『若く飢えてるのが悩み』  
 
 あれから、何日たった。  
千里に傷つけられた武器は、完全に回復。  
千里の機嫌も同時に直った。  
これは再度、行為を望んだ千里の要求を受けたためであった。  
 
 そして、忘れてはならないのは、久藤の存在であった。  
妙に望に対してしおらしくなっている。  
望の方も満更ではなく、彼と親密になってしまっていた。  
 こうなったのも、望の遊び人癖が復活してしまったことに起因した。   
 
 そして、その光景をうれしそうに眺めた少女が一人いた。  
 
 望は毎晩、日課のように押入れに入り込み、霧と戯れた。  
霧が疲れ果て、もう動けない状態になったとしても、  
望の欲求は底を知らなかった。  
 対象は女性徒だけではなかった。  
スクールカウンセラーの知恵も、望の実力を見直して、  
知恵と同等の立場にて、プレイを楽しめるようになった。  
 
 復活した性器。そして復活した才能。あの指遣い、口遣い。  
王者のごときそれは、一部の女性たちの憧れの的となった。  
望も、それが世界で一番かのよう驕っていた。  
そう、あの日が来るまでは…。  
 
 今日は、どの女子にしようか。  
望が不純な想いを胸に抱く中、一人の少女が後ろから声をかけた。  
 
 「先生! ちょっといいですか?」  
 その少女は、クラスの問題児、いや、こう書いては、誰を指すのか検討がつかない。  
問題児の一人。耳好き・カップリング中毒、藤吉晴美であった。  
   
 「なんでしょうか?」  
 「写真とってもいいですか? この前友達と話していたら、先生のこと  
  見てみたいって言ったから…」  
 かわいらしい相談だった。  
 「私の話題ですか? どんなこと話したんですか? 変なことじゃないでしょうね?」  
 「とてもいいことですよ。うちの担任は、すごく『総受け顔』って言ったんですよ」  
 
 「ど・こ・が! いいことですか!! 失礼な!」  
 「失礼じゃないですよ! 『受け』というのは、女性が好きなキャラに与える役でもあって、  
  『総受け』といったら、アイドル的存在に与えれることが多いんです。例えば(中略)  
  なんです。しかも…」  
 「はいはい! わかりました。 あなたは、私の何も知らないということがね」  
 
 望は呆れていた。自分が『総受け』だって? 今の私は攻め攻め人間だというのに。  
 
 「…だって、この前、久藤君には…」  
 「あーーー! それは! その!!」  
 マズイマズイ。この子のペースに乗せられては…。  
 
 「藤吉さん。悪いのですが…私は攻めてばかりなんですよ」  
 「『総攻め』ですか?」  
 「そう言うのかは知りませんが、優男っぽいのは見かけだけです」  
 
 藤吉は、不敵な笑みを浮かべた。  
 「だったら、試してみませんか? 私と…」  
 「本気ですか?」  
 「私、今、結構欲求不満なんです」  
 「いつもでしょ」  
 「あちゃー。痛いとこを」  
 藤吉の発言に、望も笑みを浮かべた。  
   
 藤吉さんか。今まで自分が抱いたことのない女性だ。  
スタイルは抜群。結構楽しめるかもしれませんね。  
 
 望は、藤吉の肩を掴んだ。  
 「泣いても知りませんよ」  
 
 
 二人は素早く全裸になった。  
型のいい、二つの乳房が眩しい。  
望は手始めに唇にキスをして、晴美の口内に舌を入れた。  
 「あふっ」  
 唇を合わせながら二人は笑う。  
それは、『お前には負けない』という意思表示だった。  
 
 「では、さっそくあなたの乱れた顔を見せてもらいましょうか」  
 望は、晴美の乳を掴んだ。手に余るそれを大きく揉みだした。  
 もみもみ、もみもみ  
 
 「へぇー。やるねぇー」  
 晴美は、まだまだ余裕であった。  
 次は乳首を摘んだ。親指と人指し指で強弱をつけて揉む。上下左右に引っ張る。  
まだ、晴美は心地よさそうな顔をしている。  
 
 「これでどうです?」  
 望が下から乳房を鷲づかみにし、それからいきなり乳首に吸い付いた。  
 チューチュー、と音を立てる。  
舌と歯も巧みに使いこなす。  
 
 「はあ、はあ、どうです? 先生の力は!」  
 「うん。上手だったよ」  
 「えええええええええー」  
 
 晴美はケロリとして答えた。  
 「そんな馬鹿な」  
 霧の場合は、これ以上はないというほど乱れ、  
知恵先生も息を荒げたというのに、この女性徒は何事もなく感想を漏らすだけなのだ。  
 
 「はあ、わかりました。不感症なんですね。藤吉さん」  
 「違いますって、先生が優しくしすぎなんです。自分でやるときは、  
  ちゃんとイケるもん」  
 「本当ですか? じゃあ、見せてくださいよ」  
 「むぅ。わかりましたよ」  
 
 3分後  
 
 「絶望したー! 現代っ子のいやらしさに絶望したー!」  
 「ああっ! はあっ! これぐらい…激しく…しなきゃ」  
 「何ですか! その手の動きは! やらしすぎる!」  
 「これぐらい激しくないと、できない体になっちゃったみたいで…」  
 「私には…ちょっと」  
 「じゃあ、先生はやっぱ『受け』なわけだ」  
 
 間髪いれずに、望は彼女の割れ目に指を這わした。  
 「だから『攻め』だって言ってるでしょうが? 前戯だけで、判断しないでください」  
 「ふーん。じゃあ、入れてみてくださいよ」  
 
