起きてすぐに糸色望が見たのは灰色の天井だった。  
 
 体が、特に四肢がけだるかった。一旦開けた目を閉じてまた寝ようとしたが、いやに寒かった。さっきまであんなに暑かったはずなのに、と思いながら毛布を引き寄せようとして異変にようやっと気づく。  
 右手が固定されている。……左腕も動かない。もしやと思い足を動かすとギシギシという音しか鳴らなかった。よくよく腕を見てみると丈夫なロープで手首を縛ってある。恐らくは足首もそうなんだろう。  
 足首を見ようと少し体を起こし、更なる異変を発見して望は絶望した。  
 素っ裸である。着物もふんどしも足袋も、何も身につけていない。最悪なことに、望の絶棒は直立不動の姿勢をとっている。  
 よく見ると手のロープは望が持っていた、よく磨かれたロープだった。これでは首を吊って現実逃避することも不可能だ。もっとも吊ることは珍しくなっていたが。  
 −いや、それよりなんとか鎮めないと、嫌な予感がします……お鎮まりください、お鎮まりください−  
 望は顔をしかめて念を送ったが、絶棒はあくまでもこの部屋の警備を務める心構えのようだった。  
 −そうだ、ここはいったいどこなんだ−  
 望が周囲を見渡す前に、部屋のどこかでドアが開いた。  
 「あら先生、お目覚めですか?」  
 案の定、風浦可符香であった。制服を着て、いつもの笑顔のまま縛り付けられた望の右手にまわると、姿勢を低くして望の顔を覗き込んだ。  
 「いったい何のつもりなんですか!」  
 「いやだなぁ、先生。ここはさよなら絶望先生のエロパロスレじゃないですか」  
 にぱぁと無垢な笑顔を見て、望はこれからどうなるかを察知した。首ごと目線をそらしながら精一杯の反撃を繰り出す。双方、望の裸についてはスルーライフ。  
 「そんな、一言で簡単に片づけないでください!先生、もう怒りますよ!私を陵辱する気なんでしょう、どうせ!!」と絶望をピクピクさせながら唸った。  
 「さすが察しがいいですね。でも説得力ないですよ」  
 「ほっとけ畜生が!」  
 「先生、言葉使いが」  
 「だいたい、なんで私を縛り付けているんですか!もっとロマンチックなやり方だってあるでしょう、貴女の趣味ですか!?」  
部屋に声が響いた。目を逸らしたままガーガーとまくしたてる望に対して、可符香はまったく動じることなく笑った。  
 「いやだなぁ、私の趣味じゃないですよ。ねっ」  
 「へ……まだだれか……?」  
 
 ぬっ、とベッドの左側に現れたのは三珠真夜だった。  
 「証拠過多……!」  
 可符香と同じように制服を着た真夜は頬を赤らめて望の目をジーッと見つめている。望は慌てて可符香の方を見た。  
 「エロパロスレなのにエロが書けないと、ニーズに答えられないじゃないですか♪」  
 「パロだけでもいいでしょパロでも!」  
 「でも皆さんエロもパロも書ける屈強な作者さんばかりですから、生存競争に負けてしまいますよ」  
 「135はどうでもいいとして、なんで三珠さんなんですか」  
 「そりゃあ、真夜ちゃんのエロSSは保管庫にもあまりないですし……万が一失敗しても貴重な真夜ちゃんのエロなのであらゆる方面で重宝されます!」  
 ヴヴヴヴヴヴヴヴ……。望が左を見ると、真夜が太いバイブを持っていた。  
 「あの、ちょっと……?」  
 望は青ざめながらまた可符香を見るが、彼女はただ一言、「少なくとも1つ目の保管庫の中盤辺りで開発済みだから大丈夫です!」と笑っただけだった。  
 「……」  
 望は頭を抱えたかった。  
 
   
 
 ベッドの上に這い上がると、真夜は自分の顔を望の顔に限りなく近づけた。望は避けようとちまちま努力したが、微かに乱れている吐息を聞いているとなんだかアレである。  
 「三珠さん、そこまでにしましょう!親は泣いていますよーッ」  
 ひやり、と顔の右側が冷たくなった。真夜は左手で望の頬に触れて、すりすりと肌の感触を味わっている。  
 (もしかすると、三珠さんは普通の情事の方が好きなんでしょうか?それなら助かりますが……)  
 残念ながら裸にされて縛られている時点でアブノーマルである。真夜はそのまま望に唇を重ねた。  
 不慣れなようだ。どうすればいいのか、よくわからないといった感じである。ちょっと合わせては離し、上目遣いで望を見つめている。  
 「ん……ちゅ…………ぁ……」  
 だんだん慣れてくるとより長く、より熱っぽいキスになっていった。望の首の後ろにぎこちなく廻していた手も、しっかり固定されていく。  
 (ま、まぁ……悪くはないですね……)  
 「んぁ……ちゅ、はぅ……」  
 少女の口から淫らな吐息が漏れていく。熱烈なキスを続けながら、真夜の右手はいつしか胸を弄っていた。左手は望の腹を通って股間へと伸びていく。  
 「んっ……ん、ちゅぅ……、んはぁ……」  
 糊付けを剥がすと、真夜は望の絶棒をまじまじと見つめた。まぁ、剥けてないとか剥けてるとかは想像にお任せしよう。細い指でちょんちょんとつついては反応を楽しんでいるようだったが、真夜はバイブを手にした。今は振動していない。まだ。  
 
