交君が小森霧を訪ねると望先生が霧を犯していた!?  
霧が「あ、開けないでよ!!」と真っ赤になって懇願するも、  
交君は固まったまま霧の痴態から眼を離せない。  
「おや、小森さん、交に見られて興奮しましたか?」 などと鬼畜な声をかけ、  
霧を羞恥に震えさせて楽しむ糸色望。嬌声を上げる霧の頭を掴み、  
「ほら、交も一緒にどうです?」 という3Pな展開に・・・  
 
「あれ? 晴美ちゃん、こんなところで何してるんですか?」  
び、びくうぅっ!!!  
「あ、貴方!いきなり声かけないでよ!!(もう・・・  
 せっかく筆が乗ってきたところだったのに・・・)」  
怒鳴られるのもなんのその、夕闇の図書館で、可符香はくるくると回り始め、  
特定の電波を受信し始める・・・そして。  
 
「晴美ちゃん!欲望を秘めたままにするのはよくないと思います!」  
「はぁ!?」  
「夢は実現させてこそ!! さあ、そのシナリオを現実にしましょう!!」  
可符香はいつのまにか晴美の持っていた原稿用紙をひったくり、  
図書館を出て走り出している。  
「ちょっと貴方!? それ返しなさい!! まさか誰かに見せ・・・  
 お願いだから返して〜〜〜」  
晴美は顔面蒼白になりつつ追いかけるも、可符香の健康的な脚力に  
オタクの脚力がかなうはずもない。  
 
「はあ。そうすると、何か劇でもやるんですか」  
職員室で残業をしていたところ、とっくに帰ったはずの風浦可符香がやってきて、  
糸色望は混乱していた。まあ、この生徒を相手にしていて混乱しないことのほうが  
珍しいといえば珍しい。  
 
「そうです。主演はたぶん、先生と交君と霧ちゃんになると思います。  
 シナリオもここにあるんですよ!!」  
 
「でも劇なら、練習しないといけませんよ。それに木津さんに知られたら、きっちり練習  
するまでお披露目できないことにされそうですし、いきなり本番という話はいくらなんでも  
乱暴じゃないでしょうか」  
 
「でも、夢がかかってますから!!」  
 
うまいこと話題を逸らして断るつもり満々な望だったが、カフカの迫力が全ての  
消極的な努力を無効化していた。なぜこんなに風浦さんはポジティブなのか。  
あまりのポジティブさに、自分のネガティブさが相殺されて、生き方に変化が  
生まれてしまいそうで怖い。生徒を怖がる先生というのは、あまり良いとはいえないですが。  
と、現実逃避気味に風裏さんについて考えてみる。  
 
「じゃあ、そのシナリオを見せてください」「はい」  
 
「ちょっと待ったあああああああ!!!!」 そこに藤吉晴美が全力で割り込む。  
さすがにアレを本人に見られたら生きてはいけない。阻止!!断固阻止!!  
 
「これ、もしかして藤吉さんが書いたんですか。状況的に」「そうかもしれないです」  
待てと言われて待つような常識人なら良かった。だが、相手は糸色望とカフカ。  
この組み合わせは絶望的である。ナチュラルに読み進む糸色望。wktkしつつ見守るカフカ。  
頭を抱えて座り込む晴美。もうだめだ。しのう。とか呟く。  
 
「・・・藤吉さん。できれば交と霧さんの関係はそっとしておいてください。  
 あの二人が一緒にいると、教育的に良さそうですので」  
望は、寂しそうに言う。ぽかんとする晴美。良く見ると、自分の腕の中に自分の原稿用紙がある。  
じゃあ・・・あの原稿用紙は??? まさか・・・  
 
「でも、なかなかいいシナリオですよね?」 「ええ、そうですね。最後の告白のシーン、  
先生ちょっとじんときちゃいました」  
そう言う先生の横に立っている風浦さんは、少し赤くなっているように見えた。(おわれ  
 
 
 
「はぁ・・・なんか今日はどっと疲れた・・・」  
 
とぼとぼと帰途につく藤吉晴美。あまりにカフカに振り回されすぎて、  
フラフラになってしまっている。そのせいで、カフカを追いかけているときに、  
原稿用紙を1枚、廊下に落してしまったことを気付いていない。  
 
「ん、なんだこれ?」  
ちょうど日が落ちてきたころ、(望が残業中でつまらないので)霧のところに  
遊びにいく途中の交が、一枚の紙を拾い上げた。  
「暗くてよく見えないな・・・霧のところで電気を点けて読むか・・・」  
 
その後、交がプスプスと煙を上げるほど真っ赤になって発見されるのは、  
また別の話。  
 

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