「んんっ!! ……はぁぁん」  
せつない声が、望の太い柱が完全にまといの中に納まったことを告げた。  
「ふぅ………つ、常月さん……」  
「せ、先生……ついに、一つになれましたね………」  
まといの額にうっすらと汗がにじんでいる。やはり、彼女にとってかなりのボリュームのあるものが入ってきたと考えていいようだ。  
「………まさか、こういう形で……体験することになろうとは………」  
「え?」  
「正直に言うと……………………はじめてなんです……」  
「えっ?」  
まといがびっくりした瞬間にきゅっと締まった。  
「うっ………」  
「ええーっ!!」  
「ああ……言わなきゃよかった………」  
「なぁんて」  
「へ?」  
「わかってましたよ」  
望の顔が少し青ざめ、ぎくっとする。  
しかし、ずっと挿し込んだまま、動くこともなく、会話は続く。  
「………どうして?」  
「それは、すぐわかりますよ……」  
意味ありげに笑うまとい。  
(???)  
一方、きょとんとする望。  
「でも、まさか、先生がカミングアウトするとは思わなかったです」  
「あ……ははは………隠しても、仕方ありませんから、こういうことは」  
「入れる直前までは、強気でしたね」  
「…………」  
少し拗ねた顔をする望。  
まといが窓の外を眺めると、暗い夜空に大きな満月が輝いていた。  
ロマンティックな夜景から、望に視線を移す。  
まといが目を逸らしたすきに窓の外を何か銜えた鳥が飛んでいたが、特に関係ないのであまり気にしないように。  
(このまま………先生と……)  
「先生……」  
じっと望を見据えるまとい。  
「え?」  
「このまま、ずっと、こうしていたいですね………」  
「うっ……」  
まといの内壁が蠕動して、望の陰茎を優しく撫でさする。  
(でも……このままで………いるわけには、いかないし…………)  
「ちょっと思ったのですが……」  
「え?」  
まといの内部の動きが止まった。  
「私のカレーに媚薬を入れたんですよね?」  
「そうですよ。すごく効いてるでしょ?」  
「いや、そうじゃなくて………その後、私とキスをしたりして、常月さんにも媚薬の成分が移ってたり、するのでは………」  
はっとするまとい。  
(それで私も興奮してぐっしょりに………)  
カレー味のキスは、決して翌日にいろんなところがヒリヒリするオチのために作られた伏線ではなかった。  
「常月さんも、私ほどでないかもしれないけれども、精力が強まっているのですね」  
「……多分」  
「こうして、挿れているだけで、気持ちいいですか?」  
まといは顔を俯け……ようとしたが、それだと目が合ってしまうので、顔を背けた。  
そして、小さく「はい」と答えた。かすかな声で。  
「なら……ずっと、こうしていましょうか………しばらくの間……」  
「えっ?」  
こうしている時間が止まること。  
それは、まといにとっても、願ってもないことだった。  
 
 
◆◆◆仮ブログ     伏線◆◆◆  
立派な作家は、見事な伏線を作ってのけるといいます。  
立派でもない私が、伏線を見破られて先にバラされなかったのは、ただ単に運がよかっただけでしょう。  
いや、誰も言わなかっただけで、もうすでにみんなバレていたんですね。きっとそうに違いない。  
人の言葉なんてアテになりません。もう、何を言われても信じません。目も合わせません。伏し目線でいきます。  
あ、でも、>>785さんの言う通り、青酸カリは賞味期限が切れてました。  
他人の発言まで伏線のように巻き込んでしまってすみません。  
立派というのは、派が立つ人のことを言います。  
私には派など立ちません。私の馬鹿さ加減に歯が立つ人もいません。  
天涯孤独です。同僚がいる人はマシです。  
 

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