「いやいや、何でもやってみるもんだねぇ。翔子のアイデア勝ちだねー。」  
アパートのドアを開けて部屋に入り、無造作に靴を脱ぎながら、やや吊り目がちの少女が中にいた少女に声をかける。  
ガランとした室内にはローテーブルが一台あるのみで、全く生活感は感じられない。  
そのテーブルの上に置いた書類のようなものを丁寧に仕分けしていた少女が振り返り、口元だけで笑い返した。  
「美子ちゃんの言うとおり週刊号にして正解でしたね。グッジョブですよ!」  
書類を持ったままの片手を握って親指を立てて見せると、彼女はまとめた書類をファイルに閉じてカバンの中へとしまう。  
「成績優秀なうちらは、また元締めに誉められちゃうねぇ。…で、結局どのくらいの収入になりそう?」  
美子はパーカーのポケットから取り出した缶ジュース二本をテーブルに置き、早速一本を開けながら翔子に尋ねた。  
「ちょっとまってね…… えー……っと……」  
テーブルの下に置いてあったノートパソコンを取り出して開き、翔子は慣れた手つきでキーを操作して行く。  
ジュースを口元に運びながら覗き込む美子の目に店舗フォームへのログイン画面が映り、翔子は素早くパスワードを入力してみせる。  
軽い音を立てて、細い指先がエンターキーの上で弾んだ。  
《パスワードが違います》  
「…あれ? 間違えた……?」  
そう呟いて、もう一度入力するが、やはりエラー画面になってしまい、翔子は眉を寄せて首をかしげた。  
「何? どうかした?」  
翔子の様子がおかしい事に気がつき、美子は訝しそうな顔をして、画面と翔子の顔を見比べている。  
少し焦りながら何度もキーボードを叩くが、やがて諦めたように手を止めて、翔子は唇を軽く噛んで難しい表情を浮かべた。  
「…パスが変わってる。……ログインできなくなってます。」  
「何で……!?」  
表情を曇らせて聞き返す美子に、翔子は眉を寄せた顔で低く唸ってみせる。  
「わかりませんけど…… これといって心当たりなんて……」  
「僕が変えちゃいました。ははは。」  
出し抜けに後ろから聞こえた明るい声に、二人はギョッと身をすくませて振り向き、すぐにお互い怪訝そうな顔をする。  
 
「……ああ、臼井くんか。いつから居たの?」  
「ずっと居ますけど…… やっぱり消えてましたか…… 僕。」  
ようやく気がついたといった翔子の様子に、彼は少し不満そうな声で、それでも一応は主張をしてみせる。  
「それはどーでもいいから! パスを変えたって何でよ?」  
吊り気味の目をさらに吊り上げて、美子はジュースの缶を音を立ててテーブルに置き、臼井を睨みつけた。  
「……そ、その……ぶっちゃけ、僕も報酬が欲しいなって思ったので。ちょっと、お二人に交渉してみたいなー。……なんて。」  
「ハア?」  
半ば呆れたような声を上げ、美子は翔子と顔を見合わせる。  
「それが交渉?」  
「…管理サイトに入れなくても、別に、そこまで困りませんけど。」  
小首をかしげる翔子に、臼井は眼鏡を指で直しながらちょっと得意そうな顔をする。  
「ああ。通帳とかカードも全部隠しちゃいましたから。」  
『なっ!?』  
さすがにこれは予想していなかったのか二人揃って驚いた声を上げ、弾かれたように翔子は自分のカバンの中身をチェックする。  
 
しばらくカバンの中を探る音だけが聞こえ、やがて沈痛な面持ちで顔を上げた翔子は、黙って首を振ってみせる。  
「…やられました。……どうしよう。もうすぐ元締めに報告に行かなきゃいけないのに……」  
青い顔で自分を見上げる彼女と同じく、美子も顔色を無くし、沈黙したまま何か考え込んでいるように見える。  
「元締めさんって、怖い人なんですかー?」  
余裕の表情を浮かべてへらへらと笑っている臼井の言葉に二人の肩が同時にビクリと震えた。  
 
「翔子…… こいつ、取り押さえるよ。」  
「了解。」  
「…へ? ええっ!? ちょっと、ま……」  
最後まで言い終わらないうちに少女二人に飛び掛かられた臼井は、まともに抵抗もできず、あっという間に床に押さえつけられてしまった。  
「剥くよ!」  
「オーライ!」  
掛け声と共に二人の手が素早く動き、情けない悲鳴の中、臼井の制服が次々と宙に舞っていった。  
 
