ドクター×クレア 春の感謝祭 ◆xdKTToiX3g
春の月、13日。春も半ばのミネラルタウンは、感謝祭を前に浮き足立っていた。
そんな中、いつものようにミネラル医院にクレアが顔を出す。
「ドクター、こんにちは」
「こんにちは、クレアくん。身体の調子はどう?」
クレアがにこりと微笑むのが答えの代わり。ミネラル医院で毎日交わされる会話だ。
だが今日は少し違う。ドクターは周りを見渡すと、クレアに身体を近づけた。クレアは
驚いたように目を丸めて、頬を赤らめた。
冬の感謝祭のこと、思い出したのかな。
そう考えて、ドクターも少し照れてしまう。
「今晩君の家に行ってもいいかな」
ドクターが小声で尋ねると、クレアはやはり、にこりと笑った。
「夕食、作っておくね」
「それは嬉しいな」
そう言うとドクターは、すばやくクレアを抱き寄せてキスをした。今度は本格的にクレ
アの顔が赤くなる。
「楽しみにしてるよ」
その日の夜。出迎えたクレアは、目に鮮やかなブルーのワンピースを着ていた。前面に
ボタンがついている、ロングスカートだ。
クレアくんのスカート姿、初めて見たな……。
自分のためだけにクレアがスカートを着たのだということに気付いて、ドクターはくす
ぐったいような思いを抱いた。
「クレアくん、その服、よく似合ってるよ」
その言葉に、クレアは目を丸くした。
「……ありがとう」
赤くなってうつむくクレアに思わず手を伸ばしそうになりながら、ドクターは部屋に入
る。とたんに夕食の香りが胃を刺激した。
「お腹空いたでしょ? 食べよう!」
「うん、いただきます」
にこりと笑うクレアに、ドクターはほっと息をつく。
クレアとの夕食は、充実したものだった。
もちろん、料理は美味だった。だがそれ以上に、クレアが目の前にいるという安心感が
大きい。
食事が体調管理のための作業になってしまったのはいつからなんだろうな。
ふと、ドクターはそんなことを思う。毎日栄養を気にしてはいるが、食事が楽しいなど
とは思っていなかった。普段はそんなことを意識したこともなかったのだ。
それがひどく無味乾燥な日々だということにさえ、クレアと出会うまで気付かなかった。
目の前で美味しそうに食事をほおばるクレアを見ながら、意識は上着のポケットの小さ
な箱へ飛ぶ。
せっかくの感謝祭なのだから、きちんとクレアに感謝の気持ちを伝えたくて、それを物
に託した。ドクターは自分が口下手なことを充分に理解していたし、上手くクレアに伝え
る自信もなかったからだ。
「ごちそうさま、本当においしかったよ」
満足そうなドクターの言葉に、クレアは微笑む。
「お粗末さまでした。やっぱり食べてくれる人がいるっていいね」
「うん。一人じゃない夕食は、やっぱり嬉しいよ」
その言葉に、クレアは少し首をかしげた。
「あれ? エリィちゃんと一緒じゃないの?」
「一緒じゃないよ。確かに彼女は住み込みで働いているけれど、プライベートは別だよ」
「そっかあ……そうなんだ!」
クレアは嬉しそうに笑うと、立ち上がった。
「待ってね、食器片付ける」
「うん、わかった」
クレアの言葉に、ドクターは目の前の食器を持って立ち上がる。
「いいよ。ドクターはお客様なんだから」
「これぐらいはしないとね」
そう言って、ドクターはさっさと食器をシンクに入れた。
クレアは苦笑して、ドクターの隣に立つ。
「ありがと。洗い物終わらせるから……」
クレアの言葉に答えずに、ドクターは後ろから彼女を抱きしめた。
ワンピースの上から、優しく胸に触れる。
「あ……ちょっ……待って!」
「洗い物は、僕が明日やるよ」
金髪を指でかき上げてドクターが耳たぶを噛むと、クレアは小さく声をあげてシンクの
端にすがりついた。
背中や腰、お腹に手を滑らせ、クレアの身体全体を愛撫する。ワンピースの布地は薄く、
クレアの柔らかな身体が布越しに感じられた。
「あっ……やぁ…お願い……」
布越しの感触にじれているのだろう。クレアは何かを求めるようにドクターを見る。
「どうして欲しいの?」
ドクターの言葉に、クレアは赤くなって顔を正面に戻した。
普段のオーバーオールでは、こういうふうには楽しめないな。そう思いながら、クレア
のお尻の割れ目に指を滑らせる
胸に手を戻すと、布越しにもクレアの先端が硬くしこっているのがわかった。手を離し
てみると、ワンピースの上からでも突起がわかる。
