絶望とゆう名の電車  
 
秀丸エディターの画面を見ている霧を交。  
「とりあえずここmainだろ?」  
「mainは使わないょ?」  
「ならvoidか?」  
「void使うと宣言が面倒になっちゃうから。アタシならint ☆」  
「ふ〜んん。姉ぇちゃんはここmainじゃないんだ?」  
「んん・・・交クンならまだここmainで書いてもいいかなぁ〜」  
 
ピンポーン  
「宅急便でーす!!」  
 
「ブーツ頼んどいたんだぁ♪  
ハンコ下駄箱の上にあるから。 ついでにそこの回覧板お願いね ☆」  
「おぅ。これ?な?」  
 
オレは部屋の隅に置いてある回覧板を持って玄関に出た。  
宅急便屋の兄ぃちゃんはオレが戸も開けてないのに勝手に玄関に入っていた。  
 
「なんでガキが出て来るんだぁ?! ママは留守か?」  
そう言って見知らぬ大人が玄関を靴のまま上がってきた。  
なんだよコイツ?!勝手に人ん家に靴のままで。  
「おい。なんだよ。オマエ。人ん家に勝手に上がりこんで!」  
「るっせぇガキだな。どけよっ」  
そう言って大人の男がオレを払いのけた。突き飛ばされたオレは板の間に倒れた。  
すぐに起き上がって振り返ると、男は部屋の中に入ろうとしていた。  
泥棒か?  ヤバイぜ。  
「出てけよ」  
オレは男の足にしがみついて進入を阻止しようとした。  
「邪魔だって言ってんだろ!」  
男は足を振り回して、オレの体を吹っ飛ばした。  
痛てっ。 オレは板の間の角に頭をぶっつけて倒れた。 頭がめちゃくちゃ痛い。  
頭に傷に当てた手にはベットリと血がついている。  なんだこれ? 嘘だろっ?  
でものんびり倒れてる暇ないぜ。 中には霧姉ちゃんがいる。霧姉ちゃんが危ない!!  
オレは起き上がってまた男の足にしがみついて進入を阻止しようとした。  
「出てけよっ」  
「いい加減にしねぇとぶっ殺すぞくそガキ!!」  
男がオレの体を踏み拭ける。何度も何度も。 マジだ。 こいつ。マジで人殺しだ。  
オレは痛みに耐えれずにうめき声を上げた。  
 
「やめてぇ!!」  
大きな声なんて出したことない霧姉ちゃんが部屋の奥から出てきて叫んだ。  
それでも男は容赦なくオレの体を踏んづける。  
 
オレはこのまま死んじゃうの? なぁ・・・?ノゾム・・・。父ちゃぁん・・・。  
 
「綺麗な女じゃねーか。楯突きやがって。ムカつくな」  
そう言って男は霧姉ちゃんに襲いかかっていった。   
「いやぁー」  
姉ちゃんはアッて間に毛布を剥がされて部屋の隅に追いやられていた。  
こいつの狙いは姉ちゃんだ!! 姉ちゃんを殺しに来たんだ!!  
クソっ。体中が痛くて起き上がれない。でも姉ちゃん守らないと!!  
男が姉ちゃんの体にしがみついた。姉ちゃん泣いていた。  
オレは必死で立ち上がって男の方にフラフラしながら近寄っていった。  
男はオレの気配に気がついたみたいだ。  
「おとなしく死んでなっ。このクソガキ!!」  
男が振り返ってまたオレを蹴り飛ばそうとした。  
「お願い!! やめて!!!」  
姉ちゃんが男の腰にしがみついてオレを守ろうとしてくれた。  
「でしゃばったマネするんじゃねー」  
そう言って男は姉ちゃんの顔を殴った。それでも姉ちゃんは男を離さない。  
「早く。逃げて!!!!」  
また姉ちゃんは男に殴りつけられた。連続で何度も。  
姉ちゃんの苦しそうな声が聞こえた。  
「逃げて・・・」  
姉ちゃんが殺される・・・。目から一気に涙が溢れた。そして、卑怯なオレは逃げた。  
男に襲われてる姉ちゃん置いて部屋から逃げた。  
ゴメン姉ちゃん。オレ守ってやれなくて。  
姉ちゃん・・・   死ぬな!  
涙や鼻水がダラダラ流れる。  
 