「…無い、ね。そっちはどう?」  
「こっちも無いです。さすがに身に着けてはいないですか…」  
剥ぎ取った彼の服を一つ一つ点検しながら、やがて二人は落胆の声を上げて立ち上がった。  
二人が見下ろす先には、パンツまで全ての衣類を剥ぎ取られた臼井が、両手で前を隠した状態で床にへたり込んでいる。  
翔子は小さく溜め息をつくと、チラリと携帯の時計を確認して美子に向き直った。  
「とりあえず、美子ちゃんは先に行ってなんとか間を持たせてて下さい。もう、あまり時間ないです。」  
「……しかたないね。早いところ何か連絡くれる? 元締めと二人きりでそんなに長時間持たせる自信ないからさ。」  
臼井の姿を一瞥し、あたふたと先ほど脱いだばかりの靴を履きなおすと、美子は急ぎ足で部屋から飛び出して行った。  
 
廊下を鳴らして遠くなってゆく靴音が消えると同時に、翔子は諦めたような溜め息をついて、頭を掻きながら面倒くさそうに口を開く。  
「しょうがないですねぇ…… じゃあ、いくらぐらい欲しいですか? 全部とか言うのは無しで。」  
裸で放置されて涙ぐんでいた臼井は、翔子の言葉に反応し、目を輝かせて歓喜の声を上げた。  
「い、いいんですか! …あ、でも …実は、お金以外の物で貰おうと思っていたのですが。 ……それでもいいですか!?」  
鼻息荒く答える臼井に、翔子は意外そうな顔をしてみせる。  
「はい? じゃ、何が欲しいと?」  
首をかしげて聞き返した翔子に、臼井は宣言するように拳を握り締め、力強く答えた。  
「報酬に、筆おろしさせてください!!」  
 
一瞬の沈黙の後、しばらく彼の言った事が理解できていなかったのか、  
翔子は唖然とした表情をしていたが、やがて汚い物でも見るかのように眉を潜めて低い声を出す。  
「……お金渡すので、そういうお店に行って下さいよ。」  
「それじゃ素人童貞になってしまうじゃないですか!」  
憤慨してさらに鼻息荒く立ち上がり、詰め寄ってくる臼井に、翔子は少したじろぎながらも努めて冷静な声で返す。  
「そんなに怒るほど違わないでしょう……?」  
「僕的には全然違いますよ!!」  
 
ふと、翔子は、両の拳を握り締め力説する臼井の股間で何か動いた事に気がつき、反射的にそちらに目を向ける。  
「うっ……!」  
先ほどまで縮こまっていたはずのそれは翔子の見ている前で見る見るうちに立ち上がり、はちきれそうな程に膨れ上がった姿を見せている。  
「さあ、さあ! 準備はオーケーですよ!」  
眼鏡の奥の目を爛々と輝かせ、顔の前に差し出した両手の指を何かを揉むように動かしながら、臼井は翔子の方へとにじり寄る。  
「ちょっ……」  
「安心して下さい! 僕、早漏ですから五分とかかりませんよ! もう、時間が無いんでしょう?」  
臼井の言葉に翔子は携帯を取り出して時間を確認し、眉をひそめて唇を噛んだ。  
 
渋い表情で、しばらく時刻の表示と臼井の股間を見比べていたが、やがて考えがまとまったのか顔を上げて、おもむろにその場にしゃがみ込んだ。  
その手が伸びて、臼井の絶棒を無造作に握り締める。  
「……溜まっているからそんな事ばかり考えるんですよ。一度、スッキリさせてあげますから。それでいいでしょう?」  
「えええー……」  
心の底から不満そうな声を上げた臼井には構わず、翔子は絶棒へと顔を近づけるが、  
口を開けて先端を咥えようとした所で顔をしかめて一旦絶棒から離れてしまった。  
「…臭い。」  
嫌そうな顔で呟き、テーブルの上に手を伸ばすと、美子が飲みかけのまま置いてあったジュースの缶を手に取る。  
「何を……?」  
臼井の問いかけには答えず、翔子は缶の中身を絶棒の上にふりかける。  
まだ抜けていない炭酸がはじける音がし、同時に臼井の抗議の声が上がった。  
「ど、どんなプレイですかこれは!? ちょっとしみますけど!?」  
「コーラで洗えば大丈夫って言うでしょう? ちょっとくらい我慢して下さい!」  
「ええええええ!?」  
ふりかけた炭酸入りのジュースで絶棒を洗うように数回しごくと、翔子は意を決したように目をきつく閉じてそれを咥え込んだ。  
「あ……」  
根元近くまで一気に咥えると同時におとなしくなった臼井を、上目使いに一瞬睨むと、すぐに激しく絶棒をしごき始める。  
自分の口の中を忙しく何度も出入りするその生暖かい感触に、  
少々涙目になりながらも、なるべく舌で触らないようにして一心にその動作を繰り返し続ける。  
          
