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「百合川、そのまま舐めなさい」  
 姫園れい子はソファーに寝そべったまま横柄に血色の悪い女に命令する。ひざまづいた女が、れ  
い子のプリーツのスカートからのぞく紫のショーツを横に引っぱって、大事な部分に舌を差し入れ  
て愛撫している。女は黒のビニールレザーのボディスーツを着せられ、上は胸から、下はハイレグ  
カットで大事な部分までを覆われている。脚には揃いの黒いロングブーツが、太腿までを覆ってい  
る。  
 
 女はほんの一年前までは夜ごと誘拐した幼女を弄んでいたという殺人鬼で、かくも従順な女では  
なかったものだが、いまではれい子の一軒家に飼われた奴隷である。れい子に殺されたあとサタン  
との契約によって蘇生させられ、いまでは夜の慰みもの、または恐れを知らぬ戦士という身分であ  
る。いわばライオンと戦う剣闘士と娼婦を一人で演じているようなもので、サタンはなんと残酷な  
罰をこの悪女に与えたものだろう。  
 
「あんたの器用な手が休んでるわ」  
 奴隷はご主人さまの言葉にビクッと顔を上げ、れい子の開いた太腿の間にまた顔を埋める。舌を  
ご主人さまの大事な部分に差し入れながら、人差し指の先で粘膜の輪郭にそっと触れる。粘膜のわ  
ずかな粘着力で吸いついたサキの指先をピッと引きはがすと、れい子が一瞬息を止めて、また吐い  
た。  
 
 ゾンビとなったサキは馬鹿力を得ただけでなく、指先の感覚がますます冴え渡る。サキは口腔と  
手指を使って無言で奉仕する。生前、幼い妹たちにしてやったように丁寧に、丁寧に奉仕する。(あ  
んなに気持ちよくしてやったのに、あの子が気持ち悪いなんて言うから、だから切り刻んでやった  
んだわ。……ああいやだ。嫌なことを思い出すと鼓動が高くなる)  
 
 冷たい指先はご主人さまのお気に入りだ。ご主人さまの体温で指が温まってしまう前にれい子を  
昇天させるようにサキは計算している。舌のうごめく周期とは無関係のタイミングで指が不意に触  
れる。不規則なリズムが次第に収束してれい子の鼓動とともに早くなってくる。  
 
 れい子は感じてくると、制服をたくし上げて紫のブラジャーの上から乱暴に自分の片方の乳房を  
つかんだ。  
 
「お姉ちゃん! やめて、痛い!! あんまり強く揉まないで!!」  
 ご主人さまはいったいなにを想像しているのか、勝手に乱れて支離滅裂なことを叫ぶ。5本の指で  
豊かな乳房を握りつぶし、もう片方の手はサキの髪を鷲掴みにする。普段出さないような甲高い声  
で叫びながら、赤いロングブーツを履いた足の片方をサキの背中に回す。サキはますますれい子の  
腰に吸いつく格好になる。それでも計算どおりにサキの舌と冷たい指先は少しずつれい子の女性器  
の外側を撫で、内部に侵入し、凹凸に沿って刺激した。  
 
「お姉ちゃん、あたし死んじゃうっ」  
 脈絡のない台詞を叫びながられい子は自分の指をしゃぶっている。人差し指と中指をひとまとめ  
にして舐め上げ、くわえこむ。ジュブッジュブッと音を立てて自分の指にフェラチオしながられい  
子は勝手に別世界に飛んでいる。そのサインとともにサキは曲げた人差し指でれい子の中に最後の  
ひと掻きをすると、ご主人さまは乳房を大きく揺らして静かに果てた。  
 
 サキはご主人さまの衣服の乱れを直すと。れい子はサキの頭をひと撫でしてやる。ここまでが姫  
園れい子の部屋で毎夜行われる儀式というわけである。しかし今日はまだサキの身体の修復具合を  
確かめねばならない。  
 
