ど っ さ り  
絶望「・・・・・・・・・」  
あびる「今年もまたチョコを沢山もらわれましたね」  
まとい「っていうか、例年より多いんじゃありませんか?」  
絶望「言っておきますが、私は平素通りに生活していたのであって、チョコを貰うために何かしたわけじゃありませんからね」  
まとい「じゃあこの山はなんですか」  
奈美「まあ、今は草食系男子が流行っていますからね〜」  
あびる「ああ、なるほど、確かに」  
奈美「まあでも私的には、肉食系男子にちょっと強引に言い寄られる方がいいかな・・・なんてね」  
あびる「・・・・・・・・・・・・」  
奈美「あ、今ウザイって思ったでしょ」  
あびる「・・・ううん、不本意だけど私も同じこと感じてた」  
まとい「私も不本意ながら」  
奈美「不本意なのかよ!」  
可符香「これはゆゆしき事態です先生」  
絶望「いったい何がですか」  
可符香「奈美ちゃんがそう感じたってことは、少なくとも全女子の半数は肉食系男子に魅力を感じてるってことです」  
絶望「ええっ、そうなんですか!」  
可符香「しかも、肉食女子の奈美ちゃんを襲えるほどの肉食でないと、見向きもされません」  
奈美「肉食女子じゃなくて肉食系女子でしょう!」  
可符香「女子読者のニーズに応えられないと、マガジンでの人気にも影響してきます」  
絶望「えええっ!?どうしましょう?」  
可符香「今からでも遅くはありません!肉食系への転換を図りましょう!さあ、練習です!」  
絶望「練習?」  
可符香「といっても、急に肉食系女子に襲いかかるのは危険ですから、草食系女子で練習です。さあ、クラス唯一の草食系女子、愛ちゃんを口説いて下さい」  
絶望「いたんですか」  
愛「ええ、映らないように・・・」  
可符香「さあ!」  
絶望「え、襲うって・・・ええと・・・が、がおー・・・食べちゃうぞ、とか・・・」  
愛「きゃーーーーすみませんすみませんすみません!」  
絶望「わあっ、触ってすみませんすみませんすみません・・・」  
あびる「あー、駄目だこりゃ」  
可符香「やっぱり草食を肉食にするのは無理がありましたか・・・」  
 
絶望「すみませんすみません・・・って、そもそも肉食系男子自体が少ないじゃないですか!私だけ変わっても仕方ないでしょう!」  
可符香「そうですね、肉食系男子にするのは諦めますか・・・でも、まだ手はあります!」  
絶望「もおいいですから!」  
可符香「草食動物にも色々います!同じ草食でも、虎やライオンと互角に戦えるような強い草食なら、並の肉食より強いといえます」  
あびる「まあ、カバやキリン最強説とかもあるからね」  
可符香「さあ、他の草食系男子へジョブチェンジ!」  
絶望「・・・・・・・ZZZZZ」  
奈美「また催眠術?」  
絶望「ZZZZ・・・・・・ぱちっ」  
あびる「あ、目覚めた」  
絶望「・・・じいっ・・・・・・」  
まとい「(ぽっ)先生・・・そんなに視ないで下さい・・・」  
絶望「・・・・・・んも〜!がばあっ!」  
まとい「きゃー!先生が私に襲いかかってくれたー!」  
絶望「ふん!ふん!んもお〜!」  
奈美「あ、まといちゃんの赤い着物を剥ぎ取った」  
まとい「きゃー!きゃー!」  
あびる「きゃーという割には抵抗してない」  
可符香「これは・・・赤いものに興奮する闘牛系男子ですね!」  
まとい「きゃーきゃー・・・って・・・あれ?」  
絶望「はふんが、はふんが、くん、くん」  
奈美「あ、まといちゃん無視して剥ぎ取った着物にじゃれついてる」  
あびる「どうやら興奮するのは赤いものだけのようです」  
まとい「そんな・・・」  
可符香「面白いけどだめですね、次行きましょう」  
絶望「ZZZ・・・・・・ぱちっ」  
奈美「今度は何だろ・・・って視られてるっ!次は・・・わたし?」  
絶望「うほっ」  
奈美「きゃー!抱きかかえられた!」  
絶望「うほっ、うほっ、ほおっほ、ほおっほ」  
あびる「見りゃ判るけど、ゴリラ系ね」  
可符香「奈美ちゃんを片腕で抱き上げようとしているみたいだけど、持ち上がらないみたい。流石は肉食女子奈美ちゃん。」  
奈美「私はそんなに重くはないっ」  
絶望「ほっほっ、うほほっ」  
まとい「知能ゼロの先生はちょっと・・・」  
あびる「そもそもゴリラは類人猿の中でも精力少ないらしいしね」  
可符香「却下ですね、次。」  
 
絶望「ZZZ・・・・・・ぱちっ」  
奈美「今度は・・・あ、飛び跳ねてる」  
可符香「あ、シャドーボクシングを始めた」  
あびる「カンガルーね、多分」  
芽留『さっきから何やってんだオマエラ』  
可符香「あら、芽留ちゃん」  
絶望「!」  
芽留『!なにする!離せハゲ!触んな!』  
奈美「ああ、今度は芽留ちゃんが犠牲に・・・」  
可符香「芽留を抱えて・・・袴の帯に挟んだ」  
あびる「さすが有袋類、子供を見ると保護したくなるらしい」  
芽留『誰が子供だ生暖かいんだよ放せ殺す殺す殺す殺す』  
芽留父「メルメルを離さんかぁ!」  
まとい「あ、やっぱり現れた」  
奈美「あ、流石はカンガルー、先生が構えた」  
第1R カンガルー望vs芽留ファザー  
5秒 カンガルー望、KO、芽留ファザーWin  
奈美「弱っ」  
絶望「うーんうーん・・・はっ!私は一体何を!?」  
可符香「・・・残念ですが先生は、今のままがいいみたいです」  
絶望「・・・何があったのかは敢えて訊きませんが、それは残念です」  
あびる「それにしても・・・妙ね」  
まとい「何がよ」  
あびる「もうすぐオチなのに千里ちゃんが出てこない」  
奈美「あ!そう言えば確かに」  
可符香「千里ちゃんなら・・・ほら、さっきからあそこに!」  
千里「・・・・・・・・・・・・」  
絶望「緑色になって何やってんですか・・・」  
千里「光合成です。」  
絶望「は?」  
千里「先生に襲いかかって貰うためには、食物連鎖で先生より下位に自分がいなければなりません。」  
奈美「食物連鎖って・・・」  
千里「肉食系女子のままではどうあっても下位にはなれません。草食の下位になれるのは、植物だけです。」  
可符香「だから光合成なんだ」  
千里「さあ先生・・・わたしを食べて。」  
絶望「えええ・・・」  
倫「残念だが、光合成をしてもお兄様の下位にはなれんぞ」  
千里「どうしてよ」  
倫「何故ならお兄様は、かつて肉食だったもののなれの果て、食物連鎖の底辺、つまりは腐葉土だから!」  
絶望「だれが腐ってるんですか!」  
倫「しかしお兄様、枯れているよりはマシじゃないですか」  
絶望「そういう問題じゃないでしょうに!」  
 
 
あびる「結局自然界で最後まで生き残るのは、雑食なんだけどね」  
マリア「でもマリア、猛禽類系によく襲われるぞ」  
あびる「まあ、猛禽類は大抵は小動物専門だからね」  
 
完  
 

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