始業時刻、鐘の音が響く。望が2のへの教室に入ってきたが、  
なにやら様子がおかしい。全身から負のオーラを発していた。  
「えー…今日は自習にします」  
 それだけ言うと教室を出て行ってしまった。  
 男子の歓声の中、心配した一部の女子が輪になって話し合う。  
「先生、最近疲れてるみたい。目の下にクマが出来て、いつも以上に駄目なオーラが…」  
 深刻な顔の奈美に対し、あびるがそっけなく言い放つ。  
「問題児ばかりだし、疲れない方がおかしいわよ。家燃えたし」  
「んー…」  
 しばしの沈黙。ふと、可符香が手を挙げた。  
「今度の連休に、みんなで先生を励ましてあげましょう」  
「どうやって?」  
「まず…」  
 
 
 さて、連休。早速だが、宿直室に忍び込む影があった。  
「寝てるわ。作戦通り行くわよ。」  
 
 
 望が目を覚ますと、そこはプールサイドだった。  
「おはようございます。ここは先生の夢の中ですよ」  
 微笑む可符香。青いワンピースの水着を着けていた。  
「夢…また夢オチですか!」  
 望の脳裏に悪夢が甦る。そのため、疑うことを忘れてすんなり夢だと信じてしまった。  
「? よく分かりませんが、思い切り楽しんでくださいね」  
「楽しめと言われましても…」  
 
 その時、困惑する望の顔に影が掛かった。  
「先生、何してるの?一緒に遊びましょう?」  
 色っぽい声で誘うのはカエレ。普段は出さない声である。  
望が目を上げると、黒い三角ビキニから溢れんばかりの胸が揺れて、水滴が落ちていた。  
「あ。そんなとこばっか見てると、訴えるよっ」  
 悪戯っぽく言うカエレ。これも普段見せない顔である。  
望は慌てて立ち上がり、首ごと目を逸らした。  
プールに目を遣れば、2のへ女子達が楽しく遊んでいた。  
 
「先生も、ほら」  
 可符香が望をプールへと突き飛ばす。あっと言う間に水着の女子に囲まれた。  
「私にもですね、一応立場とか色々あるんですよ!通してください!」  
 男性教師が女子生徒と(男子は放っておいて)プールで戯れる…確かに聞こえは良くない。  
望は理性を保とうと必死に耐えた。が、可符香は望の心を見透かしているかのように、  
顔を近付けて、そっと囁いた。  
「いやだなあ、これは夢ですよ。何があろうと全てリセットですから」  
 揺れる望の心を一押し。  
「体裁なんて、いいんですよ」  
「…どうせ夢なら楽しまないと損ですね」  
 
 そんな望を見て、競泳水着の千里、黒ビキニのカエレ、学校指定水着の奈美が囁き合う。  
(上手く行ってるみたい。)  
(やっぱり先生も男だからね)  
(次の作戦…本当にやるの?)  
(当たり前でしょう。行って来るから。)  
 突如背後から布を口に当てられたかと思うと、望は意識を失った。  
 
 
 望が目を覚ますと、そこはプールサイドだった。が、望は目を疑った。  
「こんにちは。ここは先生の夢の中ですよ」  
 微笑む可符香。青いワンピースの水着を着けていた。だが、水着が異様に細い。  
水着というよりただのV字の紐だ。その幅およそ5mm、乳首も隠せていない。  
その水着が恥丘に差し掛かると、割れ目へと吸い込まれて見えなくなってしまった。  
殆ど何も着けていないようなものである。絶棒が反応しそうになる。  
「思い切り楽しんでくださいね」  
 楽しめと言われても、望は言葉も出なかった。  
 
 その時、困惑する望の顔に影が掛かった。  
「先生、何してるの?一緒に遊びましょう?」  
色 っぽい声で誘うのはカエレ。普段は出さない声である。  
望が目を上げると、黒いビキニがほとんどなかった。  
三箇所を小さい黒い布が覆うのみの極小水着。カエレが少し動く度に、  
豊かな胸が派手に揺れ、水着の外に乳輪が零れた。  
まれに下では黒々としたヘアがはみ出すこともあった。  
「あ。そんなとこばっか見てると、訴えるよっ」  
 悪戯っぽく言うカエレ。これも普段見せない顔である。  
水着を一回一回手で直すカエレの仕草が、かえって絶棒を緊迫させる。  
望は慌ててしゃがみ込み、首ごと目を逸らす。  
プールに目を遣れば、2のへ女子達が妖しく遊んでいた。  
 
 反対側プールサイドに腰掛けるあびるは、胸に包帯を巻いていた。では、下は?  
絆創膏一枚である。ちゃんと毛を処理してきたらしいが、もし望が近くで目を凝らせば、  
剃り跡が見えたはずだ。また、当然後ろは丸出しなため、平泳ぎでもしたら大変な事になる。  
 