「百合川、脱ぎなさい」  
 サキは黒光りする素材でできたボディスーツのファスナーを引き下げた。まず小振りながら美し  
く張った乳房が現れ、次いで美しい胸骨の凹凸が見えた。へその辺りで指が止まる。片方の肩紐が  
緩んで落ちた。  
「わたしの命令を聞きなさい。お前はこんな簡単な命令も理解できないと言うの?! とんだお嬢さ  
まだわ」  
 
 この奴隷に恥じらいなどあるはずはない。ファスナーは下腹部で引っ掛かって止まっただけだ。  
サキはファスナーをぐっと押し下げると、ビニールレザーの覆いの圧力を解かれて勢いよくペニス  
が飛び出し、また天井を向いて反り返った。包皮が先端からしだいに剥けて、亀頭は空気に触れて  
艶を出す。レザーのボディスーツが床に落ちる。身に付けたものは首の黒のチョーカーと、黒の長  
いブーツ、ブーツの下のひざ上丈の同色のストッキングだけになった。  
 
 れい子には姉リルカとの確執がある。リルカとの壮絶な殺しあいの中で、サキはれい子の身代わ  
りとなって半身が機能しなくなるほどの重傷を負った。れい子はバラバラの肉片や人工筋肉を縫合  
し、セラミック素材で骨を焼成し、複雑な形状をした金属部品や耐熱性の樹脂成形品を挿入して身  
体を組み立てた。ゾンビの自己修復力は人間のそれとは桁違いで、数週間も放置すれば美しい表面  
に戻ってしまう。そのとき、どうしてもれい子は男性器を欲しがった。白い精液が飛び出る器官が  
欲しかった。  
 
 れい子は自分では両刀使いだと思っているが、同年代の小娘を抱いたことしかない。れい子は、  
女の最後の壁を突き破るのはペニスだという思いを捨てきれなかった。戦いに巻き込まれて死んだ  
笑美子とは生前には隠れて触りっこに興じたものだけれど、やはりペニスがあればもっと愛せたの  
にという悔いがつきない。あの眼鏡を精液で汚す愉しみが、男になれば分かるのかもしれない。  
 
 しかし、良香から借りているこの身体に性転換を施すだけの踏ん切りはつかなかった。結局あの  
反吐にも劣る姉の真似をして、れい子はおぞましい儀式によって性の奴隷百合川サキを完成させて  
しまったのである。サキは性的興奮の信号によって人工の男性器が勃起し、女性器の内側より飛び  
出すように改造されていた。  
 
 サキはスーツの中で長時間ペニスを押さえつけられていたので苦しそうにしている。初めて空気  
に触れ、急激な勃起で痛むペニスをいたわるように亀頭の根元のあたりを冷たい指で触れると、全  
身がびくんと鋭く跳ねた。  
 
「チンポを作ってやったばかりなのに、まったくとんだお嬢様だわ……」  
 口汚く罵りながらもれい子は自らの研究の結晶をうっとりと眺めた。自分の膣と肛門に入るぎり  
ぎりのサイズを算出して、好みの形状に設計した。樹脂でできた即席の試作品を何度も自らの膣に  
差し入れ、あるいは妙な味にもめげずにフェラチオしてれい子にとって最適な形状を決めた。  
 
 れい子は思わずサキの股間の前にひざまずいていた。音もなく鼻息が奴隷の亀頭を撫で、またサ  
キが身体をのけぞらせたところでれい子ははっとした。  
 
「百合川! あたしが座っているのにお前が立ってるってどういうこと!!」  
 れい子は立ち上がって百合川を両手で突き飛ばす。哀れな奴隷はソファーに倒れこんで、すぐに  
身を起こす。  
「最っ低の糞女。あんたなんかあたしが世話してなきゃ蝿の幼虫だけが恋人の糞女だわ。薬品処理  
しておかないと蝿のオスに求愛されて鼻の穴で受精する糞虫め。ああ汚らわしい」  
 ここまで言って、れい子は赤いロングブーツの尖ったかかとで百合川の腹を蹴った。内臓への思  
わぬ打撃に奴隷が再び倒れこむと、ブーツの、これまた尖ったつま先でペニスを踏みつけて根元か  
らじわじわと体重を乗せて刺激する。  
 
