やっと家に着いた。今日は一日追い掛けられて疲れた。
…背後に視線を感じる。常月さんだ。愛が重い。
不法侵入じゃないか。通報したらまずいだろうか。
色々考える暇もなく、木津さんが廊下の奥から走ってきた。
「先生、おかえりなさい!」
…彼女は彼女で何をしているんだ。不法侵入じゃないか。
「ご飯?お風呂?それとも、」
「風呂入って寝ます」
私はいったい何を真面目に答えているのか。
「お風呂の用意はできていますよ。」
この娘は人の家で勝手に…。まさか食事も作ってあったりしないだろうな。もう食べたのに。
さて風呂場にて湯加減をみる。確かに風呂が沸いている。
やたら温度計が浮いているのが気になるが…40度ジャスト。やや熱い、水で埋めよう。
脱衣所。周りに誰もいないことを確認して服を脱ぐ。
さて、せめて風呂くらいゆっくり入るとしますか。
風呂場へ入ろうと振り返ったその時、風呂場の床に何かが見えた。
「せーんせっ」
そこには、タオル一枚の小森さんが座っていた。
予想だにしない出来事に混乱し、踏み出そうとした足が止まる。
おかしい何故居るんだ裸でほんのすぐ前は誰もいなかったのに不下校じゃないのか
いけない体育座りだと丸見えいや見ちゃダメだ不法侵入綺麗だこのワープはアニメ補正だろうか
どうする意外と濃い見るなあれ背中に何かがぶつかった。
「きゃっ!」
「うわっ!」
背中に何かが…この声は常月さん…常月さんが追突したらしい。盛大に転ぶ。
私の下に小森さんが倒れていて、私の上に常月さんが倒れている。
「いたた…」
「…すみません」
つい謝ってしまった。
胸板に柔らかい感触。背中にも、多少…常月さんも服を着ていないようだ。
「ふふっ…せーんせっ」
至近距離。笑顔で見つめてくる小森さん。危ない、我を忘れるところだった。
「先生…」
首筋に頬を擦りよせる常月さん。胸や腰も強く押し付けてきている。
この状況はマズイ。あらゆる意味でマズイ。が、事態はさらに悪化する。
「あー!何て事をしてるんですかっ!」
最悪のタイミングで木津さんが現れた。傍から見れば裸で絡み合う男女三人。
こんな光景を前に、彼女が何をするか分からない。
「お湯の、温度が!」
…そちらですか。どさくさに紛れて抱きついてくる二人を剥がしながら立ち上がる。
木津さんは風呂にお湯を足して温度を調整している。…彼女も裸だ。
それなのに、上体を突き出してお湯全体を掻き混ぜている。お尻が上を向く。
一瞬女性の部分を直視してしまい、思わず目を逸らす。
誰の身体にも目を向けないように天井を見ながら、精一杯落ち着いて言う。
「と、とりあえず皆さん出てください」
まったく動く気配がない。ちらりと視線を落とす。三人が並んでこちらを見ている。
木津<常月<小森 …じゃない。私は何を比べているんだ。
しかし視線がさらに下へ…。
0=木津<常月<小森 …違う。何の量を比べているんだ。
「「先生?」」
ダメだ。意識が善からぬ方向へ行ってしまう。絶望した!逮捕フラグに絶望した!
「そんな、教え子に手を出して逮捕されるような人が、私のそばにいるわけないじゃないですか。」
もう驚くのに疲れた。狭い。それと、不法侵入だ。
「捕まらなければいいんですよ」
あぁ、何かがキレた。もう考えるのも面倒だ。私が壊れたと言ってもいい。
ふらっと脱衣所に戻ると、自宅のあらゆる所に準備された首吊り用の縄を手にする。
縄の扱いに心得がある私は、一瞬にして彼女等全員を縛り上げた。
「せ、先生…?」
さてどうしよう。そうだ、家の地下で飼うことにしよう。大丈夫、私には糸色の権力財力がある。
世間?公安?構うものか。いざとなったら死んでやる。
…一週間が経った。
「ずっとお世話してくださるんですよね!なんという方でしょう!」
「今までの生活と全然変わらないから平気だよ。先生がいてくれること以外は。せーんせっ」
「ああ、私はあなただけのもの…!心も、体も、永遠に…」
「監禁なのか同棲なのか、はっきりしてください!イライラする!」
おかしい、何か違う…。
〜鬼畜になりきれないエンド〜
おまけ のぞむと監禁初夜
「ふふふ…じっくり堕としてやるさ…この絶棒でね…」
「私からお願いします!」
「先生と…嬉しい…」
「ちゃんと平等に!」
「いやだなぁ、堕とすなんてする人が私の身近に(中略)健康なお付き合いですよぉ」
「…」
終