「先生、今夜は外食ですか?」
「おや、常月さん。いたんですか?」
「えぇ、ずっと」
「今日は夕飯の食材を買っていなかったので…、丁度いい、常月さんもご一緒にどうでしょうか?」
「えっ…、いいんですか?」
「えぇ、実は外食に一人で行くのは、寂しいと思っていたところです。御馳走しますよ」
「嬉しいです♪」
スタスタ
「何だか、常月さんが隣に居るのは不思議な感覚ですね」
「嫌ですか?」
「いえ、嫌という意味ではありませんよ。何と言いますか…」
「…?」
「どちらかと言えば、今のほうが先生、落ち着きます」ニコリ
「そ、そうですか」ドキドキ
「あぁ、ここですね」ガラガラ
「いらっしゃい!何名様で?」
「二人です」
「お二人様、御案内です」
スタスタ
「さて、常月さん、何にしますか?」
「そぉですねぇ…」
「おや、限定メニューがありますね」
《気まぐれシェフと森の妖精達のリゾートカレー》
「じゃあ先生と同じのにして下さい」
「それでは、…すみませ〜ん!」
「はいっ、御注文はお決まりでしょうか?」
「これを二人分頂けますか?」
「スミマセン、そちらのメニューは限定メニューですので、本日残り一品となっております」
「なんと、困りましたねぇ…」
「それでは私は《頑固なシェフと小牛達の嘆きのビーフシチュー》でお願いします」
「分かりました、すぐにお持ち致しますので、少々お待ち下さい」
スタスタ
「いいんですか?常月さん…」
「えぇ、御馳走していただくんですから…。当然ですよ」
「すみませんね」
「お待たせ致しました、《気まぐれシェフと森の妖精達のリゾートカレー》と《頑固なシェフと小牛達の嘆きのビーフシチュー》です」
「美味しそうですね、」
「ホントに美味しそうです」
「…ほぉ、こんなカレーは今まで食べたことありませんね。絶品です!」
「このビーフシチューも凄く美味しいです」
カチャカチャ
「…モグモグ、ゴクン。常月さん」
「何ですか?先生」
「こちらのカレーも食べてみて下さい、美味しいですよ」
「えっ…!?いいんですか?」
「えぇ。はい、どうぞ」
「ちょっ…!?先生!お店の中で恥ずかしいですよ」
「いいから、早く食べなさい」
「…アーン、パクッ」
「どうです?美味しいでしょう?」
「と、とっても美味しいです…(//△//)」
「よかった。では常月さんのも食べさせて下さい」
「わ、私がするんですか?」
「えぇ、その通りです」
「は、はい」
「アーン、パクッ、モグモグ」
「お、美味しいですか?先生」
「ゴクン。とても美味です」
「ここのレストラン、とても料理上手なんですね」
「そのようですね、…またご一緒しましょうか?」ニコリ
「えぇ、是非」ニッコリ