ドクターは首をかしげた。
「クレアくん、下着つけてるよね?」
「えっ?」
手でなぞると、ブラジャーの輪郭が確かに感じられた。
だが手をよけると、目に見えて胸の先端がぷくりと膨れている。
「あ、や、あの、それはっ……」
妙に焦っているクレアを不思議に思い、ボタンをはずしてクレアの胸元に手を入れた。
指先に感じた思いがけない感触に、ドクターの手は一瞬止まる。
ボタンをさらにはずして、彼女の胸をむき出しにしようとすると、クレアはあわててそ
の手を止めた。
「やっぱりダメ、着替える!」
「ダメだよ、クレアくん」
抵抗する手をよけて、ドクターは肩越しにクレアの胸を見る。
白いブラジャーは一見普通のものだったが、そのレースの真ん中からピンク色の先端が
飛び出していた。
そこに指を這わせると、胸を覆っている布地が割れて、小さく膨らんだ胸がぽろりと出
てくる。
驚きのあまりドクターが手を止めると、クレアは恥ずかしそうにうつむいた。
もしかして、下もだろうか。そう考えてスカートを捲ると、クレアの身体が強張った。
白いレースのガーターベルトが、ストッキングを止めている。そしてその真ん中には、
ブラジャーと揃いの白い下着。
扇情的な姿のクレアの腰をぐっと引き寄せると、大切な部分を覆う布が、真ん中から
ぱっくりと割れているのがわかった。
「あっ……もう、やだぁ……」
じっと見られているのが耐えられないのか、クレアは泣きそうな声で言う。
「本当に嫌なのかい? 下着が透けてしまいそうなほど濡れてるよ」
そっと指で下着を広げると、クレアは小さく声をあげた。
「いや、お願い…そんなに見ないで……」
「……こうされるのを期待して、僕を待ってたんだよね」
クレアの割れ目をぺろりと舐める。
「あっ、やあっ……」
力が抜けたように、クレアはシンクに倒れこむように前かがみになり、ドクターの前に
腰を突き出す形になった。
「そう言うわりに、こんなに腰を突き出して。いやらしいよ」
「そんな……違ぁ……あぁ……んっ」
ドクターはクレアの割れ目を指で広げると、クレアの花弁を吸った。ちゅっ、と、わざ
と音を立てて唇を離す。
「なにか違う? クレアくんのここは、欲しそうにひくひくしてるよ」
「やぁっ……そんな……」
もう一度花弁を吸うと、クレアの否定の言葉が途切れる。
あふれ出す蜜を舌で舐めとりながら、指で蕾を刺激する。
「あっ……私、もう……」
クレアの身体が震えだしたので、倒れないように足を支える。
「支えているから、大丈夫だよ」
割れ目に沿って舌を動かし、その先端にある蕾を舌で転がす。
奥に舌を差し込みくちゅくちゅと動かすと、さらに蜜があふれ出し、クレアの身体がひ
ときわ大きく震えた。
「んんっ……!」
小さく声をあげて、クレアは軽い絶頂を迎えた。
ドクターは深く息を吐くクレアを、後ろから抱きしめた。
「……久しぶりで、感じた?」
冬の感謝祭以来、一ヶ月ぶりのクレアの身体は、ずいぶんと感じやすくなっていた。
「ドクターのいじわる」
拗ねたように口を尖らせるクレアを、ドクターは抱き上げる。
「わっ! ド、ドクター?」
驚いた顔で見上げるクレアに、ドクターは意地の悪い笑みを返した。
「続きもここでしたい? 僕はそれでもかまわないけど」
「……二人でいるときのドクターって、どうしてそういじわるなこと言うの」
顔を赤くしながら睨むクレアに、ドクターは意地の悪い笑みを浮かべた。
「前に言わなかったっけ。好きな子ほどいじめたいんだって」
「……ほんっと、ドクターって子供っぽいよね」
そう言って、クレアはそっぽを向く。どっちが子供っぽいんだか。そう思っても口には
出さない。
ドクターはクレアをベッドに横たえて、そっぽを向いた顔を指で引き寄せて唇を重ねる。
少し乱暴なくらいに、ドクターはクレアの口内を犯した。
「あ…はぁ……」
唇の端から零れ落ちた唾液を舐め取ると、クレアはくすぐったそうに身を縮めた。
息をつくクレアの上気した顔の無防備さがほほえましくて、ドクターは笑った。こうい
う顔をするから、いじめたくなるんだ。
ワンピースを肩まではだけてクレアの胸を露出させ、ブラジャーの布を指で分けた。
「こういう下着を、クレアくんが着けてくれるとは思わなかったから、驚いた」
そう言いながらドクターは、本気で焦っていたクレアを思い出していた。おそらく彼女
