今日は、たまにしかない休みだ。劉協は曹節と2人でゆっくり過ごそうと思っていたのだが、急に来た曹丕からの手紙は、その計画を打ち崩すには十分なものだった。
「えーと、なになに・・・
大量に難民が来ることになった。
受け入れ先はそちらにさせてもらったのは、貴殿の肩書きが統治するのに有用だと思ったからで、
決して嫌味や嫉妬の類ではない。新しい天下にそぐわぬ者を、そこで匿ってやってほしいだけだ。
追伸 皆の者、力を見せよ!・・・なんちゃってw
兄上は何がしたいのでしょうか・・・」
曹節が呆れ顔で手紙を劉協に渡した。曹丕のニヤニヤした顔が思い浮かんだのか、劉協が苦笑を見せた。
そのとき、家の前を一つ、影が疾った。何事かと外に出てみると、騎馬が一騎いるではないか。
「ふぅ、破竹の勢いで、新天地に到着!ややっ、これは曹節殿!お元気そうでなによりです!」
「あら、お久しぶりですね。今日はどうしたのですか?」
この熱い男は、曹節の知り合いらしい。
「何って、曹丕殿下がこっちに来いって言うもんですから・・・あ、まだまだたくさん来ますよ」
男は、そう言ってすぐ見えなくなった。通常の3倍とは、まさにこのこと。
しかしこの男を皮切りに、次々と難民がやってきた。
手始めに、大兵力で大爆進してきた袁家の大将。
象の大群を引き連れてきた南蛮王とゆかいな仲間達。
長槍と段ボール装備の潜入工作員に、頭髪の危ない西涼の英雄。
周瑜の娘と、孫権の娘達。後漢時代の忠臣。
彼らはここに集い、互いの功績をたたえ合って、やがて大きな宴になった。
「肉持って来〜い!!」
「は〜はっはっは、我が軍の名酒に仰天せよ!」
宴は、大変な盛り上がりを見せた。小さな子どもから還暦を過ぎた老将まで、みんな飲んで食って騒いだ。
「しばらく、騒がしくなりそうだな・・・」
劉協が小さく呟いたのを、曹節は聞き逃さなかった。
「でも、平和に暮らせそうですね」
「・・・確かに」
「あの、私達も飲みませんか?」
「そうだな、ある種の記念日になりそうだ」
2人もまた、宴の輪の中に溶けていった。
「三国志大戦2?所詮、夢です。されど、楽しい夢でした・・・さらばです」