「ふうう…いったい何だったんでしょう」  
 
 竹槍による国会議事堂突撃が当然のごとく徒労に終わり、望はとぼとぼと宿直室へ帰ってきた。  
 そんな情けない子羊を、可符香が優しく出迎えた。  
 
「お帰りなさい。お疲れさまでした」  
 
 天使のような笑顔が胸に沁みる。  
 また胸に飛び込みたい衝動を辛うじて抑えると、軽く頭を振っただけで宿直室の炬燵の前にへたり込んでしまった。  
 そんな望に、可符香は熱い甘酒を手渡した。  
 
「先生はお酒はダメだけど、甘酒ならいけるでしょう? さ、疲れが取れますよ」  
「そうですね。どうもありがとうございます」  
 
 疲れで判断力が低下していた望は、疑いもせず飲み干した。  
 冷えた身体に熱が心地よく染み渡った。  
 だが甘みが脳に快感を送った後しばらくして、望の意識がぷっつり途絶えた。  
 
 眼下に横たわる望を一瞥しながら、可符香は電話を掛けた。  
 
「もしもし、千里ちゃん? 可符香です。こちら、準備完了です。……ええ。待ってます」  
 
      ☆  
 
「うーん……」なんとなく華やいだはしゃぎ声で望は目を覚ました。  
 
「あ、絶望先生、目を覚ましたみたい」  
「おっ、主役のお目覚めだあァ〜〜」  
 
 目の前を見ると、いつもの絶望ガールズに加えた数人――ことのんを除いたクラスの女生徒ほぼ全員と言っていい――が甘酒を手にして談笑している。  
 
 狭い宿直室に彼女たちがギュウギュウ詰めになっている。  
 皆目元が赤い。中には明らかに呂律が回っていない者(むろん、奈美である)すらいる。  
 
「皆さん、いったい何を、ぐっ」  
 望は動こうとして、またしても首輪で繋がれているのに気付いた。  
 しかも、いつの間にか着流しに着替えさせられている。  
 
「何って…」  
「もうすぐ校内であるカルタ取りの予習ですよ」  
「あ、先生の言葉だと『予防』ですかね」  
 
 何だかよくわからない。ここで可符香が宣言した。  
「じゃあ、先生も起きたところで、新春絶望カルタ取り大会の始まりです〜〜」  
 
──パチパチパチパチ……  
 一斉に拍手が起こった。  
 
「一番多く札を取った人は」  
「取った人は!」晴美が合いの手を入れる。  
「なんと、今晩! 先生とぉ、姫初めをォ、することがァ、出来ます〜!」  
 
──パチパチパチパチ……  
 一斉に拍手と歓声が挙がった。  
 
「いいぞーー!!」  
「2のへ万歳ーー!!」  
「絶望しぇんしぇーバンらーーい」  
 
 望はたまらず首輪の鎖を引きちぎって逃げ出した。  
 だが、可符香に足を引っかけられよろけた所で、奈美が望の帯を掴んた。  
 奈美は例によって酔っぱらっている。手加減などない。  
 望の着流しの帯の端を力一杯引っ張った。  
 
「そーれ、帯ぐるぐるじゃ〜〜」  
「あーれーー」  
 帯がみるみる解けていくにつれ、望が独楽のようにぐるりぐるりと回る。  
 すっかり帯が解けてしまい、着流しがはだけてふらついている所を奈美に捕まった。  
 
「んっふっふっふっふっふっふ」  
「うわっ!酒臭い……」  
 
 奈美は皆にかけ声を掛けた。  
「そーれ、かかりぇーーーぃ」  
「ワーーーーーーーーーイ」  
「いやああああああぁぁぁ」  
 
      ☆  
 
 望は布団の上に大の字にされた。  
 今度は完全に四肢を固定され、逃げ出そうにも逃げ出せない。  
 もちろん全裸である。  
 
 逃げた罰として、本来は畳の上に並べる予定だったかるたの札が、望の額からつま先まで全身に貼られた。  
 もちろん、絶棒にもしっかり貼られた。  
 それぞれの札は、落ちないように両面テープで貼ってある。  
 
