智恵の隣にいたのは、あびるだった。  
 さすがに智恵女王様のようなボンデージファッションではなく、単に黒のブラとパンツ姿。  
 それに智恵先生からプレゼントされた黒のガーターを着用しただけだ。いたってシンプルな出で立ちである。  
 
 が、智恵の跡を継ぐのに十分な巨乳と背の高さが相まって、あびるは既に女王の風格を醸し出していたと言っていい。  
 
 (新女王様が、よりによって自分の受け持ち生徒の小節さんだったとは…!  
 ああ、今までの恥ずかしい様子を、すべて見て知られたのでしょうか!)  
 被虐の快感が望の背中を這い登ってきた。  
 
 あびるがエネマのしっぽ部分に触れた。鋭い快感に悶えながらあびるの触れた所をーー自分の股間の先をーー見た望は目が点になった。  
 「し、しっぽ〜〜!?」自分に立派なしっぽが生えているのだ。  
 
 縞模様のある、ふさふさした立派なものだった。長さは7、80センチはあろうか。どうやらカコミスルのものらしい。  
 勿論、あびるが、持参したしっぽをエネマのしっぽに装着したのである。先生の直腸が収縮するに連れて、しましましっぽもぴくっぴくっと震えた。  
 
 あびるはしっぽを見やりながら微笑んだ。  
「うふふ…とうとう先生にしっぽをつけた…今度はもう逃がさないから」  
 
 実は以前からあびるも自己の他害性向に悩んでいた。動物(のしっぽ)での心の癒しに限界を感じて智恵先生に相談していたのだ。  
 
 昨日のカウンセリングでは、智恵先生から、非常手段として奴隷を手に入れ調教することで、他害衝動を昇華させることを提案された。  
 何とも突飛な提案に、あびるは最初は戸惑った。ただ、不思議と倫理的な抵抗感は特に無かった。それに何といっても無事に大学に行き獣医を目指したかった。  
 そして、智恵先生の深い瞳で見つめられ説得されるうちにオーケーした経緯があったのだ。  
 
  「奴隷には、誰がなってくれるんですか?」  
  「あなたのよく知っている人よ」  
  「…まさか、クラスの男子?」  
  「年上の男性よ。まるっきりの安全パイね」  
 
   
 今、昨日のカウンセリングの会話がまざまざと思い出された。『年上の男性よ』と言われ、一瞬絶望先生の姿が脳裏をよぎったことまで。  
 
 その絶望先生が、目の前で何とも惨めで情けなくてカワイイ姿を晒している。これなら調教しても大丈夫だろう。しかも、これから自分が自由に調教できるなんて!  
   
 騒ぎ立てはしないものの、内に秘めた興奮を隠しきれないあびるに、智恵が励ますように声を掛けた。  
 
 「様子はわかったわね? さ、やりたいように責めてみて。  
  あなたが責めている間は、奴隷は絶対に反撃してこないわ。奴隷は女王様の身体に許可無く触ってはいけないことになってるの。  
  あ、エネマを優しく扱うことだけ気をつけてね」  
 「はい、先生」  
 「こういう時は、智恵お姉様って呼ぶのよ」  
 「はい…智恵お姉様……何だか恥ずかしいな」  
 
 改めて望はM字開脚をさせられた。もちろんしましましっぽ付きエネマは挿入済みである。  
 
 「しっぽ…しっぽ…しっぽーー!!」  
 
 あびるはいきなりしっぽの根本を握り、引き抜こうとした。  
 「あひゃあうわぁっ」エネマ責めの優等生だった望は、既にこの排泄感も快感として認識するよう開発されているのは既に述べた通りである。  
 
 この反応に満足したのか、今度は奥へ押し込み始めた。そして、手をぱっと離してみた。  
 先に智恵がやってみたことを真似してみたのだが、エネマは先程と全く同じように奥に吸い込まれていき、前立腺に優しく衝突して止まった。  
 
 「はうう…入ってくる…きつい……うわひゃああっ」挿入感に耐えていた望は、快感の打ち上げ花火が背筋を突き抜けるのを知覚した。  
 
 
 エネマ責めでは、ペニスは勃起する場合もあればそうでない場合もある。望は前者に当てはまった。  
 一方、先走り汁が多量に出ることはほぼ全ての経験者に共通している。絶棒は先走る嬉し涙を大量に流し続けた。  
   