オレはノゾムのいる学校へ走って行った。  
 
お願い。交クン。無事に逃げて・・・・  
何度も殴られすぎて力が出ないよ。  
「ははっつ。酷でぇ顔んなったな」  
そう言って男が顎を持ち上げた。 イヤ。 触らないで。   
「さっきの威勢はどうしたのかな〜」  
男がジャージを無理やり引きちぎる。もぉ抵抗する力が出ないよ。  
 
「いっ・・・やぁ・・・」  
声も出ないよ。 このまま死んじゃうのかな?  
交クン。 せんせい。 会いたいょ。    望・・・・。   
男がブラの肩紐を引きちぎりカップを下げる。 プルっとおっぱいが剥き出しになる。  
いやぁ・・・。霧のおっぱい見ないでっ。 涙流すしかもう抵抗の手段ないょ。  
まだ望にも見せてないのに。こんなヤツに手にかかるなんてイヤ。  
「俺好みのプックリ乳首だな」  
そう言って男が指先で柔らかい乳輪をクルクル回す。  
時々その指が乳首に当たる。    ぁっ・・・。もぉ止めて・・・・。  
「旦那より感じるだろ?」  
せんせいは霧の体に触れたことなんてないよ。 いつか霧にこんなことしてくるのかな?  
死んじゃう前に一度でいいから抱かれたかったな。 望。 好きだよぉ・・・。  
男の顔が体に近づいて汚しい男の口が霧のおっぱいを含む。  
乳首を吸い上げられ男のよく動く舌先が乳首を激しく弾く。  
こんな男にレイプさるくらいなら、死んじゃってもいい。  
「嫌がってても感じてんじゃん」  
乳首を集中して責められ続ける。 乳首が立ってるのは感じてるからじゃないよっ。  
裸にされて寒いからだけなのっ。 男は乳首を舐めまわす。 舌先で転がす。  
「ぁ・・・んんん」  
イヤっ。こんなの。  アンタなんかに霧の体、舐めて欲しくないよ。  
 
男がズボンのチャックを下ろした。 いきり立った汚しいモノが反り返ってる。  
「欲しいだろ?」  
そう言って男はアタシの鼻をつまんだ。  苦しい・・・。 息できない。  
苦しさで口を開いた。  
「ほら見ろ。お口が俺を欲しがってるじゃん」  
男は汚しいモノを突っ込んできた。  
「ぐぇっ」  汚らわしいモノが喉の奥まで入ってる。  
「おらおらっ。 どうだ? 旦那のよも立派だろ?」  
男は頭を両手で持って揺さぶる。  
男が腰を打つたびに醜い茂みが顔に当る。   
打つ腰がどんどん早くなる。 苦しいよ。 息ができない。  
「ぐぇ・・・」  
喉の奥に男が汚い液体を放出した。  
 
汚らわしい。 涙を流しながら嘔吐した。  
「おらぁ、味わわんかい!!」  
汚らわしい精液を床に向かって四つん這いで吐いていると男が背中を踏みつけた。  
痛みに耐えていると男は足で体を転がす。  
「せっかくの美人がボロ布みたいになっちまったな〜」  
 
男は仰向けになった体を足で蹴ったり踏みつけたりする。 ぁぁ子宮が壊れちゃうょぉ。  
意識が薄らいでいく。 交クン、辛い思いに巻き込んじゃってゴメンね。  
アタシはこのまま死んでくから辛い思いは消えてそのまま天国に行けるけど、  
交クン、ゴメンね。 いっぱいケガさせちゃって。 怖い思いをさせちゃって・・・。  
 
