「んー……」  
 望と生徒たちは教室で会議を開いていた。  
 「やっぱりネタがないですねぇ……木津さんどうします?」  
 「もう一度、流行を洗い直してはどうでしょうか。」  
 教壇に立っているのは望と千里、それに准。他の生徒は整然と並べられた机で書類をめくっている。  
 この会議は次週のネタを決めるためのものである。この時間にネタを出し合って、次の舞台までに膨らませるのだ。もちろん簡単に出てくるものではないが。  
 きっちりしている千里は司会進行役、ストーリーテーラーの准はアドバイザーの役目だ。先生……?  
 可符香と奈美はパソコンで何かを探していた。木野はより奇抜な服装を求めて空想していたし、対象GUYは最近の羽振りの良さにホクホク顔だ。反対に不機嫌そうなのはカエレである。  
 「会議を本編でやっちゃう、っていうのは良かったですよね」  
 可符香が手を挙げて言った。望は首を振って、外を眺める。これで二度目ですけどねと頭のなかで呟く。向き直って、自信有り気に教壇を叩きながら一言。  
 「皆さん、大雪が降った。なんてどうでしょうか」  
 ギイッ。  
 
 「それもうやりました」  
 タンッ!  
 「ダメでしたね。」  
 続いて大草さんや芳賀がアイデアを出したが、前者はギャグで扱えるような軽い内容ではなく、また後者も条例が改正されなくったって成人誌行きの話題だ。  
 「あああのここは僕にスポットライ  
 「やっぱり准×望で!」  
 「それじゃ芳賀くんの案と変わらないでしょう」  
 「じゃ望×准で!」  
 「それはボクが困りますね」  
 「久藤君まで変なことを言わないでください!」  
 「先生、想像しすぎじゃないですかぁー?……は、晴美ちゃん」  
 ……。  
 「あ、今のセリフが誰の言った事か当てようなんてのはどうでしょうか」  
 「で、どう転がすんですか日塔さん……。」  
 「そうよ。問題はオチよ。というか先生、私の特徴である句読点を奪うのは許しません。」  
 「結局乗り気かよ!しかも攪乱までしてるし」  
 「ああ、また猟奇オチですか」  
 「どうして先生はそうネガティブなんですか。」  
 「そりゃあ千里ちゃん、昨日は大敗北」  
 「わーッ!!」  
 「……誰に大敗北したんですか?」  
 「もちろん私だよ千」  
 「わーわーッ!!」  
 「……確かに猟奇オチだけど」  
 グサッ!  
 「保守小咄だから赦されるんであって」  
 「セリフだけだとホントにワケわからないヨ!」  
 

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