波打ち際
ここの居心地は悪くなかった。
彼女にとって必要なものが、この上ないバランスで存在していたから。
自然と人。割合で言うなら、9:1くらいが好きだった。
生きるのに最低限必要な仕事があって、でも人は多すぎないのがいい。
でも、たまには街も悪くない。ほんの、たまになら。
誰かの気にもとまらず、ただ風にまかせて、この先もずっと。死ぬまで過ごせればいい。
深夜のわすれ谷。誰が使うわけでもなく、朽ち果てていく漁船に腰掛けて、インディゴの気配を見せ始めた風に吹かれ、ナミはじっと海を見ていた。
別に、この場所でこうやっているのが好きなわけじゃない。
こうしたいと思ったからこうしただけ。
人に聞かれれば、そう答えるつもりだった。
そんな答えは用意しているが、本当はナミは、ここでこうしているのが好きだった。
彼が、知ってるから。彼にだけは、本心で答えてしまったから。
「ナミさん、いつもここで海を見てるの?」
用意していた答えは、どこかに消し飛んでいた。
気づいたら、頷いていた。
答えたあとで思った。
嘘をつくのは嫌い。でも、嘘じゃなかったらいい。
「いつも」がどれくらい「いつも」なのかなんて、人それぞれだ。
気が向いたとき、ふっと来ればいい。
約束とか、そんなのじゃない。
そう考えたのに、毎日この時間、ここで海を見るようになって、もう一週間だ。
季節の移り変わりの早いこの谷では、ほとんど、街やミネラルタウンの一ヶ月に当たる。
毎日、彼は来た。
無愛想に話すナミに、笑顔で接した。
毎日、贈り物をくれた。
遺跡から掘り出した土偶。元手はタダだった。
ナミはそっちのほうがよかった。
金目のものをちらつかせて迫る男は嫌いだから。
こんなもの見つけたと、ナミに泥まみれの人型を渡す彼の姿はどこか子供っぽく、ナミは笑顔を隠すことに苦労した。
誰にも見せてない笑顔。
誰にも見せたくなかった。
彼女にとって、笑顔は、媚びだから。
街で男なら誰彼かまわず笑顔を振りまく女を見たことがある。
笑顔を切り売りして、男をからかって遊んでいる女だった。
その女を見てから、もともと少なかった笑顔が、さらに少なくなった。
笑いかたすら忘れたと思っていた。
しかし、あの牧場主に対しては、笑みを抑えることが難しい。
「どうしちゃったんだ、あたしは…」
表情は変えないし、視線も動かさない。ただ、自分の中の別の自分がそう言わせた素振りで、ナミは呟いた。
あの牧場主に話しかけられると心踊る自分がいる。
そんなハズはないと、必死で否定する自分もいる。
今自分が抱いている感情は、そんな俗っぽいものじゃないと、自分はそんな感情を抱ける人間じゃないとその自分は言う。
知らず知らずため息をついていた。月は中天にかかりかけている。いつもなら、牧場主と話している時間だった。
来ないのかな。
唇だけでその言葉を紡いだ。
漁船を降りて、少し海辺を歩いてみる。
ぶらぶら歩いているつもりでも、目はほとんど海とは逆のほうを見ていた。
そのままあてどなく歩き続け、気づいたらもう、日付はだいぶ前に変わっていた。
今日は、来ないのかな。
安堵と残念さがないまぜになった感情が彼女の胸を満たす。
こんな日もある。そう、わざわざ心の声を大きく張り上げて、ナミは宿へ足を向けた。
次の日も、ナミは一人だった。
夜の浜辺に突っ立って、空にかかる月を眺めている。
