自分の下を流れている水音が止みかける頃、望が奈美の円やかなヒップに手を添え、立つよう促してきた。
上半身を縛られたままなのでうまく立ち上がれず、バランスを崩して担任に寄りかかってしまった。
だがそんな奈美の背中を軽く抱きかかえたりしながら望が上手くサポートしてくれ、
ふらつきながらもどうにか立ちあがった。
すると、望が奈美をするするっと個室の壁に添って立たせた。
すぐにぱんつを穿かせてくれると思っていただけに、奈美は戸惑った。
だが困惑を声に出せるほど平常心が戻っていない。
担任の前で放尿し、始末をしてもらう際に感じてしまうなどという痴態を晒してしまった以上、
望に会わせる顔のない奈美はうつむいたままであった。
個室が薄暗く、覗きこまれない限り自分の表情を見られないですむのが救いと言えば救いだった。
不意に前にいた望がしゃがみ込むと、右足首を掴み、ぱんつから抜いてしまった。
そのまま足を肩幅に広げさせられた。ぱんつは左足首に引っかかったままである。
――え、えぇ〜〜?
望の行動が読めないでいるうちに、奈美の前に片膝を突いて座ったのがシルエットで分かった。
個室の中はかなり暗く、奈美からは望の表情を窺うことは難しかった。
また、その余裕もなかった。
なにせ、汚れを拭われたとはいえ、
本来なら絶対に隠しておくべき自分の秘所が望の目の前にあるのだ。
個室の中は静かだ。
二人とも無言である。望の息が恥毛をそよがせているのが分かる。
視線を痛いほど感じる。
自分の愛する望の視線が自分を意のままに犯しているような気さえする。
ひょっとして、あそこを指で開かれて検査され、
さっきちょっと気持ちよかったのがばれるのではないかと気が気ではない。
それも拭いたくれた本人に検査されるのだ……
思わず身体をよじらせ逃げようとした。
だが望が腰をがしっと両手で掴むと、いきなり全体的にぞろっと舐め上げてきた。
奈美は思わず悲鳴を上げそうになった。
「きゃ! ……うぅ」
だが、ここは職員用とはいえ、誰が来るかは分からない場所である。
望といるのがばれたら身の破滅だ。奈美は望に小声で嘆願した。
「だめだめ、先生ダメです。汚いから」
望はかまわず繰り返し大きく舌を遣ってぐにっ、ぐにっと舐め上げてくる。
これまでの経験で望の愛撫に体が慣れてしまっている奈美としては、
それだけで中が潤ってしまう。柔らかな快感が腰の奥を蕩けさせてしまう。
早くも立っていられなくなりそうになる。
奈美自身が充分ほぐれた頃、きゅっと指先で開かれる
と尖らせた舌先が中に進入してきた。奈美は小声で必死に担任を制止しようとした。
「いや、だめ、汚いですから。お願い」
先ほどとは違い、自分の弱点を直に触れたり、襞の間に細かく舌先を這わせてくる。
奈美はともすれば快感で開きそうになる足を、必死に閉じようとした。
だがその度に、望の舌が憎いポイントを舌先で探ってきて、
湧き出てしまった恥ずかしい蜜を舐め採る。
そして足を閉じる力を奪われてしまう。
気がつくと、望の両手がヒップに移動して、やわやわと豊かな尻たぶを揉んでいる。
飽きるとその手を後ろから太腿の内側にすっと滑り込ませてくる。
そのまま内腿あたりを指先でさわさわと往復させ、軽く軽くなでる。
なでられた先からごく軽いピリピリとした電流が生まれ、
やがてほのかな快感となって伝わってくる。
舌先は相変わらず中の襞を丁寧にたどっている。
たまに中をまたぞろりと舐め回すかと思うと、外の割れ目を何度も往復させる。
またちろちろっとした舌先の動きに戻るが、
今度は奈美の一番敏感な小突起を舌先がかすめるようになる。
溢れた蜜がこぼれそうになると、その度に小さな音を立てて吸い取ってくれる。
「ん……ぐぅ」
その度に、奈美は爪先を曲げて、歯を食いしばって声を出すのを我慢した。
大きな声は出せない、出してはいけない。
それは望も分かっているはずなのに、どうしても愛撫を止めてくれない。
それどころか、舌先でいやらしい所にちろちろと攻撃しながら、
内腿を撫でていた指に力がこもってきた。
奈美の足を徐々に開かせようというのだ。
いいかげんに快感で腰がしびれ、足から力が抜けてしまっている。
もう閉じようとする力が入らない。
思わず背を個室の壁につけてしまうと、奈美は切れ切れに言った。
「先生、さ、触り方、うう、いやらしくなった」
「そんなことないですよぉー」
望は囁き返すと指先で蟻の戸渡りあたりをつんつんと押した。
「前に比べてねちっこくなったし、そ、そんなとこぉ、触って、ひぐぅ」
「あなたが敏感になったんじゃないですか」
そう嘯きつつ、指をアヌス周辺にまで這わせてくる。
そうしてまた舌先をとがらせて奈美の中に差し込み、ぐりんぐりんと回転させる。
「ひ、ひぐぅん、そんなあぁ……開発したのは先生じゃないですか。
枯れかけているって話だったのに」
「そんなことをいう生徒さんにはおしおきです」
望はぱんつが足首に絡んでいる左足を抱え上げると、
唇で奈美の小さな赤い豆を軽く挟み、はむはむと甘噛みしてきた。
――ひぁうぅ!