「蹴られると涙流すほど嬉しいのか? えっ?この変態オンナめ!」  
そう言って男は霧のズボンを下げた。  
上はおっぱい剥き出しで下は下着姿。 男が白いパンツの上に指をあてた。  
「奥さんのパンティ。グショ濡れじゃね〜か」  
あてた指で霧の反応見ながらアソコを弄る。  
「パンティの上からでもオマンコが熱くなってんのが丸分かりだぜ・・・。  
強姦されてんのに感じてんの?  まったくスケベな体してんね。アンタ」  
男の指がパンツに中に入ってきた。 イヤ。 やめて・・・・。  
中指で割れ目を上下に滑るようになぞられる。  
「いくら奥さんが感度いいスケベでもちょっと濡れすぎじゃねぇ?」  
「旦那のいない時間に一人でオナニーばっかしてんだろ?」  
いやらしいそうに男は笑う。  
「喜びな。今日はバイブの代わりに俺の太いの挿入してやるよ」  
男がパンツを剥がした。  
「いっ いやぁ 〜!!!!」  
力を振り絞って絶叫した。  
「バカ!! 俺様のチンポはまだお預けだよ。その前にオマンコ舐めさせろ」  
男にアソコが丸見えの恥ずかしい姿勢にさせられる。 イヤぁ・・・ 見ないで・・・・  
「綺麗なピンクだな。ビラビラもイヤラシしい。クリもデカい。完璧じゃねーか」  
「こんなヤらしい体を抱ける旦那が羨ましいな。 俺アンタに惚れそうだ」  
男の生暖かい舌がアソコに当たる。 クリを唇で吸い上げられる。  ぁぁんんん。  
初めのクンニが強姦だなんて・・・・。  涙が流れる。  
ヤだよぉ。 舐めないでよぉ。 ぁっ・・・  
「ぁんんん・・・」  
「感じてんだろ? なら声を出してそう言いなっ!!」  
感じてなんかないもん・・・。 違うもん。違うもん。気持いいんじゃないもん・・・  
ぁんん。 でもこの感覚はなに? アソコがジンジン疼いちゃうょ。 ぁんんん。  
望ぅ、もぉ耐えられないよぉ・・・。  
霧はいつも望を思ってここに触れてるの。  望。 気持いいよぉ。  
キュッと男が乳首を摘まむとアソコがドクンっとなった。  
いっそう激しく舌先が動く。   
「ぁん・・・」   もぉダメ・・・・。  
 
[職員室]  
オレはそう書かれた見覚えのある大きな部屋の扉を開いた。  
「ノゾム〜」  
 
時計に目をやると5分前? そろそろ教室に行かねばなりません。  
そこに交が現れました。  
「おや?交?どうしてここに?  どうしなすったね?」  
私は交の姿を見ると尋常でない異変に気が付きました。  
顔面が腫れあがって頭部からは出血が。 さんざ泣きじゃくった後が見えます。  
抱き上がると交は堰を切ったように泣き始めました。  
「わぁぁぁぁんんんん!!」  
「何があったんです?」  
「霧ね〜ちゃんが・・・ 殺される!!」  
なんですって!?  私の留守中に一体なにが!?  
 
「交クンは私にまかせて下さい。 それより先生。 早く! 小森さんの所にっ!!」  
状況を察した甚六先生が泣きじゃくる交を私の腕から抱き上げました。  
「甚六先生。交をお願いします!!」  
 そう叫ぶと私は宿直室の方へ向かって走りました。  
 
「霧さぁ〜ん!!!」  
霧さんの名前を叫びながら一心不乱で宿直室を目差しました。  
 
「イッたな?」  
イッてなんかないもん。気持良くなんかないもん・・・。   えぇ〜んんんん。  
「泣きながらよがるオンナは久々だ。旦那の留守に知らない男に強姦されて  
感じまくってイキまくりなんてアンタほんと最低なメス豚だよ」  
「まったく・・・。燃えさせてくれるぜ」  
男が体に覆いかぶさってきて愛液で濡れた指で乳首を刺激する。  
片方の乳首は男の舌先で転がすように舐められてアソコは男の指が弄ってる。  
ぁぁんんん。      アソコもオッパイも気持いいよぉ。  
ヤられてるのに感じてる。アタシって最低な女・・・。  でも 気持いいの・・・。  
アソコが疼いてもどかしいよ。  望ぅ。入れて。 望の入れて欲しいよぉ・・・。  
男の顔が近づいてくる。  
イっ。イヤっ。   キスは絶対 イヤぁ!!!!  
 
その瞬間、霧の目に映る全てが止まった。   
瞳を見開いたまま。目に映る映像が静止している。  
「おっ?! おい!!! どうしたんだよ?」  
「マジかよ? こりゃヤバイな・・・」  
なんだ?! 叫び声が近づく。 誰か来るのか? 逃げるしなないなっ!  
 
