恥ずかしい二人  
 
薄暗い部屋の中に、少女の切れ切れの声と、荒い呼吸が響いていた。  
「…っあ…く…ぅうんっ…あっ……はぁああああっ!!!!」  
年齢から考えると、不釣合いなほどに艶をもった嬌声が少女の口から漏れ出る。  
それに混じって、ヴヴヴ、ヴヴヴ、と聞こえるのは、彼女の秘所に深く突き刺さり、  
休むことなく彼女を蹂躙し続けているバイブレーターの駆動音だ。  
「ずいぶんとエッチな体になりましたね、風浦さん…」  
彼女の傍らに座り、責め続けているのは、彼女のクラス担任糸色望である。  
「だってぇ…せんせ…が…まいにち…あんなにはげしくぅ…するからぁ……」  
先生の声に対して、少女、風浦可符香が涙声で答える。  
彼女の顔には目隠しが施され、両腕は後ろ手にまわされて手錠で繋がれている。  
そしてうつぶせのまま、可愛いお尻だけを上に突き出した姿勢で、彼女はバイブに犯され続けている。  
二人がこうした特殊なプレイに没入するようになって、今日で2週間ほどになろうとしていた。  
「…うあっ…やぁああっ…ひ…あああああっ!!」  
バイブレーターの振動と共に、しとどに溢れ出て可符香の内股を濡らす愛蜜。  
先生はそんな彼女のお尻に顔を近づけ、きゅっと窄まった後ろの穴にその舌先で触れた。  
「ふぇ…ひゃああああっ!!?」  
突然の刺激と羞恥に、可符香は思わず声を上げる。  
「だめぇ…先生…そこ…きたな…っ」  
「そうですか?あなたのなら、私はぜんぜん汚いとは思いませんけど……それに」  
先生は舌先を後ろの穴から離すと、今度は右手の人差し指をそこへ深々と突っ込んだ。  
「や…あああああああっ!!?」  
悲鳴を上げる可符香の反応を楽しみながら、先生は二度三度と可符香のお尻の中を指先でかき回す。  
そして指先を引き抜いてから、それをチロリと舐めて言った。  
「それに、ずいぶんと綺麗にしてきたみたいじゃないですか?まるで、こっちでしてもらうのを待ってるみたいに」  
「あ…や…先生…言わないで…」  
「我慢しなくてもいいんですよ、風浦さん。私が好きなだけ気持ちよくしてあげます。あなたが、お願いしてくれるなら…」  
先生の言葉に、可符香はしばし沈黙する。  
彼女の胸の内が快楽への誘惑に葛藤し、揺れ動く。  
やがて、彼女は口を開き、蚊の鳴くような声で先生に言った。  
「お願いします…せんせい…わたしのおしり…せんせいのでめちゃくちゃに…おかしてください……」  
可符香の答えを聞いて、先生は満足そうにうなずいた。  
そして、自分の大きくなったモノを、彼女の震える後ろの穴にあてがう。  
 