 ここで、あびるが自宅のコレクションの中から選んだ二本目のしっぽを取り出した。クモザルのものである。  
 カコミスルのしっぽよりは全体的に細くかなり長い。短めの毛がしっぽ全体に生えている。  
 
 あびるが、これを起立している絶棒の根本から丁寧に丁寧に巻き付け始めた。  
 ペニスには嫌悪感はなかった。動物のものを見慣れているからであろうか。  
 
 亀頭の辺りを巻かれているとき、望はその不可思議な感覚に戸惑った。  
 「何ですか、これ…毛布に包まれていくみたいですね」  
 
 いよいよ絶棒の末端、最後まで巻き終わると、あびるは巻き残した部分の端を持ち、すううっと引っ張った。  
 
 シュルシュルシュル……  
 しっぽは絶棒、特に亀頭部分に強力な刺激を与えつつ、徐々に解けていった。  
 
 「あひゃああああああっ!!」望はその特異な感覚に思わず叫んだ。  
 例えて言うなら、亀頭に毛布を超高速で擦りつけられる感覚である。これはキツい責めとなりそうだった。  
 
 しっぽが解けてしまうと、あびるは全く同じ責めを繰り返した。たまらず望はギブアップした。  
 「小節さ…もとい、あびる女王様、それは勘弁して下さい」  
 
 女王様、と呼ばれたことにくすぐったさを覚えつつ、あびるはそっけなく言った。  
 「まだ始めたばかりよ。堪え性のない奴隷ね」今度はしっぽ解き責めに加えて、エネマにつながっているしましましっぽを出し入れしてみた。  
 
 「あひゃうわはあああっ!!」ダブルしっぽ責めはキツかった。たちまちマグマが絶棒の根本まで押し寄せてくる。  
 望は慌てた。女王様の許可無く発射することは出来ない。  
 
 「出、出そうで…あびる女王様、もう出そうですっ」  
 あびるは黙ってエネマ責めオンリーに切り替えた。  
 
 
 先述したように、エネマ責めだけでイくのは難しい。本当は、精液を発射せずにエクスタシーを感じる、ドライオーガスムをエネマ責めで味わえるのだが、エネマ使用初日でこの至福に達するのは至難である。  
 
 イきたいのにイかせて貰えない苦しさで、望は泣きそうに悶えた。  
 初めての責め、それも自分で考えたしっぽ責めに、想像以上に奴隷が反応してくれたこともあって、正直あびるは満足していた。  
 だがそれをあまり表には出さない。まさにクールビューティーである。  
 
 「年下の女生徒によくそんなはしたない姿をさらしているわね」言葉責めもなかなか堂に入っている。  
 「あああ、言わないで…駄目な奴隷ですみませんー…」  
 「今日はこのまま終わっちゃおうかしら」  
 「ああ、お願いです…イかせて、…イかせて下さいっ」望は涙を浮かべて哀願した。  
 
 「じゃあ、私に永遠に服従することを誓う?」  
 「ひゃ、ひゃい…ああっ…永遠に服従することを誓いまふうぅ」  
 「そう…じゃあ、…お・イ・き・な・さ・い…」  
 
 あびるは再びダブルしっぽ責めを加えた。  
 先程より勢いよくカコミスルのしっぽを  
しゅるるるりりりりっ!!  
と解き上げた時、あっけなく臨界点を越えた。望はすすり泣きながらマグマを噴出させていった。とうとう手や口ではなく、しっぽでイかされてしまったのだ。  
 