「お前ごときがこんな美しいチンポをもらうなんて生意気だ。糞生意気なんだわ」  
 つま先が肉棒の端部の裏筋にたどり着くと、乱暴に踏みつけた。撫でられて硬度を増していたか  
らたまらない。尿道口が一瞬大きく歪んで、サキの慣れない男性部分に激痛が走る。  
 
「あはははは。足の裏で撫でられて感じるなんて馬鹿だわ。アンタ馬鹿だわ。ハイヒールのつま先  
にさえ裏切られる馬鹿で論理を知らぬ野蛮人。糞を塗った竹槍に刺されて死ぬ海兵隊員以下の、糞  
虫以下の寄生虫以下の……」  
 
 ご主人さまは相当機嫌がいいらしい。ブーツで踏みつけて奴隷の顔を苦痛に歪ませるだけでは満  
足できずに、大好きなペニスをじかに触れたくなった。無防備なままのサキの前にご主人さまはひ  
ざまずいた。そそり立つペニスの真上から覗きこむと、口からだらしなくよだれを落とした。無色  
透明の粘りのある唾液が、水飴を思わせるスローモーションで亀頭をくるんでいく。いくつかの筋  
を描いて茎を伝わり、根元の女性自身に到達する。いやらしく唇を突き出すと、プッと最後の一撃  
を食らわせる。  
 
 小さく息を吸うと、れい子はサキの亀頭にむしゃぶりつく。たっぷりの唾液に覆われたペニスは  
れい子の口腔との間でぐじゅぐじゅといやらしい音を立てる。れい子が頭を引くときには唇がめく  
れあがり、同時に新鮮な唾液をペニスにまぶしていく。本物のペニスに触れたのは初めてだが、設  
計時にさんざん試作品でシミュレーションしたのでフェラチオの技術には自身があった。  
 
 サキもはじめての快感に息が荒くなる。醜い欲の棒が股間に付けられたことをいまさら嘆いても  
しかたがない。ご主人さまが死ぬまで私は何十年でも美しい奴隷であり続ける。れい子は自らの意  
志というものをサキの脳から奪ったが、性的快感は奪わないでやった。だからいっそうサキは快楽  
に素直になり、また、ご主人さまに弄ばれて苦しむのだ。  
 
 ペニスの味が分からなくなるぐらいに一通りしゃぶると、れい子は口を離した。ふうっと息をつ  
いて、束ねた赤い髪を掻き上げて後ろに流す。うっとりしながられい子は亀頭の先にキスをして、  
一度前歯でかるく噛んでやる。前歯にくっと力を入れると表面でつるんと滑って、亀頭の弾力に押  
し返されて歯はまた離れる。気づくとサキがれい子をじっと見ている。サキの目を見ながらもう一  
度ペニスの先にキスしてやると、サキは一瞬顔を赤らめた、ように見えた。口元を歪めてもう一度  
ペニスをくわえこむと、サキはますます熱い視線を無言で送ってくる。サキの表情を見ながらのフ  
ェラチオは自然と丁寧になり、れい子の女性自身もまた濡れてしまうのだった。  
 
「こいつ、糞虫のくせにチンポしゃぶられて感じてるんだわ。人間さまのフェラチオで」  
 れい子は口を離している間は手でペニスをしごいている。右手は指のうごめきと手のひらの両方  
を使って亀頭を撫でまわす。右手で亀頭を押さえながら、左手は強く肉棒をしごきたてる。左手が  
強く振り下ろされる間サキは息を止めて身体を硬直させ、また先端に向かって左手が持ち上げられ  
ると息を吸って弛緩する。  
 
 亀頭をくるむ右手の手のひらはこすりつけるように刺激を与える。左手のピストンの速度を上げ  
ると亀頭の硬度が増してきたのが分かる。  
「ねえ、感じる? 感じるの? ねえ、百合川答えてよ、百合川!! 気持ちいいんでしょ、糞虫以下  
のチンポ女百合川!!」  
 