 千里が皆にルールを補足した。  
「札を取った人は、証拠として札のあったところにキスマークを付けて下さいね。」  
「はーーい」  
「はい。じゃあ、いきまーす」札を詠み上げるのは可符香である。  
 
「『犬も歩けば 棒刺さる』ーぅ」  
「『い』ね」  
「いー、いー、いー……」  
 
──ビタンッ!  
「あいとゎっ」  
 
 無言で望の額に手形を付けた娘がいた。  
 真夜である。  
 見ると、たしかに「い」の札だった。  
 
「あー、そこだったかぁー」  
「三珠さんに初手を取られちゃったね」  
「じゃあ、三珠さん。札を剥がして、キスマークをつけて。」  
 
真夜は相変わらず無言のまま、ピリッと札を剥がした。  
 望の額には赤い手形がくっきりと付いている。  
 
 真夜は望の前髪を掻き揚げ、生え際を剥き出しにすると、ちゅううっと音を立ててキスマークを付けた。  
 
――ん!? こいつも狙ってるのか?  
 
 ふと皆の心中に疑念が起こった。   
 
 だが、可符香は素知らぬ顔で詠み上げていく。  
徐々に、皆もカルタ取りに再び熱中し始めた。  
 時折ピシャッ!と先生を叩く音、ひいい!という先生の悲鳴、そして ちゅうう!という接吻の音が順調に響いていった。  
 
      ☆  
 
 しばらく経った後のことである。  
 
「『飛んでるままの コウノトリ』ーぃ」  
「『と』ね。」  
「とー、とー」  
 
 ここで、望の口に手を伸ばした者がいる。  
 
「は、はい」  
 
 叩く音は聞こえない。ただ手を伸ばしただけだ。  
 見ると、たまたま望の顔の近くに座っていた愛が、自分の目の前にあった札を取ったのだった。  
 
「ああ、私なんかが札を取ってしまってすみません!」  
 皆の視線を浴びた愛は、いきなりその場から逃げ出そうとした。  
 が、さりげなく可符香が逃げ道を塞いでいたので逃亡は叶わなかった。  
 
 千里が愛に迫る。  
 
「さあ、愛ちゃんもきっちり札を取ってキスマークを付けるのよ。」  
 
 愛はなお逡巡していたが、千里の目つきが険しくなりかけているのが目に刺さった。  
 それで仕方なく、おずおずと口の上の札をそっと剥がし、ためらいがちに唇に接吻した。  
 
      ☆  
 
 だが、初めこそ遠慮しいしいだった接吻が、いやに情熱的である。  
 派手な音こそしないものの、ずいぶん長い間いろいろ角度を変えて続けている。愛の顔は真っ赤だ。  
 時折、くちゅっ…ぴちゃっ……という微かなだが淫媚な音が漏れてくる。  
 
 やっと愛が唇を離したとき、ほうっというため息がギャラリーのあちこちから漏れた。  
 だが、二人の行為を間近で見ていた何人かは気づいていた。  
 二人が接吻を止め唇を離すときに、唇と唇の間に糸を引いていたのを。  
 そして、望の唇には、愛の付けていたリップクリームが残っていて、望がそれをペロッと舐めたのを。  
 
――こいつら、舌を入れてやがったのか!?  
――こいつら、目で会話してやがった!  
――コイツも、ひょっとして本気!?  
 
 思わぬライバルの出現に、絶望ガールズの緊張感が一気に増した。  
 その場に、血で血を洗う真剣勝負の緊迫した雰囲気がみなぎってきた。  
 
「じゃあ、次行きますね」可符香があくまで冷静に詠み進めていった。  
 
「『しっぽ大好き あびるちゃん』!」  
「しーーー」  
「うーーーん……」  
「しっぽーーッ!!」このかけ声はもちろんあびるである。  
 
──ペシッ!  
「ひいぃ!」  
 望の左胸にあった札を見事ゲットした。  
 
 あびるは珍しく嬉々として札を剥がすと、乳首に音を立てて派手に吸いついた。  
 
──ちううううううぅぅっッ!  
 