 初めての責めを終え、多少上気した表情のあびるは呟いた。  
 「こんな面白い奴隷、永久に手放さないんだから…」  
   
 この科白は、新女王様としては痛恨のミスで、本来絶対に口にしてはならなかった。間もなく彼女はそれを体で思い知ることになる。  
 
 
 あびる新女王様のプレイを、いや治療を観察していた智恵は、あびるの初プレイの様子に満足している旨を伝え、今後の方針を話した。  
 
 プレイは一週間に一回。慣れて他害衝動が収まっていくようなら、徐々に回数を減らして良い。  
 
 あびるは、  
「わかりました、お姉様」とだけ答えた。もちろん、回数を減らすつもりなど毛頭無かった。  
 
 
 一般に、ある女王様が奴隷を新女王様に譲渡する場合の「譲渡」とは、所有権の譲渡ではない。  
 分かりやすく言うと、今自分が遊べない玩具を、ちょっとだけ他人に使わせてやってもよいというだけの話である。  
 
 だから、ある女王様から新女王様に奴隷が譲渡された場合、その奴隷が永久に新女王様のものになる、などという事はないのである。  
 
 また、本来の女王様が油断していると、それに乗じて新女王が増長する場合がある。  
 
 いずれにせよ、何らかの手段で元の女王は、自分が優位であることを新女王に悟らせねばならない。  
 
 もちろん、智恵先生も新女王あびるをシメておく必要がある。  
 そして、智恵女王様は既に、先程あびるが絶望先生の独占をたくらんでいることを素早く見抜いた。先代女王としては絶対阻止すべき野望である。  
 
 そこで、智恵はある行動に出た。  
 
 まだ腰の辺りでくすぶっている絶頂の余韻にすんすんすすり泣いている望に、智恵が声を掛けた。  
 「奴隷はシャワーを浴びてて。呼んだら出てくるのよよ」  
 「…はい……すんすん…」  
 
 望がバスルームに消えると、智恵先生があびるを後ろからふわっと抱き抱えた。  
 「きちんと奴隷をイかせてみて、どうだった?」と優しく尋ねてきた。  
 
 あびるは背中に広がる胸の感触に戸惑った。  
 「あ、あの、…何か小さな目標をクリアしたというか、達成感みたいなものがあります…」  
 「そう…よかったわね」智恵先生の手が、つつぅっと臍に、そしてさらに下まで降りてきた。  
 
 「あ、あの…!?」  
 あびるは智恵先生の意図が分からず、そのまま固まった。  
 「でも、あなた自身はまだ満足していないようね」あびるの耳元で囁くと、智恵は手をパンツの下に滑り込ませてきた。  
 
 「ああっ!? 智恵先…お姉様、何を!?」あびるは戸惑った。このままでは自分の恥ずかしい変化を知られてしまう。  
 「…やっぱり湿っているわね。……最初だから特別よ。あなたも満足させてあげる」智恵は中で指を使い始め、残りの手を胸に這わせた。  
 
 「あああ、お姉様…いやっ……ああっ」自分でするより数段上の快感に、あびるの呼吸は乱れた。  
 腰をくにくに振って逃げようとしたが、かえって指を奥に誘い込む結果となった。  
 最初は強ばっていた身体から、やがてすうっと力が抜けた。もはやあびるは智恵先生のなすがままである。  
 
 いつの間にか、あびるはベッドに寝かされていた。智恵女王様が横から被さってきた。依然として指は入ったままである。 智恵の片脚があびるの脚に割って入り、淫らに絡まってくる。  
   
 智恵はあびるの胸に自分の胸をぴったり合わせると、ゆっくり円を描くように動かした。  
 
 「きゃああぁ…智、智恵お姉様ぁ、ああ…ああっ…」  
二重の快感に悶えるあびるの顎を捕らえ、智恵女王様があびるの目を覗き込んできた。  
 そして、ズバリと言った。  
 
 「あびるちゃん。あなた、奴隷を独占しようとしたでしょう?」  
 「あ…あ…」あびるは完全に不意を突かれた。智恵女王様の強い眼の光と、胸や指先からもたらされる感覚のトリオに、あびるの思考回路は麻痺していった。  
 