「わかりましたよ、風浦さん。すべて、あなたの望みどおりに…」  
ズブブ、ズブブブブ、先生が先端を押し込むと、可符香の後ろの穴がそれを飲み込む。  
可愛い見た目とは裏腹の貪欲さで先生の分身をくわえ込み、しっかりと食い締める。  
「ひっ…くぁあああああっ!!!せんせぇ!!!せんせぇええええっ!!!!!!」  
根元まで突き入れてから、入り口近くまで引き戻し、再び最奥まで突き入れる。  
その度に少女の華奢な体の内側は滅茶苦茶に攪拌され、それに反応して全身を弓なりに反らす。  
「たまりませんよ、風浦さん、あなたの中は熱くて、きゅうきゅうと締め付けてきて、最高ですっ!!」  
「あああっ!!ひゃあああんっ!!!せんせいぃ…すごい…すごすぎるよぉおおおおおっ!!!!」  
先生は夢中になって腰を振りたくり、可符香はその度に大きく声を上げる。  
全身が快楽の虜となった少女の瞳からはぼろぼろと涙が零れ、目隠しから溢れて頬を濡らす。  
突き入れられて、突き上げられて、お尻から背中を突きぬけ全身を痺れさせる快感が、  
少女のまだ未発達な体を蕩かし、可符香の理性を奪い去っていく。  
「ああんっ!!せんせいっ!!!もっとぉ!!!もっとぉおおおおおっ!!!!!」  
どんどんと乱れていく可符香の姿を見ながら、先生は思う。  
もっと、彼女が壊れていく様を見てみたい。  
思案に暮れる先生は、部屋の中を見渡して、ある物に目をつける。  
(ベタなアイテムなのに、そういえば使っていませんでしたね…)  
先生は早速自分のアイデアを実行に移す事にした。  
腰の動きをいったん止めて、両足を持って可符香の体を抱え上げソレの前に移動する。  
「…?せんせい、なに?」  
「いえ、二人の時間をもっと楽しむための、ちょっとした思い付きです」  
そう言って先生は、可符香の目隠しを取り去った。  
「あ……っ!?」  
最初に目に入ったのは自分の顔。  
そして次に気が付く、今の自分の恥ずかしすぎる姿…。  
「や…せんせい…こんな…いじわるぅ…」  
「そうですか?私はとても可愛くて綺麗だと思いますよ」  
部屋に備え付けの姿見の鏡の前で、可符香は先生に抱えられていた。  
バイブがうなりを上げぐっしょりと濡れた秘所、そして先生と繋がった後ろの穴。  
そのどれもが彼女の眼前に、はっきりと鮮明に映し出されていた。  
そして、戸惑う可符香をよそに、先生は再び腰を動かし始める。  
「ひぅ…く…あはああっ!!…やぁ…こんな…だめぇえええええっ!!!!!」  
快感に素直すぎるほどに反応し、打ち震える体。  
可符香の目の前で、みだらすぎる自分自身の姿が鏡の中に踊る。  
 
恥ずかしくて、目を逸らしたいのに逸らすことができない。  
「こうしっかりと反応してもらえると、私もうれしいですよ。気に入ってもらえたみたいですね」  
「いや…そんなことぉ…ああああああああっ!!!!!!」  
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴッ!!!!!  
先生がバイブレーターの出力を最大にして、押し寄せてきた快感の凄まじさに、可符香は悲鳴を上げた。  
前の穴も、後ろの穴も、熱くて、痺れて、気持ちがよすぎて、可符香にはもう叫ぶ事しかできない。  
「くあああああああっ!!!!せんせいっ!!わたしっ!!わたしぃいいいっ!!!!」  
「そろそろ限界みたいですね、あなたも、私も…」  
恥ずかしさも、気持ちよさも、全てが一体になって可符香を翻弄した。  
そして限界ギリギリの彼女の体に、強烈な突き上げが止めを刺した。  
「ああああっ!!イクぅ!!わたし、イっちゃううううううううっ!!!!!」  
電流が流れたように可符香の体は痙攣し、凄まじい絶頂感と共に彼女の体は崩れ落ちた。  
 
それからしばらく後、可符香は力の抜けた体を先生に抱きしめられて、ぐったりとベッドに横たわっていた。  
「今日は、少し調子に乗りすぎたでしょうか…大丈夫ですか、風浦さん?」  
「いやだなぁ…これぐらいへっちゃらですよ、先生」  
見つめ合う二人の顔には笑顔、恋人同士の甘い時間が過ぎていく。  
ところが…  
「そうだ…」  
「風浦さん?」  
突然、がばりと可符香が起き上がる。  
呆然としている先生の前で、可符香は机の上に置かれた自分の鞄を手に取って  
「…ああ、あった、あった」  
「風浦さん、何なんですか、風浦さん?」  
「うん、撮れてる撮れてる」  
「とれてる?何がですか?」  
頭の上にクエスチョンマークを浮かべるばかりの先生だったが、  
可符香が振り返った時にはさすがにその意味を悟った。  
「うんうん、アングルも申し分なし、完璧ね」  
「あの、風浦さん、それ……」  
彼女が手にしていたもの、それはビデオカメラだった。  
「これできっかり2週間分、私にそそのかされてから、先生がどんどん変態になってく所、ぜ〜んぶ撮っちゃった」  
先生の顔から血の気が引いていく。  
真っ青な顔の先生に、可符香はにっこりと笑う。  
 