[宿直室]  
引き戸を開けると座敷の奥には裸の霧が横たわっていた。  
「霧っ!!」  
壊れて捨てられた操り人形の様にすっかり変わり果てた無残な姿。  
可愛そうに。霧。なんて酷いことに。すまない・・・。  
私は傷だらけの霧の体を抱き上げる。  
グッタリしたままピクりとも動かない。青ざめた霧の顔。その小さな鼻に手を当てる。  
息がないっ!?     嘘だっ!!  
溢れるほどの涙が流れ出た。  
「霧ぃぃぃ〜い!!!!」  
私は天をも引き裂くほどの声で絶叫した。  
 
霧の体を抱きしめて何度も霧の名前を叫び、泣いた。  
微かに霧の口が開いた。  
「霧?!」   夢中で霧に口づけをして息を吹き込んでやる。  
「ん・・・」  霧が小さく息を吐いた。  
霧の胸に手を当てて呼吸を促してやる。  
「コホっ」   霧が息を吹き返した。  
「霧。目を開けて!!」  
霧がゆっくり瞳を開く。 潤んだ大きな霧の瞳。 吸い込まれそうな霧の瞳。  
「せ、せんせぇ・・・」 微かに微笑みながら私を見つめる霧の瞳。  
愛おしい霧。 愛してるよ。 離さない。 どこにも行かせない。  
愛しい霧にキスをした。  
霧の暖かい口の中と舌に自分の舌を這わせ生きている喜びを感じた。  
「愛してるよ」 私は強く霧を抱きしめた。  
 
[絶命医院]  
「まったく・・・。オマエがついていながらなんて事に・・・」  
「本当にすまないと思ってます。私がついていながら2人をあんな目に・・・」  
医局で沈む夕日を眺めながら私は兄さんから2人の容態を聞いていた。  
「まず交だが、後頭部を2針縫った。抜糸までには2週間かかるな。  
他には前歯が一本折れている。交はまだ乳歯だからいいようなものの・・・。  
打撲が十数か所。骨折やヒビは見当たらないが大怪我してるよアイツ。  
脱水症状も見られるから1時間ほど点滴をしている。  
 
あの子は強い子だな。頭部の縫合手術の時に泣かなかったんだから。  
誰かさんの子供の頃とは大違いだな」  
「兄さん。それは言いっこなしでしょ!」  
「悪い。悪い。  で、点滴が終われば交は家に帰ってもいいけど、  
倫とも話し合ったんだが、交はそばらく私の家で預ろうと思うんだ?」  
兄さんの言わんとしていることは分かります。恐らく兄さんの元にいる方が  
交にとって安心で、幸せでしょう。  
「それが最良ですね・・・」  
「で、霧さんの容態は?」  
「安心しろ。 眠ってるよ」  
兄さんは優しい目になって私を見ました。  
「呼吸が数秒停止していたようだ。原因はショック性の物と考えられるが。  
可哀想に。余程のことがあったんだろうな。他に検査も必要だから彼女は入院させるよ。  
交と同様の全身に打撲の跡があるが骨折などの所見なし。内臓にも異常はない。  
安心しなっ望。 何もされてないよ・・・。 犯人は彼女の体に触れてないから。  
だが交と違って彼女は女性だ。心に受けた傷は計り知れない。  
まだ処女なんだからなおさらだよ。 ショックで呼吸停止するくらい繊細な神経だし」  
「オマエで彼女が支えられるとは思えんが・・・。」  
命兄さんはイタズラっ子の様な笑みをした。  
「兄さん!」  
「真実を述べたまで! そう怒るなって。  
ただ性的に傷を負った女性が立ち直るのは難しいんだ。  
まず男の愛情に包まれて人を信じる気持を取り戻させなけらばいけない。  
日常にも今回のことがトラウマになって現れることもある。  
その時にそばに付いててやる男が必要なんだ。分かるな?   
彼女を心から愛する男にしか彼女が受けた傷を癒してやることは出来ないんだよ?」  
「霧の傷は私が直します」  
きっぱりと答えた。  
私は世界で一番に霧を愛している男ですから。世界中のどんな男よりも霧のことを。  
窓の外はすっかり暮れた寒空になりました。寂しい世界が広がります。  
 