 そして絶望先生を独占したいと思ったことなど、心の底で企んだことや、しっぽの国の王者になる等の秘めた野望まで残らず告白させられてしまった。  
 
 「そうなの…でも奴隷の独占はいけないわ。……お仕置きね」  
 あびるは何一つ抵抗できないうちに、顎を掴まれたままで、また目を覗き込まれた。  
 
 このまま目を合わせてはいけないと思うのだが、なぜか智恵女王様の深く強い瞳から目を逸らすこと  
も閉じることもできない。  
 
 2のへのクールビューティーも、所詮智恵女王様の前では赤子同然だった。  
 あびるは美しき蟷螂に捕らえられた若蝶である。どう見ても勝ち目は無かろう。  
 
 「さあ、しばらく眠って貰おうかしら。ワン…ツー…」  
 智恵女王様が、あびるに顔を寄せてきた。あびるの目には智恵女王様の眼しか見えない。指はあびるの中で激しく動いている。  
 
 (…スリー…)  
 声は聞こえなかったが、智恵女王様の眼が妖しく光った。あびるに接吻すると同時に指をぐいっとねじった。  
 あびるは絶頂に達しながら、目の前が真っ白になり、やがて意識を失った。  
 
 こうして、あびるは堕ちた。  
 
 智恵は、手早くあびるを裸に剥き、後始末をすると、彼女を包帯で包み始めた。と言っても全身ではなく、丁度身体の半分を覆う程度である。  
 ただ、両手両足がベッドの四隅に縛り付けられているのが目を引く。  
 
 ここで望がシャワーから出るように言われた。  
 バスタオルを腰に巻いて出てきた望は、ほぼ大の字の半裸でベッドに寝ているあびるに仰天した。  
 
 「こここ、これは一体……」思わず智恵に尋ねた。  
 「治療の一環なのよ」  
 「は…はあ……」なんとも返答のしようがなく、ただあびるの姿態を見つめていると、智恵が声を掛けてきた。  
 「じゃあ、私はシャワーを浴びてくるから、ちょっと待っててね」  
 「はい、智恵女王様」  
 
 すると、智恵は耳元に口を寄せ、バスタオルの上から絶棒にタッチしながら、  
 「新女王様をね、見たり触ったりしちゃダメよ」と釘を刺してきた。  
 「うは、はいっ」望はなぜか慌てて返事をし、あびるから視線を外した。  
 
 
 シャワーの音がし始めた。   
 見てはいけないと思いながらも、包帯で半分覆われているだけのあびるの姿は扇情的で、嫌でも視線を引きつけた。  
 加えて、今日のエネマ責めのせいで下半身がうずうずしてたまらない。望のエロスへの興味は着実に回復しているようだ。  
 
 望は我慢できずに、あびるが寝ているベッドに近づくと、彼女のお下げを優しく撫で、頬に軽く口付けした。  
 まだシャワーの音がしている。  
 
 (先ほどはよくもしっぽ責めをしてくれましたね…少しだけ、お返しです)  
 望はそっと唇に接吻した。あびるはまだ眠っているようで、目覚める気配はない。  
 
 改めて全身を眺めた。  
 両手は万歳をした恰好で、手首の所からベッドの両隅へ包帯が延びている。余裕を持たせて縛ってあるが、腕を下ろすことは出来ないようだ。  
 
 豊かな胸もほぼ半分隠れていて、乳首も包帯で隠れている。そのシルエットだけがほんのり透けて見えた。  
 それに対して、下乳が露わになっているのは、女子高生らしからぬアダルティな眺めで、何とも悩ましい。  
 
 適度にくびれた胴はほとんど裸である。臍周りが眩しい。  
 
 話に聞いていた内股湿布を初めて目にした。これは臼井でなくとも惚れそうだ。  
 脚は半分ほど開いた状態である。  
 
 包帯は各足を半分程度包み込んで、足首からベッドの腕とは反対側の両隅へ延びている。すらりと伸びた健康的な足である。  
 
 だが、何といってもあそこ! あの秘所には包帯がわずか2筋だけ上を通っているに過ぎない。後少し上か下にズレていたら!!   
 いかにもずらして良く観察して下さい、というように見る者を誘っている。  
 
 もちろん、望はその誘いを断れなかった。だが、彼は好物を後に残しておく質である。  
 そう、イチゴのショートケーキなら、イチゴを最後まで残しておくタイプと言えばお分かりであろう。  
 