(白とか、見たことないし)  
(知らないの?こういうものなのよ)  
(しかも、なんで平仮名なのよ)  
(知らないの?こういうものなのよ)  
 奈美と晴美はスクール水着。ただ、奈美の普通の紺の水着に対して、晴美の水着は白である。  
白い水着はやや透け気味で、望はうっすらと黒い影が見えた気がした。  
さらに、晴美の水着には「2のへ はるみ」と書かれた名札が縫い付けられている。  
(先生のツボが分からないから貴方は普通のスク水。白は邪道って言う人もいるし)  
(…訳分かんないよう)  
 
 熱心になにかを携帯に打ち込む芽留の水着は、水色のタンクトップビキニ。  
ただし、異常にローライズ。ささやかな恥毛はおろか、秘裂の上端さえ外に出てしまっている。  
後ろを向けば、芽留の未発達のお尻がほぼ全て見えた。  
望は興奮こそしないものの目のやり場に困ってしまう。  
「あ…」  
 そんな芽留の携帯を千里が取り上げた。  
(ちょっと!これは『夢』なのよ。メールは残っちゃうからダメ。  
きっちり証拠を残さないようにしないと。)  
 そう囁く千里の水着は…なかった。全裸である。望は派手にむせた。  
「こんな中途半端でイライラする水着だったら、裸のがマシよ!」  
 彼女自身が作戦会議で叫んだからだ。無毛の割れ目を晒して泳ぐ千里。  
自分で言ったものの、やはり一人全裸では顔が赤い。ちなみに彼女、先天的に生えないらしい。  
 
 プールサイドにしゃがみ込み、望を凝視する真代の水着は、一見ただの黄色のワンピース。  
だが、既に水に濡れて透けていた。乳首も陰毛も望の位置からはっきりと見える。  
外から見たままの身体が、真代の水着の下にあるのだ。  
 
「ア…あァッ…」  
 はしゃぎながらも時々悶えるマリア。その水着は赤の水玉で、幼児用のものだった。  
幼児体形とは言うものの、流石のマリアでもこれは厳しかった。布地がきつく股間に食い込み、  
マリアを刺激する。少し動けば秘所が擦り上げられて、マリアの口から甘い息が漏れた。  
 
 なお、(望は気付かなかったが)既にこの時、背後にまとい、  
更衣室に霧が待機していたことにも触れておく。  
 まといはサラシに褌というスタイル。この面子ではまだ露出の少ない部類に入る。  
望の後ろに陸上水中問わず付き纏ったが、  
神業とでも言うべきか最後まで気付かれる事はなかった。  
 霧は貝三枚の水着を着けていた。ただし、紐がない。動けば落ちるし、  
動かなくても落ちる。実は水着ではなく単なる貝である。だが、もっと根本的な問題があった。  
致命傷は、可符香に渡された貝がホタテではなく蛤だったことだ。霧は更衣室で一人、  
蛤の殻を胸に乗せては落とし、乗せては落としを繰り返すまま、外に出られずにいた。  
 
「先生も、ほら」  
 可符香が望をプールへと突き飛ばす。あっと言う間に半裸の女子に囲まれた。  
「これは…私の中の邪な思いがこんな夢を見せるのではないでしょうか?」  
 突き落とされた望は困惑するのみだった。対称的に女子ははしゃぐ。  
「そんなの着てたら重くて泳げませんよ。」  
 望は、もみくちゃにされて着物を少しずつ剥ぎ取られてしまう。  
望は抵抗を試みる中、彼女らの露出がかなりの勢いでエスカレートしていくことに気付いた。  
カエレは事あるごとに胸を零したし、芽留は水着が少し動いただけで秘所を晒すこととなった。  
可符香の紐水着だってずれない訳がない。いつの間にかあびるの絆創膏はどこかへ流れ去っていた。  
マリアは一度達してしまったようで口から涎を流して浮かんでいる。  
晴美や真代の水着は身体を隠すのに何ら役立っていないし、奈美ですら誰かにスク水を剥ぎ取られた。  
ただ、初めから裸の千里だけは何も変わらなかった。とにかく、そんな少女達が寄って来るのである。  
「あ、あまり近づかないでください!」  
 褌一枚にされた望は絶棒の隆起を隠しきれなかった。  
「いやだなあ、これは夢ですよ。何があろうと全てリセットですから。  
たとえこのまま出してしまっても…」  
「いいえ、このままではまさかの夢精オチが…」  
 嫌な予感がした望は、とりあえず離れようと、プールから上がった。  
プールサイドを走る→転ぶ→気絶。  
 
 
「ちょっと…やりすぎだったかな。」  
 
 
望が目を覚ますと、そこは宿直室だった。  
「こんにちは。おじゃましてます。眠っていたみたいですね」  
微笑む可符香。制服に身を包んでいる。  
「夢…」  
「なんだか楽しそうでしたよぉ」  
「私は…」  
「私はこれで帰ります。さよなら、絶望先生」  
「…」  
望は、しばらく呆然としていた。  
 
 
 さてさて、連休明け。始業時刻になり、鐘の音が響く。  
望が2のへの教室に入ってきて、唐突に叫んだ。  
「私はもう死ぬしかありません!何故なら…」  
また訳の分からないことを叫ぶ望。それを見て、女子は囁きあう。  
「なんだ、いつものテンションじゃない。」  
「元気が出たみたいで良かった…」  
また、普段通りの一日が始まる。  
 

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