 「……あの……まさか……本気」  
 「真夜ちゃんは本気ですよー」  
 すっかりその存在を忘れていた可符香が気楽に言った。人差し指をペロリと舐めている真夜。絶棒の位置まで下がると、舐めていない指でアナルを広げていく。  
 「い、いや、普通に手コキでお願いします……」  
 懇願するように目で訴えると、真夜は頬を赤らめた。そして、おもむろに腕を動かした。  
 ズブっ。  
 「ぐぁッ!?」  
 思わず望の体が反り返った。  
 「やっぱり、開発済みだったんですねぇ」  
 可符香はただ微笑むだけだった。尻が締まるというか、異物感がひどい。  
 真夜はいつも犬にしているように、バイブを前後に動かし始める。それに合わせて望の体はビクッと痙攣する。  
 「こばッ……あッつ……くっあ!」  
 腕を動かして感覚を逃がそうとするが、縛られているために逆に余韻が強く残った。  
 「といっあッ、うか、貴女、何かっ、私に薬ぃうッ、飲ませ、ましたねぇっ!」  
 「あ、ばれちゃいましたか。さっきまだ先生が寝ているとき、おしりの穴に錠剤を」  
 「ぅしてッ、尻、かッ!?」  
 「真夜ちゃんの趣味だそうです!先生、かわいい声ですねー」  
 「っぅあっ!」  
 絶棒には目もくれず、真夜はバイヴのスイッチを入れた。次の瞬間、四肢がピンと張り、背筋に電撃が走った。  
 「ぅぁぁぁぁぁぁッ!」  
 作動音に混じって、濡れた女性器を弄るような卑猥な水音が望の下半身から漏れた。じたばたする望を見て可符香は愛おしそうにため息をつく。  
 「イッちゃいました、先生?」  
 「ちょ、わッ、止め!ッ止めてッッッッッッァ!」  
 呆気なく望は頂点に達したが、真夜は四つん這いになってさらに激しくバイヴを前後させる。  
 「いやッ、や、くっあぁ!ぁッ、ッッッッッッッッッッ!」  
 絶棒の先から汁が垂れるが、まだ射精したわけではない。真夜は無理やりバイブを望の奥に突っ込むと(ぁッッ!らめぇッッ!!)、どこからともなくベルトを2本持ち出して器用に固定した。  
 
 真夜はまだ制服を着たままだった。そのスカートの中に手を入れると、白い下着をするりと下げる。顔が真っ赤になった。  
 「……ぇ、……」  
 何も考えられない快感の中で、望は真夜が何か言ったように感じた。考える余裕はなかったけど。  
 絶棒をつかむ真夜を見て、可符香がベッドに上がった。「駄目よ、真夜ちゃん」と言いながら、可符香は真夜を羽交い締めにする。  
 「……なぁに?」  
 答える代わりに、可符香の指が真夜のスカートの中に消えた。  
 「!?」  
 「やっぱり。まだもう少し濡れないと、辛いよ?」  
 くちゅ、くちゅ……。首筋に舌を這わせながら、可符香は真夜の重要部に指で刺激を与える。  
 「や、可符……ん……!」  
 真夜は抵抗しようともがいたが、だんだん耳が赤くなっていく。可符香の手が制服の上から真夜の胸を優しく撫でた。  
 「あっ、やぁ!ぁ、ぁっ!!」  
 「ここが感じるの?」  
 5本の指が真夜の中を掻き回すと、真夜はまたもがいた。抵抗するためではなく、快感を逃すために痙攣している。足はピンと伸びきり、頭は可符香に預けていた。  
 「っ!いいっ!あッ!ふぁっ!」  
 「ここなの?」  
 「いっ!違う、ああ!下、したぁ!」  
 可符香は少しずつ攻め方を変えていくが、肉芽には触れず焦らしておいた。真夜が可符香の手を押さえたが、気にも留めず攻勢をかける。  
 「おねがい、可符ぅ、可符香ちゃん!した、した!」  
 ふふと笑って、可符香はわざと愛撫を浅くする。処女膜が無いのは自分で突き破ったからかしら?  
 頭が右に、左に揺れる。急に中が痙攣して、真夜の絶頂が近いことを知らせる。  
 「ッッッッッッぁああ!!やあぁぁぁぁぁぁぁぁっあっあっあっ!!」  
 最後に肉芽を思いっきり潰すと、真夜は悲鳴をあげて絶頂に達した。  
 「はぁぁぁぁぁぁっっっっっうううぅぅぅっっっっっっっっっ!!」  
 華奢な体から急に力が抜けて、真夜は可符香に寄りかかった。  
 はっはと息が荒く、いつもの真夜からは想像できないような惚けた顔をして、よだれまで垂らしている。  
 「ぁ……ぁ……可符……ちゃ……」  
 「気持ちよかった?」  
 真夜は何度も頷いた。  
 「あ、そういえば先生」  
 