「ひああああ……」望は思わず鳴いた。  
 
 それだけではなかった。  
 あびるは吸いついたまま、レロレロレロ……と舌先で小豆を弾いてきたのだ。  
 
「ふあっ、小節さん、それ駄目ッ! あはぅ、だめ、ダメェェエエエ……」  
 望は慌てて身を捩った。  
 だが、あびるは望の肩を押さえつけて攻めを続行していく。  
 愛の接吻の際に揺れ始めていた絶棒が、今やはっきりと起立し始めた。  
 
 目ざとく見つけた芽留が写メを撮り始めたので、皆も絶棒の恥ずかしい自己主張に気づいた。  
 
 望は羞恥の極みだったが、どうすることも出来ない。  
 
 絶望ガールズの注視する中、まだ乳首に吸いついたままのあびるの舌捌きに反応して、望は絵札の帆をかけた帆柱を立てていった。  
 
「やっぱり先生は胸が敏感なのね」  
「ねー」女生徒たちは口々に頷き合っている。  
 
 次に右胸の札を引き当てた晴美も、あびるに負けないテクニックを披露して、帆とマストを揺らせ、持ち主をいい声で鳴かせた。  
 
 こうして望は全身に教え子の手形とキスマークを付けられ、元々色白だった肌は真っ赤に腫れ上がった。  
 季節外れだが、いい紅葉の色づき具合ではある。  
 
 いよいよ最後の一枚になった。ちょうど絶棒の上の札が残っている。  
 
 皆が絶棒をめがけて身を乗り出してきた。  
 特に、現在の札獲得数が同数首位の千里と奈美は目が血走っていて鼻息も荒い。  
 
「あああ……」皆のただならぬ様子に望も気が気ではない。  
「み、皆さん、どうぞお手柔らかに。気を落ち着けて。ね。ね。ねっ」  
 
「じゃあ、最後の札行きまーす」可符香が宣言した。  
 
「『君ならでき……』」  
「はーーいっ!!」  
「はいっ!」  
「ハイ!!!!」  
 
──バシバシベチベチパシィッッ!!!!!!  
 
 絶望ガールズが一斉に絶棒(及びその付近)を我先にと力任せに叩いた。  
 望は悶絶した。  
 
      ☆  
 
 最後の勝者を確定するべく、上の者から順に手を除けていった。  
 
 一番下で絶棒をぐわしっと掴んでいたのは、千里である。  
 千里の手も皆に叩かれたせいで真っ赤に腫れている。  
 
「ということは……」  
「この札は千里ちゃんのものね。そして、このかるた大会は、千里ちゃんの、勝ちーーィ」  
 
 皆も千里のファイトに惜しみない拍手を送った。  
──パチパチパチパチ……  
 
「まあ、千里ならしょうがないわね」  
「犠牲者がでなくてよかったし」  
「いや、ひょっとして先生が犠牲者…」  
「しーっ!」  
「なーに、絶望先生はすぐ気が付くわよ」  
 
「じゃあ、札を取って、キスマークを」可符香が促す。  
 
 千里は札を取った。  
 絶棒はさっきのショックでうなだれている。  
 
 ではキスマークを、と思いかけた千里はハッと気が付くと叫んだ。  
 
「これ、キスマークって言うより、フェラじゃない!」  
「まぁ、そうかもねー」  
「さあ、早くぅー」  
「最後に一発、凄いのをねっ」  
 皆がニヤニヤして千里を見ている。  
 
 千里がそのまま固まっていると、  
「どうしたの? やらないんなら、私がしちゃうわよ」などと晴美が煽ったりする。  
 
「うぅ……わ、わかりましたっ。」  
 覚悟を決めた千里は、やおら絶棒を掴むと、先をぱくんと咥えた。  
 そうして、本体を上から下へゆっくり舐め下り、また下から上へ舐め上がっていった。  
 
 舐め上がった頂点で再び頭を咥えると、今度は深めに含んだ。  
 含んだまま舌先で裏を往復してれろれろれろっと何度も弾いたりした。  
 首の周りをぐるぅりぐるぅりと周回させたりした。  
 そして仕上げに、ねっとりと吸い上げた。  
 
