私は私


 春から夏に季節が変わる頃、丁度空いた余暇にマザーヒルの一本杉の辺りで持ってきた『牧場主』から貰った
ワインとチーズを味わいながら、流れて来る心地よい風を受けて自然の中でリラックスをする。都会では決して
味わえなかった良い感じの清々しい気分だ。祖父の居るこの町に来て一年。どうしても自分を見出せなかった私は、
半ば無理矢理この町に来た。最初は、祖父の仕事は自分自身がへたれの要素があったのかやる気も出なかったが、
最近はそれも段々と楽しくなってきたものだ。個人的に好意のある女の子も出来たし、中々順風満帆な気分で居た。
ただ、毎日の祖父の小言は、今もって慣れはしないのだが。
「グレイ」
自分の名前を呼ばれたと思いその方向を向いてみると、おさげが似合う何とも御淑やかな、マリーが私を見ながら
近寄って来る。この娘は私に好意を持ってくれているのだろうか、何時も笑顔で話しかけてくる。
「マリー、どうしたの?」
「少し散歩しようと思ってね。普段こう言う所に居ないから、思わず声をかけたの」
控えめだが、何とも少女の様なあどけない笑顔を浮かべて彼女は受け答えをする。この町に住む女の子や女性は
美人・美少女が多く、中々目の保養になってよい。ただ、このマリーは些か毒要素も強く、結構苦手の域にある。
「じゃあねグレイ、私はもう少し散歩したら戻るよ」
彼女は一方的にこう言うと山道に戻り、ゆっくりとした足取りで山頂に向かって上っていく。私はそんな彼女の
姿を見詰めていただけだった。


夕刻になり、今は宿屋で寝泊りしている私は祖父に挨拶だけすると、そのまま宿に帰るのが日課で、それが休みでも
変わらない。気難しくて接しづらいが、心の底で嬉しいらしいので親孝行と言うと可笑しいが、その真似事でもと
こうしている。本当は一緒に住むのが良いと思うのだが、流石に祖父一人で住んでいる家に行き成り転がり込むのは
祖父にとってストレスの溜まる物だろう。だからこれで良いのである。
「グレイ」
帰り道にマリーの図書館の前を横切ると、マリーは何時もの静かな口調で私を呼び止める様に声を掛けた。
「今日良かったら、一緒にお酒飲まない?」
一瞬耳を疑ったが、彼女は間違いなく私を飲みに誘っている。マリーが酒を飲んだ所を見た事は無いので飲めるか
どうかは定かではないが、折角誘ってくれているのに断るのも何なので、その誘いに乗ることにした。
「良いけど、マリー酒飲める?」
「飲めるよ」
かなり疑問が残るので、取り合えず聞くと少しムッとしたような表情をうかべて答える。普段見られない表情だけに、
面白い反面彼女の違う側面を見れる感じがして良い。
「少なくても、嗜む程度には飲めるよ」
それは飲めないというのでは……脳裏には不安しかなかったが、私はマリーに手を引かれて宿屋に向かうのだった。


「じゃあグレイ、乾杯しましょうか」
「…あ…ああ……」
どうにも違和感を感じるが、マリーとグラスを合わせて乾杯をする。宿屋に着くと、マリーは適当に酒と料理をランに
注文し、酒がテーブルに来ると私のグラスに丁寧に酌をするのだ。おまけに代金は自分持ちで良いのだと言う。そこまで
御膳立てをされているのに、違和感を感じるのは随分と贅沢な話ではあるが、正直な気持ちはそうだった。
「ワイン美味しいよね」
にこにこと笑いながら話しかけるマリーに、何て話しかければ良いのか正直分からなかった。失礼な話だが、私から見て
随分としっかりいて、金銭の管理も私のイメージでは上手と思うのだ。そんな感じで彼女を見ていた為か、今この時の
彼女の姿には驚いている。加えて格好良くグラスを持って、体をテーブルに乗り出すような呑み方をしているマリーは、
何時も見せる御淑やかな雰囲気は一切なく、何処か色っぽい、彼女の風体とのギャップがある魅力的なお姉さんの雰囲気を
醸し出していた。
「グレイのお酒が少なくなってきたね……酌をしてあげるよ」
私のグラスの酒が少なくなると、気を利かせて酌をする。それもかなり手馴れた手つきでするので正直驚いている。
どちらかと言うと、マリーは綺麗と言うより寧ろ可愛いと言うのが正しいルックスの持ち主だが、不意にこんな雰囲気の
彼女を見ると、魅了される前に私としては戸惑ってしまっている。

