お久しぶりですね…お元気でしたか?  
ずいぶん美しくなられて…ああ、こういう褒め言葉はいけないんでしたっけ。  
セクハラ…?  
でも、私とあなたの間には、いまや教師と生徒という関係もありませんし、  
セクハラにはなりませんよねぇ。  
 
え?私ですか?  
いやあ、私は、蔵井沢に引っ込んでからすっかり田舎の人間ですよ。  
さっき、自動改札を抜けるのに失敗して、挟まってしまいました。  
 
懐かしい、ですか…?  
ふふ、そうですね…教室でそんな話をしたこともありましたっけね。  
……楽しかったですね、あの頃は……。  
………。  
あ、すいません、ぼんやりして。  
 
え、何ですって?失礼な、私はまだボケる年ではありませんよ。  
そうですよ、知らなかったんですか?  
私はあなた方とは、7歳しか違わないんですから。  
 
…あの頃ならばいざ知らず、この年になると7歳の年の差なんて  
……大したこと、ない、と思いませんか?  
 
………。  
 
あ、あはは、すいません、今のは忘れてください。  
ちょっと言ってみただけですから。  
 
あ、えと、今日の用件ですか?  
そ、そうですね、あなただってお忙しいんですものね。  
こんな下らない話に付き合ってる暇なんかありませんよね。  
 
……そんなこと言われても…ネガティブは私の属性ですから…。  
 
……。  
 
そう、私はネガティブな人間なんです。  
だから、今さらネガティブになる要因がもう1つ増えたって…  
…どうってことないんです。  
 
何を言ってるか、意味が分かりませんか?  
そうですね、もっと分かりやすくお伝えしましょう。  
 
 
―――私は、あなたのことが、好きなんです。  
 
 
……すいません…驚かれるのも無理はありませんよね…。  
でも、私は、あなたが卒業してからも、  
片時もあなたのことを忘れたことはありませんでした。  
 
いえ、時が経つほど、離れるほどに、あなたの笑顔が甦ってきて、  
もう自分でもどうしようもなくなってしまって。  
あの学校にいることが耐えられなくなって、蔵井沢に逃げ帰っても、  
結局頭に浮かぶのはあなたのことばかりで…っ。  
 
 
……。  
………。  
 
すいませんでした…。  
……やはり…迷惑ですよね、突然こんなこと……。  
新しい人生を歩き出そうとしているあなたに、  
こんな勝手な気持ちをぶつけてしまって……忘れてください。  
 
では…ここの払いは済ませておきますから…って…え?  
 
 
――――!!  
 
 
そ、それは…その…ええと…?  
 
え…いや、だって、そんな……信じられなくて。  
 
 
……。  
 
 
はい…そうですよね、こういうときくらいはポジティブになるべきですね。  
…嬉しいです……本当に、嬉しいです…。  
 
…はい、私も、愛してます…心から。  
 
 
 

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