鋭い刺激が脳天へ突き抜ける。
目の前に確かに花火が散った。
腰が大きくひくつくが、望は許してくれない。はむはむを続行したままである。
担がれた足から足首がだらしなく垂れ下がっている。
その足首に引っかかったぱんつがふわふわと揺れる。
「いやあああん、ごめ、ごめんなさ」
「いいえ、許しません」
――ちううううっ!
いきなり激しく音を立ててそれを吸ってきた。
奈美は思わず大きく背をのけぞらせ、頭を壁にぶつけてしまった。
「ひぐううん! せ、先生ばっかり責めてズルいぃ」
だが奈美の手は縄で縛られたままだ。
しきりに足を閉じようとし、身を切なげによじるしかなかった。
だがそんな奈美に、望はさらなる愛撫で応えた。
「もっと責めてあげます。これなんかどうでしたっけ」
そう問いかけながら、可愛らしく勃起した小豆を舌先ですくい上げるようにはじいてきた。
――てろん!
奈美の身体が大きくぴくんと動いた。目の前が一瞬だけ白くなった。
「はあん、それだめぇ」
「じゃあ、これはどうです」
左右に連続してれろれろと弾かれた。
奈美はもう言葉も出ず、恥ずかしい蜜を大量に溢れさせるばかりであった。
もう腰の奥の風船がかなり膨らんでいる自覚があった。
このままだとあと少しでイかされてしまう……
ふと望が二本指をジンジン疼いている豆の付近にそっと添えると、きゅっと剥いてしまった。
憎いことに、そのまましばらく何もしないでいて奈美をじらせてくる。
赤く大きくなっているはずのそれが外気に触れ、自然にひくひくぅと動いてしまっている。
女の恥ずかしい所の芯を望に見つめられている……
――ふーーーーっ!
「あう!」
息を吹きかけられるだけで、泣きたくなるほど気持ち良い感覚が下半身にじーんと渦巻き、
今は縄でくびり出されている乳房で増幅され、
鋭い矢となって勃起しているはずの乳首に刺さる。
縄でくびり出されるだけではイヤだ。望に揉んでもらいたい。
だが望は、そんな奈美の気持ちを知ってか知らずか、残酷なことを口にした。
「もうあまり時間がありません。一気にいきますよ」
「いや。よして。許してぇ」
奈美が小声で――まだ自分たちが女子洗面所の中にいるという自覚が辛うじてあった――
嘆願したが、望は剥いたままの豆の回りを舌先でぐりぐりと舐め回し始めた。
「はぐぅ! ん、あん」
奈美はもう息もできないほどだった。
特大の快感の束が腰の右から左から渦を巻いて背筋を伝わり、
縛られている胸や脳に達した。
望は続いて固くとがらせた舌先で、存在を主張している小突起を押しつぶしてきた。
――ぐりぐり。ぐりぐり。ぐりぐり。
奈美の視界が、目の前にプラズマ球が爆発したように白くなった。
暗い個室にいるはずなのに、目の前がこんなに明るいなんてと途切れがちな意識で思った。
もう胎内の風船が弾ける寸前だった。
自分ひとりの指遊びで達する頭キュンの切ない快感とは比べ物にならない絶頂が目前に迫っていた。
遠くで望がこんなことを言った気がした。
「さあ、最後ですよ」
しっかり剥き直された。と、さらにきつく吸い上げてきた。
そして息の続く限り吸い続けては、また舌先で押しつぶされ、ぐりぐりと押さえつけられた。
そして、押しつぶされたまま、さらに吸い上げられけた。
――ちううううううっ! ちううううううううううううううううっ!
