「はい、僕からの贈り物です」
「えっ、良いのですか?」
洋コが頷くと陸抗の顔がぱぁっと明るくなった。
それをしばらく眺めていた陸抗だったがそれを洋コに差し出して言った。
「あの、つけてもらえませんか?」
「ええ、もちろん良いですよ」
綺麗に結われている髪にそれをそっとつけた。
綺麗な蒼い髪に付けられた紫のそれは、まるで川の上を優雅に飛んでいるようだった。
きれいですよと言えば陸抗はうれしそうにお礼を言った。
「また……一緒に街に来ても良いですか?」
陸抗にそう聞かれた洋コは当然です、と返事を返した。
紫の髪飾りは洋コから陸抗への初めての贈り物、彼女はうれしそうにそれを触った。
その日は洋コにとっても陸抗にとっても一生忘れられない日となった。
続く