然とした声で命は囁く。そして………。  
「え………ぁ………?」  
可符香が状況を把握するよりも先に………薬品の染み込んだ布が、彼女の口元に押し当てられた。  
ふわり、とした浮遊感の後。可符香の意識が、あっけないほど簡単に、途切れる。  
 
命の腕から解放され、床に崩れ落ちた彼女の姿を、2対の瞳が見下ろす。  
      
 
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可符香は、まるで自分の眼の前の景色が、一瞬で差し替えられたかのような錯覚に陥った。  
さきほどまでは西日に照らされる診察室にいたはずが、いつの間にか眼の前には、、打ちっ放しのコンクリート  
の壁に囲まれた、薄暗い部屋の風景が広がっている。その部屋には窓が無く、ただ、ジリジリという微かな音を  
立てながら光る蛍光灯と、可符香が寄り掛かっているのとは反対側の壁に鉄の扉が1枚だけ据えられている。  
棚や椅子など、家具らしいものもあるにはあるが、インテリアとしては余りに殺風景なものだった。  
「………う、んん………。」  
ぼやけた頭で、可符香は自分が何故そんな所に居るのか、その経緯を思い出そうとする。しばらく考えを巡らせ  
ても一向にその答えが出る気配は無く、可符香は少しだけだるい身体を解そうと、1度、指を組んで腕を大きく  
上に伸ばした。  
そして。そこで、異変に気付く。  
「………ん………?」  
手首を締め付けるような………冷たく、思い感触。ジャラ、と小さな金属が触れ合うような音。  
不思議に思い、見上げた先にあったのは………無骨な手枷と鎖で壁に?ぎ留められた、自分の腕だった。  
「え………あ、れ………?」  
唖然としたまま、2度、3度と腕を引く。腕が解放される気配は、無い。  
そして、事態を把握できずに混乱し、ガチャガチャと鎖を鳴らし続ける可符香の耳に………どこからともなく、  
聞き覚えのある声が、届いた。  
「お目覚めかい、風浦さん?」  
「っ!?」  
締め切られた部屋に反響したその声の主は、すぐに、あの鉄の扉を潜って可符香の前に姿を現した。  
「………絶命先生?」  
きょとん、とした顔でその名前を呟かれても………命は、顔色1つ変えはしなかった。  
「まだ、そんなことが言えるのか………いや、無理も無いな。どうやら、事態を把握していないみたいだ。」  
至極当然のことを口にしながら、命が、ゆっくりと可符香に歩み寄る。  
「あの、これ………何ですか?」  
緊張感の無い声で、可符香が尋ねる。その顔に、不安の色は浮かんでいない。  
「ええと………そうか、何か、ドラマの撮影ですか?私、捕らわれのヒロインみたいですもんね?」  
あまりに非日常的な状況にもさして混乱した様子を見せず、的外れなことを口にする可符香を、足元に見下ろす  
位置まで近づいてから。命は………にやり、と唇の端を吊り上げるような笑みを浮かべた。  
「簡潔に説明てあげよう。君は今………私の手中に、落ちているんだ。もう、逃げられはしない。」  
「え………逃げられない?あ、なるほど、そういう設定ですね?」  
「違うよ………そうだな、もっと、露骨な言い方をさせて貰えば………。」  
あくまでも平然とした様子の可符香の顔を見下ろしながら、命は言葉を続ける。  
「君は、私の獲物だ。私は今から君の身体を、好きにさせて貰う。君に、拒否権は無い。」  
「え………あ、ああ、なるほど!先生が悪役ですね?結構、板についてるじゃないですか!」  
「………まだ、勘違いしているようだな………。」  
説明を重ねるほどに勘違いを加速させていく可符香の眼の前で、命がしゃがみ込む。命は1度、懐に手を入れ  
その中を探った後、そこから何か、細長く光るものを取り出して………。  
 
「つまり………こういうことだ。」  
次の瞬間、手にしたそれで、可符香の制服を切り裂いた。  
 
ザクッ、と布が断ち切られる小気味の良い音がして、可符香の胸から腹に掛けてが、冷えた外気に晒される。  
一瞬、自分が眼の前に居る命に何をされたのか理解できずに呆然とした可符香だったが………視線を落とし、  
命の手に握られた大振りなハサミと、まるでジャケットのように前面が左右に分かれてしまった制服とを眼に  
して………悲鳴を上げた。  
「ひ、ひゃぁっ!?」  
さきほどまでのの飄々とした態度からは想像もつかない、うろたえた可符香の姿。クラスメイト達や望でも、  
おそらく、見たことが無いどころか想像すらできないであろうその姿。さきほどまでの態度とのギャップに、  
命の中で何かが燃え上がる。  
 