 望は魅惑の秘所を後回しにして、上半身から「お返し」をすることにした。  
 
 まだシャワーの音がしていた。  
 望はあびるの胸に手を伸ばし、ゆっくり揉んでみた。  
 
 むにゅっ……むにゅっ……  
 
 素晴らしい揉み具合である。智恵先生のようにとろけるような柔らかさはないが、ぷりぷりした感触は十代の瑞々しさに溢れていた。  
 ただ、包帯のせいで全体の肌触りはよく分からないのは残念ではあった。  
 
 「……」気のせいか、あびるの呼吸が速くなったようだ。だが目は覚ましそうにない。  
 
 調子に乗って、包帯で隠れている乳首をちょんっと摘んでくりくりっとしてみる。包帯越しに吸ってみる。   
 さっきから乳首が可愛らしく勃っていた。邪魔な包帯さえなければ!  
 
 包帯と言えば、あの股の包帯…あれとあの二本さえなければ…との思いを捨てきれず、望はまたあびるの下半身に目をやった。  
 
 縛り方は緩やかなようだ。解いてしまったら必ずや智恵女王様にばれ、カタストロフィを招くだろう。  
 だが、今開いている脚を、もう少しだけ開く位なら大丈夫に思えた。  
   
 望はベッドに上がり、あびるの膝に手を掛けてゆっくりと開き、間に入り込んだ。  
   
 再度あびるの胸に手を伸ばし、その感触に名残を惜しんだ後に、ついに下半身に手を伸ばした。包帯の下を潜り、草むらに指先が到達した。  
 
 しばしの間、しゃりしゃりした若草の感触を楽しむ積もりでいたが、既に心持ち湿っていたようだ。  
 「……ん………」あびるは僅かに眉を顰め、息が明らかに荒くなる。足がゆるゆると閉じそうになった。  
 望は再び膝に手を掛け、いっぱいに開かせてさらに茂みの探検を楽しんだ。  
   
 今や可愛い草原は、望が愛撫するのに合わせて秘めやかな音を、くちゅじゅくくちゅっと立てている。  
 (そろそろ、いいかな…これから本当にお返ししてあげますよ…)  
 
 バスタオルの前にテントを張っていた望は、あびるの内股湿布をなで上げると、絶棒をあびるの中に挿入する準備に入った。  
 入れる前に例の包帯をつまみ上げ、つい下から覗こうとしたその時である。  
 
 「何をしてるの」  
 後ろから声がした。智恵先生だった。  
 「ひぃっ!」望は背筋に氷柱を押しつけられた気がした。  
 
 「随分楽しんでたようねえ」  
 「は、はわわ……」  
 何しろベッドに乗っているのだから言い訳のしようもない。望の両珠が、きゅうっと体内の奥に入っていこうとした。  
 
 「女王様の体に許可なく触れてはならないって、あれほど言って聞かせたでしょう」  
 「ああ…あう…」  
 智恵女王様の凄みのある科白回しに、望は震え上がった。恐怖のあまり、謝罪の言葉さえろくに出てこない。  
 
 「お仕置きね」  
 ずいと近づいて来た。  
 逃げられないでいる望の頬を両手で挟み込んだ。と、女王様が望の目を見つめて来た。  
 望は吸い込まれるように智恵女王様の瞳を見つめてしまった。  
 
 「さ、奴隷もしばらく眠りなさい。ワン…ツー…」  
 智恵女王様の眼が異様なほど光っている。  
 
 (…スリー…)  
 スリー、のタイミングで智恵女王様の眼がスパークしたかと思うと、後頭部に軽い刺激を感じた。  
 望は目の前がホワイトアウトしたかと思うと、次の瞬間暗転し、即座に意識を失った。  
 
 こうして、望も堕ちた。  
 
 
 智恵はあびるの股の包帯をずらした。あれほど望が見たがっていた秘部が露わになった。  
 だが、智恵は望の腰のバスタオルを剥ぐと、あびるの上に無造作に重ねた。偶然か計算か、丁度望の陰部があびるの秘部に触れている。  
 
 智恵は望の手と手をあびるの手と手に合わせた。  
万歳した二人の手を重ね合わせた形である。  
 掌を合わせ、指を互いに組ませると、その上から包帯できつく縛った。これで二人は手を離すことが出来なくなった。  
 
