朝、目が覚めると先生の顔が私の顔のすぐ近くにあった。
すごくビックリしたけど、それと同時に胸が高鳴るのが分かった。
頬が熱くなり、寝ている先生が起きてしまうのではないかと思う程、心臓がドキドキしてる。
そういえば昨日、私は風邪をひいちゃって、夜眠る前に先生に
「心細いからそばにいて」
と言った記憶がある。
きっと熱があったせいで普段なら絶対口に出せないような事言えたんだと思うな。
今思うとちょっと恥ずかしいけど、先生はずっとそばにいてくれた。
そんな先生の優しさが素直に嬉しい。
(先生ってなんだかんだで優しいんだから)
そう私は少し微笑みながら心の中で呟いた。
胸がまだ少しドキドキしたまま私は、今まで先生の顔をこんな近くで見た事なかったなぁ、なんて思いながら眺めていた。
先生って男の人なのに色白だなぁ、まつげ長いなぁとそんな小さな発見に嬉しさを覚えつつ
(先生の頬の産毛も、閉じてる瞳も、この長いまつげも全部私のものになったらいいなァ)
なんて考えてた。
先生は私の横で小さなイビキをかいて眠っている。
そして今、小さく笑ってそんな先生の寝顔を独り占めしながら見つめている私は、きっと世界で一番幸せ。
私は声に出さずに唇だけ動かし呟いた。
「先生、大好き…」
少し頼りないけど
少し優しすぎるけど
すべてあたしが守ってあげる
だから早く受け止めてね