『冷静と情熱の緩衝地帯』
分化祭翌日―――中央線
奈美「昨日は散々だったね〜」
あびる「亡命してきたカエレちゃんなんか、自分自身を分化しちゃったもんね」
奈美「壁の中がジャングルジムみたいになってたっけ」
絶望「そう、分化した後さらに細分化するのは恐ろしいのですが、解決法方法もまた存在するのです」
あびる「先生」
絶望「ごらんなさい、丁度良い例が来ました」
駅員「間もなく電車が参り〜ます〜」
電 車 到 着
女性専用車両
普通車両
男性専用車両
奈美「・・・・・・・・・普通車両って何よ!?」
藤吉「っていうか男性専用なんて出来てたんですか」
絶望「試験的に車両を男女別にしたようなんですが、ニューハーフな方々はどうするだとかアベックが別れ別れになるだとか、
いろいろ問題が出てきまして、かといってそれごとにいちいち専用車両造るわけにもいきませんからね」
あびる「で、奈美ちゃん車両ですか」
奈美「だから普通じゃないって!」
絶望「細分化されていくはずだった属性が、普通に全部組み込まれ、今では両極の緩衝地帯と化しています」
あびる「まあ、男性専用じゃなかったら空いてる方に乗りますけどね、普通に」
奈美「だからぁ」
藤吉「というか、男性専用をみてみたいんですけど・・・参考用に」
絶望「ともかく・・・そんな緩衝地帯が世の中には多々存在するのです!」
犬と猿の狭間に雉
水と油の狭間に卵白
嫁と姑の狭間に孫
妄想の女性と現実の女性の狭間にラブドール
アニメ化と打ち切りの狭間に原作
千里「私としたことが、緩衝地帯のことは想定外でした。」
絶望「あ」
千里「そうですよね、分化の無限連鎖は流石に問題があります・・・わかりました、妥協しましょう。」
奈美「ええっ!?」
千里「緩衝地帯の設立を容認します・・・ただし、すべての対立に緩衝地帯を設けることを要求します。」
絶望「ああ、また厄介な・・・」
千里「世の全ての対立に緩衝地帯を!」
二次元と三次元
SとM
合法と非合法
可符香「大丈夫、難しいことじゃありませんから」
絶望「と、いいますと」
可符香「奈美ちゃんを真ん中に置けばいいんですよ」
奈美「私!?」
可符香「奈美ちゃんなら、どちらの極にもかたよりませんから」
二次元と三次元と奈美ちゃん
SとMと奈美ちゃん
合法と非合法と奈美ちゃん
可符香「ほら、どちらにも偏ってない」
奈美「それ決して誉めてないわよね!?」
千里「なるほど、たしかにそれもそうね」
奈美「ひえぇぇぇ」
絶望「・・・で、その後どうなったんですか」
可符香「二次元と三次元の狭間に、こんなものが作られました」
普通少女抱きマクラ
等身大普通少女フィギュア
絶望「・・・ああ、なるほど・・・」
可符香「合法と非合法の狭間はマ太郎にもってかれました」
マ太郎の○○○画像(自主規制)
絶望「これは非合法なんじゃないんですか」
可符香「戸籍やクラス名簿上は合法です」
絶望「はい、スルーで」
可符香「SとMの狭間には、これから始まります」
絶望「舞台?・・・って智恵先生!?よく見たら臼井くんも!」
臼井「日塔さん十円ハゲができたんだって?」
奈美「誰がハゲやねん」 バシィッ
智恵先生「お前しかおらんわハゲ」 バシィッ
絶望「って、ど突き漫才ですか!」
まとい「でもちゃんとトリオになってますね」
絶望「いたんですか」
まとい「ええずっと」
智恵先生「新井でーす」
奈美「日塔でーす」
臼井「ミナミハ○ルオでござ・・・」 バシバシィッ
千里「違うわね。」
奈美「やらせといてそれはないよ!」
千里「やっぱりSとMとボケとツッコミはべつものです。きっちりSMの狭間に立たないと!」
女王様「罵りなさい」
奈美「このハゲ変態キモい」
臼井「ひ・・・ひどい、でももっと罵って」
女王様「なら靴を舐めなさい」
臼井「はい喜んで!」
奈美「私の上履きを舐めるなぁ!キモい!」
女王様「そろそろいたぶってあげようかしら・・・」
奈美「ムチとローソクを渡さないで下さい」
女王様「いいからいたぶりなさい」
奈美「うぇぇぇ」
臼井「あぁ、もっと、もっとこの豚めを虐めて下さい女王様」
奈美「女王様って言いながら私にすがりつくなキモいぃ!」
絶望「・・・・・・・・・」
可符香「SとMの緩衝地帯のことをなんて呼べばいいのかしら」
あびる「Sがサド、Mがマゾ、普通だったらHでいいんじゃない?」
可符香「Sな女王様、Mな臼井くん、Hな奈美ちゃん!」
奈美「Hっていうなあ!っていうかこの状況のどこが普通だぁ!」
女王様「さあH、もっと力を入れて叩いておやりなさい」
臼井「ああHさま、もっとムチを!」
奈美「誰がHだ!キモい!」
完