──じううううううううぅぅぅぅぅっっ……  
 
 さすがにこの刺激にはたまらず、絶棒は見る間に生き生きとしてきた。硬度をすっかり取り戻した。  
 千里が口を離した後も時折ぴくぴくっと震えては、自分が嬉しかったんだよ、と見る者に訴えかけた。  
 
      ☆  
 
 見ていた絶望ガールズも感想を漏らした。  
 
「千里、上達したね」  
「本の知識って、役立つんだなぁ」  
「晴美ちゃんの本、今度私も借りようかな」  
「うん、いーよー。飛びきりのを貸してあげる」  
「うーむ、さすがにきっちりと立てさせたか……」  
「こんなことできっちりなんて、言うなぁ!」  
 
      ☆  
 
「さあ、では勝者の千里ちゃんに賞品を引き渡しましょう!」可符香がここで締めくくった。  
「見事優勝した千里ちゃんには、ここで姫初めをしてもらいます!」  
 
「ここでって、今なの?」千里は珍しく戸惑った。  
 
 だが、  
「そうよ。後がつかえてるんだから、なるべく早くね」と晴美に言われ、ようやく自分の勘違いに気が付いた。  
 
 見ると、二位の奈美を始め、他の女子もヤる気満々である。  
 千里は先生を一晩独占するのを諦めた。  
 
――ううう……その分濃厚にしてやるんだから。  
 
と思っていると、皆が服を脱ぎ始めた。  
 
「ちょっと! なぜみんなが服を脱ぐのよ!」  
「だって、二人だけ裸になるのは恥ずかしいでしょう。みんなで裸なら恥ずかしくないかなぁーって」  
「順番が回ってきたときの手間を省かないと」  
「千里がキャンセルしたら私が先にしようと思って」  
「…………」  
 
 仕方なく千里は自分も服を脱ぎ、望の腹に跨った。  
 
――はあぁ……なかなか二人きりになれないわね。  
 
 こう思いながら千里は望の頭を抱え、接吻した。  
 それも特別濃厚なやつだ。  
 明らかに先程の愛のを意識していた。  
 
――あのコやみんなには負けないんだから。毒消しよ。ま、負けるもんですかっ!  
 
 接吻の途中で望の意識が戻った。  
 千里もそれに気づくと、拒絶されないうちに腰をずらし、絶棒の硬度を素早く確かめるとゆっくり自身へ収めていった。  
 
「き、木津さん!? ああ、いや。止めて。止めて下さい。ふ、はあああぁっ」  
 望の懇願は当然ながら無視された。  
 
「う……久しぶり。……」  
 千里は絶棒を全部収めてしまうと、小刻みに動いて自身へ馴染ませた。  
 やがてゆっくりと、だが着実にストロークし始めた。  
 
──ずいっ。ずちゃっ。にちゃっ。  
 
「はあぁ。……あぁっ。……あぅっ。」  
 千里は勝利の後の征服感に酔ったのか、早くも気分を出してきた。  
 動く度に快感が下半身から背筋を伝った。  
 
 一方の望も、無駄な抵抗が破滅を呼ぶことを重々承知しているので、歯を食いしばって陵辱に耐えている。  
 千里の動きは洗練されたとは言えないものの概して細やかであるため、上になられてもダメージを受けることは少ない。  
 悔しいがこのまま身を任せよう。千里には好きなように動かせておき、早めにイかせてしまおう。こういう腹だ。  
 
      ☆  
 
 だが、望の目論見はあっさり潰えた。  
 
「千里ちゃん、先生、マグロになってるわよ」  
「きっと千里ちゃんだけ先にイかせて、自分は出さないつもりよ」  
 ギャラリーから容赦ない指摘を受けたのだ。  
 
――よ、余計なことをっ!   
 望は歯噛みする思いだったがもう遅い。  
 
「そ、それはよくないっ。実に良くない。……ううっ。……」  
 千里はそれを聞くと、身体を徐々に前に倒して手を望の胸に置き、望の唇に再び接吻してきたのだ。  
 
「あふん。……む……むっ。……」  
 日頃の千里に見合わないほど情熱的な接吻である。  
 彼女がどれほど望のことを好いているのか、また独占したがっているのかの一端を示す接吻となった。  
 