目を閉じたまましばらく口淫を続けていた翔子だったが、  
やがてちょっと目を開けて携帯のデジタル表示を目にすると、突然行為をやめて吐き出すように絶棒を口から抜き出した。  
そのままジュースの缶を掴むと残りの中身を一気に口に含んで、シンクの方へと一動作で飛びついてみせる。  
うがいをする時と同様に喉を鳴らし、乾いたシンクの上に口中を洗ったジュースを吐き捨てる。  
「…そんなに不味かったですか……?」  
へこんだ表情で翔子の様子を見ていた臼井に、翔子は一度大きく深呼吸をしてから振り返り、彼に非難するような視線を送る。  
「早漏って言ってたじゃないですか…! なんで……!」  
「…あ。それは、その…… ハッキリいってしまうと全然気持ちよくなかったもので……」  
ぽりぽりと頬を掻きながら、ちょっとすまなさそうに臼井は答える。  
「もうちょっと舌も使ってくれるとかして… それに、時々歯が当たって痛かったし。何か、汚物扱いされるのもちょっと……」  
視線をそらしながら説明する臼井に何か言おうと口を開きかけたが、突然その携帯が鳴り出して、翔子は慌てて通話ボタンを押す。  
「もしもし? 美子ちゃん?」  
『翔子! ヤバイよ……! 絶対、元締め何となく勘付いてる!』  
「気付かれたんですか!?」  
少々震える声で聞く翔子に、電話の向こうの美子も、やや声を震えさせながら焦った様子で早口で答える。  
『私一人で先に来たから、様子がおかしいって思われたみたいでさ……  「お二人の事、とても信頼してますから。」って  
笑いながら言ってたけど、全然目が笑ってないし……!』  
美子の切羽詰まって擦れた声に、翔子もじりじりとした焦りが湧き上がってくるのを感じ、しだいに喉がカラカラに乾いてくる。  
『今、トイレ行くって言って電話しにきたけど…… 元締め、どこかに連絡したみたいでさ…!  
 もうバレるのも時間の問題だよ…… 訳を話しても信用してくれるかどうか…… 最悪、私らが手をつけたとか思われたら……』  
「……信じてくれたらくれたで、使えない奴という判断になるかもしれませんね。この場合。」  
ぼつりと加えた翔子の言葉に、電話の向こうで美子が生唾を飲み込む音が聞こえた。  
 
『…そんな事になったら、私ら、削除……』  
「──美子ちゃん。」  
首を絞められたような美子の言葉を、翔子の声が静かに遮った。  
「10分だけ、待ってもらって下さい。絶対なんとかします、と。」  
『しょ……』  
なにやら言いかけた美子の返事は聞かず、一方的に通話を切ると、翔子は携帯を流し台の上に置いて唇をきつく結び、まわれ右をする。  
状況がわかっていないらしくぽかんとしている臼井の前で、  
彼から視線はそらしたまま、自分のハーフパンツに手をかけてジッパーを下ろし、そのまま足首まで落として脱ぎ去ってみせた。  
「…そこに仰向けに寝転んでくれます?」  
眉はしかめたまま、無愛想な声で指示する翔子に、臼井は歓喜の奇声を上げてすぐさま天井を向いて寝転がった。  
翔子は下着の両端に手をかけ、一瞬ためらったが、悔しそうな溜息をつきながらするすると脱ぎ去る。  
下半身は何もつけない状態となったが、臼井からは見えないように大事な部分をセーターの裾を引っ張って隠し、彼の足もとまで移動する。  
「ゴム…… どこです?」  
「あ…… 無いです。」  
即答した臼井に、少し顔色を変えて翔子は抗議の声を上げる。  
「予防とか言っていつも持ち歩いていたんじゃ……!?」  
「あー…… あんまり皆にキモがられたから、持ち歩くの止めたんですよ。まあ、いいじゃないですか! 生、大歓迎ですよ!!」  
興奮して、そそり立った絶望を揺らしながら両手で手招きする臼井に、翔子は躊躇するように顔をしかめて奥歯をギリっと鳴らす。  
 
