「関平!」
そんな中眼前に飛び込んできたのは、好きな人、銀屏の姿だった。
関平は自身の失態を誤魔化すかのように立ち上がる。
「おう銀屏。どうした?こんな夜遅くに。」
「それはこっちの台詞だ。素振りの音がするから気になって来てみたが……眠れないのか?」
「まぁな。」
誤魔化してもしかたないと思い素直に答えた。
自分が嫌な妄想に振り回されてるというのに彼女の言葉使いのなんとしっかりした事か。
武神の血が受け継がれているか否かでここまで違うのか。
いや、そうではない。単純に彼女が強くて自分が弱いのだろう。
俺は自分より年下で女子の銀屏よりも武将として劣っているのか、そう思うと自己否定で頭がどうにかなりそうだった。
だが銀屏の次にとった行動は関平の予想外の出来事だった。
「私もな、眠れないんだ。」
そう言うやいなや彼女は関平に抱きついたのだ。
体に感じる彼女の両手は僅かながらに震えている。
彼女と目を合わせると、その目は月明かりの中でも分かる程に赤くなっている。
「怖いんだ。負けてしまって蜀の国が無くなってしまうのが怖いんだ。いくら自分が武人でもやっぱり死ぬのは怖いんだ。
 父上がいくら強くても、もしかしたらと想像すると怖いんだ。……関平が死ぬのが怖いんだ。なぁ関平、私はどうしたら良い?」
彼女が強いだなんて俺の勝手な勘違いでしかなかった。
彼女も俺と同じくらいに悩み苦しんでいるのだ。
思わず彼女を強く抱擁する。この世の全てから彼女を守るように。
「大丈夫。」
何の根拠も無しにそう答える。
「関平?」
「俺は死なないよ。父上も蜀も負けない。銀屏も、俺が絶対死なせない。」
「関平……。」
「だからさ、この戦いが終わったら……俺達付き合わないか?」
出会った時から彼女に惚れていた。そんな自分だが、やはり告白は顔から火が出る程恥ずかしかった。
勢いに任せて言ってみたものの、よくよく考えてみたらいくらなんでも唐突すぎる。
頬が真っ赤になるのを感じた。
中々返事が来ない。
「やっぱり俺なんかじゃ駄目かな?」
抱きしめたまま彼女の顔を覗き込むようにして尋ねてみる。
その刹那、彼女を自分の唇に感じる。
彼女の答えは、ほんの少し触れるかのような軽いキスだった。
唇を離した彼女と目が合い、思わずお互い声を殺して笑い合う。
今度は自分から彼女の唇を求めた。
お互いを求め合うかのような、激しいキスを。
……くちゅ……ちゅぱ……ちゅる……ぐちゅぐちゅ……
舌と舌とが絡み合う。
溢れ出る唾液が自分の服に垂れようと全く意に介さない。それは彼女も同じだった。
自身の唾液を彼女に輸送し、彼女の唾液を受け取る。
お互いの唇を離すと唇に付いた唾液が弓のように反れて、彼女の胸に落ちていくのが見えた。
彼女は興奮と羞恥からか満面に朱を注いだかのようになっていた。
彼女の激しい息遣いが自分にも伝わってくる。
「銀屏……」
本能のままに行動したい衝動を必死に堪えながら彼女に呼びかける。
「うん?」
「悪い。俺もう、自分が抑えられそうにない。」
「それは私も一緒だ。……早く抱いてくれ。」
頬を激しく紅潮させながらそう呟く彼女が愛しいあまりに、関平は再び彼女の唇を奪った。




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