 望はバイブを突っ込まれたまま放置されていた。知らない間に何回か昇天したらしく絶棒から常に汁が垂れていて、水たまりを作っている。  
 「はやっ、これ、抜いぇっ、くっ!!」  
 思わず可符香の顔がほころんだ。  
 「あらやだ、先生ったらだらしないですねー。口をそんなに大きく開けちゃって〜」  
 望の足をぺしぺし叩くと、その度にビクッと痙攣した。  
 「いやだなあ、これで感じているんですか?」  
 望の絶棒は爆発寸前だったが、何度も昇天している。しかもその昇天方法がアナル責めである、あーなるのも仕方がない。  
 「真夜ちゃん、もういいよ♪」  
 まだ少し余韻が残ったまま、真夜は操られるように望の絶棒の上に体を持っていく。二人の股間はスカートで隠された。真夜は体を下ろしていく。  
 「はぁ……ぁ……んッ……!」  
 望の腹に手を置いて、体を前後左右に動かす。くちゅりくちゅくちゅ、徐々に絶棒が真夜を浸食していく。  
 「ちょ、ちょっと待っああああ!!」  
 わずかな刺激で望は盛大に噴射してしまう。感動的なほど早漏化が進行している。  
 真夜も熱いものを中に感じながら、さらに絶棒を迎え入れていく。思わず艶のある声が漏れ、目を堅くつぶった。  
 「ぁっ!ん、んーッ!」  
 絶棒は根元まで入った。あとは真夜が動くだけである。  
 「せんせ!せんせい!せんせい、気持ちいい!いいよ、せんせぇ!」  
びっくりするほど真夜は饒舌になっていた。快感に喘ぎながら真夜は体を上下させる。最初はゆっくりと、だんだん激しく。  
 「んっ、んっ!ぅん、やぁっ、ひあっ、あっ、あぁッ!」  
 「ちょ、ほんッ、かんべッぇ、くだあああああ!」  
 またもや望は昇天する。  
真夜が快感に捕らわれている隙に、可符香はベルトをはずし、バイブを引き抜いた。  
 「せんせぇ、いぃ、ぁぅ、すごくいいッ!はあっ、あぁ、んぁ!」  
 ぱんぱん、くちゅくちゅ。バイブをはずしたにもかかわらず、望は全く気づいていない。  
 「みたまさんっ、抜いて、やめてっ!」  
 支離滅裂な叫びをあげる望。実のところ気持ちいいのだが、わずかに残った理性が反発している。夜の愛液と肉壁が絶棒をきつく搾り、だんだん絶頂へと近づいていくと、その理性も消え去った。  
 「せん、せぇぇぇ!」  
 「で、出る!!出ます!!」  
 真夜の重要部が不規則に痙攣して、絶棒をさらに締め付ける。可符香によって感度を高められた真夜はもうもたない。  
 「ひぁぁあッ!やあぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!!」  
 真夜が果てると同時に、望もまた放出する。  
真夜は熱いものを感じながら望に胸を預けた。  
 
 「はぁ、はぁ、ぁぁ、はぁ……」  
 吐息が望の顔にかかる。心底幸せそうな顔で、真夜は嬉しかった。  
 「嗚呼……先生、もう生きていけないです……また生徒に出してしまった……」  
 真夜の髪の毛が望の顎をくすぐる。なんだかいい香りがした。繋がったままの重要部からは愛液と望の分身たちが絡まりながら流れ出ている。望は絶望感と虚脱感に襲われながらも、快感と幸福感を拭えなかった。  
 「風浦さん……これで解放ですよね」  
 可符香はんー?と考えていたが、すぐに答えを出した。  
 「先生、私もいいですか?」  
 「は?」  
 「ありゃりゃ、真夜ちゃんたら寝ちゃってますね」  
 確かに真夜はすーすーと寝息をたてている。寝顔がとても可愛……、じゃなくて、「私も」ってナンデスカ?  
 可符香は真夜を抱っこすると、望の脇に寝かせた。自分のスカートに手を入れると「まだダメですね」と言いながら濡れたままのバイブを掴んだ。  
 「あ、あの」  
 「真夜ちゃんを見ていたら私もヤッちゃいたくなりました♪」  
 「2回戦目ですか!?」  
 「いやだなあ、まだ枯れ果てていないことがわかっちゃったんですからね?」  
 縦線で埋め尽くされた望の顔を見て可符香は舌を出した。  
 「先生が枯れ果てるまで、あとどれくらいかなぁ」  
 

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