案の定、ワイン一本空ける頃になるとマリーはすっかり出来上がってしまい、とても収拾のつかない状態になってしまっていた。
本来ワイン等の酒を一本空けるのは大変なことなのだが、飲み始めてものの1時間も経たないうちに空けてしまったのだ。
「ぐれい〜……もっとのみましょうよぉ……」
顔を真っ赤に染めて体をすべて私に預ける。ささやかながら感じられる胸の膨らみと、彼女の滑々した肌が何とも心地が良いが、
それ以前に宿屋の酒場は普段見られないマリーの乱れっぷりに視線が注がれて、とても耐えがたい状況にある。普段この時分に
なると、彼女の父親のバジルさんが一人で飲みに来るのだが、今日は一向に来ないのは、仕様だろうか。
「へへへへ〜……ぐれいがあ……のまないのならぁ……あたしが……」
乗り気ではない私を見詰めながら、マリーは新しいワインをラッパ飲みの仕草で飲もうとする。流石にこれ以上飲ます訳には
いかないので瓶を彼女から取り上げようとする。
「だめだマリー、飲み過ぎだ」
「だ〜め」
だが、彼女は私の顔に自分の顔を間近まで近寄せて、行き成り自分の唇に自身の唇を重ねて奪われてしまった。そのインパクト
から軽々とワインを取り返されてしまった。加えて、この光景から一部始終を見詰めていた連中からはざわめきが起こるのだ。
さらにウェイトレスをしているランは真っ赤になって惚けてしまっている。
「………………」
「へへへへへ〜……」
完全に正気を失っているのは、私から見ても明らかだったのだ。

「なんでぇ〜……のませてくれないのよ〜」
すっかり出来上がったマリーから、もう一度ボトルを奪い取ると仕方が無いので自室に彼女を連れ込む。取り敢えず酔いを醒まして
正気を取り戻すためだ。そう思ってベットに寝かしたのだが、ベットの上にあぐらで座り子供の様に駄々をこねる。本当なら決して
パンチラなどしようはずのないロングスカートから、彼女の白いショーツが見えるのも仕様なのだろう。とてもこの光景に映る彼女の
姿は、何時も見る知的でしっかり者のマリーでは無かった。
「酒は無いが、取り敢えずこれを飲んで」
仕方が無いので、酒場から退散する前に買っておいたパインジュースやぶどうジュース等を取り出し、この酔っ払いマリーに飲ます
事にする。本来ならジュース等ではなく冷たい烏龍茶等を飲ますと良いのだろうが、生憎とミネラルタウンにはこれは無いらしい。
くどくどと文句を並べるマリーだが、私の指示には素直に従って一口一口飲む姿は、ギャップがあって面白いと素直に思う。一方の
私は、この酔っ払いマリーの近くに居ると何やらとんでもない事をしかねないので、彼女を置いて温泉にでも入りに行こうと思った。
酒を飲んだ後の風呂……ましてや温度の高い温泉に入るのは危険だが、今私が人としての道を踏み外さ無い様にするには、これが一番
良いだろう。だが、そうは問屋が卸してはくれなかった。
「ぐれいぃ〜……どこいくのよ〜──」
甘える様な猫撫で声でこう言うと、彼女はおぼつかない足取りでふらふらと歩きながら、私に向かって倒れこんだ。
「なっ…マリー……」
「……ふふん……にがさなぁ〜い……あなたはぁ〜……わたしとぉ〜……いっしょに〜……」
下半身はおぼつかないが、上半身はまるで素面かと思えるほど力強く私を抱きしめたのだ。勿論、こんな事は私には経験は無い。

