リック×カレン
「私ね、泉には女神様がいるって信じてるの」
普段は、酒を酌み交わす幼なじみ。
姉御肌でさっぱりした性格のカレンが、いつか言っていた。
泉にいてもいなくても。
朝の光を浴びて、罪の意識が襲ってくるリックにとって、カレンは救いの女神だった。
何気ない会話と健康的なやりとりが、リックの救いになっていた。
よく考えてみれば、妹の処女を奪い、母親とは姦通している、とんでもない男だと、
リックが落ち込んでいると、カレンがいつもの笑顔で現れる。
「おはよっ」
どうしたのかな。と、リックが落ち込んでいるのを察する。
でも言葉には出さない。だいたい予想はつくからだ。
リリアさんとのことは知っているし、夏になってカイが来てからというもの、
リックがポプリのことを話さないことはなかったのに、ここのところ名前も出さない。
「海、見に行かない?夜の海。私、大好きなんだ」
なんとなく、誘ってみた。
リックが力なく笑って「わかった」と言った。
いつものことだ。リックがカレンの身体を求めるのは、落ち込んでいるときが多い。
だから、海を見に行くというより、海でしようよ、と言ったようなものだ。
夜、ミネラルビーチに現れたリックを抱きしめる。
自前のワインを持ってきていたので、それを勧める。
誰かが置きっぱなしにしているレジャーシートの上で二人でワインを一本あけた。
リックの隣にぴったりと身体を寄せて座って「疲れてるね」と言った。
「疲れてはいないんだけどさ…」
「そぉ?私が調べてあげよっか?」
悪戯っぽく笑って、カレンがリックの股間に手を伸ばす。
「私で良かったら、遠慮しなくていいんだよ?」
「俺は…」
今度はリックがカレンに縋り付いた。
そのまま、カレンにキスをする。
「やん…そんなにがっつかなくても大丈夫だよ…?」
カレンが一応抵抗してみせる。
こうすることでしか、リックは救われないのかな。ふとそう思う。
「俺は…」
カレンをレジャーシートの上に押し倒し、カレンにキスをする。
リックが涙目になっているような気がした。
「リック…私は大丈夫だから…好きにしてイイよ」
同情でセックスするわけじゃないけど。ほっとけないと思う。
カレンのシャツを捲り上げて乳房にむしゃぶりつく。
「やだ…乱暴にしないで…」
いつものカレンのキップの良さがだんだん色気に変わっていく。
「カレン…ごめん」
何について謝られているのかはわからなかった。
「もうっ」
と言ってリックの顔をぐいと引き寄せ、キスをする。
「エッチするんなら、気持ち良くして…?」
波の音と風の音が気持ちいい。潮風と汗で二人の肌はじっとりとしている。
「ごめん」
「謝らない!」
カレンそう言うと、リックが笑った。
「じゃ、俺がご奉仕します、お嬢様」
冗談めかしてそう言って、カレンにキスをした。
「よろしい」
カレンはリックに身を委ねる。
服を上から全部脱がされた。自分は胸はあまりある方ではないとカレンは思う。
下もショートパンツとショーツを一緒くたに脱がされて、あっという間に裸にされた。
最初は、乳房を揉まれる。片手で揉みながら、反対側にはキスをする。
ちゅっ、ちゅっ、と胸の突起を吸われる。
「やぁん…」
すぐに気持ちよくなって、思わず脚を開いてしまう。
脚の間にリックの指がすっと入る。
指を一本、スリットに入れられる。ぐちゅぐちゅと掻き回される。
「あぁんっ…」
そういえば、ザクとホアンがすぐそこにいるんだっけ、と思うが、
まぁいいか、とカレンは思う。
「もうちょっと頂戴…」
指が二本に増える。一本の時より、中でいやらしい動きをする。
「やぁっ…いやん…でも…気持ちイイよ…」
こういうところでするのも楽しいかも、と密かに思う。
指が三本に増えた。
「あぁっ…」
よがり声をあげて、思わずリックにしがみつく。
腰が自然に動く。
「指より…リックの…がいいよぉ…」
慣れた手つきでリックのペニスを取り出す。
「ほらぁ…もう元気じゃん…」
「早くない?」
リックが訊ねる。いつもはもっと丁寧に体中を愛撫しろとか言うのに。
「いいの…今すぐ欲しいの…」
そう言って、自分の指で自分を開いてリックに見せる。
「ここに入れて…」
そのまま、リックはカレンに覆い被さり、言われた通りにする。
「あんっ…」
もう、慣れた身体だ。イイところも簡単にわかる。
ずんずんとカレンの奥を突き、カレンを思う存分よがらせる。
「あぁっ…あぁん…イイっ…リックって上手…」
そのままカレンに腰を打ち付ける。