「自分がどんな立場にあるか、解かったかな?」  
「ど………どういうことですか?あの、ドラマにしても、ちょっとやり過ぎじゃ………?」  
「何を言ってるんだ、誰がドラマの撮影だなんてと言った?勝手に勘違いするな。」  
「え………あ、あの………あれ?せ、先生?」  
「いい加減、想像くらいつくだろう。全部、現実だよ。フィクションでもなんでもない。」  
「………あ、はは………何、言ってるんですか………?」  
可符香はなおもポジティブな解釈を貫き通そうとしているようだが………その笑顔はどこか引き攣っていて、  
そこには、さきほどまでは見られなかった不安の色が、確かに現れていた。  
「そ、そんな、本当にドラマみたいな話、あるわけないじゃないですかぁ。」  
「ハッキリ言おう。君は今から、私に、嬲られて、犯されて、調教されるんだ。解かるかな?」  
「や………やだなぁ、し、診療所の先生ともあろうお方が、そんな酷いことする人なはずが………。」  
「あるんだよ。君は、私の本当の顔を知らなかった。ただそれだけの話だ。」  
冷たく突き放すような声でそう言いながら、命はまた、手にしたハサミを可符香に近づける。今度は、可符香  
の身体を覆っている下着に、その刃を掛ける。  
「あ………っ………!?」  
そこでようやく、可符香はその顔に、微かな恐怖の色を浮かべた。  
「あ、あの………い、良いんですか、こんなこと、して………!?」  
「そりゃぁ、良くないだろうね。この法治国家で、監禁や強姦が認められると思うかい?」  
残酷な言葉をさらりと言ってのける命に、可符香は背筋を何か冷たいものが駆け抜けるのを感じた。  
つまり、今眼の前にいるこの男は、自分に対して、本気で今口にしたような行為に及ぶつもりなのだ………  
ポジティブに物事を考えるのにも限界が訪れ、可符香の思考はとうとう、その答えを導き出してしまう。  
「それじゃぁ………あの、本当に………?」  
「理解して、貰えたかな?」  
可符香は、まるで何か信じられないようなものでも見るような眼で、命を見上げる。その視線を受けながら、  
命は、望とよく似たその顔で、可符香に微笑んだ。その微笑みは、一見したところ何の変哲も無いにこやかな  
ものだったが………既に命の毒牙に掛かった可符香には、その裏に隠れた命の本性が、透けて見えた。  
「………ほら、まだ終わりじゃないぞ?」  
「え………あっ、あの、ちょっと………!?」  
「動くな。肌に傷がついても………責任は、取らないぞ?」  
「………ッ………!!」  
嘲るような声でそう言いながら、命はさらにハサミを動かしていく。命のやんわりとした脅迫に、少しだけ顔を  
蒼褪めさせて、可符香は一転、凍りついたようにその身体を硬直させた。すっかり大人しくなり、ただ小刻みに  
震えるばかりとなった可符香の肌の上を滑るようにして、ハサミは可符香の衣服を切り裂いていく。  
「ひゃぅッ………つ、冷たっ………!」  
「動くな。手元が狂うかも知れないぞ?」  
袖が引き裂かれて、上着が完全に取り払われる。それに隠れていたブラジャーも、紐を切って簡単に取り外され  
てしまう。脚も壁に?がれているので、スカートも最後に1枚残された下着も、ハサミを入れられて取り払われ  
ていく。まるで野菜の皮でも剥くような手際で、命はあっという間に、可符香の全てを曝け出してしまった。  
「う、ぁ………ッ………!」  
可符香が身に着けていたもので今も原型を留めているものは、もはや、靴下と髪留めしか無い。衣服の成れの  
果てである布切れを払いのけて、命は改めて、可符香と向き合った。頭の天辺から、隠すことも許されずに  
わななくように震える胸、そして恥ずかしそうに擦り合わされる脚の間の秘裂を、舐めるように鑑賞する。  
「あの、先生………なんで、こんな事………?」  
羞恥心に頬を染めながらも、どこか普段の彼女らしさを残した緊張感に欠ける声で、可符香は尋ねる。  
こんな異常な状況に置かれ、ほとんど裸同然の格好に剥かれて、身の危険に晒されながらも………あまり激しく  
動揺した様子を見せない可符香の精神の図太さに、少々驚かされつつ。命はまた人の良さそうな笑顔を浮かべて  
………可符香の身体に、ゆっくりと、襲い掛かった。  
「………今は、そんなことはどうでもいい。」  
そう言いながら、命は躊躇いなく、片手を曝け出された可符香の胸に重ねた。  
 
