第七集 前巻のあらすじの続き
ますます現状は盛り上がりを見せていく中、明日も明後日も己の死を今か今かと待ち望む
見舞客が押し寄せる。
医者も最後の望みと言わんばかりに何故かリボスチンやらフルメトロンなどを次々投与するが
それは眼に点眼するお薬です。これはおかしい。望はついに気がついた。
自分はおちゃっぴーでもエロモナス病でもない!周囲の人間達に殺されかかっているのだ!
脱走を試みるが時すでに遅し、津軽要塞と化していたサナトリウムは脱出不可能。
医者と看護師はベレッタM92でも隠し持っていそうな犯罪者にしか見えない。
見舞客はついに輪廻転生について語り始め、中途半端な生命学を延々聞かされ憔悴するが
最早涙すら出ない。
そんな時現れたのは毎日のように病室に飾る生花を換え、献身的に見舞いに足を運ぶ
心優しい一人の教え子。必然の如く心の拠り所となるが、彼女がいつも持ってくる花は切花でなく
鉢に植えたままの状態である事実に気付き 半ば自暴自棄になった望はとうとう彼女を
ベッドに押し倒す。禁断の恋に苦しむ余命僅かな教師と女生徒が病室で一線を超えるという
どこぞのAVのようなシチュエーション。本気で死ななきゃ舌打ちでもされかねない状況に
拍車を掛ける結果を自ら招き、生来のチキンな性分が災いして窓からの飛び降りを一考していると
教え子はクロスしたヘアピンをキラリと光らせ「その前に自叙伝を書いてください。」
泣く泣くペンを握らされる羽目に。