一呼吸置き、意を決したのか、やはり前は見えないように隠したままで、翔子は臼井の腰の上に跨る。  
「絶っっ対に、外に出して下さいよ! 出そうになったら早めに言ってくださいよ!」  
「大丈夫ですよ! さ! 早く、早く!」  
まだ納得いかない様子の翔子だったが、観念したのか、ゆっくりと絶棒に手を伸ばして自分の入口にあてがった。  
さらに興奮する臼井をなるべく視界にいれないように自分に言い聞かせながら、じりじりと腰を落とし絶棒を体内へといざなってゆく。  
「あ、あああ! 柔らかいです! ちょ…… っときつくて……!」  
頼まれもしない実況を始める臼井に構わず、翔子は絶棒の先端部を埋没させてゆく。  
       
「──痛……ッ! たたた……!」  
繋がって行く場所から走った痛みに、翔子は思わず体を硬直させて身をすくませた。  
その瞬間、膝立ちになった足のソックスがフローリングの床で滑り、  
バランスを崩した拍子に体重を支えきれず腰が臼井の上に落ちてしまい、挿入し始めだった絶棒が一息に翔子の奥まで埋没してしまう。  
「きゃ、い──ッッッ!! た…… い……っっ……!!」  
予期せず、一気に貫かれた激しい痛みに声も無く、  
眼尻から涙をこぼしながら体を動かすこともできずに、少しでも痛みが早く去る事を待つように歯を食いしばっている。  
 
翔子の中で絶棒を締め付けられる快感に、臼井は一瞬意識が飛びそうになってしまうが、  
自分の上で懸命に傷みをこらえる翔子の様子に気がつき、ふと、脳裏をよぎった考えに思わず目を見開いて体を起こした。  
「何……!? 痛っ!? いたた… いや! 見ないで!」  
起き上った臼井に繋がったまま仰向けにされ露出した秘所を隠そうとするが、  
その手を抑え、臼井は結合部から少し絶棒を抜き取り、その部分に赤いものが滲んでいる事を確認した。  
「しょ………… 処女だったんですねっ!? 初めてなんですね!?」  
鼻血が出そうな勢いで舞い上がる臼井に、翔子は悔し泣きだろうか、涙を滲ませながら顔をそむける。  
「何で…… 相手が、こんな…… 最悪……」  
ショックを押さえきれず涙ぐむ翔子に反し、臼井は湯気が出そうな顔色で歓喜の声を出した。  
「美少女の! 丸内さんの処女を! 僕が今、頂いたんですねっ!! い…… 生きててよかったーっっ!!」  
一声叫ぶなり、痛がる翔子を構う事なく、錯乱したかのように激しく腰を振り、音を立てて陰部を打ちつけ続ける。  
「やめ…! 痛い! 痛いよ……! もういや…… 早く出てって… キモい……」  
えぐられる痛みと、相手の物が自分の中で動く不快感に、翔子はなるべく鈍感になるよう努め、早くそれが過ぎ去るのをひたすら待ちつづける。  
 
意外と言うべきか当然と言うべきか。  
ほんの数十秒後には臼井の動きが変わり、腰の動きが小刻みになり、天井を仰いでどこか遠くを眺めるような視線になる。  
「あああ…… も、もう、限界……」  
「早く…… 出てって! 出てってよ……! 早く……!」  
両手で体を突き飛ばすように叩き、さらに足で遠ざけるように蹴飛ばしてくる翔子に気圧され、  
臼井は爆発寸前の絶棒を引き抜くと、翔子の白い腿の上に快感を吐き出した。  
水飴のようにねっとりした物を腿に塗りつけられる感触に、  
今は何も言う気が起きないのか、力尽きたようにぐったりとして、翔子はようやく行為が終わった事を実感した。  
 