二日くらい来ないこともあるさ、と、自分の中で他人を弁護する自分が信じられない。
ふらふらと漁船に腰掛けた彼女の表情は、複雑だった。
そう。また、ここにいる。あの人を、待って。
もうはっきり言える。
自分は、あの人を待っている。
何度も何度も、自分の中からあふれ出すその感情は、拭っても拭っても形を保ち続けて、ナミの中に固まってしまった。
どんな感情か。答えはわかっていた。待っているという答えが出たなら、まったく同時に出る答え。
肯定したくないのは、ただの意地。
そんなことができる人間じゃない。そんなことをする人間じゃない。
卑下しているのか、達観しようとしているのか。
どっちか分からないまま、自分で自分に枷をはめて、それをまた自分で食いちぎろうともがく。
そんな葛藤を胸に、ただ、波打ち際を見つめる。
答えを叫びたい。そう訴える、縛り付けられているほうの自分がもがくのを押さえ込む。
押さつけている理由は、ただの意地だとわかっていながら。
「…ナミさん」
少しだけ早くなっていた鼓動が、突然倍ほどに早まる。振り向くと、待っていた人がいた。
「ごめん、昨日、うちの牛が出産してさ。難産だったから、ずっとついててやんなきゃいけなくて」
暴れまわる心臓をなだめながら、彼の顔を見る。申し訳なさそうな顔。この顔は、自分に対して向けられている。
なんとなく、居心地が悪い。謝られるようなことはしてない。自分が勝手に待っていただけだ。
怒りがこみ上げ、その怒りはなぜか、彼のほうに向いた。
「牛って、かわいい?」
「…うん、最初は大きくて驚いたけどね。世話してたら、情が移って」
「大事?」
「そうだね。犬も馬も、鶏もだけど、大事な家族だから」
「あたしを、寝不足にするくらい、大事?」
「…あんまり秤にかけたくないな…」
「いつもここにいるあたしを、放っておくくらい、大事?」
「同じ基準で比べられるものじゃないよ」
わかってる。正論だ。自分がやっているのは、愚かな女の問い。
しかし、感情はとまらない。
「…あたしは、待ってたんだ」
その言葉を出すことにもうためらいはない。
今までにないほど、感情を顔に出している自分がいる。
「…ごめん」
謝られた。
違う。自分が求めている答えとは違う。
求めていたものがどんな答えか自分でもわからなかったが、違う。
家畜は命をつなぐ資産。それにかかりきりだったからと、謝る彼。そのことにも、腹が立った。
自分勝手な怒りの波が、ナミの感情の防波堤を決壊させた。
己に問いかけ、追い詰めて、答えを迫っているだけでは、決して破れることのない堤。
「こんなに、こんなに…」
目に熱いものがこみ上げ、横隔膜は痙攣を起こす。
「…きなんだよっ!」
…なにが「こんなに」だ。彼に伝わるはずがない。
わずかに残った堤の一部が、この上なく冷徹に己を揶揄する。
…最低。なに?自分の考え、まるごと相手に伝わるとでも思ってる?
…「こんなに」なんて、自分からしか見てないじゃないか。
…自分が作った壁、わざわざ自分で壊しちゃったりしてさ。
…そんなもんなの?あんたのプライド?
…だいたい、言葉がつながってない。
…唐突でしょ。いきなりそんなこと言ってさ。あんなに考えないようにしてたこと。
膝を抱えて蹲るナミを、冷たい目で容赦なく蹴りつけるナミが、ナミの脳裏に浮かぶ。
もはや彼の顔を見れない。
…なんで…言っちゃったんだっ…!
