カーテンの隙間から、陽光が煌く。
闇が支配していた室内は、少しだけ活気を取り戻した。
栗色の髪が光り、寝ている人物を照らす。
無音、そして無色。
その空間が破られる。
布団に包まれた物体が微かに揺れる。
動こうともしない腕を無理矢理動かし、時計の場所をその名の通り手探りで探している。
…震えて耳障りな音を発する一時前。
布団や枕とは違う冷たく機械的な固さを見つけ、日頃の恨みの如く押し込む。
これにお世話になることも多いが、やっと最近は自ら起きるようになってきた。
どうせなら自発的に起きたほうが気持ちがいいと決まっている。
無意識に偉業を達成し、ため息のように体を横に倒す。
勝負には勝ったが、このままでは結果的に敗北を喫してしまう。
咎めるモノはない。
だから、止めるとしたら。
「…ぁ、朝…?」
もぞもぞと布団が動く。
うつ伏せになった途端、何か違和感がある。
夢のコトだろうと気にはしない。
そんなことよりも、夢の世界と現実の世界の狭間である現在。
うとうとするのが堪らない。
学校が始まるのはまだ先。
惰眠を貪ってみる。
周姫は実の所、朝はそんなに強くはないのだった。
しかも、今は一人暮らしをしている。
政府関係者として父と母は遠い場所で暮らしているために、彼女は目覚まし時計をセットし朝を起きようと考えている。
今までは問題なくやっている。
ギリギリに起きるのではなく、かなり時間に余裕を持っているからである。
「えぇぇえぇぇぇ!?」
朝に響く絶叫。
着替えていると、その違和感に気がついた。
いつものように下着を脱いで制服へと着替えたとき。
昨日までありえなかったモノがついている。
彼女はもちろん女性。
しかし、可愛らしい男性の象徴が、股間についていた。