 次に、二人の胸と胸を合わせ、胴をゆるく固定した。  
ある程度は上下に動くが−−つまりピストン運動は出来るが−−ベッド外には逃げ出せない。  
 
 あびるの膝を開かせ、間に望の足が入るようにした。  
 
 これで、丁度男女が交わる姿勢になった。  
 
 最後に望にしましましっぽつきエネマを差し込むと、智恵女王様は二人に向かって命令した。  
 
 「さあ、目を覚ますのよ。ワン…ツー……スリー」  
 
 スリーでぱちりと目を覚ました二人は、相手の顔がごく間近にあることに、そして自分たちが動けないことに気づくと愕然とした。  
 
 「せ、先生!?」  
 「小、小節さん!!」思わず素の名前で呼び合った。  
 
 胸と胸が当たっているのが分かる。望はすぐに飛び退こうとしたが、縛られていてほとんど身動き出来ない。  
 
 あびるもさすがに恥ずかしくて逃げようとする。が、こちらも元々四肢を拘束されているので、体をよじるばかりである。  
 
 確かに、以前温泉のアクシデントで『先生になら別に見られても恥ずかしくはないよ』とは言った。  
 そうは言ったが、素肌が触れ合うとなると話は別だ。あびるは恥ずかしくて仕方がない。  
   
 あびるが体をよじるので、あびるの胸が絶棒の胸に擦れる。  
 前述したとおり、望は胸が敏感な上に開発されてしまっている。  
 それに、あびるがいつになく恥ずかしがっている様子を見て、あれだけ出した後なのに性懲りもなく絶棒が力を蓄え始めた。  
 
 その絶棒があびるの太股にあたると、嫌でもあびるはその感触に気付かざるを得ない。  
 よって、さらに身を捩ることになる。ますます絶棒が硬くなる。  
 
 まさに絶棒スパイラルであった。  
 
 「さあ、あなた達はこれからバツを受けるのよ」  
 そう宣告すると、智恵女王様は左手であびるの秘部を優しく、だが激しくかき混ぜた。  
 
 先ほども味わった魔法の指のもたらす快感に、あびるは思わず「ああっ」と声を上げ、燃え上がっていった。  
 しかも先ほど望にたっぷりと愛撫されていたため、たちまちぬかるみ(というか、愛の沼地)状態になってしまっている。  
 
 一方、絶妙なテクニックで絶棒をしごいていた智恵の右手は、絶棒が十分な硬度を保っていることを確認すると、その位置を整え、亀頭があびるの入り口に当たるようセットした。  
 
 「さあ、二人ともたっぷりおイきなさい。それがバツよ」  
 お仕置きの開始を宣言すると、智恵女王様は絶棒をあびるにズームインさせた。  
 
 望は昨日から自分が何回出したのか、もう覚えていない。さすがにもうイかないと思いきや、先ほどの異常な体験で高ぶってしまい余裕があまりない。  
 それに少しでも動きを止めると、智恵女王様がエネマグラで後ろから煽ってくる。またしても望は屈辱の絶頂へ追い込まれつつあった。  
 
 一方、あびるは若い。別に荒淫だった訳ではないので、絶棒の与える快感にまともに反応した。  
 
 先に達したのはあびるである。達する寸前に、彼女の中が亀頭を不規則につっつくかのような動きをしたかと思うと、大量のジュースを絶棒に浴びせた。  
 組まれていた望の手をぎゅうっと握りしめ、ゆるく縛られている脚で望を挟み込もうとした。  
 「ああ。あ……イく、イくイくぅうっ」縛られている全身を目一杯反らせながら、あびるは絶頂へ駆け登った。  
 
 だが智恵はわざと望を止めなかった。望も今は自分のことで一杯で余裕がないし、第一勝手に止めるとバツの追加が怖い。  
 
 「も、もう止めて…下さい」あびるは懇願した。だが、望が返事をする前に、  
 「ダメよ」と智恵は冷たく拒絶した。  
 「奴隷を独占しようとしたバツよ。お仕置きです。このまま何度でもイきなさい」  
 
