「先生、このくらいで感じちゃって……かわいいですね」
「そん……常………やめ………」
望の胴体をさすりながら、まといはくすっと笑った。
口先で否定しようとしても、もうすでに望の身体は敏感に反応していた。
「先生は、他に……どんなところが感じるんですか?」
「そんな……言えませ………ハァ……」
「じゃあ、調べてあげますね」
まといは望の胴から手を離すと、望の首を片手で抱いた。
(うぐっ……きついです常月さん!!)
腕と足をじたばたさせるが、思ったように身動きがとれない。
そんな抵抗を無視するかのように、まといは望の髪をかきわけて、耳をむき出しにした。
「ふぅーっ」
口を窄めて息をまっすぐに耳穴の中に吹き込むと、たまらず望はのけぞった。
くすっと笑むまとい。
「まだまだ、序の口ですよ」
結んだ唇から、ちょこっとだけ出した舌で、筆を進めるように耳の外郭をすっと舐め下ろす。
「ひっ!!」
そして振り下ろしきった舌を戻してれろっと舐め上げる。
「ひゃうっ……うっ………」
そしてそれを往復させて、その刺激に慣れた頃にいきなり耳の中に舌をねじこんだ。
「ひいいっ!!」
唐突なアタックである。
細く伸びた舌が、耳の入口の内壁をこれでもかというくらい
まといが舌を耳から離すと、つーっと唾液が糸を引く。
「こんなに感じちゃうなんて、先生は本当に私のことを愛していてくれたのですね」
(そんな無茶苦茶な……!!)
「先生、私も愛してます」
まといは決して望のことを絶対に離れようとせず、さっきのように胴に手を回し、首筋、鎖骨と舌を這わせる。
「……常月さん………これ以上されると………おかしくなってしまいます……」
「そんなコトありませんよ。もっと気持ちよくしても大丈夫ですよ」
まといがそう思うのも無理はない。感度は通常の10倍だが、耐久力も同じくらい倍増している、と、説明書にはあった。
何より、まといは望に対する自分の純愛が最大のスパイスだと信じて疑わない。
「先生、キスしましょう?」
「……!!」
首を動かす自由のあった望は、まといの唇を間一髪で躱した。
的を外れて望の顎のあたりに接吻してしまった。
差し込む予定だった舌が、ぺろっと何かの味覚を感じ取った。
(……これは……カレー?)
女子大生の手作りの味をみて、ちょっと嫉妬してしまった。
「先生………食いこぼし……」
「え?」
望が気にして振り向いたところに、すかさず唇を重ねた。
「っ…………!!」
(反則です!!)
しかしまといの純愛には、ルールなど存在しない。
あるとするなら、ひたすら愛する。それ一筋だ。
まといの舌が侵入して、望の口内をいろいろと探りはじめる。
「んうっ………」
そして、望の舌に辿り着いた。
(先生、絡み合わせましょう……私の愛の言葉を受け止めて下さい………)
小説の途中で余計な蘊蓄ですが、多くの言語において、舌には「言語・言葉」を意味する比喩的な用法があります。
まといと望の間にも、官能的で卑猥な「ちゅぷっ、ちゃぷる……」という言語によるコミュニケーションがなされている。
(もうどうなってもいい………)
教職がなんだ、道徳がなんだ。こんなに気持ち良くなってしまったら、なんだって許される(←根拠なし)
脳に伝わる刺激に耐えられず、望もまといの舌に吸い付き始めた。
望が積極的になったので、負けじと舌を絡ませるまとい。
夢中になって、れるれると二枚の舌が言葉を交わしている。
◆◆◆仮ブログ 舐める◆◆◆
私は社会のことを舐めています。
だから社会的なことがろくにできていません。
そのくせ、毒舌ばっかり育ってしまって、使い物になりません。
大体、世の中が金金ってうるさいんです。
金になるような労働をする力は、私にはありません。
稼がないとダメみたいに言われるのは、もう嫌です。
稼ぐと働くは違うんです……。
はっきり言っとくけどな、俺は神なんかじゃないからな!!
ただ、疫病神と貧乏神に取り憑かれてんだよ!!
…………強いて言うなら、悪い性癖の神様にも、取り憑かれてます。
今は辛酸を舐めていますが、そろそろ青酸カリを舐めることを考えないといけません。