「…あの、加賀さん?」
「すいません、すいません」
「いや、そうじゃなくて…。ていうか、これは一体どういう状況ですかぁ!?」
望は目が覚めると、半裸にされ手足を縛られた状態で、自分の生徒の一人である愛に騎乗されていた。
「すいません、私ごときが先生を襲ってしまってすいません」
「いや、謝らなくていいので早く縄を解いてください」
しかし、愛は望の言葉を無視して、そのまま望に顔を近づけ、唇を奪った。
「ふぁっ…」
突然の口付けに驚き若干開いた口の中に、愛は少しの躊躇いすら見せずに舌を侵入させた。
始めは逃れようとするものの、結局望の口内を這い回る愛の舌に捕らえられ、されるがままになっていた。
望は、ぴちゃぴちゃと互いの粘液が混ざり合う音に少なからぬ興奮を覚え、枯れたはずの自分のモノが熱くなるのを感じた。
暫く舌を絡ませた後、愛は名残惜しげに望の唇を解放した。
お互いの口と口の間で白い糸が繋がり、音もなく途切れる。
望はぼうっとする頭で、頬を上気させ、呼吸も荒い愛を見据えた。
「な、何故こんなことをするのですか…?」
「…はっ、すみません!私なんかが先生と唇を合わせてしまってすみません!」
「あの、謝ってないで質問に答えて下さい」
「すいません、すいませ…」
ふと、愛は言葉を切り、ある一点を凝視した。
それが自分のそそり勃ったモノであると気付いたときには、愛の伸ばした手によって下着の上からそれを掴まれていた。
「ちょ…、止めてくださ…あぁっ…」
「すいません、すいません」
言葉とは裏腹に、愛の手は望のそれを激しくシゴいていく。
あまりの快感に、半勃ちだった絶棒がこれでもかとばかりに強度を増していった。
「くぁ…、加賀さん、もう…止めて…」
愛はその声を聞くと、ビクッとして手を放した。
望は、愛が手を放したことを意外に思い、ほっとしながらもどこか物足りなさを感じている自分に気付いた。
(…絶望した!心のどこかでもっと続けて欲しいと思っている自分に絶望した!)
「すみません、すみません」
愛は望の上に乗ったまま、いつものように謝りだした。
「いや、まぁ途中で止めてくれて良かっ」
「下着の上からですみません!口を使わないですみません!」
「…は?」
愛の言葉の意味を理解したときには、愛はすでにトランクスに手をかけ、膝の下までずり下ろしてしまっていた。
「#%$◎&¥―――!?」
自分の絶棒が晒され、望は恥ずかしさの余りに奇声を発した。
愛はそんな望を無視して、そそり勃った絶望を少しの間凝視した後、そろそろと絶棒を掴んで顔を近づけ、咥え込む。
「ん…くぁぁ」
少しぎこちないものの、舌を絡ませ、唇で刺激し、確実に望を快感の先へと導いていく。
望は余りの気持ちよさに、だんだんと理性が崩れ、何も考えられなくなっていた。
「か、加賀さん…っ、出ちゃいます、よぉ……!」
望の言葉は虚しく、愛は一向に口を離そうとはしない。
それどころか、これが最後とばかりに一層激しく貪りついた。
「あ……、はァ……ッ!」
とうとう耐えきれず、望は絶頂に達し、愛の口内に射精してしまう。
愛は放たれる精液の量に驚いたようだが、少し苦しそうにそれを全て飲み干した。
「あ、あなた…、なんて事してくれたんですかぁ―――!?」
「すみません、すみません」
「絶望した!!間違った加害妄想に絶望した!!」
終わり