 サキはハアハアと息が荒くなっているのが自分でも分かる。肛門の奥の筋肉が強く収縮してきた。  
ペニスの血流の脈動を感じながられい子の左手を加速させる。サキは目をつむってこらえる。  
「どう、イっちゃいそうなの? 小娘の手のひらで精液出しちゃいそうなの、百合川? あたしの手  
のひらとセックスして出しちゃうんだ。発情期の犬みたいに出して……きゃあっ」  
 
 尿道口が一瞬大きく開いて、ペニスの奥から熱い濁流が吹き出した。一瞬れい子はひるんで手を  
離すと、びゅびゅっと肉棒に2回の震えがあり、強い圧力で押し出された精液の一筋がれい子の鼻先  
から右目のあたりに命中した。もう一筋はソファーに着地した。  
 
 あわててペニスに手を添えてやるとれい子の顔に次なる射精が鋭く突き刺さる。だらしなく出し  
た舌の上でペニスを揺すってぺたぺたと叩き付けると、なおも射精があり鼻の穴や喉の奥を白く汚  
していく。鼻の先からだらしなく粘液をたらしながら、れい子はなおもサキのペニスに吸いついた。  
じゅううううっ。きゅううううっ。うんっ。残りの精液を吸い出して飲み込む瞬間、サキは苦しそ  
うな顔をした。  
 
「あたしのフェラチオで感じちゃったんでしょ。アンタ、糞まみれの豚女に昇格だわ」  
 れい子の口に残る精液はたんぱく質のまずい味がした。サキは無表情のまま泣いていた。  
 
 れい子は目の前の美しい女がおぞましいゾンビだと分かっていても、淫らな欲望を抑え  
やしない。自分の言うことをすべて聞く女などいままで出会ったことがないのだ。百合川  
サキはれい子が命じれば人だろうが犬だろうが殺すし、女性外性器を舐めろと言われれば  
正確にそこだけを舐める。  
 
 サキに裁縫道具を渡せば綺麗に服を直すし、掃除を命じればピカピカに床を磨きあげる。  
一度「お前なんか赤犬のステーキでも食ってればいいんだわ」と叫んだら、翌朝になると  
キッチンから肉を焼く香ばしい匂いがした。さすがにまずいと思い、奴隷を飼いならすた  
めのセックスと、戦闘以外の命令は控えることにしたものだ。思えば昔、あのリルカにさ  
れた以上にひどいことをサキにさせているのに、れい子は自然と興奮してしまう。黒い魔  
術と全身に浴びてきた血の呪いががそうさせるのか。  
 
 サキはソファの上で身体を起こして無表情のまま涙を流している。その股間には堅さを  
やや失ってだらしなく垂れ下がったペニスがある。れい子はリルカに処女を奪われたもの  
の本物の男性器を挿入されたことはなかった。  
「ねえ。チンポぶら下げた豚女。……アンタのことよ。まだ精液出せるわよね。アンタの  
射精、素晴らしかったわ」  
 
 片方の手のひらで奴隷女の頬を包み、親指でサキの涙をぬぐってやる。親指に載った水  
滴をれい子の舌で舐めとると、血のような涙のような尿のような不思議な味がした。父の  
書物にはゾンビの体液を食してはならないと書いてあったが、れい子もいまや半分ゾンビ  
のようなものである。思えばずいぶん生活も荒れてしまった。  
「豚女の童貞チンポのはじめての女になってやるわ」  
 
 サキは目が半開きになったままだ。放心状態の女を犯すのはれい子の美意識が許さない。  
そんなことは汚らわしい男どものやることだ。サキの肩まである髪を手ぐして解いてやる。  
この美しい髪は、透明な表層と黒い内層の2層構造の美しい繊維を専門メーカーに作らせて、  
工業用ミシンで頭皮に植えつけてある。右手で髪と耳をくすぐりながら、左手は高校生の  
小振りな乳房を強く揉む。あたしを殺した糞女の乳房を思いっきり強く揉んでやる。サキ  
の見開いた目とれい子の視線が合った。乳房をつかんだまま、れい子はサキをソファに叩  
き付ける。  
 