私に抱きついたマリーは、片手で私の顎をくいっと上げるように持ち上げると、そのまま唇を重ねてキスを奪われてしまう。恋愛関係
は牧場主の様に経験豊富と言う訳ではなく、かなり不慣れな点が多いのだが、それでもこの状況は男としての本能の引きと、戸惑いの
心に羽交い絞めされている自分の感情の綱引きを、しっかりと感じ取ることが出来た。
「ぐれい〜……」
一方の彼女は私を抱きしめたまま、優しい手付きで私の体を舐める様に弄り回す。その姿は、やはり何時も見るマリーではなく、淫靡
に満ちた情婦と言った方が正しいかもしれない。ギャップのある色香に、私の意識は時々飛びそうになる。だが、ここでこのまま悦楽に
身を委ねようものなら、人知れず十字架を背負うことになるし、明日からどうこのマリーと接すれば良いか些か分からない。
「わたしはぁ〜……おねぇがい〜……してるのよぉ〜……」
私の顎を人差し指でくいっと持ち上げる仕草と共に、大人の色香むんむんな雰囲気でおねだりする。私自身こんな場面に出くわした事が
少ないのと、見慣れないマリーの雰囲気に、半ば落されかかっている自分に気づく。そんな私の内心を知る由もない酔っ払いマリーは、
男からすると止めの様な言葉を投げかけてくる。
「こいびとのぉ〜……ようにぃ〜……わたしをだいてってぇ〜……」
『抱いて』なんて言う言葉を言われた事もない私にとって、恐ろしく破壊力のある言動である。確かに私はこのマリーを恋愛感情を加味
しても堂々と好きだと言えるのかも知れない。だがしかし、それとこれとは話が大きく変わってくるものだ。
「これをみてもだめ〜……?」
戸惑っている私をピンポイントに攻撃してくる。彼女はロングスカートをたくし上げて、白いショーツをこれ見よがしに見せ付けるのだ。
色気はない白の下着だが、その素朴な下着が逆に男の劣情を誘うのだ。

これは、抱いてしまって良いと、神の思し召しなのか?そう思ってしまうほど、私の精神的には一杯一杯だった。綺麗事を言うようで全く
男らしくない嫌いな状況だが、それでも正直を言うとこの酩酊状態のマリーであったとしても、抱きたい気持ちが有るのは拭えなかった。
目の前でスカートをたくし上げているマリーの姿に、グラグラと揺れる理性の砦が一気に包囲軍から畳み掛けられる感覚をはっきりと悟る。
「………………後悔しても知らないからな……………マリー」
欲望に負けた私の口から出た言葉は、何と言うか全くの陳腐と言った方が正しい、間抜けな男が女の子に聞き返すような念押しだった。
冷静になって考えればこんな酔っ払って記憶がほのかに飛んでそうな彼女を抱くのは、男として卑怯だと思うし、何よりレイプしている
ようで気が引ける。ただ、ここまで御膳立てをされて状況がそろった今、抱かないのも据え膳食わぬは男の恥とも思えて仕方が無い。
「そうこなくっちゃあ〜……」
止めに似たマリーの猫撫で声に意識レベルでは理性コートで守られていたが、とうとう体はしっかりと反応してしまっていた。私は抱き付い
ているマリーをそのまま抱っこすると、ベットまで運んでそのまま押し倒してしまった。
「ぐれいってぇ〜……けっこうせっきょくてきなのねぇ〜…」
そんな猫撫で声がBGM代わりになって、私の体を奮起させる。滑々なマリーの素肌の感触と彼女の吐息を感じながら、服の上から彼女の
乳房をじっくりと掌で触れて、その感触をじっくりと味わう。ミネラルタウンの女の子の中ではポプリに次いでスタイルが幼児体型で、本人
も気にしているほどの貧乳さなのだが、こんな風に女の子の胸を触れることは初めてだし、何よりこのささやかなマリーの胸が心地よい。
「………………」
心地良いと思う反面、意識レベルではほのかに早くも引きかかっている意志を持っているのも、自覚できるのだ。