「きゃぁっ!?」  
命に触れられた瞬間、可符香の身体が、大きく跳ねる。  
「男に触られるのは、初めてか………残念だったな、こんな形で男に抱かれることになって。」  
全く悪びれる様子も無くそう言って、命は可符香の胸を鷲掴みにし、2度、3度と乱暴に円を描くような動きで  
揉みしだいた。可符香が、その苦痛に顔を歪める。  
「い、痛っ………!?」  
「そうか?未開発の身体には、少し強かったか………なぁに、すぐに慣れるさ。」  
命はそう言って、手に込める力をほんの少しだけ緩めた。しかしその動きには、情け容赦などは感じられない。  
「あ、あの………ちょっと、先、生………!?」  
その行為は止め処なく続けられ、初めは戸惑うばかりだった可符香の声の中に、やがて艶のようなものが混ざり  
始める。それを合図にしたように、命は胸への愛撫の方式を切り替え、いつの間にやらツンと膨らみ始めていた  
その先端を、ゆっくりと指先で転がし始めた。  
「なるほど………精神面だけじゃなく、身体の方もなかなか非凡な素質を持っているようだ。」  
「あ、やっ、止めっ………つ、摘んじゃ、駄目ですってば………あぅッ!!」  
「何を言っているんだ。無理矢理襲われて、こんなに勃たせるような女が。」  
「いや、あの、そ、んな………ひ、あうぅッ!!?」  
突然胸に吸い付かれ、先端を甘噛みされて、可符香がそれまでになく甲高い悲鳴を上げる。全身が、震え上がる  
ような感覚に襲われる。  
「正直に言え。君は、こんな奴に乱暴されながら、感じているんだろう?」  
「え………ち、違っ………!!」  
「………なんだ、下まで濡れてきてるじゃないか。とんだ変態だな、まったく。」  
「はうッッ!?や、止めてください、そこ………さ、触っちゃ………ふあぁッ!!?」  
「見ろ。私に襲われて、こんなに濡らしてるんだよ、君は。」  
命の言葉通り、そんな状況にも関わらず、可符香の秘裂からは微量ではあるが粘度のある愛液が分泌され始めて  
いた。命はそれを指先で絡め取り、粘つ糸を引く様を可符香の眼の前に突きつける。可符香はまるで信じられない  
ものを見るような眼でそれを見つめ、また、頬を上気させた。  
「い、いや、あの、それは………その、そういうのじゃ、なくて、ですね………。」  
実はそれは、可符香が意識を失っている間に投与された、微量の媚薬の影響だったのだが………命は敢えてその  
事実を伏せて、可符香の意識を言葉で浸食しようとし始める。  
「これじゃ、認めるしかないだろう?言ってみろ、『私は無理矢理胸を触られて感じる変態です』とな。」  
秘裂に指を這わせ、時折肉芽を弾くように刺激しながら、命が可符香の耳元で囁く。  
「あぅぅ………そ、そんな………。」  
瞳にうっすらと涙を浮かべながら、可符香は、真っ赤な顔をふるふると横に振った。内心では、少しずつ普段の  
飄々とした外面が剥がれ落ち、1人の少女としてあるべき戸惑いや羞恥心が見え隠れし始めた可符香の様子を心の  
底から楽しみながら………命は敢えて、可符香の言葉に気分を害したような態度を取って見せる。  
「………どうしても、認めない気か………強情だな。」  
舌打ちし、侮蔑するような眼で可符香の顔を睨みながら………命は、可符香の身体から手を離す。  
「よし………なら、嫌でも認めざるを得ないようにしてやろうじゃないか。」  
「え………せ、先生………?」  
きょとん、とした視線を向ける可符香の眼の前で………命はおもむろに、自らのズボンのチャックに手を掛けた。  
ジッパーが降ろされていく様子に命の意図を悟り、可符香が眼を剥く。  
「う、え、ぁ………せ、先生?あの、急にそれは、ちょっと………!?」  
「それだけ準備を整えておいて、急にも何も無いだろう?」  
そう言いながら、命は、なんとか身を捩って抵抗しようとする可符香の脚の間にその身を割り込ませた。片手で、  
ガチガチに緊張し始めた可符香の身体を抱きかかえ、もう片方の手で、限界まで膨張したモノを握り、もはや隠す  
ものの無くなった可符香の秘裂へと狙いを定める。  
「止、っ………あの、ま、待ってください………ッ!!」  
「………手遅れだ。もう、1度身体で解からせてあげるしかないだろう?」  
「だ、駄目です………まだ、その、こ、心の準備とか!!その、あの………ッ!?」  
もはや、混乱の余り懇願の言葉を紡ぐことすらままならない可符香は、すがるような眼で命の顔を見上げた。  
その視線を受け………ふ、と微笑むような顔をしてから。  
「却下だ。」  
命はきっぱりとそう言い放って………腫れ上がったモノを、可符香の内部に、突き入れた。  
 