 「そ、そんなあ、智恵お姉様あ。…ああ、いやっ、また、もう。もうっ…」  
 一度達して過敏になっている秘部をさらに擦られ、あびるは瞬く間に再度高ぶってきた。  
 
 しかも、智恵女王様が  
「手伝ってあげるわ」  
と言うが早いか、望とあびるの間に手を差し入れ、すっとあびるの草むらに手を伸ばし、肉芽を摘む。  
 
 「ああーーーっ」あびるは絶叫した。  
 顔が真っ赤に染まり、全身も桜色に染まったあびるは、お下げ髪を左右にうち振って悶絶した。  
 
 
 望も高ぶってきた。制御ブレーキなどとうの昔に焼き切れている。  
 「ああ、女王様、もう、…もう…う」  
 このままでは中出しをしちゃうかも、などと考える余裕は全くない。とにかく出したくてたまらない。  
 
 「奴隷はイくときは言うのよ」智恵女王様のお許しが出た。  
 「は、はい…も、……もうすぐ…イきますっ」  
 
 あびるの顔が目に入った。真っ赤になって首を左右に振っている。お下げが激しく揺れている。  
 彼女の勃っている乳首が自分の胸に当たって擦れているのが気持ち良い。  
 
 奥まで突くと彼女の豊かな乳房が自分の胸の下で拡がる。両手は互いにぎゅうっと握り合っている。  
 包帯越しに、そして直に触れ合う肌が暖かい。  
 
 中は焼けるように熱い。ツキチュクッと亀頭を不規則につっつき、急に潤ってきた。  
 
 ああ、うう、もう、もう…。たまらない射精感が底からこみ上げてきて、やがて溢れ出た。  
 
どくぅっ。どくっ。どくっ…  
 
(あああ…小節さんの中にも出してしまった…)  
 
 今日はこの辺りまでかな、と漠然と思っていた望は甘かった。  
 出し切って腰の動きを止め、無意識にあびるに体重を預けた途端、智恵は絶望先生の腰を両手でやおら掴んだ。  
 かと思いきや、ガッシュガッシュと強制的にピストン運動を再開させたのである。  
 
 出した直後の非常に敏感になっている絶棒を強制的に刺激されるのだからたまらない。望はたまらずギブアップした。  
 「ああ、うわあっ…止めて、止めて、もう止めて下さい」  
 
 「ダメよ」智恵は望にも素っ気なかった。  
 「女王様に許可なく触ったバツよ。このまま私が許すまでずーっと動いてなさい。イっても止めちゃダメよ」  
 「そんなあ、…あ、あん、あひぃっ」  
 
 「奴隷は女王様にたーっぷり奉仕するものよ」こう言うと、智恵は望の腰をピストンさせている腕に、さらに力を込めた。  
 そして、望が少しでも抵抗しそうな素振りを見せると、容赦なくエネマ責めを炸裂させた。  
 
 望は鋭すぎる絶棒快感と焼け付く前立腺感覚に悲鳴をあげた。  
 仕舞には、まったく休ませてもらえずエネマ責めの連続である。この際ドライオーガズム(射精を伴わない絶頂のこと)までマスターさせてしまう積もりなのだろうか。  
 
 「いやっ、もう止めて、止めて下さい、ああっ…」前は敏感すぎるのに勃起を保ったままで動かされ、後ろは絶えずエネマグラからの刺激を受ける。  
 いつしか望はドライオーガズムの連続をマスターしていた−−つまり始終後ろでイきっ放しになったのである。  
 
 あびるの方もたまらず哀願した。  
 「智恵お姉様、私ももう、ああ、許し…ああっ」だが、智恵はてんで相手にしない。  
 何度目だろうか、またあびるの肉芽を摘む。  
 「ああぁっ!」  
 「だーめ。ほらほら、もっと奴隷に奉仕させなきゃ」  
   
 二人の喘ぎ声と哀願がいつまでも特殊治療室に響いた。  
 「くうぅ、あひっ、ひぃっ、……もう勘弁、勘弁して下さいぃっ…」  
 「あぁっ、許して!…許してお姉様ぁっ…」  
 