そこに看護婦さんに連れられ交が現れました。  
「交。今日はほんとにすまなかったね」  
顔や腕のあちこちに当てられたガーゼや消毒の跡が痛々しいです。  
「こんなのへっちゃらだよオレ。それより霧姉ちゃんはどこ?」  
「まだ病院のベットで寝てますよ」  
「今もか?」  
「ええ。霧姉ちゃんは明日も他にケガしてないか調べなきゃいけないから今夜は病院に泊まるんですよ」  
「ならオレも病院に泊まるぞ。霧姉ちゃん一人にはさせれないからな」  
交の目には力強い光が宿っていました。  
 
「いいよノゾム。霧さんの病室に付き添いのベットを用意させるから。  
 オマエも交と一緒に今晩はここに泊まれ。 ・・・・・・心配なんだろ? 霧さん」  
「兄さん・・・」  
 
よっぽど疲れていたのか、交はすぐに眠ってしまいました。  
私は眠れれず月の光を頼りに眠っている霧の顔を何時間も見てました。  
柔らかい頬に触れたり。 そして少しエッチな妄想にふけってました。  
「んん・・・」  
霧がうっすら瞳を開きました。  
「起こしちゃいましたか・・・」  
小さな声で話しかけると霧も小さな丸みのある声で答えます。  
「いいの。起きなきゃ・・・。お布団があたる背中んとこ痛いから・・・」  
傷ついた体で起き上がろうとするので腕を添えて上体を起こしてやりました。  
傷を負った体で力が入らないのか霧は私の腕の中でグッたりとしてます。  
「ほんとに申し訳ありませんでした・・・」  
「なんでせんせいが謝るの? だってアタシを助けてくれたの せんせいなんだよ。  
 よく分からないけど気がついたら暗い海の底にいたの・・・  
みんな一列になって進んでいくけどワタシは怖くて一歩も踏み出せずにいた。  
そしたら後ろからせんせいがアタシを呼ぶ声が聞こえた。  
 でも動けずにいたらこうやって抱き上げてくれて連れてってくれた。  
 眩しいい光の中に。 必死で目を開いたら今みたいにせんせいの腕の中だったの」  
「夢の中で  せんせい キスしてくれた」  
霧は恥ずかしそうにうつむきます。 それは夢じゃありませんよ。  
「こうしていると。せんせいに支えられてると。楽だな・・・」  
うなされるように霧はつぶやきます。 そして薄っすら瞳に涙を浮かべました。  
「ごめんね。せんせい。 霧・・・。 霧は知らないオトコの人に・・・」  
 
黙って!!!!     霧には何も言わせません!  
 
「黙って。 黙って私の言う言葉を繰り返し言ってください」  
「ん?」  
「霧さんの・・・」  
「アタシの?」  
「霧さんの心も体も私のものです。誰れにも触れさせません!」  
 
霧はキョトンとした顔をしてから恥ずかしそうに腕の中に顔を埋めました。  
私の腕に添えた指に少し力を入れて震えています。 愛らしい姿ですよ霧。  
私は霧の胸の膨らみを手のひらでスッポリと包みました。丸くて可愛らしい胸です。  
「せんせいの手におっぱい包まれてると幸せだな」  
うっとりした表情を浮かべ霧は私にしがみついてきました。  
「ずっとこうしてて」  
「いいですよ。霧さんが眠るまでずっと守っててあげるから」  
「ありがとう。      ・・・・好き」  
「今なんて言いました?」  
「なぁんにも・・・」  
私は手のひらで霧の数回おっぱいを揉みました。柔らかい霧の胸。食べてしまいたい。  
「ちゃんと言わないと触ってあげませんよ。ここ」  
そう言いながら霧のプックリした乳首を服の上から指先で攻めます。  
霧は軽く瞳を閉じて少し口を開いてます。  感じてますね霧。  
「・・・・・好き」  
「お願い。 キスして」  
感じ始めた霧がキスをねだるので霧の舌を求めて口の中に舌を入れました。  
堪えていた欲望がもう止まりません。  
私以外の男に植え付けられた霧の体の欲望を全て私の方に向けたくて、  
霧の体を気遣いながらも霧の体も心も私だけを求めさせたくて霧の体に触れます。  
「気持いい?」  指先の動きを早めて攻めながら訊きます。  
「うんん・・・。  気持いぃ・・・」 声が吐息に変わっています。  
「して・・・  お願い・・・」    身悶えしながら霧が欲しがります。  
「今日はお預けだよ。元気になったらいっぱいしてあげますから」  
「ぃゃぁ。 今して欲しいよぉ・・・」   霧が泣いて私をせがみます。  
「しょうがない子だな。じゃあもぉ少し足開いて」 霧の下着に指を滑らします。  
「こんなにパンツが濡れてたら風邪ひいちゃいますよ」  
私は愛液で濡れた下着をゆっくり脱がしてやり指先で霧の蕾に私の愛を伝えます。  
「ぁぁんん。 ノゾムぅ。 気持いいよぉ・・・・」  
「可愛いよ霧。 もっと感じて」  
「ノゾムぅ。  好き」  
 