 馬乗りになって左手をサキのペニスにそっと手を添えると、大きく脈動をして角度を取  
り戻す。ここまでサキの男性器が敏感だというのは計算違いで、このあたりの伝達系はも  
う少し調整が必要なようだ。ペニスを指で動かしながられい子の股間の表面を這いまわり、  
先端でれい子の女性自身を探しあてると上半身をぐっと倒す。近づいたサキの顔に軽くキ  
スをしようとしたけれど、サキと目が合うと恥ずかしくなってやめた。サキのしっかり見  
開いた目はれい子の目を見ていた。怯えた目でもしていれば、いたぶり甲斐のあるものを。  
 
 れい子の女性自身はさきほどの激しい口淫の間にすっかり湿り気を増していた。ぐっと  
尻を押し込むとサキのペニスがれい子の膣を埋める。全長16センチの一物が、最適化され  
た形状のおかげでたいした抵抗もなくれい子の奥まで入った。れい子が上半身を反らせな  
がら腰を前へずらしてペニスを引き出すと、膣と全身がつながったかのように震えが走る。  
息を吐きながらまたペニスを挿入すると、深く静かな快感がわき上がる。姉や同級生たち  
が決して教えてはくれなかったペニスの本当の味がいま分かった。  
 
 このまま動かなくても気持ちよかったが、れい子はサキに命令する。サキ自身も大きな  
ペニスの表面すべてを包む快感をおぼえたが、命令どおりにゆっくりと歪んだ円を描くよ  
うに腰を回した。息を大きく吐きながら、れい子はサキを罵りはじめる。  
 
「ああ、いいわ。あたしのマンコにぴったりみたい。百合川のおっきい豚チンポ、あたし  
のオナニー用の道具に使ってやってもいいわ」  
 本当のところは、れい子は強すぎる快感のせいで大きく動けないのである。サキにまた  
がって精液をすべて女性器に吸いつくすつもりだったが、なかなかそうはいかない。3回  
ほど腰を強く打ちつけるとれい子は危うく達しそうになった。  
 
 れい子は百合川の顔を両手で押さえると、下半身を結合させたままごろんと横に転がる。  
ソファから床に落ちると、れい子が下の体勢になった。  
 
「百合川、もっと強く動きなさい」  
 今度はサキが上になってご主人さまにペニスを送り込む。ペニスを突き出すたびにサキ  
には快感が走り、れい子の奥にペニスの先端が当たるのを感じるとすぐに引き抜く。これ  
をくり返すとご主人さまはどんどん乱れていく。  
「あたしの胸を揉むことを許可するわ」  
 サキは両側からそっとご主人さまの暴力的に大きな乳房を支える。冷たい指先が小刻み  
にれい子を刺激する。そして股間では、美しい少女奴隷の身体に不釣り合いに大きなペニ  
スがれい子を壊していく。  
 
「めちゃくちゃになってもいい。百合川、チンポでもっと突くがいいわ。はあはあ、チン  
ポおっきい。チンポお嬢さま、もっと、もっとよ!!」  
 
 姉リルカの影響が少なからずあって、れい子は性的に倒錯していた。姉と別々の孤児院  
で暮らすようになったあとも、心身に染みついた苦痛を他者に向けた時期もある。それは  
いけないことだとは思いながらも、動物を殺したり同級生をいたぶったりした。他者の苦  
痛に歪む顔を見ているうちに、いつしかれい子はいじめる快感といじめられる快感が紙一  
重なんだと気がついた。れい子の身体が女の快感を覚えたころ、美しい姉が孤児院から姿  
を消したことを知った。  
 
 百合川サキとの夜の戯れが変態的なのは自覚している。変な言葉で罵るのもそれが気持  
ちいいからであって、頭がおかしいからと思われるのはれい子にとっては心外だ。でも、  
いまのサキとのセックスに限っては本当におかしくなったとしても不思議はなかった。サ  
キの高い運動能力は快楽に負けずに容赦なくれい子を突いてくる。ちょうどれい子の膣を  
満たすよう設計された不死の陰茎が相当な速度で出し入れされる。  
 