 強制連続絶頂の刑は、その日果てることなく続いた。あびると望は智恵女王様の恐さと超越性を心底、いや体の底から叩き込まれた。  
 
 
 こうして、絶望先生は週に一回あびる新女王様のメイン調教を受け、たまに智恵女王様からもサブ調教を受ける身のマゾ性奴隷と成り果てたのである。  
 
 望はふと目が覚めた。裸で大の字になって寝ているのだが、手足とも動かせない。極薄手の毛布がかけられているようで、風邪はひかなくてすみそうだ。  
 
 右を見た。あびるが望の右腕を腕枕にしてこちら向きで寝ている。寝顔は穏やかで、あどけなさすら残っている。  
 どうやら裸らしい。毛布の下は見えないが、生脚が自分の右脚にからまっているし、彼女の体温が何となく望の身体全体に直に伝わってくるからだ。  
 
 左を見ると、智恵が望の左腕を腕枕にして寝ている。同じくこちら向きである。寝顔は聖母のようで、改めて美人だと思う。彼女も裸らしい。彼女もまた両脚を望の左脚にからめているし、彼女の体温が何となく望の身体全体に伝わってくるからだ。  
 
 どうやら、一連の調教が終わった後、気絶していた望を中心にして川の字になって休んでいる内に、二人とも寝入ってしまったらしい。  
 望は起き上がるのを諦め、そっとため息をついた。  
 
 
 さて、今後、望はこのような状況の下で、他の女生徒たちには手を出したくなくなるのだろうか。答えはもちろん否である。  
 
 確かに、毎週の調教で、必ず一回は「ご褒美」としての射精が暗黙の了解として約束されている(今日は特別だろう)。  
 二十台半ばの男性の生理学的見地からでは、特に問題はないはずだ。  
 
 とは言え、この世で自分だけが頼りだと慕ってくれている霧や愛やまといには、「甘い」えっちもコンスタントにこなしてやりたいし、睦言だって耳元で囁いてやりたい。  
 
 みな気だての良い優しいコであり、そばにいると安心できる(まといも本来はそうなのである)。  
 第一、調教されてばかりでは心が萎える時もあろうというものだ。  
 
 無論この心境はまだ奴隷に成りきっていない証拠なので、両隣で寝ている二人の女王様には絶対の秘密。  
 ばれたらどんなお仕置きが待っている事やら、想像するだに恐ろしい。  
 
 また、たまには奈美、晴美、そして可符香の三人娘にも付き合ってやらねば後が怖い。何しろ、あの写真を大量に握られているのだ。  
 それでも、奈美と晴美はまだ日頃温厚で波風を立てることなど滅多にないので、共にいてもリラックスできる。  
 だから二人の前ではけっこう気を抜いていたりもする。特に奈美とは以前は普通に会話できていたのだ。  
 
 だが、可符香にはあらゆる面で注意していなければ、という予感がひしひしとしている。  
 その予感はある意味正しい。可符香が撮影したビデオがあるのだが、その存在を先生は知らないままである。それに、その映像がDVDに焼かれて晴美と奈美の机の引き出しの底に眠る予定であることも。  
 
 さらに、千里や芽留や真夜や楓(カエレではない)やマ太郎たちとも−−−絶対に絶対の秘密だが倫とも−−−彼女たちの欲求不満を爆発させない程度には、肌を合わせておかねばならない。  
 
 果たして絶望先生は男として幸福の絶頂にいる現代の光源氏なのか、はたまた不幸のどん底に喘ぐダメジゴロなのか。それは絶望先生自身にもよくわからない。両腕にとびきりの花を抱えている今でもわからない。  
 
 が、数週間に一度、忘れた頃に実家から送られてくる見合い写真の類は、見もせずに屑籠に直行するであろうことだけは確かである。  
 それまでは、まといがチェックし逃したものを彼が目にし、写真と釣書きを前にしばし考え込むこともあったのだ。  
 
 余談だが、智恵先生のマンションの屑籠にも、あちこちの親戚が送ってきた妙齢の男性の写真やら経歴書やらが束になって無造作に捨ててあった。  
 単に学問や仕事が忙しいから結婚する気がないのか、それとも他に思うところがあるのか、現時点では定かではない。  
 
−[完]−  
 
 

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