眩しい・・・  
朝かぁ。  
横に椅子に座ったままベットの柵によりかかってせんせいの眠る姿が見える。  
アタシが眠るまで傍にいてくれたんだ・・・。 せんせいの寝顔可愛いな。  
「気がついたか?!姉ちゃん?」  
ちょうど柵の高さに交クンの元気そうな顔がまぶしい。  
アタシが起きるまでそこで見守ってくれてたのかな? 交クン?  
「交クン? おはよぉ。  交クン。いっぱいケガさせちゃって・・・ゴメンね」  
「こんなん大したことないって! それよりオレの方こそすまねぇ姉ちゃん・・・  
 オレ、姉ちゃんのこと守ってやれなくって・・・・」  
「そんなことないよぉ。 霧は交クンがいなかったら助からなかったよ」  
「そぉかぁ?」  
「うん♪」  
「あのなぁ、姉ちゃん。 あのな、オレ、強いオトコになって姉ちゃんを二度と怖い目に合わせないから。 だから。 姉ちゃん・・・。 オレのお嫁さんになってよ」  
少しはにかみながらも真っ直ぐな目の交クンにドッキとする・・・。  
その言葉、アタシに世界で一番最初に言ってくれたの交クンだよ。ありがとうね。  
アタシは交クンと指きりの約束をした。 なんか幸せだな。  
「嬉しいな。霧も可愛いお嫁さんになれるように頑張るね」  
「姉ちゃんは十分に可愛い嫁だぜ」  
そんなこと言わないでよ。 照れるじゃない。 吹いちゃうょ。  
 
看護婦さんが部屋に入ってきました。  
「お傷のガーゼを代える時間だから命先生とこ行こぉね」  
「交クン。消毒ん時は痛くても我慢だよ。ねっ♪」  
霧が明るい声で交を励まします。  
「ぉう」  
交は素直に看護婦さんに連れられて部屋を出て行きました。  
「せんせい?」  
霧が呼ぶので私は伏せていた顔を上げました。  
「バレてましたか? タヌキ寝入り」  
「うん」  
「アタシね・・・交クンにプロポーズされちゃった ☆」  
いたずらっぽい微笑みの霧が明るく話します。  
「聞いてましたよ」  
なぜか不機嫌に答えてしまいます。  
相手が交でも霧がこんなに笑顔で話す内容が他の男の話しだなんて気分良くないです。  
「交にだって渡しませんよ」  
「あなたの心も体も私のものですから」  
誰にも触れさせませんよ。  
 
私は寝ている霧を抱きしめました。  
腕の中の霧が私に体を寄り添え言いました。  
「離さないで」  
私は寄り添った霧の頬にキスをした。  
「離しません。あなたは私の大切な人ですから」  
霧の大きな瞳を見つめて言います。  
 
「私の妻になってください」  
 
「・・・うん。」  
 
瞳に涙を浮かべて霧が頷きました。  
 
私は絶命医院の帰り道を交と一緒に歩いています。  
「本とに命兄さんのとこでなくていいのですか?   
命兄さんのとろは隙間風も入ってこない高級マンションですし。TVの画面も家のより大きいんですよ?」  
「そんなのいらねっ」  
「いつも文句だらけの交がどぉしたのです急に?」  
「だって、霧姉ちゃんは、その、オレのお嫁さんになる人だから、オレが傍についいてやって、悪いヤツから守ってやんなきゃなんないだろ!」  
 
おやおや。 頼もしいですね・・・。  
交は最強の恋敵ですね。  
私も負けてはいられません。  
 
――――― 恋愛の真の価値は、人間に一般的な生活力を増大させるにある ―――――  
「ポール・ヴァレリー」  
 
なんだか楽しくなってきましたね交。  
私と交は手を取りつないで朝の光の中を歩きだしました。  
 
 
 
   おしまい   
 

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