奈美にはこの連続吸い上げ攻めはたまらなかった。
このまま文字通り天国まで連れて行かれる気がした。
奈美自身の奥の風船が限界まで膨らんだ。
そしてかあああっと熱を帯び、ねっとりした蜜を吐き出すのを自覚した。
こうして奈美は陰部を望に吸われ続けたまま、
腰をがくがく震わせながら久しぶりにキツい絶頂に達してしまった。
――ちうううううううううううううううううううううううう!
「ひゃああ、い、い、いいいっちゃううううううううううう!」
☆
後始末を望にしてもらい、ぱんつまで望に穿かせてもらった奈美は腰が立たなかった。
まだ体中が火照っていて、一歩足を踏み出すとその刺激が身体の奥に伝わり、
女の芯を刺激し、歩けなくなるのだった。
その場にうずくまってしまった奈美は、とうとう望に負ぶわれて視聴覚教室に戻ることとなった。
意外なことに、そんな奈美を千里は当たり前のように迎えた。
スカートもすんなり返してくれた。
再度椅子に括り付けられ映画の残りを観るよう強いられたが、
その時間は砕けた腰を立て直し、何とか立ち上がれるような力を蓄えるのに使った。
だが、奈美の後ろにいてやはり椅子に縛られているはずの望が、
ときどき千里に囁いているのが切れ切れに伝わってきた。
「ちょ、ちょっと! 駄目で……」
「日塔さ……所を見られ……」
「ああぅ! ……ろを触ら……い」
何かをしきりに止めようと懇願しているようだ。
だが後ろを振り返る勇気のなかった奈美は、体力回復に神経を集中させることにした。
ようやく映画が終わった。
特に映画の感想を求めてくるでもなく、千里は奈美を縛り付けていた縄を解いた。
そろそろと立ち上がりかけたところに、後ろで千里と望がこんな問答をしているのが耳に入った。
その様子を見て、奈美は自分を手洗いに連れて行ってくれた望が赤褌一丁という
恥ずかしい姿だったことをようやく思い出した。
「じゃあ、私はこれで」
「ちょっとそこのあなた!」
「ひいっ! わ、私が何か」
「誰が帰っていいって言いました!
……先生、映画の後片付け、手伝って下さい。
それから、私もお手洗いに連れてって下さいませんか。それに……」
千里の視線の先をたどると、なんと赤褌の下で勢力を誇示している絶棒が目に入った。
――先生、やっぱり我慢してたんだ……
「そちらも堪えてらっしゃるようで。」
千里がためらうことなく布越しにそれを手で握り、ぐいっとひねった。
「あ、あぅ!」
「では、ちょっとこちらへ。」
千里は赤褌越しに固くなったままの絶棒を握り、
なぜか手洗いではなく視聴覚準備室へ担任教師を導いた。
二人が中へ入った後、カチリと内側から鍵が掛かる音がした。
しばらくして後、
「あひいーーーーーーーーーーーーーーーん」
「うなあああああああああああああああああ」
という媚態を含んだ悲鳴が微かに漏れてきた気がする。
が、映画を上映していた視聴覚教室の中は暗幕が張ったままで暗く、
準備室の様子もまるで見えない。
すべての出来事が闇に溶け込んでいるようだった。
その場にいるとまた影の中に取り込まれ、
今度は「ほにょ」だけでは済まなくなる恐れを充分に感じた。
奈美は火照った身体を無理に宥めながら家路に着いた。
☆
その夜、就寝前に火照りが再発した奈美が、
憧れである担任を脳裏に思い浮かべながら指を遣い、
甘美な一人遊びに耽ったことは言うまでもあるまい。
――[完]――