「ほら、5分もかからなかったでしょう? 言ったとおり。…それにほら! ちゃんと外に出しましたよ。見えます?」  
臼井はまだ硬直したままの絶棒で、腿に散らばした自分の白い物を練り上げるように集め、嬉しそうに絶棒の先端に塗りつけて見せてくる。  
それを渋い顔で一瞥し、何も言わずに顔をそむけ時間を確認した翔子に、臼井は良いことを思いついたように嬉しそうな声を張り上げた。  
「さっき、10分待ってもらうって言ってましたよね? なら、まだ5分以上あるじゃないですか!」  
「……?」  
嬉しそうな臼井の様子に、翔子は良く分からないと言いたげに首をひねる。  
「もう一回できるじゃないですか! いいかな? いいですよね? 一回したんですし、二回も三回も変わりませんよね!」  
「そ……!?」  
宣言するなり、自分の出した物を塗りたくった絶棒をすばやく翔子の入口にあてがい、有無を言わさず腰を突き出した。  
               
「いやああああああっ!!」  
まだ赤い血が滲む秘所へと、再びずぶずぶと侵入してくる絶棒の感触に、翔子の口から恐怖とも嫌悪ともつかない絶叫があがった。  
「し…… 締まる…! あああ……」  
「いやぁ! やめて、入ってこないで! だめ……! 汚い…! 早く抜いてぇ!」  
パニックを起こしたのか、思うように動けない翔子に、臼井は気持ちよさそうに腰を振りながらにこやかに答える。  
「もう一回くらいいいじゃないですか。ちゃんと今度も外で出せばいいでしょう?」  
「…これじゃ、中に出すのと…… 変わらない……」  
泣きながら首を振ってみせる翔子に、臼井はわざとらしく首をかしげて、にやりとした笑いを浮かべた。  
「なら、もう、中で出しても一緒ですよね!」  
「ち…… 違……! いやあ!」  
腰の動きを速めた臼井が何をするつもりなのか理解し、  
翔子はなんとか逃げようともがくが、覆いかぶさった相手の体と未だズキズキする秘所の鋭い痛みに阻まれ、ほとんど身動きがとれないようだった。  
 
「たすけて……」  
懇願するかのような声を漏らしながら、翔子は自分の体内で絶棒が弾け、  
大量の生暖かい物が注ぎ込まれる感覚に全身から力が抜けて行く事を感じていた。  
気持ちよさそうな声を出して自分の中に欲望の塊をまき散らしながら、腰を振っている臼井の姿が目に映る。  
「たすけ……て……」  
誰へともなく助けを求める声が、半ば自動的に、翔子の口から漏れ続けていた。  
 
 
 
 
 
 
「えへ…… へへへへ…… へ…… えへぇ……」  
「なにこいつ? これ、完全にあっちの世界に行っちゃってない?」  
路上に棒立ちとなり、鼻から赤い筋を垂らして笑い声を上げ続ける臼井を気味悪そうに見つめ、美子は腕組みをしてみせる。  
「褒められて、そんなに嬉しかったのかねぇ。」  
「いやだなあ、彼はただ、小さな事にも無上の喜びを感じる、感受性豊かな少年なだけですよ!」  
気味悪げに臼井を見つめる美子の隣で、翔子は人差し指を立ててにっこり笑いながら、朗々とした声を上げた。  
 
美子はちょっと驚いた表情で翔子の方を振り返り、すぐに感心したように口を開く。  
「元締めのマネ? 上手くなったねぇ」  
「…内緒ですよ。下手したら私、処刑されちゃいますから。」  
ちょっと焦って取り繕う翔子に笑ってうなずき、美子は臼井に背を向けて歩き始める。  
 
「さてと。今回頑張ったし、7:3くらいでお願いしてみよっか? 最近、元締め何だか機嫌いいみたいだからねぇ。」  
「それ以上のあがりを期待されちゃうんですけどね。…あ、そうだ! 次、こんなのはどうかな、と………」  
一見楽しそうに談笑しているように見える少女二人の姿は次第に遠ざかって行き、やがてその声も聞こえなくなってゆく。  
 
 
ぽかぽかとして、風もなく、陽だまりが暖かい昼下がりの路地。  
時折、妙な笑い声を上げながら一人、誰に気に留められる事なく、その少年はいつまでも佇んでいた。  
 
 
 
 
 
 
 
 

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