TVアナ『大寒波が全国を襲っています!』  
交「例によってまたオレら視聴者」  
霧「うん・・・あれ?アナの後ろの人・・・」  
冬将軍『ガハハハハハハハハハハハハッッ』  
霧「あ、猛威を振るってる」  
交「ってか何やってんだ」  
冬将軍『ガハハハハァッ!震えて眠れ愚民どもォ!』  
侍『将軍!生放送にござりまするお静まり下され!』  
交「誰?」  
霧「冬大佐じゃないの」  
冬将軍『ええい放さぬかぁ!』  
冬大佐『将軍、乱心めされたかぁ!』  
霧「・・・・・・」  
 
絶望「えー、気象庁によれば冬将軍の乱心は間もなく静まるとのことです」  
あびる「寒波の原因が冬将軍のご乱心ですか」  
奈美「寒波で乱心したんじゃないんですか」  
絶望「将軍だけではありません。人は乱心すると何するか分かったもんじゃないのです」  
奈美「そりゃまあそうだろうけど」  
絶望「ただし、乱心といっても色々ありるのです。  
   この度の冬将軍のご乱心の類も迷惑極まりありませんが、滅多にあるものではありません。  
   本当に恐ろしいのは、日常に潜むプチ乱心なのです!」  
奈美「プチ乱心?」  
絶望「あなた方にも覚えがあるはずです。」  
臼井「僕ですか?」  
絶望「テスト中に消しゴム忘れて、挙手して先生に借りればいいのに指消しゴムしたり!  
   公衆トイレで紙が切れていて、鞄の中にいらないプリントがあるのに靴下を使ったり!  
   期限切れの定期で駅の自動改札を止めてしまって、駅員に言えばいいのに  
   隣の改札を通ろうとして結局五つの改札を止めてしまったり!  
   そんな、プチご乱心を!」  
臼井「僕はそんなことはしない!  
 
時田「お取り込み中ですが、一大事でございます望坊ちゃま」  
絶望「何事です」  
時田「倫様がご乱心あそばれました」  
絶望「えっ?」  
ニのへ「ええっ!?」  
 
倫「・・・・・・ああん、ちゅぷっ、ちゅぷっ、ああっ・・・」  
絶望「・・・・・・・・・」  
倫「・・・ちゅぷ、ちゅぱ、んんっ、ぢゅぱ、んん、れろ、ぺと、  
  れろ、れろ・・・ああん・・・・・・あっ・・・ふう、もうお終い」  
絶望「・・・・・・・・・・」  
倫「あら、お兄様見ていらしたの。  
  すっかり口周りが汚れてしまいましたわお恥ずかしい」  
絶望「・・・ただポッ○ーを食べてるようにしか見えませんが」  
時田「食べ方が問題なのです」  
   ポッ○ーのチョコの部分だけを舐めとられているのです  
   糸色家の令嬢ともあろうお方が、黒くて長いものを舐めて口周りを汚すなどとは嘆かわしい・・・」  
藤吉「それは言い方の問題なのでは」  
時田「ポッ○ーだけではありません  
   フランクフルトの垂れかけたケチャップを舌で拭ったり  
   周りが半液状化したアイスクリンの表面を舐め取ったり  
   肉まんのつるつるした外皮だけをかじり取ってモフモフにしたり  
   そんな、令嬢にあるまじき食べ方をされ始めたのです!」  
絶望「それで乱心だなんて大げさな」  
時田「これを乱心と言わでいか!」  
奈美「執事言葉が変わってるし」  
倫「ええい煩い!私は庶民の食するものを庶民の食べ方で食べたいのだ!」  
奈美「庶民の食べ方って・・・」  
倫「そう言うオマエがこうやって食べてただろうに」  
奈美「わ、わたし!?」  
あびる「奈美ちゃんはそうでしょう」 藤吉「奈美ちゃんはそうでしょう」  
倫「しかし口元を汚してしまうとは、私もまだまだ・・・  
  オマエの様に庶民らしく美しく舐めるのは難しいな」  
奈美「私はいつもそんな風に食べてる訳じゃない!」  
倫「さあ、次はとんが○コーンとやらを五指にはめて、一つずつ口へ入れていこう」  
あびる「奈美ちゃんはやるでしょうね」 藤吉「奈美ちゃんはやるでしょうね」  
奈美「だからぁ」  
大草「・・・・・・・・・  
倫「ん?」」  
  ぱ  ん  っ  ☆  
倫「痛っ」  
一同「えええぇっ!?」  
倫「何をするっ!?」  
大草「食べ物で遊ぶんじゃありません!  
   そこに座りなさいっ!奈美ちゃんもっ!  
   いい?世の中には食べたくても食べらんない人もいっぱいいるんですそれなのに貴女達は・・・  
   ガミガミガミガミくどくどくどくど」  
奈美「ひえええぇぇ・・・」  
倫「う゛・・・・・・・・」  
 
可符香「あらら、普段は穏和な大草さんがご乱心しちゃいました」  
絶望「ああ、食べ物で遊ぶと怒るお母さんって多いですからね」  
あびる「主婦は年末年始で忙しくて色々溜まってたんですね」  
 
大草「ガミガミガミガミくどくどくどくど」  
倫「ううっ・・・でも、何で私がオマエに説教を受けねばならんのだ!」  
大草「デモもストライキもメーデーもありません!  
   そうやって反省しないなら私にも考えがあります!」  
奈美「?」  
大草「そんなに口の周りを汚して食べたいなら、箸もスプーンも使わずにご飯を食べなさいっ!」  
倫「何でそーなるっ!?」  
可符香「ここに丁度、調理実習で作ったシチューがあります」  
倫「余計な事をするなぁっ」  
奈美「私関係ないのにぃっ」  
 
倫「・・・ずずっ、ずじゅる、ずずじゅる、げほっ、ううっ熱い・・・」  
奈美「うえぇっ、ずずっ、あふっ、ふぅっ、ずぶっ・・・ううっ」  
時田「嗚呼、糸色家令嬢ともあろうお方がどろりと白濁した汁を、顔中を汚して啜られるとは・・・」  
可符香「でも、冷めたシチューを暖め直したのはセバスチャンですよね」  
倫「ずっ、じゅるるっ・・・・・・あっ!」  
大草「こらっ!こぼしちゃ駄目でしょう勿体ない!」  
マリア「こぼれたシチューは、後でスタッフが美味しく頂きまシタ」  
臼井「・・・・・・(にゃんまり)」  
倫「待てぇい!スタッフって誰だあ!」  
 
 
 
了  
 
 

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