「い………ぎっ………!?」  
ブチ、と何かが裂ける音がして………気が狂うかと思うほどの激痛が、可符香を襲う。血の気が引く。  
「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!??」  
「ほう、やはり処女だったか………まぁ、痛いのは初めだけだ。我慢しなさい。」  
命は平然とした顔でそう言って、容赦なく締め付けられるモノで可符香の肉壁を抉った。愛液と、破瓜の鮮血  
に濡れたモノが、可符香の中を往復し更なる痛みを生じさせる。  
「い、いだッ………やだッ、ぬ、抜いて………ッ!!!」  
生まれて初めての壮絶な痛みに、とうとう、可符香の眼から大粒の涙が流れ落ちる。  
必死で歯を食い縛り、命の身体にしがみ付こうと両腕を暴れさせながら泣きじゃくる可符香の姿に………命は、  
自分の内の嗜虐心が更に熱く燃え上がっていくのを感じた。  
「………それでも、こっちはちゃんと濡れるんだな。」  
「い、や、助け………もう、ッ………!!」  
「それに、よく締め付けてくる………痛いくらいだ。」  
そう言いながら命は、結合部のすぐ隣で赤く充血した肉芽を、指の腹で捏ねるように愛撫し始める。  
「ひあぅッ!!?あ、ら、らめですッ………そ、そこは、あ、あ、あぁぁぁぁッッッ………!!?」  
「解かっただろう?自分の身体がどれほどのものか………私も、ここまでとは思わなかったよ。この淫乱が。」  
蹂躙の痛みと、浴びせられる罵声………全く救いの無いはずのその状況の中でも、媚薬に侵された可符香の身体  
は、命の無慈悲な責めに徐々に順応し、そこから少しでも快楽を感じ取ろうとし始める。初めは侵入する異物を  
排除しようとしているかのように命のモノを締め上げていた秘所は、次第に濡れそぼり緩み始め、そこから響く  
水音が、だんだんと大きさを増していく。  
「や………ぁ、ぅ………ひぐっ………!?」  
やがて、必死で痛み耐えていた可符香も、それを察し始めた。痛みの中に紛れて身体を襲う、まるで脳髄が痺れ  
蕩けてしまいそうな感覚に気付き………己が身体の異変に、更に戸惑う。  
戸惑いの色だけに染められていた瞳が、どこか遠くを見つめるかのように焦点を失い始める。蒼褪めていた顔に  
ほんのりと朱が差し、喘ぐ声も痛みによるものから悦楽によるものへとシフトしていく。  
「ひ、あぁ、ぁ………あ、ッああああぁぁぁぁ!!?」  
「おや、先に果ててしまったか………まぁ、構わず続けさせて貰おう。」  
やがて可符香が、1度目の絶頂を迎える。内部が痙攣し、ピストン運動を繰り返す命のモノが、一際強い力で  
絞り上げられる。それでも、命は未だ、絶頂には至らない。  
「や、せ、せんせッ………だ、め、ち、ちょっと待って、ぇ………!!?」  
「待ってあげる義理は、無いよ。」  
「あうぅッ!?い、今、今は、ぁ………あぁぁッ!!?」  
絶頂を越えた直後の、最高潮に敏感になった身体に、命は容赦なくいきり立つモノを突き立て続ける。  
「(媚薬を打ったとはいえ、この乱れ様………さすがに予想外だが、掘り出し物だな、これは。)」  
捉えられたままの可符香の身体に乱暴に腰を打ちつけながら、命は意識の片隅でそんなことを考えていた。  
 
