(オイラは感謝してる。オイラの童顔はホルモンの分泌異常が原因だと、そのせいで異常性欲持ちなのを隠していたと
バレてしまった時、『私にもその苦しみを半分わけて欲しい』って言ってくれたこと。
突き放すつもりでやった畜生以下としか言いようがないすべてのことを喜んで受け入れてくれたこと。
オイラの渇望のためにオイラと同じ世界に引きずりこまれた事を後悔していないって言ってくれたこと・・・。)
端的非情に身もふたも無く要約すると、エレンはカールのために望んで調教されたわけである。
カフェキャラウエイは昨夜の突然の大雪で休業、ケティの代わりに前日から手伝っていたエレンはカールと一緒に
店内にカンツメ状態になってしまったので、仕方なくケーキを作り、お茶を飲んでいた。
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「最近ね、アンから『なにやっても無反応なブルーを思いっきりびっくりさせるか喜ばせるかする方法、ない?』
みたいなこと聞かれたんだけど・・・どうしたらいいと思う?」
「三段のデコレーションケーキも真っ青なぐらい思いっきりデコレーションするってのはどうかな?
実際、相当味のいいスポンジでもしっかり飾り付けしないと味まで地味に感じることって多いもんね。」
「うーん、でもアンってどう考えてもスポンジケーキって雰囲気じゃないわよね」
「アンだけにあんかけにでもしちゃえばw」
・・・・
日中は他に何もできなかったので、二人はしょうもない話をして日中を潰した。
日没後、己の精神を落ち着けてカールがベッドルームに入ると、既に半裸になったいたエレンは期待と不安に満ちた
焦点定まってない―――言うなればふわふわ夢心地な―――目でカールを見上げた。
カールは紐を取り出すと、跡がつかないぎりぎりの強さでエレンの手首を縛り、玩具をとりに一旦部屋を出ていった。
・・・・・・・・・・今思えば、そのときにイチゴとチョコと生クリームが大量に余っていたのが運のつきだった。
数日後
閉店間近のキャラウェイにケーキの材料を持ってブルーがきた。そして、ぼそっと
「ここ数日エレンが妙に中華料理ばっかり作るんだが、なんか知らないか?」とたずねた。
カールには特に思い当たる節はないので「ただの凝り性だとおもうよ。」と答えておいた
ブルーはどうも合点がいかなそうな顔で「なんか今日の深夜、俺に特別旨いもん食わせるって言うんだが・・・」
等といいながら帰っていった。
ブルーが還った後、カールは片付けと明日の準備を終え、床について今日有ったことを思い出していた。
(特別旨い中華料理ねぇ・・・何つくるんだろう・・・とろみとかつけるのが難しいんだよね・・・・)
そこまで考えたカールはハッとして・・・・そして青くなった。
「・・・多分、エレンは男ってのは程度の差だけでみんなオイラとみたいなド変態だと思ってるんだ・・・・
・・・それとも、一昨日オイラにケーキにされたのが本気で嬉しかった・・・????」
カールはベッドを飛び出し、青空牧場に向かったが・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・時既に遅し。
カールが青空牧場で見たのものは、本当に餡をかけられて愕然とするアンと、ショックの受けように首を捻るエレンと
目に飛び込んだその状況が理解できずにただ立ち尽くしているブルーだった。