「いやだなぁ、心配しないでくださいよ、先生」  
愛しげにビデオカメラを頬に摺り寄せてこう言った。  
「私が個人的に楽しむためだけに撮ったんですから、心配しなくても、他の誰にも見せませんよ」  
どさり、ベッドの上に崩れ落ちた先生は、もうピクリとも動けなかった。  
「先生の恥ずかしい姿、ぜんぶ私のにしちゃうんですからね」  
 
そして翌日、いつも通りの学校、いつも通りの授業。  
そんな中、2のへのクラス担任の先生の様子だけが、いつもと違っていた。  
「それでは、次は木津さん、125ページの頭からを読んでください」  
「はい」  
いつも通りに振舞おうとしているが、なんだか声や動作がぎこちない。そして…  
「………あ」  
宙に視線を漂わせていた先生の顔が、みるみる赤くなっていく。  
先生の中で、何か思いっきり恥ずかしい記憶が津波のように押し寄せてくる。  
「うああああああああっ!!!!!」  
ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンッッッッ!!!!!!  
それを振りはらおうと、教卓に頭を打ちつけ続ける先生。  
可符香に隠し撮りされていた事がトラウマとなり、  
ふとしたきっかけで、先生の中に自分のしたあんな事やこんな事がフラッシュバックしてしまうのだ。  
正直、病院送りにされても文句の言えない有様だった。  
(先生、あんなに恥ずかしがって、可愛いなぁ……)  
それを見ながら、いつも通りの笑顔を浮かべ、可符香は知らぬ顔を決め込んでいる。  
可符香の手元に残った膨大な映像データは見てもよし、所持しているだけでも楽しい、最高の宝物になった。  
だけど……。  
ふと、可符香の脳裏に違和感が生じる。  
彼女はまんまと愛する担任教師の痴態を撮りに撮りまくったわけだけど……。  
(あれ、私って……)  
確かに、最初に先生をそそのかした時は多少の演技もしたけれど。  
じゃあ、自分の見せた痴態が全部嘘かというとそんな事ぜんぜんなくて。  
ていうか、先生にされるがまま、めちゃくちゃに感じまくっていたのが事実であって。  
つまり、自分も先生と一緒にしっかり変態になってしまったわけで。  
しかも、それはしっかりと映像記録に残されている、自らの、可符香自身の手によって……。  
(私、実は、ものすごく恥ずかしいことを……)  
急速に可符香の顔が赤く染まっていく。  
 
そこに先生を襲ったのと同じフラッシュバックが押し寄せる。  
『…っあ…く…ぅうんっ…あっ……はぁああああっ!!!!』  
『だってぇ…せんせ…が…まいにち…あんなにはげしくぅ…するからぁ……』  
『お願いします…せんせい…わたしのおしり…せんせいのでめちゃくちゃに…おかしてください……』  
『あああっ!!ひゃあああんっ!!!せんせいぃ…すごい…すごすぎるよぉおおおおおっ!!!!』  
『くあああああああっ!!!!せんせいっ!!わたしっ!!わたしぃいいいっ!!!!』  
『ああああっ!!イクぅ!!わたし、イっちゃううううううううっ!!!!!』  
凄まじい恥ずかしさの中で、可符香の頭の中の線が一本、ぷつりと音を立てて切れた。  
「ふ……」  
可符香の異変に気づいた周囲のクラスメイトの視線も、もう気にならなかった。  
「ふあああああああああああっ!!!!!」  
ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンッッッッ!!!!  
真っ赤な顔の可符香は、自分の机に頭を叩きつけまくる。  
「か、可符香ちゃんまで壊れたぁあああっ!!!!」  
戸惑うクラスメイト達が叫ぶ声が、やけに遠くに聞こえた。  
 
そしてそして、さらにその夜のこと  
昼間の恥ずかしさが抜けきらず、未だ真っ赤な顔の先生の前で、  
同じく真っ赤な顔をして俯いた可符香が自分の鞄をひっくり返す。  
ドササッ!!!  
中から出てきたのは、縄やら蝋燭やらローションやら、怪しげなグッズの数々。  
そして、一台のビデオカメラ。  
可符香はカメラを三脚に固定して、アングルを調整してから  
「お、お、おねがいします……」  
ぺこり、先生に頭を下げた。  
「こ、こちらこそ……お願いします…」  
対する先生もぎこちなく、ぺこり。  
 
………こうして、恥ずかしい二人は、さらに恥ずかしい方向へと自ら堕ちていくのでした。  
 

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