の中で凄まじい葛藤があったのだろう。
「でも、なんだか……こういうのも、いいね」
その言葉に、クレアは目を潤ませた。表情の変化に、ドクターの手は止まった。
「私、胸とか小さいし、色気ないし……下手だし……いつもドクターにリードされてて、
何も出来ないから……自信なくて……」
クレアの突然の言葉はドクターを戸惑わせる。
「ドクター、どうして一ヶ月も私のことほっといたの? 飽きられたのかと思って、不安
だったんだよ」
「…………」
すがるように見つめられて、ドクターは言葉を失う。
理由はもちろんあった。冬の病院は忙しい。自然相手の仕事が多いこの町では、時間の
出来る冬にまとめて検査をすることが多くなる。その上年末のあわただしさも重なって、
クレアに会いに来ることは結局出来なかった。
また春は、クレアが忙しい。牧場の仕事が一気に増える季節に、クレアのところに押し
かけようとは思えなかったのだ。
気を使っているつもりだったのだが、まさかそれがクレアを不安にしているなどと、
ドクターには思いもよらぬことだった。
「……すまない。僕は時間を作るのが下手なんだ」
気の利いた言葉のひとつも言えれば良いのだが、結局、ドクターはそれしか言うことが
出来なかった。
「仕事、忙しいのは知ってるけど……だけど、お願い。不安にさせないで」
上手く言葉に出来ない分、ドクターはクレアを強く抱きしめる。
「うん……気をつけるよ」
その言葉に、クレアはにこりと笑った。目は潤んでいるが、いつもの笑顔だった。
「うん、気をつけて。今度私のことほっといたら、襲いに行っちゃうからね」
「……それは……むしろ来て欲しいな」
そう言いながら、胸の先端をきゅっと摘みあげた。
「んっ!」
「でも今日は、僕が襲うから」
ドクターは笑って、クレアの胸を指で弄ぶ。もう片方の胸は舌で味わい、唇で甘く噛む。
「このワンピース、いいね。前にボタンがついていて、触りたいところにすぐ手が届く」
「そんなつもりで着たんじゃないけど……」
「君にそのつもりがなくてもね。ほら、こんなふうに」
クレアのスカートの腰の辺りのボタンをはずすと、白い下着があらわになった。
指を差し込んで割れ目を丹念になぞると、ぬるりと指が滑る。
「はぁっ……ぁっ」
クレアは小さく息を吐いて、身を震わせた。
見た目は下着をつけているのに、直に触れてしまうのは不思議な感じがするなと、ドク
ターは妙に感心する。
「はぁ……ドクター、お願い…もう……」
息が上がったクレアが、途切れがちに呟く。
「もう限界?」
クレアが小さく頷くと、ドクターは指を離して身体を起こした。
「……?」
快楽に潤んだ目で見つめるクレアに、ドクターは微笑む。
「クレアくんは、身体が疼くときに自分でこんなふうに触ったりしないのかい?」
とたんにクレアは真っ赤になって、顔を強張らせた。
「……どうして?」
「聞かなくてもわかるけど。してないよね?」
ドクターの言葉に戸惑いながら、クレアは小さく頷いた。
「今日のクレアくん、ずいぶん感じやすくなっているから。欲求不満は身体に良くない
よ」
そう言って、ドクターは身体を起こした。クレアが拍子抜けしたような顔をする。
「自分で気持ちよくなる練習、しようか」
「や……やだ……」
「今のままじゃ、辛いだろう?」
「うぅ……ドクター、いじわるしないで……お願い……」
物欲しそうな顔で見つめるクレアに、ドクターは首を振る。
「ダメだよ、そんな顔しても。手伝ってあげるから」
ドクターはクレアの身体を起こして、自分の足の間に座らせる。
後ろからそっと腰を抱くと、クレアはゆっくりドクターに身体を預けた。
「まず、スカートを捲って」
羞恥心と身体の疼きとを葛藤させながら、クレアはのろのろとスカートを捲りあげる。
白い足が徐々にあらわになる様子に、ドクターはなんとなく焦らされているような気分に
なった。
「じゃあまず、自分で触ってみて」
「いや……恥ずか…しい……」
動けずにいるクレアの太ももに、ドクターは指を這わせる。際どいところまでは触れる
が、中心にまでは行かない。
「っ、はぁ……あぁ……」
空いた手で、揉むというより軽く触れる程度に、胸を刺激する。よほど敏感になってい
るのか、少し先端に触れただけでも、クレアはびくりと身体を強張らせる。
「身体が疼くかい?」