「いいよ。うん。すごくいいよ」  
 「…何故ですか?」  
 望は晴美の中に、自慢のそれを挿入し、激しく腰を揺らした。  
しかし、晴美は揺り篭に乗っているような心地であった。  
 「ああ、きもちいー! マッサージしてるみたい!」  
 穴は間違ってないはず。弱点らしいとこは、ちゃんと重点的に攻めてるし、  
これであえぎ声ひとつなしとは…。  
 望は一回出し入れするのを止めた。彼女の中に入れたまま、考え込んだ。  
どうすれば、彼女をイカせることができるだろうか。  
しかし、その思考は、中断されることとなった。  
 「止めないでよ!」  
 晴美が腰を動かし始めたからだった。  
 「っちょ! ふじ…ああっ!」  
 望に快感の大波が押し寄せてくる。望のほうがもう限界に近かった。  
 締め付けてくる晴美から逃れて、望の棒は外に脱出した。  
先端から情けなく液がたれてくる。  
 「もう、イッちゃったの?」  
 晴美が屈辱的な言葉を浴びせる。  
 「はあはあ! もう駄目!」  
 「だーかーら! 先生は『受け』なんです。男性にも…女性にもね!」  
晴美は、あぐらをかく望の肩を足で押す。  
 「うわっ」  
 思わず仰向けになる望。裸の晴美が仁王立ちで彼にまたがる。  
 
 「随分、立派なんだね」  
 晴美は、自分の左足の親指と人差し指で望の棒を挟み込む。  
そして、足の指を器用に動かした。  
 「ああ! ちょと! だ、駄目ぇ!!」  
 
 望の先端から、濁った液が飛び出した。勢いよく、彼女の乳房にまで掛かった。  
 
 「足だけだよ?」  
晴美は本当に意地悪な顔をしていた。  
 
 さらに屈みこんで、手を使って棒を扱う。  
足だけで、恐ろしいほどの快楽を生み出したのだ。手はその10倍は威力があった。  
 「藤吉さん! もう先生…」  
 「まだ、立ち上がってるよー。あと2,3回はできそう」  
 「や、止め…」  
 「先生! 可愛すぎ!」  
 晴美の行為はとまることなく、寧ろ加速した。両手で擦りあげたあと、  
両の乳房を挟みこみ、上下に動かす。  
やわらかい感触に、望は気が狂いそうだった。  
 その棒が晴美の口で弄ばされたとき、望はまた絶頂を迎えた。  
 
 
 ぐったりと倒れる望を、晴美は上から覗き込む。  
 「この角度がいいかな?」  
 
 晴美は望の顔をケータイの写真で撮る。  
 
 「友達に送ろ! 『女性徒に搾り取られた後』『総受け教師』うん。いい題名だ!」  
 
 冗談じゃない! 恥さらしにされるなんて、まっぴらです。この自分がそんな…  
軟弱なわけがない。動け! 私の体! まだできるはず。全力を出さなければ!  
 
 望は、朦朧とした意識の中、念じ続けた。  
 
 
そして…  
 
 望は立ち上がった。ゆっくりと。そして、晴美は異変に気づいた。  
彼の目が、ケモノのようだったということに。  
 
 「先生? 覚醒した?」  
 
 精力がないと馬鹿にし続けたことが逆鱗に触れ、眠れる獅子を起こしてしまったようだ。  
望は何も言わぬまま、晴美を押し倒し、唇を奪う。   
 
 「むぐ…」  
 強い! やっぱり、さらなる力を発揮している。  
晴美はキスだけでそう感じた。  
 「まるで…」  
 まるで、あの某有名少年漫画の『コックと剣士のラブストーリー』に例えるなら、  
主人公がギ○2を発動したというところか。『間抜けなイケ面革命家総受け漫画』に  
例えるなら、攻め役の主人公が過去の白○叉の血が蘇ったというところか。  
   
 藤吉がそう考えているうちに、再び望の手は、彼女の乳房に。  
むにゅむにゅ  
 「まあ、気持ちいいけど…これぐらい…」  
むにゅむにゅ  
 「あれっ…っちょっと! えっ! 嘘!」  
望は、乳房全体を舐め回す。  
 「あっ! 駄目! 嘘! こんな…! あーーーん!」  
 
 なんと晴美は、胸だけで達してしまった。  
 「はあっ! はあっ! そんなあ…」  
 動悸が激しくなる。望の攻撃は、さらに追い討ちをかける。  
 
 
しかし、覚醒したのは、望だけではなかった。  
晴美の目も野獣と化した。  
 「私を本気にさせたの…先生が初めて…(リアルでは)」  
晴美は望の性器を握った。すると数秒と経たず、精液がドロドロと流れ出る。  
 「くぅ!」  
 「反撃なんて、させない!」  
 「どうですかね!」  
 二人は睨み合う。そして再び交じり合う。  
 「どちらが先にバテてしまうか」  
 「勝負しましょう」  
 そして二人は、同時に腰を揺らした。  
 
 
 勝負は夜中まで続き、引き分けとなった。  
 
 
 
 後日、  
 
 5月のある晴れた日のことである。  
 
 「やっぱり、ばれたか」  
 別のクラスの女性が、晴美を連れ出そうとしている。  
晴美は、「やーやー」と抵抗していた。  
   
 「どういうことですか?」  
 「晴美は、この時期、驚異的運動神経がばれてもれなく運動部に勧誘されるのです。  
  ミス五月バレと呼んでください」  
 「呼ぶなー!」  
 
 「もうミセスですけどね」  
 「え?」  
 「いやいや、授業を続けましょう」  
 
 あれから、晴美の望に対する想いは変わったらしい。  
 
 『ただの総受け教師』から、『リバOK教師』に…。  
 

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