ギラついた目、荒い呼吸、いつもの先生が見せる若干臆病そうな、それでいて優しげな雰囲気は消し飛んでいた。先生の腕に組み伏せられ、押し倒された私はその変貌を呆然とした気持ちで見つめていた。
乱暴にセーラー服を毟り取られ、先生の指先が思うさまに私の体をまさぐる。苦痛のために私が上げた悲鳴も先生は一切意に介さない。
執拗に私の肌の上にその指先を這いずり回らせ、その舌で私の体のあらゆる場所をねぶり、しゃぶり、唾液でどろどろに汚していく。
激しい陵辱を受けながら、私は泣き叫び、何度も先生の事を呼んだ。『先生、やめてください』『いつもの先生に戻ってください』『お願いです、お願いだから……』
先生はそんな私の叫び声に耳を傾けるどころか、むしろ下卑た笑いを口元に浮かべ、より一層行為の激しさを増していく。
先生の体の下、先生の狂気が信じられなくて、先生の事を信じたくて、ただ泣き叫ぶ事しか出来ない私は………
「……って、なんですかこのモノローグはっ!!今、私たち合意の上でエッチしてるはずですよね!?これじゃ私が完全にレイプ犯じゃないですか!!やめてください風浦さんっ!!!」
「いやだなぁ、先生とのエッチを盛り上げるための演出じゃないですか」
「盛り上がりませんよっ!!完全な欝展開じゃないですかっ!!それとも何か、私あなたに悪い事しましたかっ!?」
「そんな事ないですよ。でも、燃えるじゃないですか」
「燃えませんよ」
「先生の趣味に合うと思ったのに」
「勝手に人の趣味を決めないでくださいっ!!」
ぜいぜいと息を荒げる先生。どうやら一歩も譲るつもりは無いようだ。少し考えて、私はひとつアイデアを思いつく。
「じゃあ先生、先生の言うとおりモノローグやめますから、私の事ぎゅって抱きしめながら、『好き』って10回言ってください」
「えっ!?」
一瞬ポカンとして、それから先生の顔が真っ赤になる。
「ラブラブっぽいでしょ」
「ま、まあそうですが……わかりました」
先生がおずおずと腕を伸ばし、私の体を抱きしめた。そして…
「好きですっ!!好きですっ!!…好きです好きですっ!!!好きです好きです好きです好きです好きですっっっっ!!!……………好きですっっっ!!!!!!!」
一気に先生は言い切った。それに対して私は
「うわー、一方的に歪んだ好意をぶつけてくるストーカーなレイプ犯さんって、きっとそんな感じなんでしょうね!!」
なんて言われて、先生はもう涙目だ。
「ひどいですっ!!あんまりですっ!!絶望しましたっ!!!かなり本気で、熱を入れて言ったのにぃ!!!!」
「その本気さがまたソレっぽかったですよ」
「うわ〜〜〜〜んっ!!!」
なんて先生と言い合いながら、頭の仲でさっきの先生の『好きです』を反芻する。先生曰くかなり本気のソレ、私の胸にはかなりキュンときましたよ。
先生の肩に顔を埋めて、見られないように、私はこっそりと微笑んだのだった。