ここは先生が暮らしている宿直室。
私はそこで晩ごはんの支度をしている。
(そろそろ先生が帰ってくる頃かな…)
そんな事を思いながらお鍋を温めているとガラッと戸が開いた。
「ただいまぁ」
先生が帰ってきた。
私は、はやる気持ちを抑えつつキチンとガスを止め先生の元へと向かった。
「おかえりなさい」
そう言って先生から鞄を受け取った。
「ありがとうございます。今日はスコップを持った木津さんに追いかけ回されたりと大変な1日でした」
「そんな事があったの。いっぱい動いたならお腹すいたでしょ?」
「ええ、もうお腹ぺこぺこですよ」
「うふふ、もう少しで晩ごはんの準備出来るから待っててね」
お互い笑顔でいつもこんな感じでいる。
私の気持ち…先生にはまだちゃんと届いてないと思うけど、こんなに身近に先生がいる。
今はそれがすごく幸せ。
でもいつかはちゃんと先生に私の気持ちを伝えるんだ。