だが、男の性など本能で抑え込めるほど、単純ではなかった。止めよう、止めようと思えば思うほど、その意志は空回りするのだ。ましてや
目の前に自分が好きにしても良いと言う半ばお墨付きまである、マリーの姿がある。これで抑えこもうと言うのが、そもそも無理な話だ。
私は半ば執拗に服の上からマリーの胸の感触を掌に感じ、徐々に空いている方の手を下におろして彼女の身体の感触を味わいながら、彼女の
秘部を……ショーツの上からだが私にとって初めて女の子のこの場所に、恐る恐る手を付けた。
「ぅん……」
人差し指が彼女の縦筋の真ん中に触れると、反応したのかマリーがなんとも艶っぽい吐息を漏らす。女経験が無い私は、その吐息にも反応して
一瞬手を離す。こんな有り得ない状態でも経験がない分、小心者に見えて情けなくなる。だがそれでも、このマリーは微笑を浮かべて、私を
見詰めているのだ。酔狂だけでこんな艶っぽい雰囲気が出るマリーは、私自身から考えて正直まぶしかった。
「………………」
期待されているのかは定かではない。だが、最早私自身の狂気に近い性的な欲求は、意志だけでは抑え切る事はできなそうだ。気がついたら、
私の掌はマリーの秘部に添えられているのだから。ショーツの上からでも、その熱は掌一杯に感じることが出来る。
「んんっ……ぅんんっ……」
手を添えたのと同時に、縦筋に中指を沿わして上下に擦る様に触ると、マリーはそのリズムに合わすかのように、可愛らしく、そして妖艶な
1人の女の喘ぎ声が吐息と共に流れ出す。その声は耳に響くと言うより、むしろ精神的というか、心に直接響くものだった。そんな魅惑的な
マリーの姿に、両手で彼女の身体を弄りながら、私は彼女の唇に自分の唇をそっと重ねて唇を奪った。


キスをした事で、精神的に完全に退路を断った。胸を触っている手をそっと離すと慎重にマリーのタイを外し、本人が気に入っているのか
何時も着ている青色の服を静かに、そして丁寧に脱がす。その後に一つ一つブラウスのボタンを外し、胸の部分をはだけさせた状態で彼女
の姿を改めて上から見ると、やはりそれは陳腐な言葉で表すと色っぽく、乱れた姿がグッと来ると同時に狂気に満ちた劣情を誘う。加えて
私を見詰めるその顔は、色っぽいと言う言葉とは無縁な、本当に酔狂なのかと思えるほど、可愛らしい笑顔で見詰めていたのだ。
私とマリーの吐息しか聞こえない部屋の一室で、マリーに悪戯しているその光景は、私がもし幽体離脱か何らかの理由で第三者からの視点で
見るとするならば、かなり間抜けな光景に見える事だろう。本当に同意の上なのか、はたまた只の酔狂か、迷っている時点でそう思える。
「……………」
手をブラウスの中に入れ、ささやかながら感じられる乳房にそっと手を置く。確かに大きいとは言えないマリーの胸だが、その滑々で柔らかい
感触は、彼女の胸と言うことも相成って、気持ち良いを通り越して最早感涙物だった。
「んんっ……ふふ……わたしはぁ……オッパイ小さいからぁ……」
「そんな事無いと思うよ」
ろれつの回っていない口調でマリーは微かに恥らってみせる。ああ、やっぱり気にしているのだなと思いつつも、執拗に、執拗にマリーの胸を
掌で愛撫しながら、タイが外れて色っぽく露出している首筋に唇を添えて、まるで撫でる様にキスをする。最初はびくっと反応する彼女だったが、
2度3度続ける内に、彼女の口から艶っぽい吐息が漏れるようになる。

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