目を瞑って、拳を握り締めて、後悔に押しつぶされそうになる。
あふれ出た言葉の意味がなくなることを祈る。なくなるわけがないのに、ただ、祈る。
膝に力が入らなくなり、砂浜にしゃがみこんでしまう。
そんな姿の自分を他人に晒す、その情けなさが全身に這い登り、ナミは、泣いた。
後から後からあふれ出る涙を、子供のように手で拭いながら。
人前で、枷を解き放つ行為は、自分にここまでダメージを与えるのか。
受け入れてくれるはずが、ない。
こんな自分を、受け入れてくれるはずが。
どんな理由であれ、人前で泣くような女は、あたしの一番嫌いな女だから。
何もかもが、自分を責めているように思えた。むき出しの脛に食い込む砂が。いやに大きく響く潮騒が。そして、自分自身が。
彼はもう去っただろうか。足音がしないから、まだ、いるのだろう。
嗚咽の波が引き始め、ナミは少しずつ冷静になる。
無理やりにでもいつもの自分を取り戻したい気持ちは、それでもまだうねる感情に巻き込まれて、捻れた。
「好きって言ったんだ…」
半ば自棄だった。開き直って、自分の感情に正面から向き合う。
ずっと眼を背けてきたそれは、思いのほか、綺麗に思えた。
顔を上げて、愛しい人を見る。
彼に、表情はない。だが、瞳の奥に、海よりも大きく自分を包み込んでくれる優しさを感じる。
…受け入れて、くれるの…?
かなぐり捨てたと思っていた意地が、その胸に飛び込むことをためらわせる。
その意地が、さらに思考をねじれさせる。
綺麗に見えた自分の思いに、泥を塗る。
「…誰かと、賭けでもしてたの?」
…下衆もいいところの邪推。
「あたしを落とせるか、なんて」
バカなことを言っていると思った。そんなわけない。彼が、そんなことするわけがない。
必死で否定するナミを無視して、体は勝手に立ち上がり、彼に詰め寄る。
「よかったわね、勝ったのね、そうだ、あたしにも分け前くれるでしょ!?あんたを勝たせてあげたんだから…ッ!?」
口から溢れる心にもない言葉は、抱擁で遮られた。
「そんなこと、してない」
彼の声を、かつてなく近い距離で聞いた。
「でも、好きになってほしかったのは本当だよ」
涙の意味が変わる。
「先に、僕が、好きになった」
…嬉しい。
好きにさせられたのに。
こんなに、嬉しい。
「…ぁぁ…」
信じられないような吐息が出た。
…やっぱり、女なんだな、あたし…
冷静に、しかし優しく己に語りかける自分。
気づいたら、彼の背中に手を回し、泣いていた。
「…早すぎない?」
「かもね。でも、けじめつけときたい」
「何に?」
「自分に。自分の、気持ちに」
牧場。彼の家。狭いベッドに、二人は生まれたままの姿でいた。
…けじめなんてものじゃ、ないけどさ…
ただ、既成事実を作りたかっただけだった。
そんな狡猾さが自分にあったことにも、彼女は驚いていた。
そして、その狡猾さの裏には、彼に全てを捧げる覚悟がある。捧げてほしいという願望もある。
つまりは、この言葉に集約される。
「…好き…」
恥じらいはあれど躊躇いなく、まっすぐ彼の目を見て言い、逞しい胸に飛び込んだ。
そしてそのまま、唇を重ねる。
初めてのことなのに、意外に緊張はしていなかった。
今、ナミの胸の中を一番大きく占めているのは、高揚感。
手が、彼の下半身に伸び、彼自身に触れる。
色事の手順など知らない。ただナミは、自分の体が求めるままに動いていた。
それの、形、温度、硬さ。全てを確かめようと、手を蠢かせる。
不意に唇が離され、気づいたら背中にはベッドのシーツ。
「無理しなくていいよ…」
間近に、彼の顔。
無理はしていないつもりだった。
あったのは、妙な義務感。
…誘ったのは、あたしだから…
しかし、彼に任せてみるのも悪くない。
