夕暮れの宿直室から俺の好きな女の喘ぎ声がかすかに響いてくる。  
中の様子は見えないが何が行われているかは明白で、  
俺は悶々として出てくるはずの女を待っていた。  
暫くするとその声も収まりガラリと戸が開けられる。  
「すいません、お相手してくださって・・・」  
「謝らないで下さい加賀さん、私も好きでやっていることですから」  
別れの挨拶を済ませると俺の待ち人、加賀愛が宿直室から出てきた。  
絶望が戸を閉めたのを見計らい声を掛ける。  
「加賀さん」  
「ひっ、き、木野さん・・・何か御用ですか?」  
「君にこれを渡そうと思って」  
そう言って俺は春の新作の蟹びぃむTシャツを差し出した。  
「こっ、困ります木野さん!」  
まただよ、あんなヤツには体も許しているってのに、俺のことは眼中に無いってのか・・・  
「そんな事言わずにさぁ・・・」  
「すっ、すいません失礼します」  
そういうと加賀は、俺を振り切ってスタスタと去っていってしまう。  
どうして分かってくれない?こんなに君の事を想っているのに・・・  
そんな事を考えているうちに、何かが弾けたような気がした。  
気がつくと俺は加賀を近くの男子トイレに引きずり込んでいた。もうどうにでもなってしまえ。  
「木野さん、なにを!!」  
「加賀さん・・やらせてよ・・・アイツとはしょっちゅうやってるんだろ?」  
「いっ、いやあぁぁ!やめてください!!」  
うるさい。さっきは大人しくしていたじゃないか。  
 
俺は渡すはずだったTシャツを加賀の口に押し込んで黙らせ、服を剥ぎ取っていった。  
露になった下の唇に指を差し入れる。  
「んうぅー!!」  
何か言いたいようだけど知るものか。知るものか。  
「さっきは中に出されたんだよな、そんなもの掻きだして綺麗にしてやるよ」  
「んぐぅ!んぐぅー!!」  
案の定中からは白濁した物が吐き出されてくる。  
「あーあこんなにドロドロにされちゃって」  
アイツのは気持ちよかったんだろうか?  
ふと加賀の顔を見ると相当苦しそうだ・・そういえば花粉症だったっけ?  
慌ててシャツを引っ張り出すと、げほげほと呼吸を再開している。危ない、危ない。  
未だ息が整わない加賀は震える瞳で見上げてくる、その瞳は恐怖の色に染まっていた。  
「あっ、あう、ああ」  
「言葉ががでないの?そんなに怖がるなよ、人が来ないうちにすぐに済ますから」  
そういうと俺は、肉棒を取り出すと加賀の秘所に押し込む。  
「うあぁぁやあぁ!」  
 
またうるさくするのか、黙れ、だまれ、ダマレ  
どうやって静かにさせようか、思案した後・・・加賀の首筋に喰らいつく。  
「うぐうぅ・・うぅぅ・・・」  
消え入りそうな呻き声を上げながら、口をパクパクさせている。  
やっと大人しくなったか・・これでようやく存分に犯せる・・  
しかし、  
「何をしているのですか!?」  
(また邪魔が入ったよ・・・)  
振り返ると叫び声を聞きつけてきたのだろうか?絶望が見下ろしている。  
「木野君止めなさい!自分のしていることが分かっているのですか!?」  
「邪魔はしないで下さいよ先生、さっきあんた等がやってたこと言いふらされたくなければ」  
「なっ」  
「そうなったら終わりですよねぇ、あんたも加賀さんも」  
言い終わると行為を再開し、同じ場所に喰らいつく。口の中に薄っすらと鉄の味が広がる。  
「かはぁっ・・・くあぁぁぁ・・・・」  
「糞ッ」 (汚い言葉使っちゃ駄目ですよ先生。)  
「せんせぇ・・・いいんです、私がっ、我慢すればいいんれすから・・すいません・・ごめんなさい・」  
そんなにこいつが良いのか?俺は知っている、こいつが他の女子生徒とも  
関係していることを。加賀はその事を知っているのか?  
いや、知らないはずが無い。男の俺でも気付くような事だ、それでもこいつが良いのか?  
 
加賀の顔に俺の顔から水滴が落ちる。  
(汗でもかいたのかな?暑い季節でもないのに・・・)  
「うくぅ・・あ・・」  
気が付くと俺は加賀の中に精を吐き出していた。  
挿しているものを引き抜き、口も離して彼女を開放する。  
首には歯型がくっきりと残されていて、だらしなく開けられた口からは涎を垂らし、空虚な瞳は真っ直ぐに天井に向けられている。  
酷い状態の加賀を見た絶望はすかさず介抱に掛かっていた。  
それを見届けた俺は、フラフラと校舎の外へと歩いて行く。  
 
「すいません、ごめんなさい」  
加賀の謝罪の言葉が耳から離れない。  
こんな筈じゃなかった、こんな事する気は無かった。  
すっかり暗くなった空を見上げて、頭の中で反芻する。  
「今日は満月か・・・」  
いつの間にか顔を出していた月を見ていると、不意に頬を熱い雫が流れ落ちた。  
ああ、俺は泣いている?こんな獣にも泣くことが出来るのか?  
夜空に浮かぶ月に向かって一声吠えて、俺は何処へとも無く歩き出した。  
終  
 
 
 

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