 望の胸にあった手は、ゆるゆると全体を揉んでいた。  
 そして、まだ接吻を続けながら、両乳首を同時にいじくり始めた。  
 小豆をちょんっと摘む。親指の腹ですりすりっと擦る。乳輪をするぅりとなぞる。  
 
 望はたまらず呻いた。  
 
「むむぅ。わむっ。んむんーーーーっ」  
 
 だが千里に唇を塞がれているのでまともな声にならない。  
 
 こうなると望の負けである。  
 唇、胸、絶棒の三カ所を同時に攻められて、かつて彼が堕ちなかったためしはない。  
 望は新年初の絶望的な絶頂に向け、急速に追い込まれていった。  
 
 千里も高ぶってきた。  
 唇を離すと、自分が一番感じるように角度を変え、積極的に動き始めた。  
 リズムに合わせて小振りな胸がぷるぷる震えている。  
 
 動きながら望の腰をぴしゃぴしゃと叩いて催促した。  
 すると、望も千里の動きに合わせて腰を突き上げ始めた。  
 
――なるほど、ああやって催促するのね……  
――乗馬みたい。騎乗位って、このことなのね。  
――後で試してみようっと。  
 
 絶望ガールズは心の中では色々なことを思ったが、二人に惜しみない声援を送り続けている。  
 
「千里ちゃん頑張って!」  
「先生、もうすぐイくわよ」  
「どうせなら一緒にイってあげて」  
 
      ☆  
 
「うっ…う…あ…あぅ…」  
 千里の動きが小刻みになった。  
 望の突き上げも激しくなった。  
 
 千里は顔を真っ赤に染め、髪が左右にはらりはらりと揺れている。  
 
――ああ……。みんなに見られながらするの、やっぱり恥ずかしい。……はうっ!うっ、うっ! で、でも……気持ちいい!  
 
 千里の声が高くなり、そのまま一気に達した。  
「はぁっ、あん、はうっ、あぅ、あ、あ、あ、い、いいっ、はあああああーーーーーーーっ」  
 
 望もこれに合わせて喘ぎ、半ば力技で頂上に連れていかれた。  
「はあっ、木津さん、もう、もう、もう、もう、だ、だ、ダメえええええええーーーーーーっ」  
 
 
      ☆  
 
 かくて千里は無事に望との姫初めをゲットした。  
 
――ああ……また教え子に手を出されてしまいました……教師失格ですね……  
 
 望は、自分の上から千里が離れ、こんな自己嫌悪に浸っていた。  
 
 だが、一息つく間もなく、奈美がばふっと望の腹の上に跨ってきた。  
 
「ち、ちょっと、日塔さん」望は怯えた表情を見せた。  
 
 だが奈美は、  
「あ、カルタ大会の第二位は私れすから。よろひくぅ〜」と言うなり、唇を奪いに来た。  
 
「むーーっ。わむーーーーーーぅ」  
 
 それ以上の質問を封じられ、望は後悔とともに悟った。  
 新年早々、女生徒に寄ってたかってこってり搾り取られる羽目になったことを。  
 
 そして、今年の自分も、教え子達と様々なハプニングに富んだ日々を過ごすであろうことを、それとなく予感した。  
 
 
 後日、某所にて。  
 
「この間はどうもありがとう。独占はできなかったけど、姫初めを最初に出来て嬉しかったわ。可符香ちゃんには大きな借りができちゃったわねえ。」  
「そんなぁ。千里ちゃんとの仲だもの、貸しただなんて思っていませんよぉ。でも、千里ちゃんが借りたって思ってくれるんなら、とても心強いけど」  
「ところで、次の依頼なんだけど、いいかしら。」  
「もちろん。で、あの人をどうします?」  
 
 
──[完]──  
 

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