細かいことを気にしても、仕方ないのかもしれない。
返事の替わりに、キスを返した。
見下ろすナミは、いつものナミではない。
何事にも興味を示さないストイックさも、ふとした瞬間に見せる寂しげな表情もない。
彼に組み敷かれているのは、ただ一人の少女。
自分の気持ちを素直に出せない、ただの女の子。
女性を賛美するあらゆる言葉が、脳裏をよぎる。
触れるだけで壊してしまうかもしれない。
そんな存在を、今、自分は布団に押さえつけている。
彼女は拒絶などしないで、むしろ待ち望んだ目で自分の顔を覗き込んでいる。
この上ない興奮を、覚えた。
下半身が滾る。
…触れたい。
衝動が抑え切れず、しかしわけのわからない背徳感も感じつつ、その右手はおずおずと彼女の胸に触れた。
その瞬間、ナミの体がピクリと反応を見せる。
円を描くように手を動かすと、ナミは刺激に弄ばれるように身を捩じらせる。
…経験が、ないんだ…
自分もそうだ。上手くいくだろうか。
しかし体は抑えがきかない。どうとでもなれという気持ちになり、どうとでもなると感じた。
ナミの形のよい胸に顔を埋め、頬に触れた突起を口に含み、そのまま舌で舐り回す。
「あ、う…」
押し殺した声が聞こえた。耐えるような反応に、興奮が高まる。
…もっと、聞きたい…
己の欲求の赴くまま、舌で転がし、甘噛みし、吸う。
右手は右手で、握りつぶすように、撫でるように、包み込むように揉みしだく。
「んあ、あ、あうぅ…っ!」
空いた左手が、ナミの腹部を滑り、薄い茂みを探り当てた。
「あぁっ…」
ナミの腕が彼の背中に回される。
彼は構わず、指を合わい目に沿って滑らせた。
そこは、しっとりと湿っていた。
指先を鉤状にし、液を拭うように蠢かせる。
「ああ…ん、はぁっ…!」
ナミの喘ぎとともに、湿り気は、除かれるどころかますます増していった。
…なぞるだけで、こんなに…
指を二本にし、そこを為す要素のひとつひとつを撫でる。
「はぁ、はぁ、はぁんっ、く、うああん…」
愛液はもう、彼の指がふやけるほどに溢れつつある。
「ナミさん…、もう…」
我慢の限界を覚え、ナミの秘裂に滾った己を押し当てた。
「待って…!」
「…何?」
…焦りすぎたか?
「もう、「ナミさん」なんて呼ばないで…」
「…ナミっ…!」
「来て…」
胸の底からあふれ出る愛おしさとともに、腰を押し進める。
「く、うんっ…!」
「い、痛い?」
「大丈夫、大丈夫だから、そのまま…」
ついに彼の腰が、ナミの腿に触れた。
彼女のそこは、初めての侵入者を、きつく、締め付ける。
「…入った…よ…」
「うん…」
彼は額から汗を滴らせながら、ナミは涙を滲ませながら、しかしお互いにお互いの顔を慈しみを込めて見つめ合った。
「う、動いて…いい?」
「うん、でも…」
恥ずかしそうな表情。
「その前に、ぎゅっ…て…抱きしめて」
なんとも言いがたい感覚が全身をめぐった。返事を、行動で返す。
ナミも、彼の背中に回していた腕に力を込める。
「愛してる…」
「僕も…」
短く言葉を交わし、彼は律動を始めた。
局部から引き出されるそれは、彼女の血と愛液で、マーブル模様に彩られていた。
明らかに耐えている女性の顔を見下ろし、昂揚とともに、痛ましさを覚え、せめて優しく動こうとする。
その甲斐あってか、ナミが苦痛を感じていたのは、最初のうちだけだった。
「あぅん、あ、んあ、もっと、もっと…動いて…っ!」
「…っ!ナミ、ナミッ…!」
供に初めてとは思えないほどの快楽が、ぞわぞわと肉体を染め上げる。
うわ言のようにお互いの名を呼びながら、二人の動きは激しくなっていった。
ナミの腕にはより強く力がこもり、乳房は胸板に押され、潰れる。
「ふああ、あん、や、はああっ!あ、っ…?」
