羊コが恥ずかしそうに俯いて何も話し出さないのに焦れて、辛憲英は口を開いた。
「もう、何をそんなに悩んでるの。言ってくれないとわからないじゃない」
羊コと辛憲英は義理の親子だったが、二人はまるで本物の母と娘のように仲が良かった。
羊コはよく、悩みなども包み隠さず義母に話していて、今日も、相談したいことがあると言って彼女の部屋にやってきたのだ。
寝台に座った彼女の目の前に立って、才女は言った。
「どうしたの?誰かにいじめられた?」
「そうじゃありません」
「トウ艾くんの言うことは気にしちゃ駄目よ。あの子鈍感なんだから」
「いじめられてなんていません!」
「じゃあどうしたの?私にもいいにくいことなの?」
羊コは泣き出しそうな顔になって俯いた。何か小声で言ったのが聞こえたが、はっきりとは耳に届かなかったので聞き返すと、顔を真っ赤にして彼女は言った。
「お義母さん、私、好きな人がいるんです」
「あら…!」
辛憲英の表情が、ぱっと明るくなった。両手を合わせて嬉しそうに笑う。
「そうなの、それで…。いいじゃない。私も応援するわよ」
「そういうことじゃないんです…」
見ると、羊コは耳まで赤くなってしまっている。そんなうぶな娘に、義母はからかうように尋ねた。
「なあに?何か心配なことでもあるの?私でよければ聞くわよ?」
羊コが、右手で敷布をぎゅっと握った。左手を腿に挟んで、下を向いたまま小声で答える。
「…男の人って、やっぱり胸の大きい女の人のほうが好きなんですか…?」
あら、と心の中で呟いて辛憲英は口をつぐむ。目の前の少女は、おずおずと顔をあげた。その目線は母親の豊満な胸を凝視している。
「私、童顔だし、体形もこんなだから子供っぽく見られて、その人に嫌われたらどうしようって思って」
そういいながら、右手でなだらかな胸をさすっていた。確かに羊コは実際の年齢よりも幼く見えた。
おっとりした性格がそれをさらに助長していた。
「そうねぇ、あなた可愛いけど、女の色気がちょっと足りないかも」
「そんなぁ…」
泣きそうな顔で羊コが辛憲英を見上げてくる。
「ふふ、大丈夫よ。色々教えてあげるから」
「本当ですか?!わぁ、うれしい!」
余裕の笑顔で母は眼鏡をくいっと上げた。
「じゃあ、とりあえずその服を脱ごうかしら?」
瞬間、羊コの表情が凍りついた。信じられない、といわんばかりに、縋るように見つめてくる。
「服って…上を?」
「上だけじゃ駄目よ。全部脱いじゃって」
「えぇ、全部ですか?」
渋るのを気にせず、彼女は手早く羊コの纏っていた服を脱がしていく。
「あ、やだぁ!お義母さま!自分で脱げる!自分で脱げますからぁ!」
「あなたに任せてたら日が暮れちゃうわ」
さすが、羊コを幼い頃から世話していただけのことはある。あっというまに彼女は生まれたままの姿になってしまった。
「うぅ、恥ずかしいです…」
殆ど凹凸のない体を隠そうと、彼女は寝台の端に畳んで置いてあった布団を掴もうとした。
だが、その手はいとも容易く制されてしまう。
「駄目よ、恥ずかしがってちゃ。だってあなた、その姿を好きな人に見られちゃうのよ?」
「あぅ…」
恥じ入って顔をそむける羊コに追い討ちをかけるように、辛憲英の手が小高い胸の先端をキュっと摘んだ。
「はぁんっ!?」
ビクッと羊コの体が痙攣した。そっぽを向いていたために、義母の動きに気付けなかったのだ。
「ここなんて、とても綺麗な色をして。まっさきに目が行っちゃうわ」
そう言いながら、少しづつ指先にこめる力を強くしていく。それに伴って、羊コの口から漏れる声が
引きつるように甲高くなっていった。
「ふふっ、駄目じゃない。あなた武人なのに。ちゃんと相手の動きを見ていなくちゃ」
「やだっ、駄目ぇ…!義母さま、やめてぇ!これやだ、これやだぁ!」
両の先端を同時にくりくりと弄ぶと、余程気持ちがいいらしく、制止の言葉もまともに言えなくなってしまう。
「あう、らめぇ、らめぇぇ!変な声でちゃうよぉ!うぅ、うぅぅ、あっ、あーっ!」
「これだけ感度がいいなら別に大きくなくたって大丈夫よ。ほら」
そう言って、右の乳首をピンと指で弾くと、羊コは甲高い悲鳴をあげて身を仰け反らせた。
「ひぁぁあぁぁんっ!?」
そのまま寝台に倒れこみそうになるのを、辛憲英が抱きしめ、引き戻した。そのとき、彼女の豊満な乳房が思い切り羊コの体に密着した。
助け起こされ、体と体が離れると、やはり羊コは少し悲しそうに俯いていた。