そうして、やがて………命が、ようやく近づき始めた射精感の気配に気付く。  
「さて………ボクもそろそろ、限界だ。たっぷり注ぎ込んでやるから、ちゃんと受け止めるんだぞ?」  
「は、へ………?」  
既に何度も絶頂を迎えた身体を、なおも乱暴に揺さぶられながら、可符香は蕩けきった瞳で命を見上げた。言葉  
は届いていても、その意味を考えるだけの余裕は、今の可符香には残されてはいない。  
ラストスパートを掛けるように、命の動きが加速する。それに合わせて、可符香が喘ぐ声の感覚も短くなる。  
「っ………出る、ぞ………!?」  
「あ、あッ、うぁ………ん、うぁ、はうぅっ………ッッッ!!?」  
そして、次の瞬間。  
「ぐっ………!?」  
「あ………〜〜〜ッッッ!!?」  
命の中で弾けた焼けるような熱が、可符香の最奥に、叩き付けられた。  
「あ、ッ………熱ぅ………!?」  
「く………ふ、ぅ………。」  
長い時間を掛けて全てを可符香の中に吐き出して、命が、深く息をつく。ゆるゆると結合が解かれ、命のモノの  
形を覚えた可符香の秘裂から、泡立つ白濁した液体が流れ落ちる。  
「………ぁ………ぅ………。」  
何も無い眼の前の虚空をぼんやりと見つめながら、可符香は、生まれて初めて感じた快楽の余韻に溺れていた。  
       
 
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長い、沈黙の後。部屋の隅に置かれた椅子の上で、気だるそうに煙草をふかす命に向かって。  
「………先生は、どうして………こんなこと、したんですか………?」  
まるで寝言を呟くような声で、可符香が尋ねた。行為の後、貝のように黙りこくっていたはずの可符香に、突然  
声を掛けられて、命は内心少しだけ驚いていた。  
「………さっきも聞かれたな、そういえば。」  
「………………。」  
「そうだな、せっかくだから………教えてあげようか。」  
たなびき淀む煙をぼんやりと眺めながら、命が可符香の問いに答える。  
「まぁ、今までの流れ出、私がどんな人間化はだいたい解かって貰えたと思う。」  
「………まさか、自分の身近にこんな凶悪犯が居るとは思いませんでした。」  
「はは、言ってくれるね………まぁ、否定は出来ないよ。前科もたんまりとあるしね。」  
「他にも………こんな風に………?」  
「ああ。患者や通行人の中に気に入った女性が居ると、つい、自分のものにしたくなってしまってね。」  
「それで………私も目をつけられてしまった、ってことですか………?」  
「そう。ただ………正確には君だけじゃない。」  
「………え………?」  
「前に1度、君達のクラスにお邪魔したことがあったろう。あのとき………一目惚れしてしまってね。」  
「………誰に、ですか………?」  
「『あのクラスの女生徒達に』だよ。」  
「………っ………。」  
「個人も、確かに魅力的ではある………一筋縄ではいかない曲者揃いで、興味をそそられる。けど………。」  
「………けど?」  
「そんな君達の、友情だけではない繋がり、というのかな。そこに、私は惹かれたんだ。望が羨ましいよ。」  
「………それって………つまり………?」  
「実に美しい、まるで、花束のようだ。私は………君達全員を、自分のものにしたくなったんだ。」  
命の解答は、恐るべきものだった。自分が狙っているのは、可符香個人ではなく………血の繋がった弟である望  
が愛する、クラスの女生徒達全てである………というのだ。  
「ああ、もちろん例外は居るがね。確かにほとんど魅力的な獲物ばかりだが、私にも好みというものがある。」  
悪びれる様子もなくそう言って、命はようやく、可符香に視線を向けた。表で会ったときに見た光を失い半開き  
になったその双眸が、どろり、とした視線を命に投げ掛けている。  
「………どうしてそんなことを暴露するのか、と思っているんだろう?」  
「………はい。私が、先生や皆や、警察に、危険を知らせたらどうするんですか………?」  
「簡単なことだよ。そうできないように、すればいいんだ。例えば………。」  
命は楽しそうにそう言いながら………部屋の壁際に置かれた棚に、歩み寄る。  
「この中に、高性能の隠しカメラが仕掛けられていたとしたら、どうする?」  
「………っ………!」  
その言葉の意味を察して、可符香が押し黙る。  
「口封じの手段くらいいくらでもある。それに………さっき私は、『調教』とも言っただろう?」  
「………まさか………。」  
「そう。抵抗する気も起こせない従順な下僕にしてしまえば、全ては丸く収まるのさ。」  
「………っ………。」  
「もちろん、君もそうするつもりだ。たっぷり時間を掛けて躾けてやるから、楽しみに………。」  
笑いを堪えきれず、肩を小刻みに上下させながらそう語る命の言葉を。  
「………そんな必要、無いですよ………。」  
可符香の声が、遮った。おや、と思い、命が注意深く可符香の様子を窺う。  
「先生は………クラスの他の皆も、こうして滅茶苦茶にするつもりなんですよね………?」  
「………まぁ、そのつもりだが………?」  
「だったら………。」  
可符香は陰気な声でそう呟きながら、徐々に、その表情を変え………。  
 