膝をもじもじと擦るクレアに、ドクターは囁いた。
「我慢しちゃだめだよ」
「……いじわる……」
意を決したのか、クレアの細い指が、そっと割れ目をなぞる。ぬめりのある液体が、細い指先を濡らした。
「……指を中に入れて、動かすんだ」
「……うぅ」
くちゅ、と小さく濡れた音が断続的に響くが、それはそのまま止まってしまった。
「……ドクター、やっぱり……怖い……」
「出来ない?」
「うん……」
「……大丈夫だよ」
ドクターはクレアと手を重ねると、クレアの中指ごと、自分の指をクレアの中に沈ませ
た。
「うくっ……!」
快感に、クレアは身を縮ませる。ねっとりとした蜜が二人の手を濡らした。
「んんっ……なに……これぇ……」
「クレアくんの中、蕩けそうだろう……凄く気持ちがいいよ」
クレアの中で指を動かしながら、ドクターは囁いた。
「君をこんなふうに感じるのが好きだよ。自信無くす必要ないの、分かるね?」
「あぁ……くぅ……」
小さく震えるクレアの身体を、片手で強く抱き寄せる。
「はぁ、んっ……そう…言うなら……」
クレアは中で動いているドクターの手を力無く引き抜いた。
「お願い……私の、中……ちゃんと…感じて……」
そうしてクレアは、ドクターの手を握る。
「……ちゃんと……気持ち…良く……なって」
「……わかったよ、クレアくん」
そう言うと、ドクターはクレアを四つん這いにした。驚いたように声をあげるクレアに
構わずにスカートを捲り上げ、真ん中の割れている下着を指で開けると、濡れそぼった
クレアの花弁が口を開ける。
すでに痛いほど硬くなったそれに、コンドームをつける。
入り口に押し付けると、クレアの身体はびくりと強張った。
「楽にして」
後ろからするのは初めてだったな、そんなことを考えながら、ガーターベルトに手を差
し込み、クレアのお尻を優しく撫でる。
「……大丈夫。ドクター、早く……来て……」
あえぎ声のようなクレアの言葉に、ドクターはゆっくりと自分のモノを中に沈めた。
「あっ……ぅ……」
クレアの甘い声を聞くと、どうしても気持ちがはやるが、それをじっと我慢する。
ぐりぐりと腰を動かし、膣の壁に先端を押し付ける。
「あんっ……!」
ある場所に押し付けた瞬間、クレアがのけぞった。
「……ここが、感じる?」
同じところを突くと、クレアは耐えかねたようにシーツを握り締めた。
「そこは……やぁ…っあ…あ……」
何度も何度も押し付けると、クレアはいやいやするようにかぶりを振った。中がひどく
狭まってくる。
「頭、おかしく……なりそう……」
「僕もだよ……クレア……」
その言葉に、クレアはさらにドクターを締め付けた。
「ドクター……あ…あっ、あぁ…んっ……」
クレアの腰を抱いて、ドクターは何度も腰を振った。パンパン、とぶつかる音が部屋に
響く。そのたびクレアは甘い声を上げた。
「あっ、ああ、ドクター、お願い、もう……」
切羽詰った言葉に、ドクターはクレアを後ろから強く抱きしめる。びくびくと、クレア
の身体が震えて、ひときわきつく中が締まる。そしてそれに促されるように、ドクターも
絶頂を迎えた。
「12時回ったね……春の感謝祭だ」
ドクターはふと気付いて、上着から小さな箱を取り出した。
「はい、冬の感謝祭のお返し」
包みを開けたクレアは目を丸くした。
中には小さな石のついた指輪が入っている。
「嬉しい……ありがとう」
クレアの幸せそうな笑みに、ドクターもつられて笑う。
クッキーの方が良かったなどと言われたら、どうしようかと思っていたのだ。
「三倍返しなんて偉そうなこと言ったけど、結局返せた気がしないなあ」
ドクターはクレアの髪を撫でながら、ため息をついた。
「クレアくんにやられっぱなしだよ。こんな下着で乱れられたら、勝ち目ないからね」
「うぅ……!」
顔を赤くするクレアを、ドクターは笑いながら抱きしめた。切羽詰るとクレアは何をす
るか判らない、そんな恐怖感を少し背中に感じながら。
「こんなの、もう二度と着けない」
「もったいないなあ……」
不意に頭の中で先ほどのクレアが蘇る。ドクターの言葉に、敏感に反応したクレアが。
「……クレア」
「えっ?」
顔を上げようとするクレアを、そっと手で押さえる。顔を見られたら、きっと言えない。
「君が僕とこうして居てくれることに、感謝するよ」
言葉を返す代わりに、クレアはドクターを抱きしめ返した。