「……はあ、はあ。ゆり、かわ。アンタ気持ちいい? 気持ちいいんでしょ。はじめての  
チンポでっ、ここまでできるなんて、あっ、ありがたいと思いなさい、よ」  
 
 サキは快感を得ながらも乱れたりはしないが、れい子はすでに全身から汗が吹き出して、  
奴隷の激しく突き上げるセックスに耐えるのがやっとである。自然と腰は浮きぎみになっ  
て、腰全体が強靱な陰茎を受け入れるためにがくがくと振り回される。そしてこの激しく  
振動する機関を動かすために、れい子の膣内からは大量の愛液が分泌されている。汗だの  
尿だのがサキの愛液と混じりあって股間を汚していた。  
 
「百合川っ。あっ、あたしの足を舐めなさい」  
 まったく姉妹揃って女王さまである。サキは器用にれい子の右脚を持ち上げると親指を  
口に含んだ。右脚を持ち上げながら、サキは横倒しになったれい子の腰に抽送を続ける。  
れい子は身体をひねられて、サキのペニスに膣の側面をこすられる。サキは角度を変えた  
ペニスの亀頭に鋭い快感を覚える。  
 
 れい子の膣がペニスを締めつけはじめると、これに応えてサキの肛門の奥の筋肉が収縮  
して射精の準備をする。ここまで達するとさすがにサキも呼吸が荒くなってくる。サキの  
体内に埋め込まれた器官が、精子のない精液を徐々に送りだして射精を制御する弁の内側  
の圧力を高めてくる。  
 
「百合川っ、中で出していいわよ。さっさと豚のザーメン出すがいいっ、でも、はあはあ、  
あたしより先にイったら、ああっ、承知しない、わっ」  
 強がってはいるが、もう達しそうだというれい子の複雑な意思表示なのである。サキは  
ご主人さまの右足の親指と人差し指の間をちろちろと器用に舐めた。れい子の脚の筋肉に  
緊張が走るのを見ると、サキは深くれい子の膣を突く。  
 
「早く来てえっ。あたしの、あたしのマンコにっ。あっあっ、気持ちいいのっ」  
 サキは一瞬全身を鋭く震わせた。サキはペニス全体で受けるご主人さまの寵愛に屈し、  
れい子の膣の内部で射精の圧力を解き放つ。サキの高い筋力のおかげで尿道を通る精液の  
速度は尋常ではなく、それに比例してサキ自身も鋭い快感を得る。  
 
 すき間なく満たされた膣の内部で熱い脈動を感じてれい子は絶頂に達した。二度、三度、  
サキの射精は続き、ご主人さまの体内に生命のしるしを押し出していく。サキがペニスを  
引き抜くとぼたぼたと精液がプリーツスカートの裏地に落ち、びくんと一回跳ねてれい子  
の制服の胸のあたりにまた精液のたまりを作った。  
 
 れい子が大きく肩を揺らして深呼吸すると、急に口の中や制服の精液にこびりついた匂  
いが鼻をつきはじめる。女性自身の入り口から粘液がどろりと落ちる感覚が自分でも分か  
った。百合川サキと、いままでの触りっこではなく、セックスをしたんだと感じた。どう  
せ受精なんかしやしないのだけれど。  
 
 サキはまだ動けないれい子の制服の乱れを直していく。胸の精液をティッシュで拭き、  
スカートの裏地も拭き取ったあと、ティッシュで押しつけて丁寧にしみ出させる。乳房か  
ら外れたブラジャーをつけてから、たくし上げられたセーラー服を戻し、スカートの乱れ  
も直してやる。赤く染めた髪の二つの束も整える。  
 
 れい子が手を延ばしてサキの頭を撫でる。サキが顔を寄せるといつも横柄なれい子は微  
笑んだ。拒まないと見るや、サキは唇をれい子の唇に重ねる。れい子が唇をゆるめて応え  
る。  
 
 サキとのキスはゾンビの体液と同じで、やっぱり尿のような血のような妙な味だった。  
そしてサキにとってご主人さまとのキスは精液の味なのであった。  
 

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