「私………先生のこと、応援しますよ。」  
やがて、狂気染みた笑みを、命に投げ掛けた。  
     
瞬間、背筋を駆け巡った怖気に、命が一瞬だけ言葉を失う。  
「………どういう、ことだ?君の友人だろう?」  
「どうもこうも、ないですよ………あんな、邪魔な人達………。」  
命にとっても信じ難い言葉でクラスメイト達を罵りながら、可符香はなおも笑顔を保ち続ける。  
「みんな、みんな邪魔なんですよ………私の先生に、馴れ馴れしく近づいて………。」  
その言葉に、命はしばし首を傾げたが………やがて、可符香の言った『先生』が、自分のことではなく望のこと  
を指しているのだということに気付き、全てを納得した。  
「驚いた、君も望のことが………我が弟ながら、なかなかやるじゃないか。」  
「どうせみんな、先生を狙ってるんですよ………無理も無いです、先生、あんなに素敵なんですもの………。」  
「………ほお………。」  
「だったら………みんな、ブチ壊されちゃえばいいんだわ………1人残らず、全員、滅茶苦茶に………。」  
命の言葉を無視して、可符香はもはや独り言となった台詞を呟き続けた。  
「(………やり過ぎて精神が壊れた、ってことはないよな?)」  
犯されたままの格好で、精神を病んだ病人のように呟き続ける可符香の姿に少々不気味さを感じながらも、命は  
ひとまず、可符香に自分に対する敵意が無いらしいことだけは理解した。  
「それにしても………好きな男が居る割には、意外と平気そうだな。こんな悪漢に、処女を奪われたんだぞ?」  
「構いませんよ………肉体なんて、所詮は仮初のものに過ぎません。」  
「随分………悟ったようなことを言うね。」  
「私と先生は、もっと高尚なもので結ばれています。それは、ポロロッカ星の唯一神の、御意思です………。」  
「は?ポロロ………なんだって?」  
「………前世、いえ、前々世よりも遥か太古の昔から………私と先生は、1つなんです………ふふ………。」  
「………はぁ………。」  
いよいよもって暴走し始めた可符香の言葉に、命はとうとう、まともな会話をすることを諦めた。  
難しいことを考えるのを止めて、また、可符香に歩み寄る。  
「君の心中は私にはよく解からないが………つまり、君を調教する必要は無い、と?」  
「ええ。だって、みんなを助ける理由なんて、ありませんから。」  
「けれど、まぁ、私もそれを鵜呑みにするわけにはいかなくてね。君が私を騙そうとしているのかも知れない。」  
「あら………だったら、確かめてみますか?」  
「………ほぉ、話が早いじゃないか。」  
「どうせ、仮初の身体なら………朽ちる前に楽しまなきゃ、損じゃないですか。」  
「………本当に、信じ難い思考回路をしているね、君は………。」  
苦笑しながら、命は白衣のポケットを探り、1本の小さな鍵を取り出した。可符香を捉えた手枷と足枷が、カチ、  
と甲高い音を立てて手足を解放する。  
四肢が自由になっても………可符香はもはや、命を拒んだり、部屋から逃げ出そうなどという素振りは、微塵も  
見せなかった。  
 
「さ、先生………いらしてください。」  
「言われなくても、ね。」  
 
そうして、野獣と獲物が、再びその身体を重ね合う。  
 
 
 
(続)  
 

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