「34番の方〜6番席どうぞ〜」

「あ、私わたし〜」
やっとこ文姫の順番が回って来た。
20分ほど待たされたが、その分、周姫に操作を教えて貰うことができた。

「文姫ちゃんファイトっ!」
「はい!頑張りますっ!」
スポ魂漫画のコーチとヒロインのようなやり取りのあと、文姫は席についた。

『初めにあなたの名前を入れてください・・・』
初回プレイなので基本情報の入力があるようだ。
「ぷりちー銀子ちゃん・・・っと」
文姫は大名名を素早く入力する。
最初から決めていたらしく、銀子が「あー!!」と叫ぶ前には決定が押されていた。

「開戦!」
ゲームが始まった。
文姫は柴田勝家と織田信長の騎馬カードをぐるぐると突撃状態で、自陣周辺を走らせる。
一方で相手は槍兵で迎撃狙いらしく、ジワジワと前線を上げて来ている。

「む〜周姫ちゃん〜攻められないよぉ」
文姫はイライラしながら、尚も騎馬を動かし続ける。
「大丈夫、そろそろ士気がたまるわ。アレでおしまいよ!」
と周姫のアドバイスの瞬間、敵は伏兵の羽柴秀吉を踏んだ。
敵の真田幸村が撤退する。
「やったぁ!伏兵〜そして、てりゃっ!」
文姫は間髪入れず、秀吉をゴシゴシ擦ると「刀狩り」を発動した。

敵武将は刀狩で大幅に武力が低下したところに、文姫軍の騎馬に突撃され壊滅状態だ。

「よしっ!」といつの間にか銀子もゲームにのめり込んでいる。
「よーっし、これで終わり!」
文姫は兵法を発動、武力の上がった文姫軍は敵城を陥落させた。

「やったーーー!」
文姫達は勝利の喜びできゃいきゃいとはしゃぎあう。
ギャラリーたちも何故か文姫達以上に盛り上がる。

文姫は周姫の手を取ってぴょんぴょんと跳ねている。
銀子は勝利後の画面を身を乗り出して、覗きこんでいる。

「あら、こんなとこにいらしたの?捜しましたわよぉ・・・」

董白は17アイスをほうばりながら、文姫達のところへ行く。

「・・・って、ちょっと!文姫さん!はしたない!」
「へ?」と文姫は董白を見る。
「し、周姫さんまで!もぅっ!」
「???」とこちらは周姫。
「銀子さんは・・・はぁ・・・いつもどおりね・・・」
董白はがっくりしながら、銀子を台から引きずり下ろす。

「みなさん、スカートがどうなってるかご覧なさい」
董白はスカートの裾をヒラヒラとさせながら言った。




「!!!」
白と緑の縞、群青のT、そして華雄たんパンツが一斉にスカートの中に消えたのは言うまでもない。

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