「やん…イッちゃう…リックも出してぇ…」
腰の動きを速くする。カレンの腰も自然に浮いて、リックの動きに同調する。
カレンの中がびくびくと痙攣して、ぎゅっと収縮し、リックもその中に精を放つ。
「んふ…」
一回イッて二人でぼんやりしていると、カレンが笑う。
裸のままで、四つん這いになって、リックの股間に顔を埋める。
「キレイにしてあげる〜」
酔いも回ってきているらしい。それはリックも同じだけれど。
リックをあぐらをかいて座らせて、さっき力を出したばかりのペニスを弄ぶ。
最初は指でちょんちょんとつつく。
ぴく、とペニスが反応する。
次に指ですっとなぞる。先端を、くびれを、カレンの細い指がくまなく触れる。
ペニスが次第に力を増す。
「元気〜?」
カレンはペニスに声をかけ、ぱくり、と銜えた。
いつも一方的に、そして暴力的とも言えるようなセックスばかりしていた気がする。
一方的にリックが求めてきた。カレンは何も言わずされるがままだった。
だから、こんなことは今までなかったんじゃないか、とリックは思う。
「私がご奉仕してあげる〜」
ついさっきとは逆のことを言って、リックのペニスを舌で責める。
「んぁっ…」
今度は、リックが声をあげた。油断していた。
カレンは、思っていたよりずっといやらしい舌の使い方をした。
ちゅぱちゅぱと音をたててペニスを吸い、
「おいしい…」
と呟いてはまた貪った。
いつの間にか、リックのものは再び力をとりもどし、屹立している。
じゅるっ、じゅるっ、とペニスを吸う。
指を添えてしごきながら、先端をしゃぶる。
「カレン…あの…」
リックが、しまった、と思った時にはもう衝動を止められなかった。
「ん?」
と一瞬カレンが口を離した瞬間、精液が発射された。
カレンの顔にもろに白い粘液がかかる。
「やだぁ…反則ぅ…」
カレンは一瞬むっとした顔をしてみせたが、すぐに
「いーこと思いついちゃった」
と、言ってリックの服も脱がせ始めた。
精液のかかった顔をそのままにして、リックも裸にする。
「ね、せっかく夏だし、海にはいろ」
そう言って、リックの腕をひっぱる。
ざぶざぶとためらいなく、生まれたままの姿で、カレンが海に入って行く。
リックもそれにつられて海に入る。
顔をざぶざぶと海で洗い、カレンが笑う。
リックも思わず笑顔を返す。
「一回裸で海に入ってみたかったんだ」
カレンは海が好きだ。特に夜の海が。
「ね、こうしてると、自然に一つになれそう…」
そう言ってカレンがリックの首に腕を回す。
二人とも素っ裸で、海の中で、抱き合った。
「もう一回頑張れるかな」
思わずリックが呟く。カレンの美しい肌の感触と、胸の膨らみを
直に肌で感じて、リックの中心は再び頭をもたげている。
「やん…立ったまま…?」
抱き合ったまま、カレンが見つめる。
「んふふ…いいよ…でも、それだったら、後ろからにして…」
そういって、リックの腕の中でくるりと後ろを向く。
リックはカレンの脚の間に指を入れ、場所を確かめてから、ペニスをあてがった。
「入れるよ?」
「…来て…」
カレンが心持ち腰を落とす。リックの腰の動きに合わせて、カレンも動く。
「あァ…っ」
自分で胸をまさぐりながら、カレンが切ない声をあげる。
「すごい…イイかも…」
ずん、ずん、とリックがカレンの中に進入する。
リックがカレンの脚を抱える。海の中なので重さは感じない。
「やだぁ…このカッコ…恥ずかしいよぅ…」
「誰も見てないから大丈夫」
そう言って、リックは一気にカレンの中に自分を入れる。
「あァん…っやっ…イク…あ…はァん…」
「俺がイクまで何回イク?」
「いやん…リックの意地悪…んっ…あァッ」
この体勢ではカレンはすぐに達してしまうらしい。
何度も何度も背を仰け反らせ、あンあンとよがり声を海に響かせる。
「あ…俺もイク…」
「早くしてぇ…」
リックが、カレンの中に吐精する。
「あァ…ッ」
もう一度、カレンが絶頂に達した。
海から上がり、お互いを弄びながら、身体を乾かし、服を着た。
「カレン…ありがとう…」
リックがカレンを後ろから抱きしめて囁く。
「いいよ、そんなこと。私も気持ちよかったし。今日はすっごいたくさんイッたわ」
こんな形でしか、リックを救えないのかなと、カレンは思ったが、
それでもいいかと、口には出さなかった。
「また、エッチしよ」
また、しんどい時には頼ってね、という意味を込めた。
「…ありがとう…」
リックには、その意味がちゃんと通じたようだった。