彼の動きが不意に止まり、ナミは「なぜ?」と言いたげな視線を返した。
「…あの…ナミ…その…」
「…何・・・?」
「後ろから…その…」
出た言葉はそれだけだったが、ナミには言いたいことがわかった。
夢中だったはずなのに、そんなことを考える彼が、可愛く思える。
笑いを含んだ吐息をひとつもらし、ナミは体を上にずらして怒張を引き抜くと、反転して膝を突き、彼に臀部を向けた。
濡れそぼった性器や、窄まった菊座が、彼の目に触れる。
新雪のように輝く肌と、愛液にぬめる性器の対比が、なんとも言えず淫猥だ。彼は、少しの間見とれていた。
「早く…恥ずかしいんだから…」
その声に我に返り、慌ててもう一度侵入する。
先ほどまでとは違い、二人がつながっている部分があからさまに目に入る。
「んあんっ!ふぁあ、んう…!」
ナミはナミで、角度の違う侵入に、新たな嬌声を上げた。
左腕で体重を支え、上体をひねって右手を彼の首に回し、唇を求める。
「んむっ、う…ふぅ…」
3度目のキス。互いの舌が、人体から離れた別の生き物のように絡み合う。
唇を離したとき、覗き込んだナミの目の途方もない媚びた光に射抜かれ、射精感が一気に押し寄せた。
「ナミ、もう…っ!」
「あたしも、あたしも、もう…!ああああああああっ!」
その声を引き金に、ナミの胎内に、灼熱の白濁がぶちまけられた。
ナミの膝から力が抜け、二人はつながったままベッドに沈む。
「…嬉しい…」
「僕も…」
彼がナミの背中から退こうとすると、ナミの腰がそれを追うように浮き上がった。
「…ナミ?」
「あ、その…」
少しみっともない格好だったことを自覚したのか、ナミは顔を赤らめ、続ける。
「もう少し…」
「…重くない?」
「それも…気持ちいいの…」
しばらく二人はそのままでいた。
素肌に伝わる体温や、呼吸、小さな身じろぎ、全てがけだるい心地よさに包まれている。
互いに感じているのは、この上ない一体感と、掛値ない幸福感だった。
どれだけ時間が経ったか。ナミのくしゃみに、慌てて布団を被り、寄り添う。
暗がりの中、夜目に見るナミの表情は、微かに緩んでいた。
考えてみれば、こんな顔を見たのは、これが初めてかもしれない。
それは、想像していたよりも、遥かに魅力的だった。
…やっぱり、ナミしかいない。
もっと、笑顔を見たくなった。
ずっと、笑顔を見たくなった。
いつの頃からか固めていた覚悟は、生涯を通せる確信を得て、さらに強固になった。
「あのさ、ナミ…」
「ん?」
彼は続きを言うのではなく、枕元の戸棚から、何かを取り出した。
「何?これ?」
「青い羽…そのままだけどさ」
真剣な眼差しがナミに向けられた。
「これさ…わすれ谷では、結婚を申しこむときに、相手に渡すんだって」
「…!」
「受け取って…くれる?」
「…気が早いよ…」
「わかってるさ。でも…」
「もうちょっと、このままでいても、悪くないと思うよ、あたしは」
「……そんな」
「だから、さ。結婚…しちゃったらできないこと、あると思うんだ」
「…どういう意味?」
「…恥ずかしいこと、言わせないでよ…いらないとは言ってないよ…」
どうやら受け入れてくれるらしい。彼は微笑んで、背を向けてしまったナミを、後ろから優しく抱きしめる。
「バカ、また大きくなってる…」
「ナミのせいだよ…」
「今夜は、もうしないからね…」
「わかってる…」
そうは言ったが、自分の腕に包まれたナミが、もじもじし始める。
彼女から言い出すのを待って、彼は目を閉じた。
結局そのまま寝てしまい、翌日、ナミは口を聞いてくれなくて、なだめるのに苦労した。
それから、インディゴの月いっぱい、二人は恋人という関係を満喫し、翌年、晴れて夫婦となる。
ウェディングドレスをまとったナミの顔は、今までにない満面の笑顔だった。